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2022/08/14

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  • 遺言と相続の基礎 12 ③どのような割合で(相続分)

    遺言書や遺産分割協議で相続分の割合はいかようにも決めることができます。遺言書では、遺言者の意思、遺産分割協議では、全ての相続人の合意によることになります。 民法上は、この絵にあるような配分になります。もし相続人間で揉めてしまった場合はこの民法上の規定が落としどころとなります。この民法上の規定に反した割合で相続が行われたとしても、相続人には遺留分という最低保証された割合がありますので、異議唱えればその範囲で遺産を相続することが可能です。

  • 遺言と相続の基礎 11

    生命保険や死亡退職金などは受取人固有の財産という事で相続の対象には含まれません。なので遺産分割が行われるときには原則財産としてはカウントされません。 ただし保険料が被相続人の財産から支払われ高額な保険金が一部の相続人にのみ支払われた場合などは、その不公平を解消するために「特別受益」として扱われ遺産分割の際に考慮されることがあります。 相続税の対象としては、この生命保険も死亡退職金も含まれます。

  • 遺言と相続の基礎 10 ②何を(相続財産の範囲)

    少し長くなってしまいましたが、②何をのところへ移っていきたいと思います。 何をはもちろん亡くなった人の財産です。この財産は一切の財産ですのでプラスもマイナスも含まれます。また契約関係や一部地位なんかも対象となりますので、相続のタイミングでしっかり正確に把握することが必要です。今はデジタル資産なんてのも有ります。

  • 遺言と相続の基礎 9 相続欠格と廃除

    相続欠格というのは、重大な不正を行った者を相続人から外すということを意味します。大きな権利を剥奪するものですのでその要件も重いです。 被相続人や親族を殺害、無理やり遺言書を書かせた者、遺言書を破棄、偽造、隠匿などをおこなった者が対象となります。 廃除は、被相続人に対して虐待や暴言、暴力などひどいことをした場合に認められます。これは生前に家庭裁判所に請求し認めてもらう方法と遺言書に書き残す方法があります。しかしこれも相続権という大きな権利を剥奪するものですので、しっかり立証しないと認めてもらえません。特に遺言書の場合は、遺言執行者に代理で行ってもらうことになるのでなおさらです。 あと相続欠格や廃…

  • 遺言と相続の基礎 8 相続放棄、単純承認、限定承認

    限定承認は、資産の範囲内でのみ負債を負担するというものです。負債を弁済して資産に残りがでれば承継することができる。つまり不足分を相続人を負担することはなく、あるだけで支払ってしまえばそれで終わりというものです。 放棄と同じように3カ月以内の家庭裁判所へ申述と相続人全員の同意が必要です。一見合理的で魅力的な相続に見えますが、その申述に対する準備と全相続人の同意いというのが、高いハードルであまり利用されていません。

  • 遺言と相続の基礎 7 相続放棄、単純承認、限定承認

    単純承認というのは、そのまま相続をするという事で、相続放棄も後で述べる限定承認も家庭裁判所に申述しなければ、当然そのようになります。また相続財産の一部を使ってしまっても単純承認と見なされますので、その後は相続放棄も出来なくなります。

  • 遺言と相続の基礎 6 相続放棄、単純承認、限定承認

    相続人自身が相続を放棄することも可能です。相続する遺産とはいっても負債 借金という可能性も有りますので、放棄という手段は有効です。自身に相続が発生すると知った時から3カ月以内に家庭裁判所へ放棄の申述をする必要があります。 これをすることで資産を承継することも出来ませんが負債を承継することもありません。もし借金取りからの督促があったとしても毅然として突っぱねることができます。 またこれは最初から相続人ではなかったという解釈になりますので、放棄した子供への代襲相続も無くなります。

  • 遺言と相続の基礎 5

    相続権のある親族がいなければすべてが配偶者に、また配偶者がいなければその順位の親族で頭割りとなります。 胎児がいた場合生まれたものとみなして相続権が発生します。もちろん実際の権利は、無事に生まれてからとはなりますが。 話は違いますが、胎児に遺産を与えるなんて遺言も作成は可能です。

  • 遺言と相続の基礎 4

    第三順位は、亡くなった方の兄弟姉妹。この場合兄弟姉妹が亡くなっていた場合は甥姪まで下ります。しかしそれ以下には降りていきません。この第三順位までの親族で兄弟姉妹だけは遺留分が無かったりしますので注意が必要です。 相続問題で揉める場合 この兄弟姉妹が絡んでくることも多いです。 親子関係には養子も含まれます。但し養子の連れ子は代襲相続できません。養子縁組をした後にできた子供は代襲相続が可能です。

  • 遺言と相続の基礎 3

    配偶者(旦那さんや奥さん)は常に相続人となります。第一順位としては、子供になります。もしのその子供が亡くなっていて孫やひ孫がいる場合は、代襲相続と言ってその方が相続権を得ることになります。つぎに第二順位は、親、祖父母になります。これも理論上は上に遡っていくことが可能ですが、実際のところ多くは親までですね。

  • 遺言と相続の基礎 2

    ①誰が(相続人)ということについて 相続人となるのは、配偶者と一定の親族になります。これは誤解されていたり曖昧だったりすることも有るのですが、親族の全員が遺産を受け取る権利があるというわけではありません。第1から第3まで順位があり、第一順位の親族がいる場合、第3順位の親族には出番がありません。 つまり血族には順位が存在し、先順位の相続人がいない場合に限り、次の順位に権利が下りてくるということになります。

  • 遺言と相続の基礎 1

    遺言や相続については、民法でその規定が定められています。相続についてその枠組みを分解してみると ①誰が(相続人) ②何を(相続財産の範囲) ③どのような割合で(相続分) ④どのようにして分けるのか(遺産分割)ということになります。これが明確でありみんなが納得していればなんの問題もありません。 また制度として、相続人には遺留分という最低保証された割合がありますので、主張すればこの分は確保できます。 ちなみに相続の話題で非常によく出てくる言葉として、「被相続人」という言葉があります。これは相続される人(遺産を残す人)のことをいいます。

