726円〜814円(税込)
後の伝説となる「黒猫金庫番」こと蔡月花(さい げっか)は、左遷先で「捨て猫窓際番」と呼ばれていた。
事の起こりは、妃が発注した国内の名窯(めいよう)の磁器と西加琉(シーガル)王国産の磁器が取り違えられたことだった。
その際、西加琉磁器の方が出来が良く、技術の流出が疑われたのだ。
月花は宦官の路易(るい)と共に、西加琉王国の商館のある海雲州への潜入調査を皇帝に命じられる。
けれどその直前に婚約者の偉光(いこう)と喧嘩別れをしてしまい、海雲州では「皇帝の不興を買って左遷された」という噂が広まり、針のむしろの待遇で――
黒猫金庫番、最大の危機!
後世に語り継がれる伝説の女官吏「黒猫金庫番」こと蔡月花。彼女は今猛烈に困っていた。
後宮費の半減か、戸部尚書の柏偉光との結婚か。
海千山千の後宮妃たちを相手に半減は難しく、仕事が楽しいので結婚はまだしたくない。
さらに追い打ちをかけるように「皇帝が月花を妃にしようとしている」という噂が流れ、妃たちから嫌がらせをされる。
そんな中、若い妃が井戸に落とされる事件が起こる。
月花は容疑者にされ後宮は不穏な空気に包まれるが……。
「一銭を笑うものは、一銭に泣くのよ!」
身に振る火の粉は自分で払う、黒猫金庫番の伝説は、まだはじまったばかり。
大雅国には伝説の女官吏がいる。
通称「黒猫金庫番」。華奢な体に黒い衣を纏い、琥珀に光る瞳で不正を見逃さなかったという――。
将来そう呼ばれるとはつゆ知らず、蔡月花は見合い話に頭を悩ませていた。
相手は若き天才、戸部尚書の柏偉光。
超のつく貧乏貴族の月花とは釣り合わないし、必死に立て直した家業もやっと軌道に乗り始め、結婚はしたくなかった。
断り切れず迎えた見合いの当日。月花は小銭を追って馬車から飛び降り「私、お金が大好きなんです!!」と本性をさらけだすも「規格外のご令嬢」と偉光に気に入られ……?
後の伝説となる「黒猫金庫番」こと蔡月花(さい げっか)は、左遷先で「捨て猫窓際番」と呼ばれていた。
事の起こりは、妃が発注した国内の名窯(めいよう)の磁器と西加琉(シーガル)王国産の磁器が取り違えられたことだった。
その際、西加琉磁器の方が出来が良く、技術の流出が疑われたのだ。
月花は宦官の路易(るい)と共に、西加琉王国の商館のある海雲州への潜入調査を皇帝に命じられる。
けれどその直前に婚約者の偉光(いこう)と喧嘩別れをしてしまい、海雲州では「皇帝の不興を買って左遷された」という噂が広まり、針のむしろの待遇で――
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