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夢のいたずら https://kukinami.muragon.com/

新谷雅先(しんたにまさき)といいます。 昭和32年に福岡県で生まれた男子です。詩やエッセイを中心に書いています。時にオリジナル曲もアップしています。 好きな言葉:「ゼロから数字を生んでやらう」(高村光太郎)

新谷雅先
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八幡西区
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2023/09/22

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  • 老眼鏡

    経済、外交、内輪もめ いろいろと問題が 山積しているのでありますが 相も変わらずこの国民は 「何をどうしたらいいのか・・ わかんなーい」とでも言いたげな あの眠た顔の老眼鏡たちを 非難したり、馬鹿にしたりしながらも 国の舵取りを任せているのであります。 世界の流れから察しま...

  • 臭さ

    自分の人生の中で培われた考えがそっくりそのまま書かれている、そんな本に出会うことがたまにある。そういう時、「ああ、これを書いた人も、同じ生き方をしてきたんだな」と、まるで生涯の友にでも会ったような、大きな喜びを得るものだ。 そういう本は、自分を変えてやろうと意気込んで読...

  • 古い歌

    ラジオから古い歌が流れていた。50年以上前の歌謡曲だとか、その頃流行ったGSの歌だとかだ。 番組を制作しているプロデューサーは、おそらくぼくと同じ世代の人なのだろう。その時代に生きていた人にしか、出来ないような選曲になっているからだ。 ところでそういう歌を聴いていて、...

  • 好きだった有名人、好きな有名人

    映画「お嫁においで」の頃の内藤洋子さん ドラマ「これが青春だ」の頃の岡田可愛さん ドラマ「キイハンター」の頃の野際陽子さん ドラマ「柔道一直線」の頃の吉沢京子さん ドラマ「おくさまは18歳」の頃の岡崎友紀さん ドラマ「姿三四郎」の頃の新藤恵美さん ドラマ「おひかえあそばせ」...

  • 印象

    たとえば深夜、街が寝静まっている時に一匹の猫の子が鳴いたとしましょう。これが妙に心に響くのです。昼間、喧噪の中で重大な事件があったとしても、人にはその声の方が一日の印象として残るものなのです。 仕事でも同じことでしてね、会議が行き詰まって誰も発言が出なくなった時に、意見...

  • シンプル

    観光地のお土産屋さんなどでよくタヌキのアクセサリーを見かけるが、何が楽しいのか、その股間には決まって紐付き金玉が付いている。 それを見ていつも思い出すのが、1970年頃に流行した、紐付き金玉をそのまま大きくしたようなアメリカンクラッカーという玩具だ。遊び方はいたってシン...

  • ハンカチ

    ハンカチ、コロナ禍以降はちゃんと携帯しているが、それ以前ぼくは携帯してなかった。小学生の頃は毎日先生がチェックをしていたために携帯せざるをえなかったのだが、そういうチェックが行われなくなった中学以降はハンカチを携帯しなくなった。それがコロナ禍までずっと続いていた。 ハン...

  • ジャニス・イアンのライブ

    もう十数年前になるが、ブルー・ノートが博多にあった頃に、ジャニス・イアンのライブを見に行ったことがある。 ドラマ『グッドバイママ』や『岸辺のアルバム』の主題歌がえらく気に入り、それから彼女の歌を聴くようになった。現在主だったアルバムはすべて持っている。 さてそのライブ...

  • 五十年前の地図

    五十年前の地図を見ると このあたりは社会科で習った 田んぼや畑の記号でいっぱいだ。 現在バイパスが走っているところは 道すらも存在しない。 現在ファミレスのあるあの場所は なんと果樹園になっている。 さて、その当時も小学校は 現在と同じ場所に存在している。 一学年に数クラス...

  • 事故を見た

    初めて交通事故を見たのは五十年以上前になる。道路に飛び出してきた女の人を乗用車がはねたのだ。 女の人はまるで柔道一直線の二段投げのように、軽々と宙を飛んでいった。その人がどうなったのかはわからないが、その光景だけがぼくの心に焼き付いて、今なお心の中で再現する。 時代は...

  • じゅげむじゅげむ

    小学三年生の頃、ひょんなことからじゅげむを覚えた。当時はその程度の文字数なら、何の苦もなく覚えられたのだ。徐々にきつくなったのは中高生の頃からで、歴史の年号や数学の公式などに、いつも手こずっていたものだ。 社会に出てからさらに酷くなった。深酒やたばこやストレスが老化を早...

  • 水道水

    家に帰ってから水道水でうがいをする。口に入れた瞬間、あまりのまずさに水を吐き出してしまう。こういうことがしょっ中ある。いくらきれいだからといっても、最近の水道水はうまいものではない。 そういえば子どもの頃の楽しみのひとつに、広場で野球をするというのがあった。組織化された...