  • 任意後見人と任意後見監督人の職務 6 終了事項

    ③法定後見の開始 本人利益のために法定後見開始が必要となった時は任意後見は終了します。原則としては本人の意思を尊重し、任意後見契約が優先されます。 ④任意後見人(任意後見受任者)の死亡、破産開始手続きの決定等、本人の死亡。 後見事務ができませんので当然に終了します。 任意後見契約が終了したときは、終了登記が必要です。

  • 任意後見人と任意後見監督人の職務 5 終了事項

    任意後見契約が終了するパターンが何種類かありますのでここに述べておきたいと思います。①任意後見契約の解除 任意後見監督人選任前であれば、公証人の認証さえ書面で受ければ解除できます。選任後は家庭裁判所の許可が必要です。 ②任意後見人の解任 任意後見人の不正などが発覚した場合は、監督人の請求により家庭裁判所が解任することができます。

  • 任意後見人と任意後見監督人の職務 4 任意後見監督人

    任意後見監督人は、文字通り後見人の事務を監督する役割の人の事です。任意後見人が適正に後見事務を行っているか定期的にチェックし、家庭裁判所に報告します。これが基本のルーティーンですが、何か急迫なことがあり任意後見人が機能していない場合などは、監督人が代理して本人のために行動します。本人と後見人の利益が相反している行為についても同じです。 任意後見人に「不正な行為」などがあった場合、任意後見人の解任を視野に入れて家庭裁判所と連携を取ることになります。

  • 任意後見人と任意後見監督人の職務 3 任意後見人

    なので後見人は監督人の求めに応じて、また定期的に監督人に報告する義務があります。そのためにも後見人は日ごろから領収書や取引に関する書類をきちんと保管し整理しておく必要があります。 ②身上保護に関する法律行為とは何?これは例えば、介護契約、施設入所契約、医療契約の締結・解除などがあげられます。この場合も財産管理と同じく契約書のコピーなどをしっかり取っておく必要があります。

  • 任意後見人と任意後見監督人の職務 2 任意後見人

    ①財産管理に関する法律行為って何? これは例えば、預貯金の管理、払戻し、不動産などの重要な財産の処分、遺産分割、賃貸借契約の締結・解除などがあげられます。 こういった財産管理をするには、まず財産目録の作成が必要になります。事務管理を行う前には何があって、今後本人のために使用することによってどのような変化があるのか?そのベースになります。またこれを監督人と共有することにより客観性、安全性が担保されることになります。

  • 任意後見人と任意後見監督人の職務 1 任意後見人

    任意後見人と任意後見監督人とは一体どんなお仕事(役割)があるの?というところをこのテーマの最後にしたいと思います。 任意後見人は、本人がどういった保護を求めるのかという意思を尊重し、かつ本人の身体の状況(健康状態など)や生活状況に配慮しながら任意後見契約の内容に従って後見事務を行います。 その代理権の内容については、基本的に個々の事案ごとに代わりますが、大きく分けると「財産管理に関する法律行為」と「身上保護に関する法律行為」があります。

  • 任意後見監督人 選任の申立て 12 注意点

    申立てに関して注意いただきたい事柄として3つあります。①書類を提出した後は、審判前であっても家庭裁判所の許可が無ければ申し立てを取り下げることができません。②任意後見監督人は、家庭裁判所の職権で選任されます。客観的な視点を確保するため、弁護士・司法書士・社会福祉士など第三者専門職から選ばれます。 その選考の際には、本人の心身の状態や生活・資産状況。監督人となる者の職業や経歴、あと本人の意見などを参考にされます。③任意後見監督人の報酬は家庭裁判所が決定します。またそれは本人の財産から支払われることとなります。

  • 任意後見監督人 選任の申立て 11 審理

    すべての書類を提出すると審理に移ります。書類に不足や不備があった場合は、追完といって追加の催促があります。それによって選任までの時間が伸びてしまいますのでご注意ください。 審理の中では本人調査というものがあります。これは任意後見制度において本人の意思というものが尊重されており、原則として申し立ての内容を本人が理解し同意しているということが必要になります。 身体的に不自由なだけではなく、精神的な場合も有りますので、必要に応じて任意後見受任者や親族などからも事情を聴取する場合もあります。 全部のケースであるわけではないですが、本人に判断能力がどの程度あるか医学的に判断するため「鑑定」が行われること…

  • 任意後見監督人 選任の申立て 10 申立書類

    もう一つ本人の状況を判断するものとして、医師の診断書があります。これは主治医にこれまでの状況や現在の状態を加味して作成してもらうものです。 主治医に引き受けてもらえない何らかの事情がある場合は他の医師でも構いません。但しできる限り精神疾患、認知症などに専門性を持った方に作成してもらうことが望ましいです。

  • 任意後見監督人 選任の申立て 9 申立書類

    この中で福祉関係者(ケアマネジャー,ケースワーカーなど)に記載を依頼するものとして「本人情報シート」があります。 これは日頃から支援している福祉関係者が,ご本人の生活状況等に関する情報を記載するためのシートになります。これは医師が本人の判断能力を診断するための資料としたり、家庭裁判所が本人に対する支援を検討する際の資料になったりします。 作成をする該当する方がいない場合は、社会福祉協議会、地域包括支援センターなどに相談して準備してもらうことも可能です。

  • 任意後見監督人 選任の申立て 8 申立書類

    役所で集めるものとして □本人の戸籍個人事項証明書(戸籍抄本) □本人の住民票又は戸籍の附票 □任意後見受任者の住民票又は戸籍の附票 法務局で集めるもの □登記事項証明書(任意後見) □本人が成年被後見人等の登記がされていない ことの証明書郵送などでも取りよせることが可能です。その場合は1週間以上かかると思っていたほうが良いと思います。 □任意後見契約公正証書のコピー これも忘れずに!以上が申して時に必要となる書類ですが、けっこうな量があります。漏れが無いように集めていきましょう

