![英国のスナク首相(右)はEV向け電池工場の誘致に力を入れるが、ガソリン車の新車販売禁止の時期を見直した(写真=POOL via ロイター)](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/gen/19/00122/092700186/p1.jpg?__scale=w:500,h:333&_sh=0310fe0430)
欧州の電気自動車(EV)シフトの行方はいかに──。欧州各国政府による自動車関連の政策や、自動車メーカーによる戦略の動きが激しくなっている。
英国のスナク首相は9月20日、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する時期について、2030年から35年に延期することを発表した。英国では22年の新車販売に占めるEV比率が17%に達しているが、30年にエンジン車の新車販売を禁止することは難しいとみられていた。
スナク首相は同日、自動車だけではなく脱炭素関連の規制導入の時期を先送りすることを発表。脱炭素の目標を放棄すべきだという意見と、もっと早く実現すべきだという2つの意見を紹介し、「両方とも極端な意見で、現実を直視していない」と述べた。EVに切り替えるコストが高いことからも、選挙対策のためにスナク首相が消費者の負担増に配慮したというのがもっぱらの見方である。
日産は欧州での新車販売が約4割減少
それと逆流するような発表で注目を浴びたのが、日産自動車だ。同社は25日、30年までに欧州で販売する新車を全てEVにすることを発表した。従来は欧州で26年度までに、新車の98%をハイブリッド車(HV)を含む電動車にする目標を掲げており、さらに踏み込んだ目標を掲げた。
日産は欧州で大幅に販売台数を減少させている。欧州自動車工業会(ACEA)によると、日産の22年の販売台数は23万8000台と、19年に比べおよそ40%減少している。欧州では20年以降にEVの販売が急増しているが、日産はその波に乗れなかった。
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