地元を離れて東京で暮らしたいという夢をもっていても、金銭面の理由で上京をあきらめる人は多いです。
東京は物価が高く、人によっては覚悟をもって引っ越さないと生活がままならなくなってしまうというのも事実です。
また、中には「お金がないなら、東京に行っても仕方ない」と言う方もいます。
ただし、学校の多さや仕事の見つかりやすさなど、東京はチャンスや成長の機会が地方より転がっていることは間違いありません。
お金がなくても、状況して節約しながら東京で暮らすことは可能なのでしょうか?
上京にかかる費用が知りたい
それでは、上京するにはどのくらいの費用がかかってくるのでしょうか。
初期費用
初期費用というのは、賃貸契約の際にかかる費用のことです。
今回は1人暮らしする際に最も選ばれるワンルームや1Kといった間取りの家賃相場を例に考えていきましょう。
項目 | 家賃6万円の住居にかかる費用 |
---|---|
敷金・礼金(家賃1カ月分) | 12万円 |
仲介手数料(家賃1カ月分) | 6万円 |
前家賃(家賃1カ月分) | 6万円 |
鍵交換費用 | 2万円 |
火災保険 | 1.5万円 |
保証会社利用料 | 家賃50%~100% |
上記の表からおよそ30万円前後の費用が発生いたします。
30万円も高すぎて払えないという方もいると思います。
安心してください。
ここからさらに費用を抑えていくポイントがいくつかあります。
まず、敷金礼金は0円で抑えられるので、敷金礼金がかからない物件を選ぶことが重要です。
仲介手数料も事前にどのくらい発生するのかを確認してみましょう。
場合によっては、仲介手数料が無料であったり、安くなったりする場合があるので交渉が重要になってきます。
鍵交換は任意で行っているところもあるので、必要なければする必要はありません。
セキュリティ面なので、心配があるようでしたら鍵交換は必要です。
前家賃は、実家から上京の場合費用はかかりません。
これだけでも20万円の費用を節約することができます。
引っ越し費用
続いて、引っ越し費用について説明します。
引っ越し業者にも繁忙期と閑散期があり、値段も大きく変わってきます。
1月~4月(繁忙期) | 5月~12月(閑散期) | |
---|---|---|
500㎞未満 | 約8万円 | 約6.5万円 |
500㎞以上 | 約9万円 | 約7万円 |
移動の目安として、東京から大阪までの距離がだいたい500㎞くらいになります。
引っ越し業者は距離と重量から値段を設定しているため節約できる部分は節約していきましょう。
家具家電・日用品
上京の際は、家具・家電を最低限用意すれば生活できます。
わざわざ新しい家具を買う必要はありません。
洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなど必要最低限のものを買いましょう。
電子ケトルは一人暮らしでかなりおすすめです。
炊飯器などがなくてもお湯さえあればなんとか生活できるので、もっていない人は買うことをおすすめします。
毎月の生活費
毎月の生活費は、人によって違います。
メインが家賃代になってきますが、その他光熱費などの費用がかかってきます。
項目 | 家賃6万円1人暮らしの生活費 |
---|---|
家賃 | 6万円 |
食費 | 約2万円 |
水道光熱費 | 約8千円 |
スマホ、通信費 | 約6千円 |
日用消耗品 | 約5千円 |
趣味・衣類など | 約1万円 |
合計 | 約10万9千円 |
このように月々10万円前後はどうしても必要になってきます。
しかし、節約次第ではさらに費用を抑えることもできます。
食費は毎日外食などをしていると何万円と出費してしまうので、できるだけ自炊を心掛けてください。
日用品も上京する段階で、まとめて購入すると金額が高くなってしまうので一度に購入せず、必要な時に購入しましょう。
趣味や衣類もお金がたまるまでは必要最低限に抑えることで、上京してきてもある程度生活はできます。
無駄な出費を抑えて、節約することを常に考えるようにしていきましょう。
住まいにかかる費用を抑えて東京で暮らすコツ
お金がないけど、上京したいという方は場所選びが重要です。
なるべくお金をかけずに最低限の費用で上京するために場所は比較しながら検討していきましょう。
住み込みの職場探し
企業によっては、社宅や寮などがあり、住み込みで働ける職場があります。
