先週、ウラナイ8の夏瀬杏子さんに誘われ、伊豆高原のやすらぎの里へ。火曜日の夜に杏子さんから連絡があり、翌々日の木曜の朝には出発。検討する暇もなかったから、もう二度とやりたくないと思っていた断食に挑戦することができました。
親しい人に声をかけられたら、よほどのことがない限り断らないのは、ここ数年「体験するためのお金と時間は惜しまない」をモットーにしているから。
バブルが崩壊した数年後の1999年、「モノより思い出」という名コピーが登場しました。日産のファミリー向けミニバン「セレナ」のキャッチフレーズです。
洋服やバッグ、食器など今もっている量で十分。できれば減らしたいぐらい。そこでお金は体験に使うことにしたのです。
加齢による記憶力の衰えにより「思い出」を作るより、「今、ここ」の体験を全身で味わうようにしています。
断食体験は強烈です。意志力のある人なら、自宅で週末断食ができるでしょうが、私にはとても無理。わざわざお金を払って空腹を体験するのです。世界には戦争や飢饉で食べたくても食べられない人々がいるというのに、なんという贅沢。
杏子さんと「何が食べたいか」という話になり、アイスクリームが食べたくなりました。体内から湧き上がるアイスクリームへの欲求。
そこで思い出したのが、NETFLIXの『ヘッドスペースの瞑想ガイド』です。
食べることができないアイスクリームが溶けていくのをただ見るという僧院の修行。断食2日目の空腹を抱えてアイスクリームへの欲求を語っていると、修行の苦しさがリアルに迫ってきました。
本を読んだりドラマを観ることでわかったような気になりがちですが、リアルな体験にまさるものはありません。
やすらぎの里の看板犬、海ちゃん。
最後の夜の回復食は玄米粥、冷奴、漬物。それだけでお腹いっぱいになりましたが、大沢先生の講座の後にフルーツティーが出ました。リンゴ、イチゴ、キーウイ、オレンジ、メロン、干し葡萄の甘みが全身に行き渡ります。
糖分はそのまま身体のエネルギーになります。翌朝は5時過ぎに目が覚めて、散歩に出かけて6時半からの朝ヨガに参加。夜型の私には考えられない行動力です。自分の中にあんな力があるとは。
帰宅後は晩酌と夜更かしの日々に戻りましたが、やすらぎの里で過ごした時間をしっかり味わっています。