「引き角女子」として話題沸騰!ミス日本「海の日」有馬佳奈さんインタビュー|将棋情報局

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「引き角女子」として話題沸騰!ミス日本「海の日」有馬佳奈さんインタビュー

話題のあの人にインタビューしました!

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 皆さんこんにちは。このたびは「引き角女子」として将棋界で大きな話題となっている有馬佳奈さんのインタビューをお届けします。引き角戦法の創始者である飯島栄治八段もご同席くださって、大変楽しいインタビューになりました。

それでは、どうぞ!

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――本日はお忙しい中インタビューを受けていただきありがとうございます。

「いえいえ、こちらこそありがとうございます」


――改めて、このたびはミス日本「海の日」の受賞、誠におめでとうございます。

「ありがとうございます」


――まず、ミス日本「海の日」について、簡単に教えていただけますでしょうか。

「島国日本になくてはならない海の恵みに感謝して、海洋業界への理解・関心を高める役割を担うのがミス日本「海の日」です」


――海洋関係のイベントなどに参加されるのですね。

「はい。3月に開催される『ジャパンインターナショナルボートショー』ですとか、海難救助にあたるボランティアの活動を支援する『青い羽根募金』のキャラクターなどを務めさせていただく予定です」


――ミス日本のいろいろな賞がある中でミス日本「海の日」に選ばれた感想はいかがでしたか?

「うれしかったです。私が勉強している航空宇宙工学と海はつながりがあって、飛行機は空を飛んでいますが、空気という流体の中を進むので、空気と水の違いはあっても、流体という点では同じです。また、飛行機は海を超えるものなので、そういう意味でも近いと思っています。今回選んでいただいたので、これから船舶免許なども取っていきたいです。
航空宇宙学科で流体力学を習っているので、船を運転するときは周りの渦もしっかり観察したいですね。『カルマン渦だ~』という感じで(笑)」

※カルマン渦・・・流れの中に立つ柱の両側から、交互に規則正しく一定間隔で発生する渦

――航空宇宙工学を勉強されているのですね。

「はい。昨年の9月にはアメリカでロケットの打ち上げを見学させていただきました。2月にはJAXAと協力して研究しているところを見学させていただく予定です」


――大学2年生でそこまで専門的なことをするのはすごいですね。

「研究室が決まるのは4年生なんですけど、高校生の時に研究を始めていまして、その研究を評価していただいてイギリスのケンブリッジ大学でリブレット構造についてプレゼンをした経験があります。それがきっかけで教授に話しかけていただけることが何回かあって、『研究室で勉強させてほしいです!』とお願いしました。見学については、ミス日本の記事を読んでくださった研究室の方に誘っていただきました」

※リブレット構造・・・流れの中の物体表面における摩擦抵抗を低減する、サメ肌をモチーフにした人工の微細構造

――ドローンの電装もされるということですが、これがドローンの基板なんですか。

「そうです。この基板はアメリカで上空4㎞から落下したんですけど無事だったんです。はんだごてを使って作りました。途中何回も髪の毛を燃やしてしまって、ロングだったのがボブになりました(笑)」
 

――SNSで基板がキレイだとほめている方もいました。

「うれしかったです。ミス日本の記事が出たとき、私としてはケンブリッジ大学やドローンの話を取り上げていただけるのかなと思っていたのですが、将棋の話しか出てこないので驚きました(笑)」


――もちろんケンブリッジ大学やドローンの話もすごいんですけどね(笑)。飯島流引き角戦法が将棋ファンに突き刺さりました。有名人の方のプロフィールに「趣味は将棋」というのはよくありますが、好きな戦法まで掲載したのは珍しいかなと思います。どういった経緯があったのでしょうか?

「インタビューを受ける前は飯島流引き角戦法について触れるつもりは本当にありませんでした。最後のほうで趣味の話になって、記者の方が将棋の得意戦法はなんですか?と聞いてくださって飯島流引き角戦法と答えました。体感としては、インタビューの中で航空宇宙の話が30分くらいで、将棋の話は1分くらいだったと思います。インタビューの直前にSLIM(スリム)が月面着陸したこともあって、その話がメインでした。だから将棋の話が掲載されるとも思わなかったですし、こんなすごい盛り上がりになるとは夢にも思いませんでした」




――「飯島流引き角戦法」を引き出して、掲載してくださった記者の方に感謝です。では、ここからは将棋のお話を。まず、将棋を始めたきっかけを教えてください。

「もともと将棋盤が家にあって物心ついた時には覚えていたので、どのタイミングで覚えたのかわからないくらいです。使っていたのは公文の、駒に進む方向が書いてあるものでした」


――スタディ将棋。藤井聡太竜王・名人と同じですね。

「本格的にやり始めたのは、将棋部に入ってからです。高1のとき同じクラスに将棋部の男子がいたんですが、テストの点数が私の方が高かったときに『テストでは負けるけど将棋では勝つから』と言うので将棋を指しました。そうしたら私が勝ってしまって、将棋部の部長が来て『将棋部に入らない?』と誘ってくれて、高校2年生の5月に入部しました」


――飯島流引き角戦法にたどり着くまでの経緯を教えてください。

「もともと詰将棋より定跡を勉強する方が好きでした。詰将棋は部長からやれやれと言われていたんですけど、地下鉄飛車やエルモ囲いといった珍しい作戦を部員と指して『何それ、面白い』と盛り上がって楽しんでいました。
だから終盤力が全くなくて、定跡を覚えている序盤でリードして、ない終盤力でなんとかするという戦い方をしていました。
その中で、特に指していて楽しかった戦法が『地下鉄飛車』と『飯島流引き角戦法』だったのですが、地下鉄は楽しいんですけど全然勝てなくて(笑)。引き角戦法は相手が知らないと、本当に勝ててしまう戦法だったので、はまっていきました」


