読書
東京は晴天に恵まれた穏やかなお正月です。 スポーツクラブが休館なので、銭湯に通っています。自宅から徒歩圏内に数か所の銭湯があり、社会インフラという位置づけなのか、大みそかも元日もどこかが営業しています。特別営業で朝8時からオープンして、けっ…
先週の金曜と土曜は、年筮イベントでした。 天海玉紀さんの発案で始まり、夏瀬杏子さんが引き継ぎ、今は湊ゆきのさんが取り仕切ってくださっています。会場予約、告知、受付まで万全に設定してくださり、私は顔を出すだけ。ありがたいことです。 khushi-body…
韓国ソウルを旅してきました。出発する羽田空港でハン・ガン『すべての、白いものたちの』を購入。 アジア初のブッカー国際賞、そしてノーベル文学賞。「ハン・ガン作品、どれから読んだらいいかわからないなら『すべての、白いものたちの』をお勧めする。詩…
ブレディみかこ『他者の靴を履く』にマーガレット・サッチャーの興味深いエピソードが出てきます。 https://amzn.to/3UQmkOZ 「鉄の女」と呼ばれ冷酷なイメージの強いサッチャーですが、身近な人に対してはとても思いやりがあふれた人物だったそうです。 官…
メイ・サートンの一連の日記を読んでいると、日本旅行の思い出が随所に出てきます。ベルギー生まれでアメリカで暮らしたメイ・サートンにとって遠い異国である日本は、10年以上たっても、印象に残る旅先だったのでしょう。 私にとってはスペイン巡礼。無謀な…
お茶の水女子大の同級生11人が、共同ペンネームを使って海外の児童書や絵本を翻訳悪し続けたという記事を読みました。 メンバーが80代半ばとなり、最後の作品を出版したとのことですが、なんと充実した人生なんでしょう。 趣味の外国語学習ではなく、一冊の…
五所川原の旅、第三弾。 行きの飛行機で太宰の『津軽』を読み返しました。クライマックスは、太宰を3歳から6年間育てた子守りのたけとの再会。太宰は「生まれてはじめての心の平和を体験した」と表現するぐらい感動しています。 先年なくなった私の生みの…
9月の旅は青森。東京では暑い日が続いていますが、青森はすっかり秋でした。 五所川原で一泊して太宰治の出身地、金木町へ。太宰の生家は大地主で、一家が暮らした豪邸は「斜陽館」と名付けられ、入場料600円で見学できます。 1階11室、2階8室、付属建物…
北海道ニセコの旅。ツアーの総勢は20名で、お盆明けの5連泊という日程ですからリタイアした高齢者がほとんどでした。 後半の2日間は終日自由行動となり、昼食と夕食は各自で食べます。ホテルの大浴場の露天風呂で同じツアーの女性と話をしたのですが、「め…
世界を震撼させたトランプ前大統領銃撃事件。大統領選への影響も大きいとあって、報道が続いています。 驚いたのは共和党の副大統領候補がJ.D.ヴァンスだったこと。彼が書いた『ヒルビリー・エレジー』に衝撃を受けたのは5年前のことです。 bob0524.hatenab…
『統合失調症の一族』、副題は「遺伝か、環境か」。あまりにも衝撃的な内容でした。 表紙のビジュアルにも圧倒されます。階段の一番上には父のドン、そして母のミミ。長男から順番に九男まで並び、長男が抱いているのは十男です。さらに驚くのは、この下に長…
組織に属さずフリーランスで30年以上働き、子供を持たなかったので、加齢の感覚が世間とずれています。斜陽の雑誌業界には若いライターが参入してこないのか、引退を申し出ても後任が見つからないという理由で続いている仕事もあり、高齢者の自覚がなかなか…
「妊娠したら、街を歩いてて小さな子どもがよく目につくようになった」という話がありますが、何かのきっかけで普段あまり意識していなかったことが急にクローズアップされることがあります。 映画『関心領域』を観たことで、欧米の著者による本を読んでいる…
旅に出てばかりの日々ですが、ゴールデンウィークはおとなしく家にいました。 連休中の最大のイベントは、スポーツクラブで開催されたズンバのジョイントレッスン。通常のレッスンはインストラクターが一人ですが、ジョイントレッスンは他のクラブのインスト…
お花見に近所の公園に行ったら、入学式帰りの新一年生たちにたくさん会いました。ぴかぴかのランドセルを背負って、どの子もうれしそう。 若い人たちにとって春は始まりの季節ですが、人生のゴールが視界に入って来ると「あと何回、お花見ができるだろうか」…
