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中高年からの仏教のすすめ https://buddhists.hatenablog.com/

60歳を迎えたのを機に仏門を叩きました。 まだまだ悟りには程遠いですが、若かった頃より中身の濃い毎日を過ごしている気がします。

中高年からの仏教のすすめ
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2023/11/10

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  • 仏教は宗教じゃない

    キリスト教、イスラム教とともに、仏教は世界三大宗教の一つに数えられますが、前二者とは性格が大きく異なります。 仏教は宗教じゃないという意見がありますが、私も仏教を学ぶ中で同じ思いを抱いています。 ちなみに宗教という言葉を「広辞苑」で調べると、「神または何らかの超越的絶対者、あるいは卑俗なものから分離され禁忌された神聖なものに関する信仰・行事。また、それらの連関的体系 」と説明されています。 テーラワーダ仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老は「仏教は迷信ではないし、信仰でもない。論理的で実践的な心の科学である」と語っています。 また「仏教は解脱を目指すための修行である」という発言もあります。 評…

  • 典座教訓の二人の老僧

    道元の「典座教訓(てんぞきょうくん)」には、禅寺で修行僧の食事をつくる役職(典座)の重要性や心構えが詳しく記されています。 道元「典座教訓」 禅の食事と心 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) 作者:道元,藤井 宗哲 KADOKAWA Amazon その根本にあるのは、食事作りは禅修行の一環という考え方です。 家庭の主婦(主夫)がこれを読んでどう思うか心配ですが、道元は「若し道心無くば、徒に辛苦に労して、畢竟益無きなり(もし求道心が無ければ、ただ辛く苦しいだけの仕事で、結局益は無い)」とはっきり断言しています。 道元自身も宋に渡る前までは食事作りを禅修行とは思っておらず、それを教えてく…

  • ブッダという男

    前回のブログの続きです。 清水俊史氏の「ブッダという男―初期仏典を読みとく」 (ちくま新書)を読みました。 ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) 作者:清水俊史 筑摩書房 Amazon ブッダことゴータマ・シッダッタとはいかなる人物だったのか。 神話の中の存在だったブッダを歴史的な人物として捉えなおすというのが、近年の仏教学の流れですが、著者はその「歴史のブッダ」にも、研究者たちの「ブッダはそうあってほしい」という願望が投影されているとし、この本で新たなブッダ像を提示しています。 すなわち、「ブッダは平和主義者だった」「業と輪廻を否定した」「階級差別を否定した」「男女平等を主…

  • ダンマパダは初期仏典ではない?

    5年余り前に出版された本ですが、私にとって画期的ともいえる内容だったので、ご紹介させていただきます。 「初期仏教 ブッダの思想をたどる」 (馬場紀寿著、岩波新書)です。 初期仏教 ブッダの思想をたどる (岩波新書) 作者:馬場 紀寿 岩波書店 Amazon 著者は本の前半で、ブッダの滅後にラージャガハで開かれた結集(第一回結集)でまとめられた「法と律」こそ、正統な仏典であると指摘します(これは当然と言えば当然の話です)。 そして、この「結集仏典」は、上座部大寺派のパーリ三蔵のうち、経蔵の「四部(長部、中部、相応部、増支部)」と、律蔵の「経文別」と「犍度部」に受け継がれているとし、経蔵の「小部」…

  • プラユキ・ナラテボー氏

    魚川祐司氏との対談本で知ったタイの日本人僧侶プラユキ・ナラテボー氏の著書を早速買い求めて読了しました。 「「気づきの瞑想」を生きる―タイで出家した日本人僧の物語」(佼成出版社) 、「苦しまなくて、いいんだよ。」(PHP研究所)、「自由に生きる よき縁となし、よき縁となる。抜苦与楽の実践哲学」(サンガ)の3冊です。 最初の本以外は絶版ですが、ネット通販で中古本を入手することができました。 「気づきの瞑想」を生きる―タイで出家した日本人僧の物語 作者:プラユキ・ナラテボー 佼成出版社 Amazon 出版社が異なるせいか、本の内容はかなりダブっており、大学でNGO活動に取り組んでいたプラユキ氏がタイ…

  • 修証義の要約5

    第五章 行持報恩 此発菩提心、多くは南閻浮(古代インドの宇宙観に基づくこの世)の人身に発心すべきなり、今是の如くの因縁あり、願生此娑婆国土し来れり(誓願によってこの地に生まれた)、見釈迦牟尼仏を喜ばざらんや。(第26節) 悟りを求める心は、この世に生まれて初めて起こすことができる。 静かに憶うべし、正法世に流布せざらん時は、身命を正法の為に 抛捨せん(捧げる)ことを願うとも値うべからず、正法に逢う今日の吾等を願うべし、見ずや、仏の言わく、無上菩提を演説する師に値わんには、種姓(社会階級)を観ずること莫れ、容顔を見ること莫れ、非を嫌うこと莫れ、行いを考うること莫れ、但般若を尊重するが故に、日日 …