  • 任意後見監督人 選任の申立て 7 申立書類

    あとお医者さんやケアマネージャーなどに作成を依頼するものとして □診断書(成年後見制度用) □診断書付票 ◇いずれも作成後3か月以内のもの □本人情報シート(コピー) このあたりは基本フォーマットがありますが、診断書などについては別途費用が発生するかと思います。 中には書いてくれない医師もいるみたいですが、必ずしも認知症の専門医でなくてもいいようです。ご本人のことをよく認識しており、ある程度経過を理解されているかたのほうがよさそうです。

  • 任意後見監督人 選任の申立て 6 申立書類

    申立書類として以下のものが必要です。 □任意後見監督人選任申立書 □申立事情説明書(任意後見) □親族関係図 □本人の財産目録及びその資料 □預貯金通帳のコピー □保険証券のコピー □不動産の全部事項証明書 □債権・負債等の資料のコピー □本人の収支予定表及びその資料 □収入に関する資料のコピー (年金通知書のコピー,株式配当金の通知書のコ ピー等) □支出に関する資料のコピー (施設作成の領収書(2か月分)のコピー,住居費 (住宅ローン)の領収書(2か月分)のコピー, 納税通知書のコピー等) □任意後見受任者事情説明書

  • 任意後見監督人 選任の申立て 5 申立人

    任意後見監督人選任の申立てができるのは以下の人です。 ◎本人(任意後見契約の本人) ◎配偶者 ◎四親等 内の親族 ◎任意後見受任者 です。ちなみに四親等内の親族とは, (1) 親,祖父母,子,孫,ひ孫 (2) 兄弟姉妹,甥,姪 (3) おじ,おば,いとこ (4) 配偶者の親・子・兄弟姉妹 関わりの深い親族ならだれでもといった感じです。

  • 任意後見監督人 選任の申立て 4 費用

    ちなみに申立て費用は□収入印紙 ①申立手数料 800円分 □②登記手数料 1400円分 ①の内訳例:400円×2枚 ②の内訳例:1000円×1枚,400円×1枚) □郵便切手(送達・送付費用) 合計3270円 です。 このほかに鑑定が必要となった時には別途かかります。 (鑑定費用は10万~20万と少々高額です。)

  • 任意後見監督人 選任の申立て 3

    ①申立て準備をする。 ここがほぼすべて大変なところです。手引書が数十ページありますが、わかりやすく書いていますので読みやすいとは思います。書類を主体となるタイプ別に分けますと ◎ご自身で記入する書類 ◎かかりつけ医に書いてもらう診断書 ◎ケアマネージャーなどに書いてもらう本人情報シート ◎役所でとる戸籍関連 ◎法務局でとる書類となります。

  • 任意後見監督人 選任の申立て 2

    流れ的には、①申立て準備をする。 裁判所 ホームページにある手引書をまず熟読。必要な書類を集めたり、申請書類などに記入していきます。②申立て 郵送または窓口 (裁判所としては郵送を推奨しています)③審査 事案に応じて本人調査・受任者調査、精神鑑定等が行われることがあります。④審判 任意後見監督人が選任され、登記されます。⑤任意後見事務の開始 となります。

  • 任意後見監督人 選任の申立て 1

    任意後見契約をスタートさせるためには、任意後見監督人の選任を家庭裁判所に申し立てしなければなりません。 任意後見の受任者は、その親族がなる場合も有りますので、いざその時にどういった手続きが必要なの?となりますよね。 意外と書類もおおく、選任には日数もかかりますので申請はできるだけスムースにすることが必要です。一つ一つの手続きは難しくないですが、滞りなく進めていくのがポイントです。司法書士さんにも頼めますが、ここで数万円はもったいない気がします。次回以降からは裁判所でリリースされている手引書からピックアップしてお伝えします。

  • 任意後見監督人って何ですか? 7

    監督人が特にチェックするポイントとしては、 ◎任意後見契約の代理権の範囲を逸脱していないか? ◎本人の意思を十分に尊重しているか? ◎本人の心身の状況及び生活の状況に配慮しているか? といったところをしっかり見ていく必要があります。 こういった役割があるため、監督人はしっかりとした業務を行なうため、いつでも任意後見人に対して事務の報告をもとめたり、財産状況の調査を行なったりすることができます。

  • 任意後見監督人って何ですか? 6

    しかしどんなに本人が信頼したとしても適切に後見事務ができるかどうかというのはわかりません。実際に契約が発効したときには、本人は判断能力が劣ったり失われたりしています。 そのために専門家である後見監督人をつけ、不適切な後見事務をしていないかチェックしていくのです。 本人と後見人、監督人は一つのチームと言ってもいいかもしれません。

  • 任意後見監督人って何ですか? 5

    繰り返しになりますが、任意後見契約は任意後見監督人が選任されてはじめてその任意後見契約が発効され、受任者が活動できるようになります。 任意後見人は、本人が事理弁識能力がまだ十分である時に、将来の自分の身上保護と財産管理を任せたいという強い意思をもってえらばれた人です。なので家庭裁判所としては本人の意思を尊重し、任意後見受任者を後見人として認識しふさわしい監督人を選任します。

  • 任意後見監督人って何ですか? 4

    以下が任意後見監督人の役割です。①任意後見監督人の事務を管理すること。②定期的に家庭裁判所に報告すること。③急迫の事情がある場合、任意後見人の代理権の範囲において、必要な処分を行う事。④本人と任意後見人の利益が相反する場合について本人を代理すること。 法定後見の場合は、必要に応じて監督人は選任されますが、任意後見の場合は必須の為、本人、受任者、監督人の連携はより重要になります。

  • 任意後見監督人って何ですか? 3

    とはいえ任意後見受任者に親族の者がなることもあり、その場合は、ほとんどが初めての経験になります。何をしたらよいのか曖昧なまま、お金や各種手続きをおこなってしまうことになりかねません。 不正な気持ちが無いままに自分のお金と混同してしまったり、本来代理権が無い事務を行ってしまったりすることも有ります。 そうならないように、後見事務に関してアドバイスをしたりして支援していくという役割が 監督人には必要です。

