私たちの社会では、数多くの場面で「公平な分配」や「ランダムな選択」が求められます。しかし、選挙制度における議席配分や宝くじの当選確率の問題を深掘りすると、どちらも単純な確率論では説明できない「偏り」が存在することがわかります。本記事では、選挙の議席配分と宝くじの当選確率の関係を統計的な視点から考察します。 議席配分と偏りの測定 従来の偏りを測る尺度は,あまりにも,大州・小州の定義に依存し過ぎたようである.典型的なものとして,L を大州の集合として,変量 kL = ∑ L ai= ∑ L pi を定義する.同様に,S を小州の集合として,kS = ∑ S ai= ∑ S pi を定義する.これら…