STLファイルの変換~3Dプリンター用データ作成のポイント|リコー | 技術者が語る 3Dプリンターのいろは | リコー

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3Dプリンター用データ① ~STLファイルへの変換は片道通行~

本記事の内容が当てはまる造形方式

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3Dプリンター用データには2種類ある

3Dプリンターを使い始めて、または出力サービスを利用し始めて、「CADのモデルデータを他の形式に変換する」という作業に初めて直面する人も多いと思います。特に、3Dプリンターへの入稿ファイルとして標準的に用いられるSTL形式は、CADデータに慣れた人にとっては少しクセのあるデータ形式なので、戸惑うところも多いはずです。
機械系CADのネイティブファイル(そのCADでだけ開ける拡張子のファイル)や中間ファイル(STEP、IGES、Parasolidなど)は、一般にジオメトリデータと呼ばれます。例えば、原点が中心で半径5mmの円をx^2+y^2=5^2と表すのと同じ様に、もののカタチが数式で表現されています。(より正確にはパラメトリック曲面という表現形式を用います)
一方で、3Dプリンター用データとして使われるSTLファイルとは全てのカタチを沢山の小さな三角形の集まりとして表現するファイル形式です。2次元の絵でいうと、いわゆる「ドット絵」のような表現です。図1の様に本来は円のような形状を持ったデータでも、細かく見ると実際は三角形が多角形状に並んだデータになっています。STLファイルや、カラーモデルで使うVRMLファイルのように、細かい要素の集合で形状を近似的に表すタイプのデータのことを一般にメッシュデータ(またはポリゴンデータ、ファセットデータ)と呼びます。

図1:ジオメトリデータとメッシュデータ

図1

STLデータからの逆変換は難しい

さて、STLファイルなどのメッシュデータを扱うときに最初に注意しないといけないのは、CADファイルや中間ファイルからメッシュデータへの変換は簡単でも、その反対は難しい、という点です。(詳しくは述べませんが、多角形から滑らかな面を再現するには「そもそも円なのか楕円なのか?」「中心や半径はどんな数字か?」といった複雑な情報処理が必要となります)
ジオメトリデータは形状を数式として記憶しているので、「半径を5mmから6mmに変える」「円を正方形に変える」といった変更が容易です。一方メッシュデータは、一般に形状作成後の変更が行いにくいデータ形式です。そのため、形状の色々な編集作業はCADファイルの中で済ませて一番最後にメッシュデータに変換する、という手順がおススメです。3Dプリントしてみてやっぱり形状を直したい!という場合も、メッシュデータを修正するよりも一旦CADデータまで戻って修正するほうが、多くの場合ずっとラクな作業で済みます。

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