社宅や寮の場合は家賃が無料であったり、2万円以下などの好条件もあったりするので、探してみるのもおすすめです。
また、家賃補助を出してくれる企業もあるので、毎月浮いたお金を生活費や貯金に回すこともできます。
しかし、住み込みの仕事は倍率が高いので、内定につながりにくいので注意しましょう。
親戚や友人の家に住ませてもらう
上京してぎりぎりのお金で生活するのが不安という方は、最初は都内に住んでいる親戚や友人の家に住ませてもらうのも一つの方法です。
都内でいきなり生活を始めるとなると、慣れない土地での生活なので、不安要素も多くあるでしょう。
都内の生活に慣れるまでかある程度まとまったお金が貯まるまでは、親戚や友人の家に住ませてもらうのをおすすめします。
シェアハウスに住もう
お金があまりなく、上京して新しい土地での生活に不安があるようでしたら、シェアハウスを利用してみるのもおすすめです。
シェアハウスの場合は、敷金礼金がなく、初期費用が3万円代で住める物件が数多くあります。
最近のシェアハウスですと、テラスハウスを想起させるような素敵な物件も多数あり、入居者が抜けるのも待っているぐらい人気です。
また、六本木や渋谷、新宿などの都心に安く住むことができるのも魅力の一つです。
シャアハウスに住むとさまざまな人たちと共に生活していくので、友達ができたり、都内の生活に慣れている人からアドバイスをもらったりなどよいメリットが多くあります。
あまり他人とは関わりたくなかったり、1人の時間を大切にしたりしたい人はおすすめしません。
共同生活なので、ある程度のルールが設けられる場合もあります。
洗濯や洗い物など同居する人によってさまざまですが、ある程度ルールを決めておかないとお互いに生活しにくくなってしまうので、注意しましょう。
お金に余裕ができるまでの短い期間で考えてみるのもいいでしょう。
ゲストハウスに住む
お金に余裕がない方にはゲストハウスもおすすめです。
立地や部屋の広さにもよりますが、ゲストハウスは比較的家賃が安く設定されています。
また、家具や家電、インターネットが最初から付いているので、費用もかからずに引っ越しができるというメリットがあります。
家具などを運ぶための引っ越し費用もかからず、手軽に上京し、生活できるのもいいところです。
家賃を安く抑える物件選びのポイント
費用を抑えるならまずは物件選びが重要です。
いきなり家賃が高いところに住み、生活が困難になり、安い物件に引っ越すことになるケースも多くあります。
お金がないうちは自分の収入と支出から最低限の生活を送ることができる物件を選んでください。
物件を選ぶ際は、自分の職場からの距離や駅周辺の状況などあらかじめ調べてくことをおすすめします。
自分で足を運んだ際に少し歩いて様子を見たり、インターネットで調べてみたりしましょう。
駅から少し離れれば、安い物件も多くあるので、検討してみてください。
賃貸物件が安い時期を狙おう
家賃物件に安い時期があるというのを知っていましたか。
実は、新生活が少し落ち着いた、人の移動が少ない4月下旬から8月は賃貸物件が安い時期になっています。
4月下旬から8月は閑散期に入るため、不動産会社もできるだけ多くの物件を売るために、お得なプランを組んでいることが多いです。
転職の際に少し時期をずらしたり、閑散期を狙ったりすると節約できるかもしれません。
物件が高い繁忙期は、新生活シーズンの1月から3月、新生活に向けて早めに動き出す11月から12月、転勤が多い9月から10月となっているので、注意しましょう。
この時期は物件の取り合い戦争が起きるので、昨日まであったはずの物件が次の日にはなくなっていることがほとんどです。
安くていい物件はすぐになくなってしまうので、だらだらと決めるのではなく短い期間で物件を見比べて決めていくのがいいかもしれません。
上京費用を抑えたいのであれば繁忙期はなるべく避けるようにしましょう。
ゼロゼロ物件を探そう
敷金礼金がかからない物件を探していきましょう。
敷金というのは、大家さんに支払う担保のようなものです。
退去する際にハウスクリーニング代などを差し引いた金額が自分の手元に戻ってきます。
毎月家賃と一緒に請求されるためお金に余裕がない場合は、敷金は0円でも問題ありません。
礼金というのは、大家さんにお礼の意味で支払うお金です。
礼金については戻ってきません。