  • 修証義の要約4

    第4章 発願利生 菩提心を発すというは、己れ未だ度らざる前に一切衆生を度さんと発願し営むなり、設い在家にもあれ、 設い出家にもあれ、或は天上にもあれ、或いは人間にもあれ、苦にありというとも楽にありというとも、早く自未得度先度他の心を発すべし。(第18節) 悟りを求める心を起こすとは、自分より先に周囲の人々を救おうと願うことである 其形陋 しというとも、此心を発せば、已に一切衆生の導師なり、設い七歳の女流なりとも即ち四衆の導師なり、 衆生の慈父なり、男女を論ずること勿れ、此れ仏道極妙の法則なり。(第19節) 姿かたちがみすぼらしくとも、悟りを求める心を起こせば、人々の指導者である 若し菩提心を発…

  • 修証義の要約3

    第三章 受戒入位 次には深く仏法僧の三宝を敬い奉るべし、生を易え身を易えても三宝を供養し敬い奉らんことを願うべし、 西天東土仏祖正伝する所は恭敬仏法僧なり。(第11節) 次は仏法僧の三宝を深く敬い奉らなければならない 若し薄福少徳の衆生は三宝の名字猶ほ聞き奉らざるなり、何に況や帰依し奉ることを得んや、徒に所逼(心配事)を怖れて山神鬼神等に帰依し、或いは外道の制多(祠)に帰依すること勿れ、彼は其帰依に因りて衆苦(さまざまな苦悩)を解脱すること無し、早く仏法僧の三宝に帰依し奉りて 衆苦を解脱するのみに非ず菩提を成就すべし。(第12節) 山の神や鬼の神に帰依しても苦悩を解消することはできない 其帰依…

  • 修証義の要約2

    第2章 懺悔滅罪 仏祖憐みの余り広大の慈門を開き置けり、是れ一切衆生を 証入せしめん(悟りの境地に入れる)が為なり、人天誰か入らざらん、 彼の三時の悪業報必ず感ずべしと雖も、懺悔するが如きは重きを転じて軽受せしむ、又滅罪清浄ならしむるなり。(第7節) 仏と祖師は広大な憐みの門を開いており、誰もが懺悔し、罪過を浄めることができる 然あれば誠心を専らにして前仏に懺悔すべし、恁麼(かくのごとき)するとき前仏懺悔の功徳力我を 拯いて(救って)清浄ならしむ、 此功徳能く無礙(自由)の浄信精進を生長せしむるなり。浄信一現するとき、自佗(自分と他人)同じく転ぜらるるなり、其利益普く 情非情(生命のあるもの、…

  • 修証義の要約1

    曹洞宗の宗典である「修証義」の全体を把握するために、各節を1文で要約してみました。 修証義は、道元の「正法眼蔵」から比較的平易な言葉を抜き出して再構成したといわれますが、それでもかなり難解です。 全訳は諦め、全体像のおおまかな理解を優先しました。 第1章 総 序 生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の 因縁(課題)なり、生死の中に仏あれば生死なし、 但生死即ち涅槃と心得て、生死として厭ふべきもなく、涅槃として 欣う(喜ぶ)もなし、 是時、初めて生死を離るる分あり、唯一大事因縁と究尽すべし。(第1節) 生とは何か、死とは何かを明らかにすることが、仏教徒にとって最大の課題である。 人身(人間の生命)…

  • 般若心経の魅力

    般若心経の口語訳を作成するにあたっては、NHK「100分de名著」ブックス 般若心経(佐々木閑著)をはじめ、複数の解説書を参考にさせていただきました。 解説書によってこうも違うのかと驚くほど、訳文もさまざまなのですが、暗唱する上で参考となるよう(すなわち、意味を憶えていれば原文が口から出るよう)、意訳部分はできるだけ省いて逐語訳に近い内容とし、また、個人的に最も納得できる解釈を選びました。 ご存じのように般若心経は日本で最もポピュラーな経典であり、天台宗、真言宗、臨済宗、曹洞宗では日用経典の一つとして読誦されています(浄土真宗と日蓮宗では読まれません)。 262文字という、それほど長くも短くも…