  • 任意後見監督人って何ですか? 2

    任意後見監督人は家庭裁判所の選任によって定められます。家庭裁判所が関与するという部分では、法定後見とも似ているといえますが、法定後見の場合は、家庭裁判所が主体となって後見人を定めその管理下に置きます。 それに対して任意後見の場合は、依頼者が選んだ受任者が監督人のみ報告を行います。監督人は家庭裁判所への報告義務がありますが、家庭裁判所としては監督人を通しての間接的な管理となります。なので職権として任意後見受任者を解任したりということは出来ません。

  • 任意後見監督人って何ですか? 1

    任意後見監督人って何?というお話をしていきたいと思います。任意後見契約の制度の中にでてくるのがその監督人です。名前の通り任意後見受任者の業務に対して、不正な行為や任務を誠実におこなっているかどうかをチェックする役割を持つ人となります。 ただ任意後見契約は、法定後見にくらべると依頼者の意思(私的自治による契約)が優先されるものですので、権限や役割が法定後見で必要に応じて付けられる監督人とは違いがあります。

  • 任意後見契約を補完する契約 3

    財務管理契約については、判断能力は低下していないが病院に入院したり体が不自由になったりして、金融機関での預金の出し入れが難しくなったり、各種支払いを行ってもらうといった場合に効果を発します。 このような契約は、限定的な期間のみという事になる場合も有りますので、委任者から申出があった時に発動するなど 契約内容もそのようにしておきましょう。

  • 任意後見契約を補完する契約 2

    ちなみに見守り契約というのは、判断能力が衰えないうちでもいろいろ相談にのってもらったり、安否を確認してもらいながら、その時が来た時に適切に任意後見実務を行ってもらうためには有用です。 毎月連絡をもらったり、定期的に面談などをおこなっておけばいざ後見人になってもらったときにも意思疎通がしやすいですし信頼感も有ります。

  • 任意後見契約を補完する契約 1

    まえのところで遺言書と死後事務委任契約について書きましたが、その他にも見守り契約、財産管理委任契約などもあります。これらの契約はすべての人に必要というわけではなく、親族の有無や経済状況なども加味して選択されるものです。 地域によって社会福祉協議会や地域包括などのサービスが充実している場合はそちらも利用するという手もあります。なんでもかんでも第三者との契約をおこなってというのもお金がかかりますし、逆に不自由になることも有ります。

  • 任意後見契約と事前指示書 2

    内容としては、代理権目録に示した内容の補足であったり、自分自身の気持ちなどです。 特に医療系のある程度選択を迫られる場合などに関しては細かく意向などを書き記しておいた方が良いかもしれません。本人の意思が示せなくなっているので、延命措置や苦痛回避に関する思いなど。この辺りはご本人でなければ決定のできない事柄です。 残余財産の行先は遺言書で、死後の葬儀や他手続きなどは死後事務委任契約で行いましょう。

  • 任意後見契約と事前指示書 1

    任意後見契約に代理権目録というものが必要ですが、実際のところ任意後見業務をするためには、本人に対する情報(意思や好み)などを共有しておくことが大事です。 将来の判断能力の低下または喪失時に備えて、付与する代理権をどのように使ってほしいのか、代理権行使の対象、目的、範囲を明確にしておくために事前指示書というものを作っておきます。これは公正証書の中に綴じこんでおいてもらということも可能です。

  • 任意後見と法定後見の違い 2 取消権と同意権

    同意権も 取消権も本人が持っている法律行為能力を制限するものとなります。また補助人・保佐人・成年後見人によってもその範囲や内容が変わります。 この法律行為能力を制限するという事については議論が分かれており、海外においても廃止すべき論と成年被後見人の行なった行為は全て無効といったものまであります。 法定後見には同意権・取消権があり、任意後見には制度上ありません。しかし本人が任意後見受任者に対し、あらかじめ一定の行為に対して取消についての代理権を付与しておくこともできます。

  • 任意後見と法定後見の違い 1 取消権と同意権

    任意後見と法定後見の違いについても見てみましょう。先に述べたように事前に準備をするのが任意後見、判断能力が衰えてしまってから利用するのが法定後見であるのは間違いありません。 もう一つ大きな違いがあります。それは同意権・取消権があるかどうかです。 同意権とは、後見人の同意があれば初めから有効な行為となり、同意なく行った行為については、不確定な行為と位置付けられます。 取消権とは、後見人が取消権を行使するとその行為は最初に遡ってなかったことになるという権利です。

  • 任意後見と法定後見 どちらが優先?

    任意後見契約を結んでいた場合、法定後見が発動することがあるのでしょうか?結論的にはあり得ます。しかし基本的には、任意後見契約が優先されます。 任意後見を事前準備されている人については、家庭裁判所が本人の利益のために特に必要と認められるときに限り法定後見の審判を開始することができるとされています。逆にいえばそのような状況にない限り法定後見は発動しないという事になります。

  • 判断能力?意思能力? 7

    この即効型の任意後見契約ですが、理論上は先に述べたように可能です。しかし判断能力の低下の度合いによっては、契約当事者の権利侵害を疑われる可能性も否定できません。なので実務上はしっかり検証し格段の合理性を確認したうえで実施すべきだといえます。 本来任意後見契約は、将来型の契約であり、いつの日か必要になった時に発動するといったものです。なのでこの即効型に関してはあくまでも例外的なものとしてとらえておくほうがよさそうです。

  • 判断能力?意思能力? 6

    任意後見契約に関していえば、判断能力が不十分であるが意思能力はあるので、契約自体は有効に締結することができます。しかし判断能力が不十分であるので即座に家庭裁判所に監督人の選任を申出すれば 任意後見を開始することができます。 これを即効型の任意後見契約と呼びます。 この即効型を使うことで、法定後見では希望する後見人をつけることが難しい面があるということを回避できることになります。

