エピタフ  幻の島、ユルリの光跡

エピタフ  幻の島、ユルリの光跡

2,970円(本体 2,700円+税10%)

品種名
書籍
発売日
2023/6/7
ページ数
240
サイズ
四六判
著者
岡田 敦 著/星野智之 他著
ISBN
9784295016540

2023年度JRA賞馬事文化賞を受賞

北海道の東端、根室半島の沖合に佇むユルリ島。かつては昆布を採集する漁師の住居や番屋が建っていたが、家畜の馬を残して最後の島民がユルリを離れたのが半世紀前。最盛期には30 頭もの馬が暮らしていたが、その数は減り続け、今では数頭が暮らすだけになっている。上陸が厳しく制限されたこの島の情景を2011 年から撮り続けているのが写真家・岡田敦。消えてゆくものたちを見つめ、後世に何を伝えてゆくのか。写真と文章で現代のロスト・ワールドを紹介していく。2023年度JRA賞馬事文化賞を受賞。

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現代のロストワールド ユルリ島をめぐる冒険の記録

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住人ゼロ、上陸禁止、馬だけが暮らす幻の島

北海道本島の東端、オホーツク海と太平洋に面した根室半島の昆布盛から距離にして2.6㎞、海面上に円盤の形をした横に平べったい島影がユルリ島だ。かつては昆布を採集する漁師の住居や番屋が建っていたが、今では数頭の馬だけが暮らすだけ。この土地の固有の自然を守るために上陸することが厳しく制限されたこの島の情景はまるで小説『ロスト・ワールド』の世界を彷彿させるようでもある。

木村伊兵衛賞写真家が綴る写真とテキスト

ユルリ島の歴史と馬を巡る物語

かつてユルリ島には漁師が暮らしていましたが、今は馬だけが暮らす無人島になっています。なぜ、島民は去り、馬だけが残されたのか。元島民の方やその関係者へのインタビューを元にユルリ島の歴史と馬を巡る物語を紐解きます。また、現在のユルリ島は上陸が厳しく制限されています。その中で岡田は地元行政の協力も得ながら10年以上にわたって写真を撮り続けてきました。ユルリ島で生きる馬たちの姿を中心に貴重な写真が多数収録されています。

箔押しと印刷

布上製本とこだわりのデザイン

デザインは若手デザイナーの泉 美菜子が担当。ユルリ島の世界が感じられる細部までこだわった装丁になっています。

著者紹介

岡田 敦(おかだ・あつし) 
1979年、北海道生まれ。2003年、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒。 
2008年、東京工芸大学大学院芸術学研究科博士後期課程にて博士号(芸術学)を取得。 
同年、“写真界の芥川賞”とも称される木村伊兵衛写真賞を受賞。 
その他、北海道文化奨励賞、東川賞特別作家賞、富士フォトサロン新人賞などを受賞。 
主な写真集に『I am』(赤々舎/2007年)、『ataraxia』(青幻舎/2010年)、 
『世界』(赤々舎/2012年)、『MOTHER』(柏艪舎/2014年)、
『安田章大写真集 LIFE IS』(マガジンハウス/2020年)などがある。 
作品は北海道立近代美術館、川崎市市民ミュージアム、 
東川町文化ギャラリーなどにパブリックコレクションされている。 
 
星野智之(ほしの・ともゆき) 
編集者・ライター。1963年、神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。 
月刊誌「東京カレンダー」創刊に携わり、2009年~10年に編集長。 
2009年~14年にはJR東日本の月刊会員誌「大人の休日倶楽部[ミドル]」の 
クリエイティブ・ディレクターを務める。 
2019年、北海道の美深町にホテル「TOURIST HOME & LIBRARY 青い星通信社」をオープン。 
主な著作に短編集『月光川の魚研究会』(ぴあ/2011年)、 
ノンフィクション『空間演出家 池貝知子の仕事と意見』(アクセス・パブリッシング/2012年)、 
評論「『羊をめぐる冒険』をめぐるゴールドラッシュの点と線」(彩流社『我々の星のハルキ・ムラカミ文学』所収/2022年)など。

ページイメージ

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目次

プロローグ 幻の島への未完の航海日誌 
失われた時を求めて 
ユルリ島をめぐる6つの対話 
 鉄索のある崖の上で︱最後の島民 ・庄林泰三 
 追憶の島は霧の向こうに︱最初の馬主・庄林ヨネ 
 海風の中の楽園に生きて︱根室の牧場主・佐々木徳太郎 
 伯楽は光と影を胸に刻む︱別海の牧場主・大河原昭雄 
 遠い国後から馬の呼ぶ声がする︱醸造所五代目・碓氷ミナ子 
 そして懐かしい島へと帰る日︱再び最後の島民・庄林泰三 
ユルリについて私が知っているいくつかの事柄 
 根室、国後、そしてユルリへ 
 国後にまつわるスクラップ 
 道東の馬に息づく気高い血脈 
 理想郷を支えた名牧場の記憶 
 花園効果と白い花弁の不思議 
 海霧の中に隠された高層湿原 
 断崖が守り育てる貴重な海鳥 
 海獣が語る根室の海の豊かさ 
 根室の歩みとユルリ島のこと 
 年表 
エピローグ  幻の島 
鑑賞  生と死のあわいに浮かぶ島で 星野智之

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メディア掲載情報

2023/08/07:新潮 2023年9月号にて紹介されました。
2023/06/15:北海道新聞にて紹介されました。

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