  • 般若心経の口語訳

    般若心経を暗唱するために、逐語訳に近い口語訳を作ってみました。 空海の「般若心経秘鍵」に従って内容を5つに分け、経文に対応する釈尊の教えを赤字で記しました。 また、意味のつながりに合わせて、原文に半角の空白を挿入してみました。 摩訶 般若波羅蜜多 心経 偉大なる般若波羅蜜多(完全なる智慧)の核心を説く経 観自在菩薩。行 深 般若波羅蜜多 時。 観自在菩薩が、深遠なる般若波羅蜜多の修行をしたとき、 照見 五蘊 皆空。度 一切苦厄。 五蘊(人間および世界を構成する5つの構成要素)はすべて空であることをはっきり見極め、一切の苦しみと災いを乗り越えた。 舎利子。 舎利子よ。 色 不異 空。空 不異 色…

  • 「瞑想難民」問題

    引き続き魚川祐司氏の著作を買い求め、「悟らなくたって、いいじゃないか 普通の人のための仏教・瞑想入門 (プラユキ・ナラテボー、魚川祐司著、幻冬舎新書)にたどり着きました。 悟らなくたって、いいじゃないか 普通の人のための仏教・瞑想入門 (幻冬舎新書) 作者:プラユキ・ナラテボー,魚川祐司 幻冬舎 Amazon 「悟らなくてもいい」というインパクトのある書名は、タイの日本人僧侶であるプラユキ氏が、悟りの実現を目標とするはずの仏教の瞑想を、人生の苦しみからの解放に用いていることに因んでいます。 プラユキ氏が副住職を務めるタイのスカトー寺には、心の悩みを抱え、人生の希望を失った人たちがわざわざ日本か…

  • 心を神殿のように扱う

    『仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―』(魚川祐司著、新潮社)を読んで衝撃を受けてから、魚川氏の著作を読み漁っています。 「講義ライブ だから仏教は面白い! 」(講談社+α文庫)は、累計1万部を突破した魚川氏の電子書籍(前後編)を1冊の本にまとめたものです。 講義ライブ だから仏教は面白い! (講談社+α文庫) 作者:魚川 祐司 講談社 Amazon 中身は「仏教思想のゼロポイント」とほぼ同じですが、仏教の初心者向けに、対談による講義形式で書かれています。 「仏教思想のゼロポイント」もとても読みやすい文章なのですが、内容的にはそれなりに難解な部分があり、復習にはぴったりでしょう。 もちろ…

  • 日本の宗教信者数は1.6億人

    文化庁の令和5年度の宗教統計調査が発表されました。 それによると、2022年12月末現在の神道系の宗教団体の信者数は8396万人、仏教系は7076万人、キリスト教系は126万人、諸教が700万人、合計1億6299万人で、例によって日本の人口の1億2424人(2023年12月1日現在、概算値)を4000万人近く上回っています。 これは信教の自由・政教分離の原則から、数字は宗教団体の自己申告に従い、本人は信者と思っていない人々も信者として数えられているのが原因と思われます。 そんないい加減な調査ならやめてしまえという意見もありますが、宗教行政のための基礎資料としてやはり必要なのでしょう。 仏教系の…

  • 曹洞宗の宗義と宗史4

    明治時代に入り、神道中心の国家体制を目指した政府が神仏分離令を発令し、廃仏毀釈が起きると、仏教界は大きな打撃を受ける。 政府はさらに敬愛神国などの三条教則の解説を僧侶に義務付け、坐禅を本義とする曹洞宗においても、布教活動のための宗典の整備が急務となった。 そうした中、宗門を憂える人々が集まって曹洞扶桑会が結成され、仏教学者の 大内青巒(1845~1918年)が「正法眼蔵」の修証(修行と悟り)に関する要句を抜き取って、「洞上在家修証義」を編纂した。 曹洞扶桑会はこれを宗門の教化指導書として正式に採用してほしいと両本山に建議して承認され、永平寺貫主の滝谷琢宗(1836~97年)と總持寺貫主の畔上楳…

  • 曹洞宗の宗義と宗史3

    ところで曹洞宗には2人の宗祖がいる。 すなわち、日本曹洞宗の教えを確立した法灯(宗旨)の祖である高祖・道元と、今日の大教団の礎を築いた寺統の祖である太祖・瑩山である。 道元入滅後の曹洞宗は、教団として維持発展する上で二つの大きな問題を抱えることになった。 一つは、永平寺に移錫してからの道元が「一箇半箇の接得」へと傾斜し、出家至上主義とも受け取れる姿勢を打ち出したこと。 もう一つは、およそ50年にわたって続いたとされる、永平寺3世をめぐる道元の弟子たちの嗣法争い(三代相論)である。 永平寺2世の懐奘は1267年、住職の座を義介(1219~1309年)に譲るが、義介が曹洞宗の入門前に日本達磨宗3世…