  • 判断能力?意思能力? 5

    遺言書をつくりたいが認知症である。短期記憶が失われていたり、幻覚が見えたりしている、でも遺言を作りたいという意思ははっきりしているし、内容も理解している。このような場合 基本的には遺言書を作成することが可能です。たとえ公証人立ち合いの公正証書遺言であったとしてもです。 ただし別問題として 残された相続人達が自分の有利不利をめぐって、その遺言書の有効性を裁判で争うということも有り得ます。

  • 判断能力?意思能力? 4

    まとめると判断能力は契約などの個々の法律行為と直接関係はなく画一な一般能力であり、意思能力は個々の法律行為を強く結びついた相対的な法的な能力であるといえます。 ただわかりにくいですね。判断能力には、不十分なところがあったとしても本人の意思がはっきりしていれば公正証書作成などの法律行為は行えるということです。

  • 判断能力?意思能力? 3

    では意思能力というのは何でしょうか? 意思能力というのは、法律上の定義はないですが、個別の法律行為・個別の契約ごとにそれを有効とするか無効とするかという判断基準になっています。つまり「本当にあなたの意思でするのですか?」という事ですね。 なのでその有無が重要なのであり、程度については問題になりません。

  • 判断能力?意思能力? 2

    判断能力というのは法律でよく使われる「事理を弁識する能力」をわかりやすく言い換えた言葉になります。法律的な解釈によると判断能力というのは、知的能力・日常的な事柄を理解する能力・社会適応能力の3つの概念を統合した広義の能力を意味するらしいです。 この能力が不十分なのか全く欠く常況なのかというのが成年後見制度に関わる尺度になっているようです。

  • 判断能力?意思能力? 1

    遺言書をつくるにも任意後見契約を結ぶにも 必要になってくるのが意思能力、判断能力になります。自分の財産や命に係わる大事な内容、契約を作るのですから、自分が良く考えて実行する大切さはよくわかります。認知症や精神疾患がある状態で、周りにそそのかされてつくったものが有効になってしまえば困りますよね。 ではそもそもその能力ってなんでしょうか?そのあたりを考えていきたいと思います。

  • 任意後見契約を完成させるまで 11

    今まで見てきた内容で任意後見契約の準備は終了です。 実際に任意後見契約がスタートするタイミングは、判断能力が不十分になった時に家庭裁判所に任意後見監督人の選任をしてもらったときになります。逆にそういった状態にならない限り発動しないとも言えます。 入院手続きや財産管理といった第三者では、行いづらい代理業務を任意後見契約という登記も行われ家庭裁判所の目も届く仕組みでになっていくというのが任意後見契約の制度になります。

  • 任意後見契約を完成させるまで 10

    他のお金の事。任意後見人を身内で行う場合報酬設定しない場合が多いですが、第三者(士業含む)に依頼した場合は毎月発生します。これは事前に双方で相談しておき、公正証書に記載します。2万円~3万円ぐらいが多いところかと思います。 また任意後見監督人にも毎月発生します。これは身内はなれませんので必須の費用です。金額がいくらになるかは家庭裁判所の判断にはなりますが、目安としては任意後見人の約半分ぐらいと考えとけばよいかと思います。

  • 任意後見契約を完成させるまで 9

    任意後見契約書を作成するにあたって公証人の手数料がかかります。登記費用、郵送料などを含めて28000円前後になるかと思います。士業に公証人との対応、文案作成を依頼する場合は別途かかりますが、その事務所ごとに違いがあります。 日程的には、公証人にその文案を渡して約1週間ぐらいすると返信(修正や追加があれば変更されたものが返ってきます)あります。そこから日程を調整し 本人 受任者が公証役場に出向いて署名押印して出来上がりです。

  • 任意後見契約を完成させるまで 8

    任意後見契約書には、代理権目録として何を代理してもらうかという事柄を過不足なく記載する必要があります。一般的な雛形はありますが、個々人で必要なものそうでないものがありますので、そのカスタマイズは必要です。 詳細な生活状況、資産状況を確認したうえで実際の代理権目録を定める必要があります。この代理権目録から外れるものについての代理権は原則ありませんので、慎重に抜け落ちがないようにに作成します。

  • 任意後見契約を完成させるまで 7

    中には本人ではなく、その任意後見人の対象となる親族の方だけが来られて相談される場合も有ります。「現在 自分は、本人の財産も預かっており信用されている。周りの兄弟も了承済みです。なので本人の面談は必要ありません。」とおっしゃる方もいます。 しかしその場合も必ずご本に様に十分な説明をし、理解と同意を得たうえですすめていく必要があります。なぜなら成年後見制度自体が「本人の権利擁護」「自己決定の尊重」を重要視しているからです。(実際のところそれほどまでに信用されていない、実は兄弟が不仲だった。といった場合思わぬ紛争に巻き込まれてしまうこともあります。)

  • 任意後見契約を完成させるまで 6

    また受任者を親族とする場合、その対象となる方と別途お話を伺う必要が出てきます。任意後見人としてどこまで対応できるのか、ご本人の意向に沿うことができるのか。場合によると遠方に住んでいたり、お仕事が忙しかったりと個々によって事情は様々です。 任意後見人には、監督人への報告義務も有りますし、意外と負担に感じられることも多いものです。

  • 任意後見契約を完成させるまで 5

    居住関連、生活状況などを伺うことで、ご本人が現在将来に向けて感じている不安点や解決すべき問題点が徐々に浮き彫りになってきます。そしてご本人の意向を再度深堀していきます。 任意後見契約を行うにあたって その周辺状況の把握、また受任者としての信頼関係を気付くためにも重要な聞き取りとなります。なのでこの部分に関しては十分な時間が必要であり、単日では終了できないことも考えられます。