仕事をリタイアしたら、花粉シーズンは沖縄に長期滞在。そう決めていたのですが、スポーツクラブのダンスレッスンを長く休みたくないし、仕事も完全に切れたわけでもないので、とりあえず5泊6日の滞在。最初の3泊は夫も同行です。 沖縄に来るのはだいたい…
ブログを通して交流している、よかよかさん。 風に吹かれて (hatenablog.com) 稲垣えみ子『人生はどこでもドア リヨンの14日間』という本を教えてもらいました。 bob0524.hatenablog.com 「旅に出たからといって日頃興味を持っていないことをやってもおもし…
英国人ジャーナリスト、オリバー・バークマンの著作がおもしろくて、次々と読んでいます。 bob0524.hatenablog.com 『限りある時間の使い方』は目の覚めるような発見に満ちていました。そして『ネガティブ思考こそ最高のスキル』は哲学や仏教の教えを現代風…
今年はウィークデーを中心になるべく旅に出るようにしていますが、いわゆる観光のようなことはあまりせず、旅先でも日常の延長のように過ごしています。若い頃に読んだ玉村豊男『旅する人』の影響です。 パリ大学言語学研究所に入学後、東京大学仏文科卒の玉…
昨年のスペイン巡礼中も折に触れて読んでいたのが小池龍之介の『もう、怒らない』。 巡礼の日々、できるだけ感覚を研ぎ澄ませて歩きたいと思い「今この瞬間」に集中する方法を参考にしました。 歩いているときに、「今、右足が地面を離れた。今、右足が前へ…
スペインから帰国後、なかなか日本にいる実感がわかず、ぼんやり過ごしています。 易の本が出版されたというのに、他人事のよう。ウラナイ8の夏瀬杏子さんを初め、告知してくださったみなさま、ありがとうございます。 uranai8.jp スペイン巡礼の日々は、朝…
巡礼だというのに、教会より個性的なアルベルゲ巡りに精を出しています。 検索の甲斐あってたどり着けたのが、『星の巡礼』著者のパウロ・コエーリョゆかりのアルベルゲ。ビロリア・デ・リオハという小さな村にあります。 アカシオとオリエッタのカップルが…
先日のウラナイ8のMCの甘夏さんから「スペイン巡礼に行くことになったきっかけ」を聞かれました。大切な人を失って、死を受け入れるために歩く人もけっこういます。 『わたしに会うまでの1600キロ』も、そうした話です。 原題は”Wild:From Lost to Found on…
オリバー・バークマンの『限りある時間の使い方』に、『正気に戻る(Back to Sanity)』という本の一節が紹介されています。 ロンドンの大英博物館を訪れた観光客たちが、ロゼッタストーンを前にしてスマホの画面ばかりのぞいている。せっかく目の前に貴重な展…
ほぼリタイア状態になりつつあるので、自己啓発本はもう読まなくていいのに、つい手が出てしまいます。もう効率的に時間を使ったり、大きな目標を追い求めることもないのに。 オリバー・バークマンの『限りある時間の使い方』は、時間を無駄にせず効率的に生…
いよいよ明日7月2日に迫った「フレッシュ占い師祭り」。 uranai8.jp 私が所属しているウラナイ8では、講座や読み会を開催し占い愛好家がゆるくつながっています。ある程度学んだら、人を占ってみたくなるもの。本格的な鑑定ではなく、複数の占い師が集まるイ…
ウクライナの戦争は長引き、ロシアにクーデターが起きたのかと思いきや、何がどうなったのかよくわからない状況。 先日は釜山の旅を楽しみましたが、朝鮮戦争は終わっているわけではなく休戦状態が続いているだけだそうです。 観光名所となった甘川文化村。 …
ライターや占い師として収入を得られてきたのは、ストーリーテリングの才能が多少はあったからです。 雑誌の記事としておもしろく読んでもらえるためには、事実の羅列だけでなく、物語化が必要です。 そして、占いでは生まれた日を元にした四柱推命の命式や…
スペイン巡礼に行くか行かないか、さんざん迷いましたが、この秋に決行することにしました。不安は尽きないけれど、老いは確実に忍び寄っています。先延ばししていたら、行かないうちに一生が終わってしまうのは避けたいから。 あまり気負うことなく、とにか…
人間は一人で生きていくことはできないし、一人で死ぬこともできない。そんなことを痛感させられたのが村井理子『兄の終い』。 両親はすでに亡く唯一の肉親は兄。 もう何年も会っておらず絶縁状態だったところに、警察から電話がかかります。兄が自宅で死ん…