【読書録】「料理人」 ハリー・クレッシング - 世界のどこかで今日も生きている

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【読書録】「料理人」 ハリー・クレッシング

この本は、料理人の小説を読みたいなとキーワード「料理人」で探したら、真っ先に出てきたもの。タイトルがそのままだから、ドンピシャ。その時の私の気持ち「いや、そうじゃなくてね」でした。

 

調べてみると、元の英語では1965年、日本語版は1972年発行。恐ろしく古い。

読むにも紙が汚すぎたらどうしようとおののく。

他人の感想を読むと、最後について意見が分かれるみたい。気になるな。さて私はどういう感想になるか。

 

読んでみると、古臭さは全くない。時代も具体的なちりも不明な田舎町でのお話。料理の腕で周りの人の胃袋つかんで、自分の望む方向にコントロールする(manipulateがしっくりくるかな)。主人公の狙いは予想がつくようで、やっぱりわからない。グルメということは間違いない。他にも細部で謎は残る。そんな謎は謎のままで、余韻を楽しむのがこの本の醍醐味だと思う。