  • 曹洞宗の宗義と宗史2

    さて、「普勧坐禅儀」で「専修禅」を主張した道元は、比叡山をはじめとする旧仏教から迫害を受け、1230年、京都の極楽寺別院、安養院に閑居する。 ここで道元は、現在は「正法眼蔵」の序論として扱われる「弁道話」を書き上げた。 1233年には安養院近くに、日本で最初の中国禅林式の僧堂を構える寺院、興聖寺を建立した。 またこの年、曹洞宗の根本聖典である「正法眼蔵」の第1巻をまとめた。 「正法眼蔵」は、道元が生涯にわたって書き続けた95巻に及ぶ大著であり、内容は現成公案、渓声山色、有時、無情説法など深い思索に基づくもの、行持、袈裟功徳、出家功徳、帰依三宝など出家者のあり方を説くもの、重雲堂式、洗面、洗浄、…

  • 曹洞宗の宗義と宗史1

    曹洞宗は中国禅宗5家7宗の一つで、名前の由来は、洞山良价(807~69年)とその弟子の曹山本寂(840~901年)を祖とし、頭文字を並べた「洞曹宗」が「曹洞宗」に逆転したという説と、南宗禅の祖である曹渓慧能(大鑑慧能、638~713年)と5代下った洞山良价の頭文字を取ったという2説がある。 日本で有力なのは後者で、道元が得法したのは洞山良价から雲居道膺(830~902年)につながる系統で、祖堂諷経(曹洞宗の宗祖や歴代の仏祖を供養する読経)の57仏にも曹山本寂は登場しない。 日本仏教の曹洞宗は、師の明全(1184~1225年)とともに入宋した道元(1200~53年)が、正師を求めて天童山景徳寺(…

  • 坐禅とマインドフルネス

    10年前に出版された本ですが、「アップデートする仏教」(藤田一照・山下良道著、幻冬舎)を読んで、個人的にいろいろと参考になりましたので、ご報告します。 アップデートする仏教 作者:藤田一照,山下良道 幻冬舎 Amazon 著者の藤田氏と山下氏は、在家からともに安泰寺で修行して曹洞宗僧侶となり、米国マサチューセッツ州のヴァレー禅堂で坐禅の指導を行った経歴の持ち主です。 山下氏はその後、ミャンマーで修行を積んでテーラワーダ仏教の僧侶となり、さらに曹洞宗、テーラワーダ仏教とも異なるワンダルマ仏教を提唱しています。 本は対談形式ですが、山下氏がほとんど一方的に主張を展開し、藤田氏がそれを補足したり、合…

  • 寺請制度はどうなったか

    今回は日本の寺請制度(檀家制度)についてまとめてみます。 日本の仏教の今後を考える上で、同制度への理解は欠かせません。 また私自身もそうですが、知っているようで知らない部分もあるようです。 寺請制度は、江戸幕府がキリスト教を取り締まるために始めたもので、民衆はいずれかの寺院の檀家となることが義務付けられ、寺院では現在の戸籍に当たる宗門人別改帳(しゅうもんにんべつあらためちょう)が作成されました。 民衆は旅行や婚姻、丁稚奉公などでその土地を離れる際には、改帳から起こした寺請証文が必要とされました。 寺院はこの制度により、幕府の出先機関(現在の役所の戸籍課)のような位置づけとなりました。 また、檀…

  • 坐禅の効果

    仏教そのものから少し離れてしまいますが、坐禅の話の続きです。 現在は絶版となっている「心が大きくなる坐禅のすすめ」 (中野東禅著、知的生きかた文庫)に、坐禅の効果が列挙されています。 心がすっきりする。 こだわりの心がなくなる。 集中力がつく。 人前であがらなくなる。 肩こり・腰痛・便秘が治る。 スタイルがよくなる…などなど。 座禅をすると、どうしてこれほどの効果が表れるのか。 同書によると、その秘密は座禅を行う際の「姿勢」と「呼吸」にあるそうです。 すなわち、両肘とお尻の3点で上体を支え、胸と首筋と頭を上に伸ばすことにより、背骨がまっすぐになります。 この姿勢こそ、背筋や首筋のりきみから解放…

  • 坐禅の正しいやり方

    曹洞宗を学び始めてから、自宅で朝晩、座禅を組むようにしています。 ネット通販で坐蒲(座禅用の座布団)は購入し、ニトリで安い畳マットを買いそろえました(坐蒲がなければ、座布団を二つ折りにしただけでもいいでしょう。畳やカーペットが敷かれている部屋なら、畳マットも必要ありません)。 仏壇屋 滝田商店 座禅布団 (座布) 綿 1.1尺(直径33cm)◆坐禅用のふとん 坐布 座蒲 坐蒲 座禅専用の座布団 瞑想 クッション 証明書付 仏壇屋 滝田商店 Amazon 坐禅のやり方は、道元の「普勧坐禅儀(ふかんざぜんぎ)」や「正法眼蔵」にある「坐禅儀」に詳しく記されています。 お寺の座禅会などで和尚さんが指導…

