介護保険サービスの利用の申請、更新手続きを代理でするというのも身体保護にあたっては重要です。もちろん代理権目録に記載があるのは必須です。 本人や本人の支援者、医療・介護関係者から十分意見を聞いて、必要性を検討したうえで進めていきます。介護認定の申請手続きを行うと調査員からの聞き取り調査というのがまず入りますが、出来る限り後見人も同席したほうが良いと思われます。介護度は今後の後見事務にも大きく関わってくることですし、調査員への対応をフォローすることで本人からの信頼を得ることも可能だからです。
遺言 相続に関することを日々アップしていきます。 行政書士として中高年の皆様のお役に立てるよう 頑張ります。
介護保険サービスの利用の申請、更新手続きを代理でするというのも身体保護にあたっては重要です。もちろん代理権目録に記載があるのは必須です。 本人や本人の支援者、医療・介護関係者から十分意見を聞いて、必要性を検討したうえで進めていきます。介護認定の申請手続きを行うと調査員からの聞き取り調査というのがまず入りますが、出来る限り後見人も同席したほうが良いと思われます。介護度は今後の後見事務にも大きく関わってくることですし、調査員への対応をフォローすることで本人からの信頼を得ることも可能だからです。
任意後見契約書とは別にライフプランというのも事前に作成しておきます。これは本人の生活の経歴や病歴、嗜好、通院している医療機関、友人関係など 身上保護を行っていくにあたって必要な情報であり、指針でもあります。 一般的には、任意後見契約締結の前後に作成され、必要に応じて修正されていきます。時が進むにつれ本人の意向がくみ取りにくくなっていきますので、このライフプランは有用です。ただし事情の変化も起こってしまうので、このライフプランを絶対視しすぎるのも危険です。
施設入所の場合は本人や介護スタッフとともにコミュニケーションをとりながら生活環境改善にむけて行動します。具体的なポイントとしては食事の質、部屋の清掃状況、介護の対応などです。 本人が伝えづらかったり、気づいていない部分については後見人が要望を代弁したり、クレームをあげたりという事も必要です。場合によると他施設への移動も本人の意思を確認したうえで検討することも必要です。
生活環境への関与も身上保護にあたっては必要です。ただ在宅か施設入所によって対応が変わってきます。 在宅の場合は、本人の意向をしっかり確認し快適な生活がおくれるような手配をしていきます。 介護ベッドや手すりの設置、室内用歩行器具の購入、レンタルなど。配食サービスやヘルパーの利用も検討します。このあたりはケアマネさんや介護支援者などと相談の上、本人の了解、賛同を得たうえで行っていきます。
とくに後見契約発効のきっかけとなる事理弁識能力については、変化していくという事にも注意しなければなりません。認知症などの場合、一定程度低下してしまった事理弁識能力がさらに低下していく傾向にあります。本人と定期的に面談しその傾向を確認する必要があります。 最初示していた本人の意向も変化する可能性があります。介護サービスや施設への入所、医療行為等、その場合も本人の意向をできるだけくみ取って修正し本人意思の尊重に努めていきます。
任意後見人の業務としては、代理権目録に基づく 身上保護関係事務と財産管理事務がメインとなります。 まず身上保護関係事務から見ていきます。業務を行うにあたっては「本人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない」とされています。この趣旨実現にむけて、ご本に定期的に面談したり周りの方から聞き取りしたりするという事が重要になってきます。聞き取り内容としては心身状態の変化、生活の様子などになります。
〇親族関係者への通知 委任者である本人の親族関係者には、漏れなく通知し連絡をしておきましょう。疎遠になっている親戚などもこれを機会に協力が得られるようになるかもしれませんし、変な誤解が生じるのを防ぐことが出来るかもしれません。 〇その他関係機関への通知 代理権目録の記載内容によっては、年金事務所、税務署などにも証明書を示して就任の通知をしておいた方が良い場合も有ります。
もう一つ後見人就任にあたり重要な事務は、各関係機関への通知です。任意後見登記事項証明書を提示します。 〇市区町村への通知 介護保険の手続き申請や本人に関する各種届や申請が円滑に進めることが出来るように提示などしておく必要があります。 〇医療、介護、福祉関係機関への通知 本人が利用している医療機関、介護福祉機関などに通知をしておくことで、健康状態や生活状況などを知らせていただくことも可能になります。 ケアマネージャーや民生委員など身近に対応していただいている方には特に通知というか挨拶や連携を取っていくことで今後の業務に大きな助けとなります。