  • 姓名判断

    本屋に姓名判断の本があったので、自分の名前を占ってみた。ぼくの名前、画数で占えば、ネアカで誰からも好かれるのだそうだが、名前の読みで占えば、明るくてネクラで偏屈な人なのだそうだ。 さて、これをどう捉えたらいいのだろうか。ネアカなネクラと捉えたらいいのか。それとも、時にネ...

  • 香水のかほり

    元来うどんが大好きで、 外回りをやっていた時 昼食といえば、いつもうどんだった。 他の料理を注文しようと思っても、 あのにおいがするともうだめで、 ついこの口が「うどん」と言ってしまうのだ。 さて、そのうどんを食べている最中、 どこからともなく場に合わない 妙な臭いが漂って...

  • 伽草子

    高校の頃、ぼくは吉田拓郎に憧れていた。「その生き方が好きなんだ」などと知ったようなことを言っては、よくその言動を真似ていたものだった。 だけどぼくはその時期の拓郎さんが、どういう生き方をしていたのかなんて全然知らなかった。知っていたのは拓郎は拓郎でも、マスコミの作り上げ...

  • 遅刻

    1,悔しい夢 今でも7時46分の駅前行きバスに乗り遅れる夢を見る。そのバスが仮に遅れてきても、国道の渋滞に引っかかっても、駅前から出ている8時20分の学校前行きのバスに間に合うのだ。そして8時20分のバスに間に合えば、学校に遅刻しないで行ける。 高校三年間、ぼくはそのバ...

  • お客様、それはないでしょう

    1, 某家電専門店に勤める知り合いから、こういう話を聞いた。 初老の男性が販売員に声をかけた。 「このテレビを届けてくれ」 「ありがとうございます。では、こちらにお届け先の住所をお書き下さい」 「何で書かんとならんのか」 「えっ、配達されるんでしょ?」 「何を聞いとるん...

  • 罰が当たるぞ

    第二次世界大戦後、進駐軍が羽田空港拡張のため、そこにあった神社を移転させようとした。 ところが、ご神体は無事移転できたのだが、鳥居だけはできなかった。鳥居を動かそうとすると、なぜか事故が起きるのだ。そのため、鳥居だけはそこに残すことになったという。 ぼくが通った高校の...

  • 花の首飾り

    昭和43年はグループサウンズの絶頂期で、タイガース、テンプターズ、スパイダース、オックス、カーナビーツ、ゴールデンカップス・・・。小学5年生のぼくの目に、彼らはまぶしく映っていた。 一番心を奪われたのは、ジュリーやピーのいたタイガースで、ファンレターなんかも送っていた。...

  • 中学の頃

    こんにちは、こんにちは、 世界の国から、こんにちは、 万博、万博、世の中すべて万博だ、 仰げば尊し、我が師の恩、 小学校を卒業すれば、 その時から世界が変わる、 晴れて中学一年生、 初めて着る学生服、 女子の胸の膨らみと、 わけのわからない衝動と、 初めての中間試験、期末試...

  • カメレオン

    会社の帰りにスーパーに寄ったら、見ず知らずの人から、 「納豆はどこですか?」と聞かれた。 「店の人間ではないですよ」と言うと、 「あっ、すいません」と言って、その人は向こうに行った。 こういうことはよくあることで、電気屋でラジカセの説明を求められたり、書店のコミックコー...

  • ワードプレイス

    こうやって毎日ここに文章を書いている。最初は大雑把な文章を書いていたのだが、いつしか細かな言葉を追うようになった。つまりナンバープレイスの数字を探すように、神経を尖らせて言葉を探しているわけだ。 そのことに気づいてからぼくは、ここに文章を書くこの場を、ナンバープレイスに...

  • 夢の話

    ラジオで、 「砂浜にお金がたくさん落ちている夢とか、龍が昇る夢を見た時、家を建てたりいろいろいいことが重なった。逆に落ちる夢などを見た時には離婚したりしてあまりいいことがなかった」と言っていた。 そうなのか。ぼくはそんなに人生を暗示するような夢を見たことがないので、何か...

  • 今日のnote

    2ヶ月ほど前からnoteをやっています。基本こことは違った記事を載せています。が、時々同じ記事も載せてます。 これからは、完全に記事を分け、こちらに紹介していこうと思っています。 ということで、今日の記事二編です。

  • 菅原道真

    菅原道真といえば、 「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」という歌が有名な、平安時代の政治家であり学者だ。しかし、その歌以上に有名なのが、 「白紙に戻そう遣唐使」である。 いかに歴史嫌いの人でも、一度は目にしたことがある言葉だろう。 これは別に菅公が言...