  • 任意後見契約を完成させるまで 4

    さきのお話の中ででた 任意後見契約を考えるに至った外部状況を確認していきます。〇居住関連 本人を含めた同居しているご家族や別居している親族などの居住地、交流関係など(仲が良い?疎遠?断絶?) 〇生活状況 ご本人の持病や健康状態。食生活などの日常の生活状況など。趣味 趣向など。 このあたりはざっくばらんに多少の脱線があっても時間をかけてもしっかりお伺いするところです。

  • 任意後見契約を完成させるまで 3

    制度利用のきっかけとしては、何らかの不安が存在する可能性が高いです。本人や家族内で何らかの事情がすでに発生している、もしくは将来起こる可能性が高い、そしてそういった不安を抱えているなどがあげられます。そういった今回のご相談の核になる部分をまずうかがい 具体的なところをこの後にお話いただきます。

  • 任意後見契約を完成させるまで 2

    まずは最初に述べた聞き取りからのスタートになります。〇任意後見制度を利用しようと思った経緯 任意後見契約についての意向を確認するとともに、この制度に対して誤解や不足している知識が無いか確認していきます。任意後見契約には、任意後見人への費用と後見監督人への費用が毎月発生し、原則としてその後見原因が解消されない限り 終生後見契約は続くことになります。この辺りこの契約の利用の継続にも関わってくることですのでしっかり説明をさせて頂くことが大事です。

  • 任意後見契約を完成させるまで 1

    任意後見契約をつくるまでというお話をしていきますが、任意後見契約だけが解決方法であるわけでもなく、他のものを選択したほうがいい場合も有りますし、他のものと組み合わせたほうがいい場合も有ります。 現在の生活環境や将来の不安などをまずはピックアップしたうえで ご自身が思い描く目的に任意後見制度が沿うことができるのかというのが大事なポイントです。 ここでは、専門家がお客様の任意後見を希望されるご相談に対してどのような対応をするのか記載させていただき、ご検討の参考にしていただければと思います。専門家目線のお話です。

  • 成年後見制度の懸念 3

    後見人が選任されるとそのご本人の人権も制限されるのでは?という懸念もあります。 このあたりは海外の潮流をうけて本人の意思や人権をできるだけ尊重すべきとして状況も変わりつつあります。法定後見では同意権や取消権といった職務権限も一部認められてはいますが、自己決定権の尊重は、成年後見制度の基本理念として重要視されています。 ただし財産管理に関しては、本人の判断能力が減退している状況ですので、運用といった管理は行えず、あくまでも維持管理をベースに行われることになります。

  • 成年後見制度の懸念 2

    弁護士や司法書士など専門士業が行う場合 関係機関での独自の監査があったりとかなり厳しくみられる傾向にあります。どちらかというと身内で後見業務を行う時に不適切な財務処理が行われたりと問題があることも多いです。どうしても自分たちの財布とというイメージで本人の資産に手を付けてしまうことが多いからです。 実際のところ士業内部から見てると任意後見業務をメインでやっていこうという方は少ないようにも思えます。それだけ責任が重く、後見を受ける方への対応に適性が必要なのだと思います。

  • 成年後見制度の懸念 1

    成年後見制度で懸念されることは、まず不正が多いんじゃないの?という事です。マスコミでもたびたび 弁護士が横領したなんて大々的に報道されたりすることもありました。 確かに平成26年には、831件 56億7000万円もの金額が成年後見人等により横領されていた事実が明らかにされました。とんでもない額です。しかし令和2年では186件、7億9000万円と減少してきています。これは家庭再裁判所の監査・監督が進んできている証拠でもあります。

  • 成年後見制度の仕組みとはどんなもの? 4

    任意後見制度も法定後見制度も弱者救済が根幹にあります。こういった方たちに支援を行なうためには、不正から守るためのしっかりとした安全装置が必要です。この安全装置が、公的な機関である家庭裁判所になります。 後見人や後見監督人は、一定の期間ごとに家庭裁判所への報告義務がありますし、またどのタイミングでも求められば明確に身上保護の内容や財務管理の内容を示すことができるようにしておかないといけません。

  • 成年後見制度の仕組みとはどんなもの? 3 法定後見

    任意後見にたいして法定後見というものがあります。法定後見は、すでに障害をお持ちの方や認知症などが原因で判断能力が減退してしまった人を法的に支援するための制度になります。 法定という命名は、法律の定めに基づきその後見人を選任し、その後見人が法定で定められた事務を行う事ということから来ています。 法定後見には、その判断能力の有無の程度によって以下分かれています。 補助>保佐>成年後見となっています。成年後見が最も判断能力がない常況であるとされています。

  • 成年後見制度の仕組みとはどんなもの? 2 法定後見

    なぜこのような流れになっているのかというと、任意後見が始動するタイミングでは、本人の判断能力が減退しているという事ですので、任意後見人が不正な行為や怠慢な行為を行ったときに家庭裁判所の選任する監督人にしっかりコントロールしてもらうためです。 もしそのような行為が起きてしまった場合は任意後見監督人の請求により任意後見人を解任して強制的にやめさせることも可能です。 この任意後見契約は、公正証書で作成しなければならず、契約内容は登記されることになります。つまり 公的な契約書であるといえます。

  • 成年後見制度の仕組みとはどんなもの? 1 任意後見

    成年後見制度は、任意後見と法定後見の2つがあります。そして法定後見には、後見されるひとの状況によって、補助、保佐、成年後見とわかれます。 任意後見というのは、判断能力が衰えるまえに、自身の後見(支援)をしてくれる人を定め、その後見の内容を決めておくことができる制度です。そしていつ開始するのかというと依頼者本人の判断能力が劣る状況になった時に、任意後見受任者が家庭裁判所に後見監督人選任の申し立てを行い、選任されてはじめて開始されます。

  • 後見制度というものについて 7

    では成年後見人の職務範囲はどこまでなのか?これも実は後見人によって差はあるようですが、あくまでも法的な支援が前提となります。 とはいえ法的な支援をおこなうためには、いろいろな事実行為をする必要も出てきます。例えば、被後見人が食事の準備ができない場合など配食サービス事業者と契約する必要がでてくることもあります。その場合 手続き上の契約だけではなく、実際にはその業者が適切なところかどうか確認するためにネットで調べたり、直接訪問したりすることも有るかもしれません。こういった事実行為が法的な支援には付随してくるという事です。 しかし実際に食事を作ったり、介護行為を行ったりということは範囲から外れます。…