任意後見事務を適正に行っているというのを示すために、自らの活動記録を残すことは大切です。しかし身内の人間が後見人になった場合なかなか難しいところがあります。 後見事務を行った日時や場所、事務内容など日誌に記録をつけて後日しっかりと確認できるようにします。また金銭については、金融機関への預入、払戻しの記録、領収書やレシートに基づく支出の記録を現金出納帳に記載していくことが必要です。 監督人への報告だけではなく、第三者が見ても明らかなようにしておくという事ですね。
任意後見人は、自らの後見事務を行うにあたって定期的に任意後見監督人に報告する必要があります。なので任意後見契約が発効した際には速やかに任意後見監督人に連絡し打合せをする必要があります。 任意後見監督人からは、後見事務全般に関する指示や指導をうけたり、また報告に関しての具体的な内容や時期回数などを確認することが必要です。任意後見監督人は、後見人が急迫な事情により事務が行えない場合、後見人に変わって事務を行うことも有るので、情報共有 意思疎通は大事です。
あとで困らないように代理権目録には、必要最大限の範囲で代理権を定めておきます。もちろん不必要不適正なものはダメですが、ご本人が訴訟を起こさないといけないような場合の代理や現在は未婚でお子さんもいないが、配偶者や子、養子などが将来存在することも見据えて代理権目録に加えておく事務というものもあります。 任意後見契約の代理権目録は裁判所の用意した雛形も有りますので、それに追加する形で委任者の生活をいかに保護していくかということを考えていきます。
契約段階で受任者としては、理解しているとはいえ発効段階では時間もたっていますので、この任意後見登記事項証明書の内容はしっかり確認しましょう。 任意後見人の権限は、任意後見契約書の中で定められた各条項並びに代理権の範囲内に限られます。 代理権目録に記載していない業務を行うには、別途個別に委任をしてもらう必要があります。しかし実際にはご本人の意思決定が難しい状況に陥ってしまった場合、法定後見に移行するということも検討しなければなりません。
任意後見監督人が選任され、任意後見人として事務を開始していくためには「任意後見登記事項証明書」を取得する必要があります。この登記事項証明書に記載している代理権目録に従って事務を行います。 また第三者に対しては、この目録をもって自己の権限について証明していきます。この登記事項証明書は、監督人選任後2週間程度で取得することが出来ます。
任意後見契約の魅力は、後見人になってもらう人を自由に選べる事です。なので後見される人にとって信頼のおける身内を選ぶことが可能です。 法定後見の場合も希望として後見人を申し出ることはできますが、必ずしも望んだ人がなるとは限りません。現状は弁護士、司法書士、社会福祉士などがなることが多いです。 なので身内の方が、任意後見受任者になるという前提で就任後の動きを見ていきたいと思います。
任意後見監督人選任申立てには、いろいろ費用が掛かります。主な申立て費用は 収入印紙 2200円(申立手数料800円、登記手数料1400円) 郵便切手 4000円弱 鑑定費用(必要な場合のみ)10万~20万 あとは各種書類の取得費用ですね。申立人の負担となりますので、受任者が申立てをする場合は、契約書のほうに最初からその費用負担も盛り込んでおいた方が良いです。
家庭裁判所のいろいろな審理手続きをへて いよいよ任意後見監督人の選任です。現在任意後見監督人のほとんどは、弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職であるといわれています。 任意後見監督人には、配偶者や親族などがなることが出来ません。申出書にたとえそのような方を記入していたとしても欠格事由にあたり、選ばれません。 監督人は、財産管理など重要な権利と義務を持つ受任者を管理する必要があるため、第三者視点が必要という事ですね。また家庭裁判所の代行でもあるので高度な信用度が必要という事です。
⑥申立て取立ての制限というのは何かといいますと、任意後見監督人選任の申しては、審判される前であっても勝手に取り下げは出来ません。家庭裁判所の許可が必要になるという事です。 たとえ①~⑤までの調査で受任者にとって不都合な内容のことが出てきたとしても、家庭裁判所が取り下げ許可を出さないかぎりは、無理だという事になります。