  • 盤珪

    30代の頃、仏教の書物を読み漁ったことがある。20代の頃に中国思想に耽っていたが、30代の始めに中国思想ではどうにも解決できないものにぶち当たってしまい、仏教書に走ったのだった。 かなり読みましたね。特に好きだったのが、禅宗関係の本だった。読後の爽快感は他の宗派の差では...

  • お金の遣い道

    主なお金の遣い道。 十代までは本代と駄菓子代だった。 十代は本代とレコード代とギター代。 二十代は本代とレコード代と飲み代。 三十代は本代とCD代とカーローンと飲み代と。 四十代は本代と車の維持費と家のローンと飲み代と。 それ以降は電子書籍を含む本代と家のロー...

  • 三国志のこと

    ぼくが初めて三国志を読んだのは、20歳の頃だった。その頃のぼくはやることもなく、いつも暇つぶしに本屋に行っていた。 「どうせ暇だから、長編でも読んでみるか」と手に取ったのが、吉川英二の『三国志』だった。 文庫版全8巻を買い込んで読んでみた。ところが、とにかく登場人物が多...

  • SLと笠谷

    先月、1972年の札幌冬季オリンピック、スキー70メートル級ジャンプで金メダルを獲得した笠谷幸生さんが亡くなりました。 「そういえば、ずっと前に笠谷選手のことを書いたことがあった」 と思い探してみたら、ありました。2003年3月23日の日記です。 1972年2月11日...

  • 糖分は控え目に

    1, 自慰眠酒糖だとか、利権眠酒糖だとか、 小梅糖だとか、狐狗狸眠酒糖だとか、 強酸糖だとか、三味線糖だとか、 糖分表示のない糖だとか、 この体の中にはいくつかの 糖分があるわけでありまして、 その糖分が微妙に絡み合って 体を蝕み、虚弱体質を 作っているのであります。 これ...

  • 気になる言葉

    (1) 最近気になる言葉があって、それがことあるごとにぼくの頭の中をよぎっていく。どんな言葉なのかというと、「ゆっくり、ゆっくり」だ。 どういう意図があって、こういう言葉がよぎるのだろう?焦っている自分を戒めているのだろうか。 そういえば、その言葉が頭の中をよぎる時は...

  • 田んぼの中の家

    小学生の頃、 どこまでも広がる一面の田んぼの中に 友だちの家があった。 夏の暑い日、 友だちの家の庭に巣くっていた アリジゴクを観察しに行ったり、 冬の寒い日、 グリコアーモンドチョコレートの懸賞賞品だった 「おしゃべり九官鳥」を見せてもらいに行ったり、 数々の思い出の中に...

  • うちの嫁さんはインコ顔

    1, うちの嫁さんは猫が大嫌いだ。 猫が大好きなぼくからすれば なんで嫌うのかがわからない。 一体猫のどこが嫌いなのかと とある日嫁さんに聞いてみた。 すると嫁さんは怯えた顔して 猫のあの顔が怖いのだと言う。 意地悪そうな目も怖いのだと。 あの顔のどこが怖いのだろう。 トラ...

  • 迷惑アイテム

    一般的には何と言うんですかね、 デパートのトイレの手洗い場などにある 手を入れるとシューと風が吹いて乾かす アレですよ、アレ。実は、ぼくは アレをうまく使いきらんのです。 いちおう手を入れてシューシューと やってはみるんだけど、一度も 手が乾いたためしがない。 だいたいアレ...

  • 流れ

    好きな言葉の一つに「流れ」がある。 昔ある問題を抱えていたことがあって、 何をやってもなかなか解決しようとしない。 そういう時に読んだ本が 老子であったり禅書であったりしたのだが、 こうなりゃどうにでもなれという気持ちで、 そこに書いてあった「流れ」というものに任せ、 慌て...

  • 昔書いた時事ネタ

    以前はぼくも時事ネタを書いていたのだが、ある時期から新聞を読むのが面倒になり、段々そういうネタから遠ざかっていた。 昔投稿したものや、ノートに書いていたものを拾ってみました。 今年の夏を統括する -日本というのは、 ユーラシア大陸の 東側に浮かぶ島国で、 宇宙人が...

  • ゴールデンウィーク

    毎年のことなのだが、ゴールデンウィークは一応稼ぎ時だということで、なかなか休みが取れない。正月も盆も同じだ。さらに、土日祝祭日もなかなか休みが取れない。これが流通業の宿命だといえる。 まあ、若い頃の就職の条件が、『人が働いている時に休みたい』だったから、希望通りになって...

