日本語教師養成講座で習った項目の一つに「数詞」があります。
たとえば、ハ行の「杯、匹、本」の前に1、6、8、10がくると、数字の最後が促音となり、pの音が加わって「いっぱい」「ろっぴき」「はっぽん」となります。9はハ行、カ行(個、階…)、サ行(歳、冊…)、どの前でも「きゅう」ですが、9月は「くがつ」、9日は「ここのか」となります。
日本人なら何も考えずに出てきますが、外国人はこんな面倒なことを勉強しなくてはならないのです。
7はだいたい「なな」ですが、7日は「なのか」、そして「しち」ということもあります。
世界で最も有名な日本映画は「七人の侍」だといわれています。小津安二郎の「東京物語」は映画監督や批評家からナンバー1の評価をもらうことがありますが、一般的には「七人の侍」のほうが知られているのでしょう。
日本語の教科書「みんなの日本語」の第8課(形容詞)にも、おもしろい映画の例として「七人の侍」が出てきます。
アキ・カウリスマキ監督の影響で片っ端から小津作品を観ましたが、「七人の侍」をちゃんと観たことがありません。これではまずいと、DVDをレンタルしました。
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それでも、ストーリー展開に引き込まれます。やはり世界で認められた日本映画です。
翌週は「荒野の七人」も借りました。
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「七人の侍」は、"The Seven Samrai"。七人いるのにサムライが単数となっているのは、サムライは英語にとって外国語なので、英語の文法は適用されないからです。サムライが世界語となっている今だったら、現代だったらSamuraisとなっていたかもしれません。
暗いモノクロ画像の「七人の侍」に対し、「荒野の七人」は鮮やかなカラー映像で、ユル・ブリンナー、スティーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソンなどの大スターが登場します。
それでもやっぱり、人物や背景の描き方が見事なのは「七人の侍」です。日本だけでなく海外でもそうした評価を受けているのは、日本人としてうれしい限りです。
宗谷岬に立つ間宮林蔵の銅像。農民出身で、幕府隠密をつとめた役人であり、樺太(サハリン)が島であることを確認しました。
「七人の侍」では侍と農民の間の越えられない身分差がテーマのひとつですが、舞台となった戦国時代で、それほど身分制度が確定されていないはず。それでも、二つの身分の間を自由に行き来する菊千代をトリックスターとして描いたのは秀逸でした。