――『堅陣で勝つ!飯島流引き角戦法 Final』の本も買われてましたね。

「戦法自体はYouTubeで知っていて、何局か指したこともありました。その中で、本屋さんで対振り飛車の本を探しているときに目に止まったのがあの本でした。目次を見て振り飛車に対する指し方がたくさん載っていると思ったので購入しました」


――鹿児島県代表として全国大会にも出たこともあるのですね。

「はい。でも決勝トーナメントまで行けたことはありません。全国大会は4局指して3回以上勝てば決勝トーナメントに進めるのですが、一度、負け、勝ち、勝ちときて、次の一局に勝てば決勝進出というところまで行ったことはあります。相居飛車の将棋がとにかく弱いので『振り飛車きてー』と祈っていたのですが、居飛車でこられて負けてしまいました」


――振り飛車なら引き角があったんですけどね。

「その大会の一局目がすごい長手数の将棋で、初めて入玉してへとへとになったのを覚えています。大会の模様がNHKの将棋フォーカスで放映されたんですが、『入玉になる場面もありました』という感じで将棋の盤面が紹介されて、どこかで見たことのある局面だなと首をひねっていたら、自分の指した将棋でびっくりしました。その時はうれしくて周りにいっぱい自慢しました(笑)。
大会には女流棋士になられている野原未蘭さん、大島綾華さん、和田はなさん、宮澤紗希さん、礒谷真帆さん、さらに強豪の上田可奈子さんなどがいて、『すごい人たちに囲まれてるー』という緊張感がありました」


――棋力はどれくらいなんですか?

「どうなんでしょう。具体的な段位はわからないんですけど、高校の全国大会に出場した当時、出場女子100人のうち40位辺りでした。今は将棋から離れてしまったのでそれよりもっと下です。SNSで強いと思われてしまっていて、どうしようと思っています(笑)。
実は今、鹿児島県の男子代表が東大の同じクラスにいるんです。その子が最近の盛り上がりをみて、『やばいから今から将棋の練習手伝ってあげる』と言ってくれて(笑)。これを機にもう一回将棋を頑張ろうかなと思っています」


――将棋は男性が多い世界ですが、将棋を続けていくうえで苦労はなかったですか?

「苦労はあまりなかったです。むしろ強い相手がたくさんいたので良かったなと思います。自分よりちょっと強い相手に勝てそうで勝てない感じもいいですし、たまに勝てたときはすごくうれしかったです。また、自分より圧倒的に強い相手には勝てないんですけど、こういう風に強くなりたい!と思えたので、自分にとってはとても良かったと思います」


――素晴らしいですね。私は負けるとつまらないです(笑)

「私のいた将棋部が結構ワイワイしゃべりながら将棋を指す感じでした。対局中に『そんなところに指さないでー』とか『やめてよー』と言いながら指していたので楽しかったですね。私は相居飛車が苦手なので、相手が居飛車にしてきたら『ダメダメ、四間飛車にしてね』と言って相手の飛車を動かしたりしていました」


――将棋を続けてきて何か良かったことはありますか?

「それは今ですよ(笑)。この瞬間です。飯島先生にお会いできると思って生きていませんでしたので」



――現在、プロの将棋界は藤井聡太八冠がすべてのタイトルを手にしています。同年代としてどう見ていますか?

「私は将棋を指していてあんなに集中力が続かないですし、負けそうになると『もう無理だ』と思ってしまうんです。でも藤井さんは負けそうになっても勝ち筋を探し続けて、実際に逆転勝ちをされることも多いので、本当に同年代とは思えないくらいすごい人です。
ただ、藤井さんの本棚にも引き角戦法の本があって、そこは同じだったのでうれしかったです(笑)」


――『推しの子』に同じ名前のキャラクターがいることも話題になっています。

「名前がきっかけでいろいろな方に興味を持っていただいたので、有馬かなちゃんには大感謝です。『推しの子』が実写化されることになったとき、私に連絡がくるかな?と思ったんですが、来ませんでした(笑)。有馬かなちゃんといえばピーマン体操ですけど、しっかり踊れます」


――今後はどういう活動をされて、何を目指していきたいですか?

「ミス日本「海の日」としては海洋関係のイベントを通して海や船や港の魅力を伝えたり、あとはマリンスポーツの楽しさも伝えて行けたらいいなと思っています。私自身、もともと海の近くで生まれ育ってきましたし、ミス日本の勉強会でも海についてたくさん学びました。これからもどんどん海に関する知識を深めていきたいです。
大学の勉強のほうでは、来年度から研究室に入って本格的に研究していくので、まずは研究テーマを探すところから始めたいと思います」


――最後に、これから将棋関係のお仕事もチャンスがあればしていただけますか?

「ぜひ!という感じです。棋士の先生とこうしてお会いできるだけでうれしいので。
今日飯島先生にお会いできるということで、昨日ずっとニコニコしていたら、学科の男子に『気持ち悪いぞ』と言われてしまいました(笑)。機会があればぜひお願いしたいと思っています」


――有馬さんが望めば、たくさんあると思いますよ。これからのご活躍に期待しております。
本日はありがとうございました。

「こちらこそありがとうございました」






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