  • 後見制度というものについて 6

    成年後見制度における成年後見人の職務とは大きく分けて二つあります。身上保護事務と財産管理事務の2種類です。 身上保護事務というのは、生活や医療、福祉などのついて法的な支援を行う事とされています。判断能力が不十分な方に対して、手続き上のサポートや法的な保護を行うといったところでしょうか。 財産管理については、この身上保護の充実に向けて、その資産を適切に管理し、有効に活用するために工夫をしていくということにあります。

  • 後見制度というものについて 5

    こういった内容では憲法に記載された基本的人権の尊重という概念に大きくそれてしまうことにもなりかねません。現在の後見制度は、誰もが最期の時を迎えるまで人としての尊厳を保てるよう、そしてその生活を維持できるように支援する制度を目指しています。 生活・医療・介護・福祉等に配慮しつつ、本人の財産を本人の生活を維持・向上のために活用していく、それが身上保護と考えられています。 後見制度は、これらの三つの概念を具現化するため、また明確な義務とするために民法及び後見契約に関する法律に明文化されています。

  • 後見制度というものについて 4

    最後に身上保護ですが、実際にはこの部分が後見制度には直結する部分といえます。明治時代の民法のもとでは、禁治産制度や準禁治産制度というものがあり、後見制度の前身ともいわれています。これは障害をもつ人々の財産を守るためという命題がありますが、どちらかというとその人の権利を認めず、財産自体を家のものとするという意向が強かったものです。 禁治産者がした日用品の購入といった者から遺産分割、相続放棄にいたるまで多くの契約に関するものは無効にすることができました。また選挙権も奪われていました。

  • 後見制度というものについて 3

    成年後見制度は、ノーマライゼーション、自己決定権の尊重、身上保護の重視という3つの基本理念の上にあります。 ノーマライゼーションというのは、障害を持つ人であっても障害を持たない人と共に、通常の生活を暮らしていくことができる社会を創っていこうという考え方です。 自己決定権の尊重というのは、後見制度のイメージからはおろそかにされそうですが、実は非常に大事であり海外では重要視されています。障害を持つ被後見人がどういった好みがあり意思があるのか。それをもとに後見事務を行っていくというのは重要なことです。

  • 後見制度というものについて 2

    後見人には、法定後見と任意後見というものがあります。その違いの大きなポイントとしては、法定後見は判断能力が劣ってきた場合に申出に基づき家庭裁判所で後見人が選任され後見実務が開始されます。 それに対して任意後見は、判断能力・意思能力がしっかりしている状態で特定の人と契約を結び、後見契約を事前に結んでおくということです。

  • 後見制度というものについて 1

    後見や後見人という言葉を聞いたことがある方もいるかと思います。イメージ的には、意思能力や判断能力が無くなった方の行為を代理したり、同意・取り消ししたりして、後ろから支える人 そんなイメージでしょうか? 相続の話では、遺産分割協議をするときに、相続人の一人が認知症であれば分割協議ができない、終活においては認知症になった不動産所有者はその売買を行うことができない、そういった際に後見人を設定し代理してもらうという役割を担います。

  • 終活とおかたづけ 7

    いづれにしても業者に依頼するとなるとかなりの出費になってしまいます。また分量を減らすことができればその出費も抑えることができます。 できれば親が元気なうちに取り組み始めることがベストです。「生前整理普及協会」という団体もあり、生前整理を積極的に進めています。いろいろ書籍も有りますので参考にされてみてはいかがでしょうか? 実家に残る自分のものの処分からスタートしてみてもいいかもしれません。すっきりした様子をみた親がのってくるということも考えられます。思い出のものというのは誰もが処分に困るものですが、使わない包装紙や箱、粗品でもらったタオルなどは手を付けやすいと思います。 ぜひ思い切って親子で取り…

  • 終活とおかたづけ 6

    ではその業者探しですが、相見積もりで数社を検討するというのは必須です。ただしネット上では怪しい業者や巧妙に安く見積もりを見せる業者もいるので注意が必要です。 できれが市の広報で案内しているような業者やケアマネージャー、地域包括の担当などから情報を得るというのも有用です。直接聞く口コミがとても参考になります。 間違っても飛び込み営業や電話セールスなどで即決しないようにご注意ください。

  • 終活とおかたづけ 5

    先に少しお話した業者への依頼 いったいいくらぐらいかかるのだろうと気になる方もいるかもしれません。 あくまでも相場感ですが、 1DKで5万~15万 4DKで25万~60万 業者間によってもかなりの開きがあります。 あと処分する物の量や建物の状況(部屋の回数、エレベーターの有無)買取できるものの有無)などによっても変わってきます。 なかなか馬鹿にできない金額ですね。

  • 終活とおかたづけ 4

    お片付け 理由としては ◎上から物が落ちてきたり、躓いたりすると危険だから。 ◎最近地震も多いよねー。 ◎必要な書類や大事なものが無くなると困るから整理しとこうよ といった感じですね。 話すきっかけとしては、足が痛くて歩きにくくなっているとか、周りの人で家の中でケガをした人いるなんて話をした時がいいかもしれません。

  • 終活とおかたづけ 3

    では相続人 息子や娘が片付けてもらいたいと思ったときにはどのようにすればよいでしょうか?ここで注意が必要なのは、本人がするの時に、勝手に実家の物を処分するという事はNGです。たとえ認知症などの症状が出ていたとしても、それが原因で不信感が踏まれ関係性がこじれることにもなりかねません。 変に考えすぎずに片付けをお願いしてみるということが一番の近道だと思います。ただしその時 命令や指示のような態度ではなく、あくまでもお願いであり、これこれこういった理由があるからお願いしたい、また協力するので一緒にやろうねという姿勢が大切です。