  • イメージ

    うちの駐車場に数匹のネコがいる。ペット禁止のマンションなので、もちろん彼らはノラである。 ところが誰も彼らには餌を与えてないはずなのに、彼らは一様に人懐っこい。そこに住んでいる常連さんはもちろん、営業でやって来る一見さんを見ても逃げようとはしない。 きっと何かを期待し...

  • 犬のウンチを踏んだ日の人生

    基本は土を踏むのと何ら変わらないのですが、 それを踏んだとたん、 それまでの環境が一変してしまうものなのです。 そのことを見聞きした友だちからは馬鹿にされ、 あげくに好きなあの子に暴露され、 ついには変なあだ名をつけられるのではないか… といらぬ心配をしなければならなくなる...

  • ♪ためいき

    ためいき 新谷 雅先 · ためいき さりげないためいきやめて 今日から真面目にやっていくんだ 昨日吐いたあの言葉に 嘘や偽りはないんだから そしていつか見返してやるんだ あいつも、あいつも、みんなまとめて あの日のぼくは正しかったんだと それがぼくの人生だったと もう振り...

  • 寂しい駅前通り

    駅前商店街が駄目になった原因の一つに、車社会の到来が読めなかったということがある。 特急の停まるJRの駅があり、そこに隣接する大きなバスセンターがあり、その中には私鉄の始発駅がある。しかも人口は多い。 ということで、駅前で商売する人は、永遠に繁栄が続くものだと思ってい...

  • 人間関係

    今日会った彼女とは、行きつけの 飲み屋が同じというくらいの仲で 飲み屋が同じというだけで話が盛り上がった。 とはいえ店で会ったことはない。 昨日会った彼とは、共通の 知り合いがいるくらいの仲で いつも挨拶代わりに共通の知人の話題が出る。 とはいえ三人揃って会ったことはない。...

  • 二人はよろめいているの

    中学の頃に見た『おさな妻』というドラマの中に 「二人はよろめいてるの」というセリフがあった。 タイトルに反して健全な青春ドラマだったのだが 当時思春期の真っただ中にいたぼくはそのセリフ 「よろめく」という言葉に妙に艶かしさを感じて そのセリフを聞くたびによろめいていたのだった。

  • 卵割れちゃった

    スーパーなどで買い物して 帰ってきてからいつも困るのが 玄関での卵割れだ。 これがけっこう事件なのだ。 せっかくそこまで慎重に 慎重に運んできたのに 玄関を開けた途端に気が抜けて つい乱雑に置いてしまうのだ。 中身が溢れてしまうと 他の荷物や床についてしまい 乾くまではぬる...

  • トイレと芳香剤

    いくらトイレのにおいを隠しても においは隠せるものではない。 芳香剤を置いて隠したつもりでも どこかにトイレのにおいは残っている。 そして芳香剤の力が弱まれば 再びトイレのにおいで満ちてくる。 今度は元々あったトイレのにおいに 気の抜けた芳香剤の香りまで加わって 前にも増し...

  • テレビ塔

    山の上にテレビ塔が見える。地デジやFMの電波はあそこから流れてくるんだ。 ふと思う。今の文明がなくなって、まったく違った文明になった時、その時代の人たちはあのテレビ塔を見て、いったい何と思うのだろうか。さすがに自然の産物だなどとは思わないだろうが、結局訳がわからずに、古...

  • ショルダーバッグ

    1、 出かける時には、いつもショルダーバッグを肩に引っかけて行っている。中に入っているのは、手帳とボールペンと本が一冊で、他には何も入ってない。 手帳やボールペンは、別にブログの下書きをするためではない。以前は詩や短歌や俳句などを書いていたが、読み返してみると、字が汚す...

  • 六十代

    人間の平均寿命が百二十歳になったら きっと六十代なんか若造で 先輩諸氏からいつも 怒鳴られているだろう。 人間の平均寿命が百二十歳になったら きっと六十代の髪は黒々していて 白髪や薄毛の人は早熟な人と言って からかわれるだろう。 人間の平均寿命が百二十歳になったら きっと六...

  • 嘘つき

    男は 絶対に浮気はしません という嘘をつく 女は 絶対に嘘をつきません という嘘をつく 喫煙家は もうタバコは吸いません という嘘をつく 二日酔い野郎は 二度と酒は飲みません という嘘をつく 子供は 絶対に勉強します という嘘をつく 年寄りは わしが若かった頃は という嘘を...

