Sô-si Suzuki+Jun Morita『Vita Nova』 : 猫額洞の日々
人気ブログランキング | 話題のタグを見る

猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2023年 10月 15日

Sô-si Suzuki+Jun Morita『Vita Nova』

Sô-si Suzuki+Jun Morita『Vita Nova』_e0030187_20254604.jpg



















 10月10日に打ったヘルペス・ワクチンの副反応がやっと
消えたような今日の午後、ワクチン接種と同じ日に届いた
聴く。聞き流すのではない"聴く"には、体力が要る。

 いい! 耳から入ったノイズが脳の襞に沁み込み、揺さぶる。
揺らされて、身体内部のよどみが消えてゆく(どうも体調ばかり
気にしていたので感想文まで、こんな調子で書いてしまう。だめ
だなあ...)。

 聴き終わって、Sいわく「尺が合ってる」。わたしの言い方だ
と、「編集が正しい」。
 短い曲が11篇(曲)収められているが、どれも的確な終わり方
で次の曲に続き、一冊の本のように『Vita Nova』を聴き終わる。
 どの曲(あるいは章、あるいは篇)もダレることなく、ふっと
消えて次の曲に移行する。アンフォルメルな(?!)ノイズで、
それができるのはパフォーマーたちの形への意識が明確だからだ。

 Sô-si Suzuki+Jun Morita のライヴではヒトの声が入らないが、
このCDではかなり入っている。
 渋谷と神戸のライヴでお目にかかったVincent の声が、彼ら二人の
出す音の繊維の中でさらに絡み合い、新たな流れをつくる。フランス
語がわからないのでどんな言葉が語られているのか分からず、音の流れ
の一つ、と聴き取ってしまうのではあるが。
 二階堂はな さんの日本語が"The Night Porter"(『愛の嵐』)のメロ
ディーラインの中に、堅く孤独に響く。日本語の女声にありがちな甘さ
がないのがいい。
 聴けば誰でも必ず、覚醒する。2023年10月20日発売。

 鈴木氏、森田氏、そのほか『Vita Nova』制作に関わられた全員に感謝。











..... Ads by Yahoo! ........



by byogakudo | 2023-10-15 21:40 | アート | Comments(0)


<< (2)文・西井一夫/写真・平嶋...      (1)文・西井一夫/写真・平嶋... >>