  • 曹洞宗の教科書 「修証義」

    曹洞宗の宗典であり、普段の法要などでお経として唱えられる「修証義(しゅしょうぎ)」について学んでいます。 修証義が生まれたのは、比較的最近のことです。 明治政府は近代化の流れの中で、各宗教団体に自治を認める一方、「宗派の制度(宗制)」を制定するよう求めました。 曹洞宗では、大本山の永平寺と総持寺が中心となって議論を重ねましたが、教理を一つに定めることは禅の考え方にそぐわず、難航したそうです。 そんな中、大内青巒(おおうち・せいらん)が自身が結成した「扶宗会」が発行する雑誌の中で、「洞上在家(とうじょうざいけ)修証義」と題する私案を発表しました。 その私案は曹洞宗の教えをよくまとめていると評判に…

  • 南泉斬猫のミステリー

    「正法眼蔵随聞記」を読んで知った「南泉斬猫(なんせんぜんみょう)」の話が、喉に突き刺さった魚の骨のように、忘れられません。 正法眼蔵随聞記 (講談社学術文庫) 作者:山崎 正一 講談社 Amazon ネットで調べると、有名な公案で、三島由紀夫の「金閣寺」にも出てくるそうですが、恥ずかしながら知りませんでした。 以下に中身を簡単にご紹介します。 南泉普願(ふがん)禅師の禅林で、あるとき東堂と西堂の僧たちが、子猫を可愛がって奪い合いになった。 これを見た南泉和尚が、子猫を取り上げ、皆に言った。 「さあ、何か一句言え。言い得たら、子猫を助けてやろう。何も言えないなら、切り殺してしまうぞ」 僧たちは何…

  • リンク集を作成しました

    仏教を学ぶのに役立つリンク集を作成しました。随時更新します。 伝統7宗派 天台宗 毎日更新、しょうぐうさんブログ 高野山真言宗 るるぶ金剛峯寺は高野山の情報満載 浄土宗 開宗850年「おやすみなさいサイト」 真宗大谷派(東本願寺) 東本願寺Walkerがダウンロードできる 浄土真宗本願寺派(西本願寺) 人生のヒント、仏事・行事Q&A 臨済宗妙心寺派 第二の人生プロジェクト 曹洞宗 座禅や写経のできる寺院を探す 日蓮宗 ざつくり納得 法華経のすべて 上座部仏教 日本テーラワーダ仏教協会 スマナサーラ長老らの法話 日本上座仏教修道会 ニャーヌッタラ長老の指導 瞑想の指導を受ける ヴィパッサナー瞑想…

  • 仏教思想のゼロポイント

    安易に人に本を薦めないと書いたばかりですが、ちょっと衝撃的な本を読んだので、紹介させていただきます。 ブログで以前に取り上げた仏教雑誌「サンガジャパン」の特集号にも出てきた 『仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―』(魚川祐司著、新潮社)です。 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か― 作者:魚川 祐司 新潮社 Amazon ブッダの思想をこれほど論理的かつ明晰に分析した本は、ほかにないのではないかというのが、読み終えた直後の感想です。 解脱・涅槃とは一体どういう状態をいうのか、そこに至るには具体的にどういう道筋を辿ればよいかなど、これまで初期仏教の本を読んでもはっきりと理解できず、もや…

  • 中野東禅先生のこと

    東京国際仏教塾の宗旨専門課程(曹洞宗コース)の第1回が新宿であり、中野東禅先生の講義を受けることができました。 中野先生は駒沢大仏教学部禅学科卒業、同大学院修士課程卒業。京都市・龍宝寺住職のほか、曹洞宗教化研修所や大正大、武蔵野大などの講師を務めてきました。 「読む坐禅:静かに深く生きるために」、『NHK「100分de名著」ブックス 良寛詩歌集―「どん底目線」で生きる』など、数多くの著書でも知られ、曹洞宗の教えを現代人にわかりやすく伝えるとともに、生命倫理問題などについても仏教の立場から積極的に発言されています。 初回は自己紹介ということで、中野先生のご自身の経歴について、エピソードを交えてお…