  • 1957年製

    朝目覚めるとぼくはこの機械に キーを入れてエンジンをかける。 機械はしばらく停滞してから 「よっこらしょ、よっこらしょ」 ゆっくりゆっくり動き出す。 この機械は1957年製だから 66年間使用していることになる。 たまに故障はあったものの 性能がよかったのか、運がよかったの...

  • 昨年の日記より

    昨年、尾崎放哉にはまっていた頃に、自由律俳句や自由律短歌のまねごとで書いたものです。 ---------- 四月の半ば、明日は 真夏日になるという 時々、雨 菜種梅雨 街灯、 ビニール傘を映す 初夏 季節の変わり目 背中が痛い 春の夕暮れ 左から三番目の 文字をさがす そこ...

  • 半袖しましょうよ

    このごろ暖かくなってるし たまには暑くもなってるし 四月もなかばになってるし そろそろ半袖しましょうよ 吹く風はすでに初夏になり 長袖のボタンが暑苦しいし どうにも通気がとどこおる やっぱり半袖しましょうよ 皮膚で呼吸が出来るように 汗がちゃんと拭えるように そろそろ春を捨...

  • さて、

    さて、 社会に出てから四十年以上になる。 ずっと客商売をやってきたのだが 現在働いているところは 家から歩いて行けるくらいに 近い場所にある。 ここまで近いのは初めてだ。 一時間以上もバスや電車に揺られ 最後は走って職場まで 通っていたのがうそのようだ。 さて、そのせいでも...

  • タケノコ

    毎年春になると タケノコばかり食べている。 買っているわけではない。 いろいろな人がくれるのだ。 まあ、嫌いな食べ物ではないし 体にもいいものだから ビールや酒の肴や ご飯のおかずにしている。 だけど、五月末までの おおよそ二ヶ月間 タケノコ攻勢に遭うもんで 四月の中旬を過...

  • 人類が滅亡する

    2024/04/12 人類が滅亡する (2011/10/28) 1, 一説によると 数十年後に人類は滅亡するらしい。 それは大変な話ではある。 しかし個人という単位だと ただ死ぬだけの話で 人類の滅亡というのは ただのおまけにすぎない。 一人で死ぬのではなく みんなで死んで...

  • 新学期(後編)

    3, 高校生になると、再びクラス替えが関心事になってくる。 クラス替えに直接関係あるのが、2年と3年の時だ。 2年の新学期の頃は、1年の頃に同じクラスや同じ部活の人間以外はあまり知らない。そこで、クラス替えに新しい出会いを求めたのだ。このへんが、小中学校時代のクラス替...

  • 新学期(前編)

    2002年4月4日の日記です。 1, 小学生の頃、この時期の一番の関心事といえば、なんと言ってもクラス替えだった。ぼくたちの学校は、2年単位でクラス替えをやっていたので、その先2年間の運命が始業式に決まったのである。 「こいつと一緒のクラスにクラスになりたい」と思う奴と一...

  • ピーチクパーチク

    上空でピーチクパーチクと、 鳴いているのがヒバリだと 知ったのは肥後熊本の民謡の 『おてもやん』を聴いてから。 春になるとせわしなく ピーチクパーチクその声が、 憚ることなく聞こえてくる。 聞こえてくるのはくるのだが、 ぼくはその姿をこれまで今まで 一度っきりとて見たことが...

  • 自信を持って

    気づくと悩んでいる自分がいる。 なにを悩んでいるのかというと それがまたどうでもいいことで すでに終わっていることだとか 今つぶやいたひとりごとだとか 来てもいない将来のことだとか。 つまり無駄に悩んでいるわけだ。 常に悩み顔ばかりしているから 道端の猫から「退けよおっさん...

  • ♪レジャーモービルの女

    「レジャーモービルの女」 というタイトルの歌がある。 もう三十年以上も前の歌だ。 自分で作った歌なのだが 最近その歌にはまっている。 車に乗っている時は いつもその歌を聴いている。 ブログの更新時にも聴いている。 お風呂で鼻歌も歌っている。 別に古い思い出に浸っているわけで...

  • ひとりぼっち

    ぼくは20歳から22歳まで東京に住んでいた。 20歳の春にまったくの未知だった東京に飛び込んでから一年、ようやく東京生活に慣れた頃だった。それとなく仲間が出来、その仲間と飲みに行ったり、ドライブに行ったり、彼らの家を泊まり歩いたりして親交を深めていった。 ところが、彼...

  • どっちもどっち

    スマホで調べものをしている時に 同世代と思しき方が近づいてきて、 「見えるんですか」と言うのです。 『おかしな人だ』と思っていると、 同世代のぼくがメガネもかけずに スマホの細文字を見ていることが 羨ましく思えて声をかけたんだと。 六十を超えた今もスマホの文字は 見えるので...