  • 終活とおかたづけ 2

    できればその家の所有者が、時間を掛けて少しづつでも片づけをされて断捨離を完成されていれば、残された方たちの負担は大幅に軽減されることになります。 高齢になるとどうしても片付けることに対して億劫になったり、通常のごみ捨ても難しくなったりします。また認知症の周辺症状のひとつとしていろいろなものを収拾するというものも有りますので、そうなると家の中はもので溢れます。ゴミ屋敷などと言われることもありますが、ご本人にとってはゴミではなく大切なものですので、周りの人が勝手に処分するという事は難しくなります。

  • 終活とおかたづけ 1

    亡くなられた方の家の処分これも大きな問題です。そしてその家の中にあるものの処分 これも大変です。目をつぶってエイヤッと業者に頼むということも出来ますが、1万2万で出来る話でもありません。広さやその分量によって大きく変わります。 仲の良いご家族で会った場合、写真や趣味のものなどは想いいれもありそう簡単にポイポイ捨てられないなんてことにもなりかねません。 また相続人が遠くに住んでいる場合などは、頻繁に訪れることも出来ないので最終的には途方に暮れて諦めてしまうなんてこともあります。

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 9 補足

    【補足】 義実家の相続にどこまで関わっていいのか? 実際に義理の親をずっと介護してきた、またどうしても一言いいたいことがあるなんて義理の妻や夫の方もいるかもしれません。 しかしそういった介入は得てして揉め事の原因となってしまうことも多いです。相続は法定相続人がメインとなりますので、極力 介入は控えて 相続人どうしの話し合いに任せた方がよいかと思います。

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 8

    以上事前に話会っておいた方が良い項目を挙げてきましたが、重要なことはみんなで問題を共有するということです。盆正月にみんなで集まるということも最近はなくなってきていると思います。遠方 海外に居住されている方もいらっしゃるかもしれません。 しかし話し合える間柄である関係性があるということは実は貴重なことですので、一歩 相続についての話し合いを進めていただきたいと思います。

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 7

    ◎相続税についても考慮する。財産内容リストを確認して相続税がかかるのかどうか確認してみましょう。税制についてはいろいろ専門的な控除などもあり複雑ですが、まずは基礎控除の範囲内かどうかということだけでも十分かと思います。3000万円+法定相続人の数×600万まではかかりません。 もしかかるようであり、財産の大半が金銭に換えにくい不動産などであった場合は相続税対策を考える必要が出てきます。原則現金での一括納付、亡くなってから10カ月以内という縛りがあるからです。

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 6

    ◎遺言書の作成いろいろな情報をもとに話し合った内容を参考に遺言書の作成も検討しましょう。遺言書に定められる遺言事項には、法的な拘束力もあり遺産分割協議に優先するという強い効果もありますので、争族を防ぐために有効な場合があります。 ただし 相続人の事情や想いを無視した極端な内容にしてしまうと、後々争いの火種になったり、相続人全員で拒否されることも有り得ますので注意が必要です。

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 5

    今後に向けての対策として各種手法を検討しましょう。 ◎成年後見制度 ◎家族信託 ご本人の認知症対策として、資産運用や資産管理の対策として有用です。ただしご家族との関係や資産内容によって向き不向きがありますので、よく仕組みを理解したうえで御健闘いただきたいと思います。 家族信託はまだまだ馴染みのない制度かもしれませんが、自分の老後の生活や介護費用などのために、資産の管理活用を家族にまかせるものです。

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 4 ◎分けられない遺産、処分にこまる遺産について話し合う

    つぎに処分にこまる遺産です。これもいろいろあります。先ほどの不動産でいうと資産価値のないもの、老朽化した建物、遠隔地にある土地、田畑、山、森林などなど。 相続人が農業を引き継がない場合その田畑などの相続はさらに手続きが複雑になります。 あと趣味の品、思い出の品なども違う意味で処分に困るものでもあります。これは自分の意思をしっかりつたえて、引き取りてなど処分の方法を明確にしておきましょう。

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 3 ◎分けられない遺産、処分にこまる遺産について話し合う

    次におこなうのがこれら情報をもとにした相談です。先ほども申しましたができるだけ全員がそろうように調整をしましょう。 ◎分けられない遺産、処分にこまる遺産について話し合う 事前に問題点を洗い出すことで検討する時間がうまれよりよい解決策がうまれる可能性が高まります。 分けられないというか分けにくい財産としては不動産があります。すべてを売ってしまってお金にかえ分配するということでしたら問題はありません。しかし実際のところは、相続人の誰かが共住していたり、先祖からの土地家屋 田畑 山など手放したくはない、しかしそれぞれの不動産価値も大きく違うとなってくれば非常に分割が難しくなります。相続人それぞれの事…

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 2

    では事前にやっておいた方がいいことをピックアップしていきたいと思います。なんにしろ相続に関する情報の収集からスタートです。 ◎法定相続人や法定相続分の確認する。 ◎財産内容の確認 リストの制作 ◎相続に関する制度、使える仕組み(遺言 家族信託)、税などについて調べておく。 まず第一段階でここです。そしてこの情報は家族全員で共有・把握しておくというのが肝心です。これを一部の人を除外して共有とかになってしまうと後々の争族の入り口に立ってしまったことになってしまいます。

  • そもそも相続対策ってうちに必要? 1

    一般的な家庭で相続対策なんて必要?そんな大げさな!なんて思われる方も多いかもしれません。そんな財産もないし、うちは子供たちに年一回あつまって食事会もしているそんな家族なんで揉めることもないよ、といったことを聞くことも有ります。 実際のところ家庭裁判所に持ち込まれた相続争いの件数を見てみると遺産額が1000万以下の家庭で約3割を占めています。 それまで特に諍いのなかった家族が遺産分割をきっかけとして口も利かなくなるような関係になることも意外と多いです。そうならないように事前の準備を始めておいて損はありません。

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