なので、礼金に関しても0円で取り扱っている物件を検討することをおすすめします。
敷金礼金がない物件を選べばその分引っ越し費用が安くなります。
しかし、敷金礼金がない分の金額を家賃や仲介手数料に上乗せする物件も中にはあるので注意してください。
大家さんによっては交渉次第では、敷金礼金がある物件でもなしにしてくれる場合もあるので、確認してみるのもいいでしょう。
フリーレント別件を探そう
フリーレント物件を探してみましょう。
フリーレント物件とは、入居後の家賃が一定期間無料になるため引っ越しの初期費用を抑えることができます
さらに家賃無料だけではなく、前家賃などにかかる費用以上に敷金や礼金など賃貸契約する上でかかってくる初期費用の90%以上が無料になります。
ここまで安くなってくると、怪しいと感じたり、訳あり物件だと疑ったりするかもしれません。
フリーレント物件は決して怪しいものではないので安心してください。
そもそもなぜこんなに安く済むのかというと、賃貸物件を所有している大家さんは常に、物件の固定資産税や管理費といった諸費用が発生しています。
入居者が少ないと費用が積み重なり、赤字経営につながってしまいます。
そこで、最初の家賃1~2カ月を無料にしてでも入居者を増やすことで、赤字でも管理費などを支払ってもらった方が大家さんも収入面で安心するのです。
中には短期違約金が発生する物件もあるので注意してください。
入居してから1~2年間は退去できないなどの契約もある場合があるのでよく確認してみましょう。
東京への引っ越し費用を抑えるコツ
引っ越し費用を抑えるのは物件選びだけではなく、荷物を減らしたり、運び方を工夫したりとさまざまな方法があるので確認してみましょう。
荷物を減らす
まずは、最低限の荷物になるように荷物を減らしていきましょう。
余計なものがあると運ぶ際の費用が増してしまいますので、荷物は少ない方がいいです。
洗濯機や冷蔵庫など大きいものを運ぶとなると費用が大幅に増えることもあるので、電化製品を新しく購入する際は新しい住所に送ってもらうように必ずしてください。
また、電化製品を上京の際に持っていくよりも都内でセット売りの電化製品を購入した方が安い場合もあるので、確認してみましょう。
家具・家電は、中古品やセット売りを狙う
家具・家電を購入する際は、中古品やセット売りの購入をおすすめします。
都内にはリサイクルショップもあるため、無理に新しい家電を買う必要はありません。
都内のリサイクルショップは商品の入れ替わりが激しいため、中古でも状態がよい物が手に入りやすいです。
ジモティーでは、家電や家具を無料もしくは低価格で譲ってくれる人が多くいるので利用してみるのもいいかもしれません。
また、ラクマやメルカリなどのアプリで家電を検索してみると、セット売りで安く売りだしている人も多くいるので検討してみるのもいいでしょう。
交渉などもしやすいので、場合によってはかなり安く手に入るかもしれません。
家電量販店などでは、新生活の応援プランなどで、洗濯機や冷蔵庫、電子レンジや炊飯器などがまとめて売られていることがあります。
購入したものは、自宅まで運んで設置までしてくれるので、自分では不安な場合は利用してみるのがいいでしょう。
自分で荷物を運ぶ
引っ越し業者を利用すると費用がかかってしまうので、荷物を最小限にして自分で運ぶと節約できます。
実家の車を借りたり、レンタカーを借りたりして荷物を運んだ方が引っ越し費用を大幅に抑えることができます。
お金がないなら高時給バイト
東京では、日雇いなどで高時給バイトなどが多く存在しています。
イベントスタッフや警備員、書類不備チェックやデータ入力などの高時給アルバイトがあります。
時給1500円から2000円など昼間でもかなり高い時給で働けるバイトがあるので、探してみましょう。
短期間でまとまったお金を手に入れ、生活に余裕をもたせたいときはおすすめです。
東京で暮らすにはお金の管理が必要
お金がない中で上京して、成功を掴んだケースは多数存在します。
結果的に失敗して地元に帰ることになったとしても、特に若いうちに挑戦を経験することは、その後の人生の糧になるでしょう。
ただし、お金がない中で上京をした結果、経済状況がどんどん悪化していき、首が回らなくなって借金などに手を染める方も少なくはありません。
東京で暮らすなら、お金の管理や節約には十分気を付ける必要があります。