  • 亀さん

    亀は自分を亀だとは思っていない 他と形が違うとは思っているけど ゆえに私は亀なんだとは思わない もちろん仙人だとも思っていない 自分を亀だと自覚することよりも 亀は日々の糧を探すことに一杯で 時に敵から身を守ることに一杯で もがくように歩くことにも一杯だ 亀は自分を亀だとは...

  • のどが渇く

    こんなにのどが渇くのは 空気の乾きか病気のせいか。 水を飲めば渇きも癒えるが すぐまた渇きがやってくる。 四月中旬の気候だというのに 何でこんなに渇くのか。 こんなにのどが渇くのは 四半世紀も前に熱中症で 病院に担ぎ込まれた時以来だ。 真夏の暑い一日だった。 熱風が体を包ん...

  • ♪春のようなしぐさ

    春のようなしぐさ 新谷 勝先 · 春のようなしぐさ 春に舞う鳥になれたら いつもぼくは君のそばにいて 二人で空を翔んでは ありったけの愛を歌う こんなひとときにも君は 苦労性に体を動かす 「それでもいいよ」という君を見ていると ぼくはとてもやりきれなくて 笑いながら日々を過...

  • 風濃く吹けば

    風濃く吹けば桜舞い 桜吹雪けば風が散る 散らばる風に雲集い 雲極まって雨が降る 雨清く降り地を洗い 地清まれば風が吹く 風濃く吹けば桜舞い 桜吹雪けば風が散る…

  • 1978年4月、上京

    1978年4月の上旬のことだった。 キャンディーズの解散コンサートを テレビでしっかり目に焼付けてから 桜前線を追うようにぼくは上京した。 東京で新幹線から中央線に乗り換え 降りた駅が当時国電の新宿駅だった。 この街がぼくの東京デビューとなる。 一度も来たことのない街だった...

  • お酒の言い分

    何か問題が起きるたびに毎回毎回 お酒が悪いんだと言いますけどね 私は何ひとつやってはいませんよ だって私暴れたりはしませんから それよりも私が問題だと思うのは 全て酒のせいということにすれば 悪い印象が少しは軽くなるだろう といった世間の甘えた考え方です 酒中別人と言って、...

  • 車道日記

    数日前の話。 嫁さんを迎えに行く途中に、数台のパトカーとすれ違う。きっとまた警らという名の取り締まりなのだろうが、そうやって車ばかりいじめずに、 少なからず事故の原因となっている自転車を取り締まれよ。 車の場合、いくら一時停止を怠ってもスピード違反しても、とりあえずは...

  • 青春のスクイズ

    きっとあいつは走ってくる。 砂煙を上げ滑り込んでくる。 ベンチはヒッティングから スクイズサインに切替えた。 ベース上で土を払っている あいつの目に覚悟が見えた。 1点ビハインドの九回の裏 あいつを生還させなければ この一戦が引退試合になる。 優勝なんて望んでないけど 出来...

  • 心の絵柄

    別にコツコツやるのが嫌いなのではない。 どちらかというとコツコツやる性格だし 今までコツコツやってきたと思っている。 おかげで人並みな人生だけは歩いている。 とはいうものの、心に描いている絵柄は コツコツとやる自分の姿ではありません。 それはコツコツとは真逆に位置している、...

  • ♪街の灯

    街の灯 新谷勝先 · 街の灯 ほんのひとときの黄昏が 今日のため息をつく 病み疲れたカラスたちが 今日も帰って行く 昔描いた空は消えはてて さて、帰る家はあったんだろうか 琥珀色の時の中で 街の灯は浮かぶ 明るい日差しの中でも 笑わないカラスが すすけた街の灯を 見つめ...

  • 日に日に新たに

    いつも今日からが楽しいのであって 決して今日までが楽しいのではない。 これからのことを考えるとワクワクもするが これまでのことを考えてもワクワクはしない。 だからいつまでも過去にこだわらずに 今からのことを考えていくんだ。と、 毎日毎日同じことを自分に言い聞かせている。 だ...

  • 根性という壁

    そこに行くためには根性という 高い壁を越えなければならない。 その壁越えはえらくやっかいで 根性という言葉を好む人種には 不可能なことだと言われている。 なぜならその人達はその言葉を 崇高なものと思っているからで そこに人生をかさねたいからで 『道』にまで昇華したいからで…...

  • 盤珪

    30代の頃、仏教の書物を読み漁ったことがある。20代の頃に中国思想に耽っていたが、30代の始めに中国思想ではどうにも解決できないものにぶち当たってしまい、仏教書に走ったのである。 かなり読みましたね。特に好きだったのが、禅宗関係の本だった。読後の爽快感は他の宗派の差では...

