日本深度旅行!夏休み中国出身ファミリー 子連れで川越タイムスリップの旅
こんにちは、中国出身の王と申します。日本在住20年以上です。旅行が大好きで、人混みが苦手です。今回は関東近辺の穴場スポットを紹介したいと思います。
夏休み、もっと日本を知り、和暮らしを楽しもうと思い、小学生の娘と一緒に埼玉県川越市 に行ってきました。和と言えば、すぐに京都や奈良が思い浮かびますが、実は東京都心から僅か30キロメートルの距離で、日帰りで楽しめる観光地があります。小江戸と呼ばれる川越市です。町全体が レトロな町並みで、明治・大正・昭和・平成の4つの時代を一気に堪能できるところは人気の秘訣で、2023年は なん と700万人以上の観光客が訪れました。
今回はあえて一晩泊まって、ゆっくりと和暮らしを楽しむことにしました。
出発前にいろいろ調べましたが、実際どのように回るか、戸惑いました。川越駅のすぐそばにある「JR川越駅前観光案内所」を訪ねました。案内所内ではFree Wi-Fiや、多言語版観光パンフレットや荷物の一時預かりサービスを提供しています。中国語ができる多言語ボランティアさんは主要観光地や交通機関などを紹介し、子どものことを配慮しながら私たちだけの観光プランを提案してくれました。
▼一日目 電車・バス
「川越駅観光案内所」→「川越氷川神社」→「菓子屋横丁」→「時の鐘」→「民宿・ちゃぶ台」
▼二日目 散策・電車
「仲町観光案内所」→「大正浪漫夢通り」→「時の鐘」→「りそなコエドテラス」→ 川越駅
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川越氷川神社
日本では若者の間で縁結びの神社として広く知られ、実は約1500年前の古墳時代に起源を持つ歴史ある神社です。
入口にある高さ15mの木製「大鳥居」は日本最大級です。境内に樹齢500年を超える御神木「夫婦欅」、幸せや良縁を願う人々に「鯛みくじ」や「縁結び玉」も見どころです。
ラッキーなことに、ちょうど神前式の結婚式が行われました。
白い和服を身にまとう新婦、ゆったりとした雅楽、先導にする神職や巫女さんどれも厳かで神秘的でした。
私の母国とは180度違います。中国の結婚式はとても賑やかで、派手と言っても過言ではありません。新婦のメインカラーは赤、音楽もテンポが良く明快な曲が多く、演出の一つとして沢山の爆竹を鳴らし、来賓たちもカジュアルな服装で祝うことが多いです。
絵馬を奉納することは日本神社独自の儀式ですが、ここでは多言語で書かれている絵馬がたくさんあります。「縁結びの神」は国や言語、人種を超えて、多くの人々に幸せを与えていることは間違いないです。
川越まつり会館 (有料)
川越市立の郷土博物館です。毎年の夏、日本多くの地域では祭りや盆踊りが行われます。「川越まつり」は「関東三大祭」の一つに数えられ、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
館内の大型スクリーンで、祭りの映像が上映されており、実際に川越まつりで使われる本物の山車2台と装飾前の山車も展示してあります。高さ8mの山車は、身近でみる山車は迫力がありとてもきらびやかできれいです。
お菓子屋横丁
まつり会館の裏側から徒歩5分で子ども達が大好きな「お菓子屋横丁」に着きました。駄菓子屋さんやお団子屋さんなどが並び、なんと川越の名物、巨大な麩菓子も売っています。
「駄菓子屋」は中国の小学校付近にある「小売店」とよく似ています。豊富な品揃えと激安な値段は子ども達を虜にしています。毎日何回も通う子も少なくありません。
娘はおやつの定番であるせんべい焼き体験をしました。3種類のかたい生地がふっくら厚みを持った大きなおせんべいに変身、焼きあがったせんべいの大きさで「見習い」から「超人」まで評価を付けます。
「せんべい」は中国から渡ってきたという説がありますが、残念ながら現在このようなお菓子は中国にはありません。日本のせんべいは大半米せんべいです。種類が豊富で小さな子どもからお年寄りにまで愛されています。ちなみに私は小麦を原料とした「南部せんべい」が好きです。控えめの甘さと固めの食感が癖になります。帰省のお土産に大好評です。