  • 仏教は飲酒を一切禁じているか

    果たして仏教は飲酒を一切禁じているのか。 馬鹿々々しいかもしれませんが、私のような酒好きの人間には、これは大きな問題です。 ご存じのように、仏教は在家信者が守るべき5つの戒めとして「殺生をしないこと」「盗まないこと」「不倫をしないこと」「嘘をつかないこと」「酒を飲まないこと」を定めています。 スッタニパータにも、ブッダが語った言葉として次のように記されています。 「女におぼれ、酒にひたり、賭博に耽り、得るにしたがって得たものをその度ごとに失う人がいる。-これは破滅への門である」 「酒肉に荒み、財を浪費する女、またはこのような男に実権を託すならば、これは破滅への門である」 ただし、上記の言葉は、…

  • 宗旨専門課程がスタート

    東京国際仏教塾の宗旨専門課程が今月からスタートしました。 仏教入門課程の修了者が天台、真言、浄土、真宗、臨済、曹洞、日蓮の伝統七宗派のコースに分かれて、宗派の歴史や教義、読教や仏前での作法を学びます。 各宗派のコースは毎年必ず開設されるわけではなく、3人以上の希望者がいることが条件となりますが、今年度は無事、全コースが開設されました。 さて、私はさんざん迷った末に曹洞宗を選択しました。 実は、在家出身の中高年者が僧侶になるには浄土真宗が最も現実的であるという話を以前耳にし、入塾前から宗旨専門課程では浄土真宗のコースを選択するつもりでいたのですが、いろいろと学ぶうちに気持ちが変わりました。 理由…

  • お坊さん便の値段

    少し前の話となりますが、お葬式の僧侶を低額で手配するサービス「お坊さん便」がアマゾンに出品されたことに対し、全日本仏教界が「宗教行為を商品にすべきではない」として販売中止を求める騒ぎがありました。 その後、アマゾンでの取り扱いは中止となりましたが、「お坊さん便」は運営会社のホームページから簡単に申し込むことができ、大きな需要があるようです。 同様のサービスを提供している会社はほかにもあり、それぞれのホームページの情報をもとに料金をまとめてみたいと思います。 まずは「お坊さん便(現在の正式名は、よりそうお坊さん便)」です。 直葬の場合(火葬場の読教だけ)が35,000円、一日葬の場合(告別式、火…

  • お薦めの仏教入門書

    以前にご紹介したブックガイドに倣って、お薦めの仏教の入門書をご紹介したいと思います。 本を薦めるのは、薦めに従って本を読む人の大切な時間を奪うことであり、安易な考えですべきではないというのが持論ですが、ここでご紹介する3冊はいずれも定評があり、ご容赦いただけると思われます。 最初に取り上げるのは「仏教入門」 (松尾剛次著、岩波ジュニア新書)です。 仏教入門 (岩波ジュニア新書) 作者:松尾 剛次 岩波書店 Amazon 中高生を対象にした仏教入門書ですが、仏教の基本的な考え方と仏教史の概略をつかむ上で、最適の本といえるでしょう。 仏陀の誕生から大乗仏教の成立、アジア各地への展開が、平易な言葉で…

  • 曹洞宗、日蓮宗の僧侶になる

    中高年が僧侶になる方法を、「定年後、ゼロから始めて僧侶になる方法」(向谷匡史著、飛鳥新社、絶版)の情報をもとに引き続きご紹介します。 主要7宗派ということで、残りの曹洞宗と日蓮宗について見てみます。 曹洞宗は、第二の人生プロジェクトで紹介した臨済宗妙心寺派と大きな違いはないようです。 師僧を見つけて得度を受けるのは、これまでと同じ。 僧侶になるにはこの後、専門僧堂に入り、厳しい修行生活を耐えなければなりません。 曹洞宗のホームページで確認すると、専門僧堂は大本山の永平寺(福井県永平寺町)や総持寺(横浜市鶴見区)をはじめ、全国29か所にあるようです(うち2か所は専門尼僧堂)。 期間は高校卒業者で…

  • 浄土宗、浄土真宗の僧侶になる

    前回に続き、中高年が僧侶(教師)になるにはどうすればよいかを「定年後、ゼロから始めて僧侶になる方法」(向谷匡史著、飛鳥新社、絶版)から拾ってみます。 天台宗、真言宗の次は浄土宗です。 僧師を見つけて得度を受けるのは、これまでと同じ。 教師資格は、毎年12月に総本山の知恩院(京都市)と大本山の増上寺(東京都港区)で毎年12月に開設される「伝宗伝(でんしゅうでんかい)戒道場」で取得しますが、その前に道場への入行資格を得なければなりません。 その方法はさまざまあるようですが、中高年の場合、①佛教大学の通信教育課程に入学する(高卒なら4年制、短大卒以上なら2年制、スクーリングの合宿あり)か、②増上寺な…