  • 回れ右

    夜、仕事を終えて家に帰ってくると、 他階に住む女の子が自動ドアを開け マンションの中に入ろうとしていた。 ところが女の子は突然回れ右をして そそくさと外に出ていったのだった。 おかしな子だなと思いながらぼくは 自動ドアを開けて中に入ろうとした。 「あっ!」なるほどそうだった...

  • 朝の出来事

    今日も黒いズボンをはき 黒いスニーカーをはいて 2キロ程の道のりを歩き 20分程で職場に着いた それから1時間程たって 用を足しにトイレに行く あっ、ようやく気づいた ファスナーが開いていた 誰にも気づかれなかった ─────んだろうか?

  • 売り出しの日のスーパーに行くと 駐車場所を探すのにひと苦労する。 原因を作っているのが軽自動車だ。 店側は軽自動車のため専用の枠を いくつも用意しているのに軽側は 普通車用の駐車枠に止めてしまう。 普通車は軽枠に止められないので ウロウロウロウロしてしまうのだ。 軽の方少し...

  • 独演会

    かれこれ一時間以上になるだろう 家の前にある公園で一羽の野鳥が 大きな声を張り上げて鳴いている。 この時期まだ鳴き慣れてないのか 抑揚はときおり単調になっていき 音程はそのつど微妙にずれていく。 何小節かを一呼吸で歌い上げては ブレスしてブレスしてブレスして また何小節かを...

  • 怠け者の休日

    徐々に風が暖かくなり 徐々に冬が遠ざかっていく。 外はまぶしいくらいに晴れ渡り 家の中にいる休みのぼくを しきりに手招きしている。だけど へそ曲がりのぼくは動かない。 じっとテレビの前に座って 録りだめしたドラマの最終回を 必死になって観ている。 ふと気がつくと寒いんだ。 ...

  • 春十五度

    春十五度。昨夜着ていた ぶ厚く重い上着を脱いで 軽めのパーカーを羽織る 心も体も浮かれる十五度 春十五度。お酒でいうと 日本酒くらいの度数かな ほろ酔い気分で街を歩く ふらつきながらの十五度 春十五度。これが坂道の 上り傾斜の度数であれば かなりきついし汗ばむし 疲労度数が...

  • 無精ヒゲ

    休みの日になると決まって思うことがある。 『ヒゲを剃らんといかんなぁ・・』 例えば二連休の時などは二日続けてそう思っている。 つまり二日間ヒゲを剃らないということだ。 ちょっとの手間を惜しまずにやっておけば、 いらんことに心悩ますこともないし 仕事の日の朝は剃るヒゲの量が少...

  • 自分を嗅いでいる

    お年寄りとすれ違った時、 ツンと鼻につくものがあった。 「ああ、これが加齢臭か」 そう思いながら、 ぼくは自分を嗅いでいた。 ある人と打ち合わせをしていた時、 思わず顔を背けたことがある。 「ああ、ひどい口臭だ」 そう思いながら、 ぼくは自分を嗅いでいた。 他人の臭いが気に...

  • 異変

    この頃、自分の年齢に引き込まれてしまうことがある。 これまで年齢にとらわれることは全くなかったのだが、 六十歳を超えてから、突然気になるようになってきた。 六十代のありかたとか、あと何日で年金が入るだとか、 何歳まで車に乗ろうかとか、女房ももう婆さんだとか、 肩腰が痛い、足...

  • 妖怪ねぶそく

    寝不足というと本人の不摂生に起因するものと思われがちだが、実はこれは妖怪の仕業なのである。パソコンやゲーム機には、必ずこの妖怪が潜んでいる。 この妖怪に取り憑かれると、時間が経つのを忘れさせられてしまう。午前1時を過ぎても、2時を過ぎても、「まだまだ」という気分にさせら...

  • 残寒

    もうじきいなくなる冬が 時おり北から降りてきて 今季のノルマを果そうと 最後の寒さを吐いている とはいえ何日も何週間も 居座った先月迄の勢いは すでに残っていないのか 寒さにチカラを感じない 寒さにフカミを感じない

  • 河川敷の道

    この道は昔どんな道だったんだろう。 舗装された河川敷の道を見てそう思う。 おそらくは丈の長い草がぼうぼう生えて 道はぬかるんでいたのではないだろうか。 時折におってくる水浸しの土のにおいや アスファルトの隙間から顔を出す雑草が ぼくにそれを教えてくれる。 雨が降るとぬかるみ...

