東京は晴天に恵まれた穏やかなお正月です。
スポーツクラブが休館なので、銭湯に通っています。自宅から徒歩圏内に数か所の銭湯があり、社会インフラという位置づけなのか、大みそかも元日もどこかが営業しています。特別営業で朝8時からオープンして、けっこうにぎわっていました。
高齢者が多いのは、ヒートショックが怖くて自宅のお風呂に入りたくないからかも。スポーツクラブにも、「ここなら倒れても誰かがいるから」と入浴のためだけに通っている高齢者がいます。
将来の自分の姿を見るかのようで、そう遠い先ではなくあっという間にそうなるだろうと自戒しています。
混んでいる時期は出歩かないので、銭湯以外は家に引きこもって読書とドラマ。
自己啓発本を読むのがやめられなくて『人生が充実する時間のつかい方』というUCLAの女性教授の本を読んでいます。
「時間が足りない人は、幸せの度合いと人生の満足度が著しく低い」とある一方で、「1日の可処分時間が約5時間以上あっても幸せの低下につながる」と書かれています。自由時間がありすぎると、生産性を実感できないからです。
リタイア生活に移行中の私には、こちらのほうが問題です。悠々自適の元エリートサラリーマンが手持無沙汰で昼間からアルコールを飲んだりするのはこのためです。
時間がありすぎる一方で、人生の残り時間を考えると心もとなくなります。
この本では、楽しいと思える活動があと何回できるか、これまでに何回やってきたかを計算して、全体の何割になるかを出すことを勧めています。
夫婦そろってお正月を迎えるのは、あと何回か。夫は私の実家の雑煮でいいと言ってくれるので、鰤に里いも、ごぼう、にんじんを入れてほうれん草とかまぼこを加えるすまし仕立ての雑煮を作ります。結婚後、お正月は39回ありましたが、日本人男性の平均寿命を夫にあてはめるとあと20回。もう約3分の1しか残っていないのです。健康寿命を考えるとさらに残りは少なくなります。
「時間はあるけれど、ない」という老後のパラドックス。お正月は時間の流れを意識して生き方を考える節目です。
スペインは夏でも日の出が遅く午前8時ごろ。明るくなりかけた7時半過ぎに出発して、歩きながら日の出をよく見ました。日本ではお正月の初日の出しか意識しませんが、これからは健康的に日の出を浴びることにしたいもの。夏は朝が早すぎて無理かもしれませんが。