  • 天台宗、真言宗の僧侶になる

    中高年者が僧侶になるにはどんな手順を踏んだらいいのか、ネットで探してもなかなか情報がみつからない、と以前に記しましたが、ぴったりの情報が掲載された本を見つけました。 「定年後、ゼロから始めて僧侶になる方法」(向谷匡史著、飛鳥新社、絶版)です。 著者は元週刊誌記者、作家で、62歳のときに浄土真宗本願寺派の僧侶(教師)となりました。 作家だけあって、なぜ第二の人生に僧侶を目指したかを記した本文も大変面白いのですが、在家出身者が僧侶資格を取得する方法を宗派別にまとめた巻末部分に絞ってご紹介します。 まずは天台宗です。 天台宗で教師資格を得るには、比叡山(滋賀県大津市)の横川にある「比叡山行院」という…

  • ブックガイド

    仏教を学び始めてから、自分の関心の赴くまま、手あたり次第、行き当たりばったりに仏教書を読み続けています。 初心者向けに、ブックガイドのようなものがあると有り難いと思っていたところ、現在は廃刊となった仏教雑誌「サンガジャパン」が、7年前に「この仏教書を読め!!」と題した特集を組んでいるのを知り、手に取りました。 その中で52人の識者にアンケート調査を行い、重要な仏教書、大切な仏教書を3冊挙げてもらうページがあるのですが、これがなかなか興味深いです。 この雑誌はもともと初期仏教、テーラワーダ仏教を中心に取り扱っており、回答を寄せた識者も少々偏りがあるようで、初期仏教を学ぶためのブックガイドと考えた…

  • 大乗非仏説論

    仏教について初心者だった私が、大乗仏教が釈迦の本来の教えとは異なることを知って驚いたという話を以前に記しました。 今回はこの大乗非仏説論についてまとめてみます。 「般若経」「華厳経」「法華経」「無量長寿」といった大乗仏教の経典は、仏滅後400年近くも経ってから初めて世に現れたものであり、釈迦が説いたものではありえないと考えるのは、ある意味当然です。 中村元氏は大乗経典について「それ以前に民衆のあいだで愛好されていた仏教説話に準拠し、あるいは仏伝から取材し、戯曲的構成をとりながら、その奥に深い哲学的意義を寓意させ、しかも一般民衆の好みに合うように作成された宗教的文芸作品である」と記しています。 …

  • 第二の人生プロジェクト

    以前にブログで書いたとおり、東京国際仏教塾は「還暦得度運動」を実現する機縁を提供する場として生まれました。 得度というのは、一般にはあまり馴染みがない言葉だと思われます。 もともとは「出家して僧となり、僧籍に入ること」を意味しましたが、現在では当てはまりません。 あえてカテゴリー分けすれば、「僧侶見習い」といったところでしょうか。 東京国際仏教塾のホームページでは「正式な仏教徒となること」「宗派宗門で認められた一定の資格を持つ僧侶による、きちんとした儀式を通して仏弟子になり、以後は仏教徒の自覚をもって生きていくこと」と説明されています。 いずれにしろ、得度を受けても、僧侶として葬儀でお経を上げ…

  • 「原因」と「結果」の法則

    「ブッダが説いた幸せな生き方」 (今枝由郎著、岩波新書)を最近読んで、興味深い記述を見つけました。 『「原因」と「結果」の法則』(ジェームズ・アレン著、坂本貢一訳、サンマーク出版)という本をご存じでしょうか。 英国の作家ジェームズ・アレン(1864~1912年)が1903年に出版した、自己啓発書の原点ともいわれる本です。 宣伝文によると、聖書に次いで1世紀以上もの間、世界中の人たちに読まれ続けているというロング・ベストセラーで、日本語版も60万部を突破しているそうです。 実は私も10年以上前に手にし、続編も買い求めました。 その本の冒頭に書かれている文章(読んだ方にはわかると思いますが、この本…

  • 初期仏教

    インドの仏教は初期仏教、部派仏教、大乗仏教、密教の順に発展し、そして姿を消しました。 スリランカや東南アジアの仏教は部派仏教の一派である上座部仏教で始まり、現在まで命脈を保っています。 そして中国や日本には大乗仏教と密教が、チベットには後期密教が伝わりました。 ところで、岩波仏教辞典第二版で初期仏教(原始仏教)を引くと、次のように記されています。 「通常、仏教の開祖釈尊によってはじめられた統一原始教団が、仏滅後100年頃、部派に分裂するまで、または前3世紀のアショーカ王(阿育王)時代頃までの、インド仏教の最初期の段階を指す」 低次元の原始宗教を連想させるイメージが嫌われ、日本では当初、「根本仏…