  • 1980年3月

    九州に戻った1980年3月末、 中々職が決まらず苦労していた。 前年就職口を決めていたのだが どうも行く気が起きずに断った。 代わりの企業を探したんだけど これといった所が見つからない。 当時は就職情報誌の数も少なく、 さらに東京のそれとくらべると こちらのは遥かに薄っぺら...

  • ラバー・ソウル

    何でこの世に生まれてきたかって? 簡単なことだよ、そんなこと。 ビートルズのラバー・ソウルという レコードを買いたかったからさ。 ただそれだけなんだよ。 あとはそれを納得いくまで聞いて 次の人生に向かうんだ。 えっ、思想?哲学?宗教だって? この人生に限って言えばそんなこと...

  • ササクレ

    ゆびの先がささくれているのです。 気がつけばささくれているのです。 放っておくと何かに引っかかって ササクレがささくれていくのです。 ササクレがささくれると痛みます。 ヒリヒリヒリと訴えてくるのです。 ササクレは小さなキズなんだけど ヒリヒリヒリと訴えてくるのです。 ときに...

  • サザエさん

    サザエさんの第一回放映があった日、 ぼくはそれを昭和44年の7月だと ずっとずっとずっと思い込んでいた。 だけどそれはぼくの記憶違いだった。 実際は10月から放映が正しかった。 なんで記憶違いをしてしまったのか それをいろいろと考えてみたのだが 7月にサザエさんテレビ放映決...

  • 道路工事

    いつもこの道は一車線を封鎖して 掘っては埋めての工事をしている。 始まってから十年を過ぎているが いつまでたっても終りそうにない。 一応いついつまでとは書いていて 工事は期日どおりに終わっている。 ところが翌日になると別の車線で あらたな工事が始まっているのだ。 路面の矢印...

  • ♪追いかけて

    三十代半ばのこと。元同僚から、「結婚するので、披露宴で歌を歌ってくれんか」という依頼がきた。 仲のいい人だったので、心安く引き受けたが、なかなか歌う歌が決まらなかった。人の結婚式で歌ったことは何度もあったのだが、同じ歌を歌ったことはない。それが、その人に対する自分なりの...

  • 煤けた箱

    倉庫で荷受けをやっていた頃、 時々間抜けな簡字体漢字と 不格好な仮名文字が印刷してある、 妙に煤けた段ボール箱が、 何十個も届いていた。 ぼくはこの箱を触るのが嫌だった。 箱もそうだが、 中に入っている商品も、 なぜか薄汚れて見えるのだ。 しかもその箱、虫でもいるのか、 触...

  • 生きる証

    そこからそこまで線を引いて いくつもいくつも線を引いて そこばかりをやみくもに 覚えていた時期があった。 ただ試験のためという 目先のことだけを考えての 単純で退屈な作業だった。 線を引いた箇所はそれ以降 何の役にも立っていない。 ところがそうやって過ごした その時期が何と...

  • 悲しきマッサージチェア

    昨日は休みだったのだが、何もやることがなかった。あまりに暇だったので、運動をした後に、嫁さんの部屋に置いてあるマッサージチェア(あんま椅子のことを今はそう呼ぶらしい)にかかった。それを使うのは今年初めて、というか半年ぶりだ。 そのマッサージチェアだが、5年程前に嫁さんの...

  • 大大

    知り合いのお子さんがこの春から 大分大学に進学するということで それはおめでとうございます。と あいさつしたのだが、その最中に 僕は素朴な疑問を抱いたのだった。 東京大学は東大、京都大学は京大 九州大学は九大と呼ばれているが 大分大学は何と呼ばれているのか? もしかして大大...

  • 砂糖が切れて

    あっっ、そうだった。忘れていた 砂糖が切れかかっていたんだった。 砂糖がなくなりかけていることに 気づいたのは一昨日の夕方だった。 「明日スーパーに行くからその時 買うことにしよう」と思っていた。 予定どおり昨日スーパーに行った。 だが砂糖を買うのはついでであり 主な目的は...

  • コーヒータイム

    誕生は前世の終わり 死去は来世の始まり 子供は捻くれた大人 大人は武装した子供 青春は人生の汚染期 老いは人生の異臭期 白髪は頭髪の進化形 ハゲは人類の進化形 恋人の会話は緑茶色 愛人の吐息は紅茶色 親子の生活は薄茶色 夫婦の空気は焦茶色 一生は未来の記憶を 散りばめた一本...

  • お金の行方

    昨日は休みだった。昼間、嫁さんと近くのレストランに昼食を食べに行ったのだが、そこで高校の同級生S君にあった。彼は、高校以来の友人で、卒業後もずっと飲み友だちでいるのだが、コロナ禍があってからは会っておらず、久々の再会となった。彼は仕事でそのレストラン近くに来ていたというこ...

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