時の鐘
次に町の中心地にある古い鐘楼に訪れました。「時の鐘」という川越のシンボルです。1624年~44年に川越城主の酒井忠勝によって建てられ、1893年火事の翌年に再建されました。
現在は1日4回「キーンコーンカーンコーン」の鐘音が流れてきます。時間に合わせての見学はおすすめです。
川越は観光地でありながら、意外と店じまいが早いです。午後6時に鳴る鐘は観光客に一日の終わりを知らせる『蛍の光』のような存在でした。その音色は、まるで訪問者に対して優しくさよならを告げ、またの再訪を願うかのように響き渡りました。ちなみに中国のデパートやモールでは「閉店まで10分です」というようなアナウンスしか流れていません。日本人のしなやかな心遣いは外国人には伝わらないかもしれません。
さぁ急いで近くにある民宿に向かいましょう。
民宿・ちゃぶだい
知る人ぞ知る地域コミュニティー型の民宿です。100年を超える古民家を改修し、 ちゃぶ台を囲んで人々が集い語らう場所をコンセプトに作られたそうです。
店内は隅から隅までこだわりが感じられました。テレビでしかみたことないレトロな家具がいっぱいで、まるで昭和時代にタイムスリップしたかのようです。
週末だったため、恒例の地域住民コミュニティパーティーが開かれており、参加者みんながちゃぶ台を囲んで歓談しています。夕食から戻ってきた私たちに「おかえりなさい」と言ってくれたひとことは映画のワンシーンのようで、心が温まりました。
次の日、早起きをした子どもたちがパジャマ姿でほかの宿泊者と大きなちゃぶ台でかるたを楽しんでいる様子は、まるで我が家にいるようでした。
核家族化が進む今、このような人情を感じる場所はとても珍しく、貴重な体験です。
特に、子連れの外国人である私にとって、そこでの温かい交流は一生忘れられない思い出となりました。親切な地元の方々との触れ合いや、心温まるエピソードが日常に溶け込むその街での経験は、私たちにとって大切な宝物です。
大正浪漫夢通り
日本の宿泊施設は中国と違って、大体午前10時前にチェックアウトするところが多いです。宿屋とさよならして、近くに古き良き大正時代の面影を色濃く残す「大正浪漫夢通り」に向かいました。創業明治元年の地酒の老舗やレトロな喫茶店などが通りの両側に軒を連ねています。毎年5月頃に千匹の鯉のぼりが飾られ大変賑やかそうです。
町の中ほどにあるうなぎの名店「小川菊」には開店前から大行列ができていました。江戸後期文化4年(1807年)に川越で創業、200年の歴史を持つうなぎの専門店です。お昼ご飯はここにしました。東京と比べると値段が手頃で、味はすごくおいしかったです。
りそなコエドテラス
最後に一番街商店街にあるルネサンス様式を基調とした西洋建築を訪れました。「時の鐘」と並び川越町のランドマークです。
建物は大正7年(1918年)に完成し、「埼玉りそな銀行の前身銀行の一つである(旧八十五銀行本店本館)」として使用され、1996年国の登録有形文化財に登録されました。
2024年5月に複合施設「りそなコエドテラス」としてリニューアルオープンしました。1階にはジェラート店やカフェがあり、2階はイタリアンレストラン、3階は約60席のワーキングスペースです。
銀行だったので、当時の金庫室をギャラリーとして、一般公開されています。壁がこんなに分厚いですね。
2階にある旧頭取室の革張りの椅子に座って、頭取の気分を味わってはいかが?
1泊2日の旅はあっという間でした 。他に大衆演劇、温泉会館、ガラス焼き体験、箸作り、醬油絞りや石けん作りなど様々な和暮らしを楽しむ体験があり、多様な視点から日本の歴史や風土を学ぶ良い機会でした。
夏休みの旅行は子どもにとっては特別な思い出になり、私自身もリラックスして楽しむことができました。旅行先での過ごし方はそれぞれですが、我が家はその場所をじっくり堪能、深く体験することを大切にしています。旅先で身近な美を見つけたり、普段見逃しがちな小さな感動を味わうことこそ旅の醍醐味だと感じています。
東京周辺を訪れる際に、ぜひ川越の魅力を感じてみてください。
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