  • 仏教の歴史と伝播

    初期仏教を理解する上でのカギとなる仏教の歴史とアジア各地への伝播について、自分の頭の中を整理する意味を込めてまとめてみたいと思います。 仏教は今から2500年前、インド北東部のブッダガヤで、当時35歳の釈尊ことゴータマ・シッダッタ(紀元前463~383年、生没年には諸説あり)が悟りを開いたことで始まりました。 釈尊の入滅後100年ほどして、仏教教団はその運営方法をめぐって上座部と大衆部に分裂し(根本分裂)、さらに20ほどの部派仏教に分かれます。 ここでマウリヤ朝のアショーカ王(紀元前304~232年)が登場し、各地に伝道師を派遣し、上座部仏教がスリランカに伝わり、さらにミャンマーやタイ、カンボ…

  • 中村元氏

    前回に続き、中村元氏(1912~1999年)について記します(このブログは初心者が生かじりの知識で書いています。もし間違っている点がありましたら、どうかご指摘ください)。 中村氏は島根県松江市の出身で、東京帝国文学部印度哲学梵(ぼん)文学科、同大学院卒業。 30歳という異例の若さで同大文学部助教授、文学博士となり、同大教授、文学部を歴任。 定年退官と同時に東方学院を開き、同院長に就任しました。 インド哲学や仏教学、比較思想学の研究における多大な功績により、1977年に文化勲章、84年に勲一等瑞宝章を受章しています。 中村氏の人柄を語るエピソードで最も印象的なのが、辞書原稿紛失事件です。 中村氏…

  • 原始仏教

    前回ご紹介したように、東京国際仏教塾では3本のレポートの提出が求められ、作成に際してそれぞれテキストが指定されます。 その中の1冊、「原始仏教 その思想と生活 」(中村元著、NHKブックス)が、私のその後の原始仏教(初期仏教)への志向を決定づけることになりました。 まったくお恥ずかしい限りなのですが、それまで中村元(はじめ)氏の著作を読んだことがありませんでした。 そして中村氏が日本の仏教学会において、他の追随を許さない巨人のような存在であることも知りませんでした(自分がこれまでいかに仏教学と縁のない世界に住んでいたかがわかります)。 さて、本の話に戻りますが、釈尊(ゴータマ・シッダッタ)が「…

  • 東京国際仏教塾

    東京国際仏教塾に関心を寄せている人たち、あるいは入塾を検討している人たちのために、塾の説明を続けます。 通信制の教育機関といいましたが、仏教入門課程(4~10月)で出席が求められるのは、4月下旬の開講式(東京・東京大学仏教青年会館)、続けて行われる第1回修行(千葉・妙厳寺)、5月下旬のスクーリング(東京大学仏教青年会館)、6月下旬の第2回修行(千葉・鹿野山禅青少年研修所)の4回だけです。 このほかに、8月下旬に任意参加の体験修行(千葉・東福寺)、9月中旬に第1回、第2回の修行に参加できなかった人のための補足修行(千葉・光明寺)があります。 いずれも土日か、金、月曜日にかけての週末開催なので、仕…

  • 還暦得度運動

    今年4月にスタートした東京国際仏教塾の仏教入門課程が無事終了し、11月からの宗旨専門課程に進むことになりました。 東京国際仏教塾は、「還暦得度運動」を提唱した光明寺住職の大洞龍明師(1937~2020年)が1988年に立ち上げた通信制の教育機関です。 「還暦得度運動」とは、企業など務める多くの日本人が定年を迎える人生の節目の年に、仏教の道を歩みだそうという運動です。 大洞師は著書「生と死を超える道 中高年からの仏道研究/得度のすすめ」の中で、還暦得度運動を提唱した理由について、次のように記しています。「仏道を探究するうえで、僧侶になることは何ら条件ではない。が、正式に得度式を受けて僧侶の資格を…

  • スマナサーラ長老

    アルボムッレ・スマナサーラ長老の特別講演会が、名古屋の中日文化センターであり、大いに期待して出かけました。 スマナサーラ長老はご存じのように、スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)の日本における伝道師のような役割を務め、ベストセラーとなった「怒らないこと」をはじめ100冊以上の著書があります。 私のように初期仏教に傾倒している人間にとっては、遥か遠くに仰ぎ見る師のような存在です。 名古屋で有料の講演会(受講料3300円)を開いて、一体どれだけの人が集まるのかと少々心配していたのですが、60席ほどの机と椅子が並んだ会場は満員でした。 スマナサーラ長老を直に目にするのは今回が初めてです。 ただ、日…

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