③受任者への意見聴取は必ず行われます。聞かれる内容としては、委任者との関係性、任意後見契約締結にあたっての経緯、受任者の現在の状況、今後の任意後見人としての業務に関してなどです。 ④鑑定は、原則医師の診断書があれば実施されませんが、委任者の状況次第では行う場合も有ります。 ⑤親族への意向照会は、家庭裁判所が必要と認めたときに書面で行われます。
①委任者との面談については、メインは本人が任意後見契約発効に際してその同意を行っているのかどうかです。実際の家庭裁判所の担当者が直接確認します。もし病院に入院しているような場合でもそこへ赴きます。 ②任意後見監督人となる人への意見聴取は、申立書に監督人の希望を記載した時に行われるものです。
審理手続きの流れですが、家庭裁判所は家事事件手続法にのっとって審理手続きを行います。 ①委任者(本人)との面談 ②任意後見監督人となる人への意見聴取 ③受任者への意見聴取 ④鑑定 ⑤親族への意向照会 ⑥申立て取立ての制限 などです。以下のその内容を見ていきます。
申立てにあたっての書類ですが、これが結構あります。詳しくは家庭裁判所で確認いただきたいのですが 任意後見監督人選任の申立書 親族関係図 財産目録 診断書 本人情報シート 委任者関係書類(戸籍、住民票、同意書・・・) 受任者関係書類(戸籍、住民票) 任意後見契約書類(登記事項証明書、任意後見契約書・・・) などなど いろいろ大変です。
任意後見監督人選任を申立てできるのは以下のとおりです。 任意後見委任者(本人) 委任者の配偶者 委任者の四親等内の親族 任意後見受任者となります。身内のいない方の場合は、受任者だけが申立て権者です。法定後見開始申し立ては、検察官や市区町村長などが出来ますが、そこに違いがあります。ケアマネージャーといった第三者には出来ないという事ですね。
申立ての時期について周りの人間がおかしいぞと気づき、医師の判断により委任者の事理弁識能力が不十分であることが確認されたときにはできるだけ早く申立てをすることが必要です。 委任者が元気であれば、接見などもしやすく新たに選任される監督人とも意思疎通がしやすいといえます。 また任意後見制度は、委任者の意思を尊重を重視していますので、出来る限り委任者本人の同意をもって開始するというのが望ましいということだと思います。
ここまでは、後見制度を利用するために 事前に任意後見契約を作成するというお話でした。 ここからは実際に任意後見制度は発効するにあたってというお話を見ていきたいと思います。任意後見契約を開始するにあたっては、家庭裁判所に申出をして任意後見監督人をまず選任しないといけません。 必要な任意後見監督人選任申出の要件としては 〇任意後見契約の登記がされていること 〇精神上の障害により委任者の事理弁識能力が不十分な状況にあること 〇委任者による申立てであること、又は委任者の同意があること。(ただし委任者がすでにその意思表示が出来ない状況にある時は不要です。)
任意後見登記事項証明書に記載されるものは以下のものです。 〇作成に関わった公証人の氏名 所属 証書番号 作成日 〇委任者の氏名 生年月日、住所、本籍 〇任意後見受任者の氏名、住所 〇任意後見受任者の代理人の範囲 などです。 この登記事項証明書 取得は誰もができるわけではなく、委任者、受任者以外では、配偶者、四親等以内の親族、本人の相続人などです。 交付の請求は、全国の法務局、地方法務局の本局の戸課ですが、郵送による交付は東京法務局のみです。手数料は1通ごとに550円の収入印紙が必要です。
任意後見契約が公証役場で作成されると、公証人から法務局に対し任意後見登記の嘱託がなされます。登記された登記情報については、契約の当事者や親族等関係者は、後見登記の登記事項証明書の交付を請求することができます。 この任意後見登記事項証明書は、委任者本人と受任者が任意後見契約書を作成したこと そしてその代理権の内容を証明するものとなります。
6で述べたものが必要になりますが、事前に公証役場へ確認を入れておいた方が良いです。 公証人によりますが、印鑑登録証書の代わりに写真付きの公的身分証明書と認印で可能な場合もあります。 また受任者が法人の場合は、法人の印鑑証明書、実印、代表者の身分を示す書類(登記事項証明書)、委任状など 個人で受任でする場合とはいろいろ違うところもあるのでご注意ください。
契約日に必要なもの。公証役場で契約をする日には、必要な書類や作成費用などすべてが揃わないと公正証書を作成することが出来ません。事前にメールなどで送っているもの全てではないですが、原本を持参しないといけないものも有ります。忘れものが無いように注意しましょう。 一般的なものとしては 〇委任者の戸籍全部事項証明書 〇委任者の印鑑登録証明書(発行から3カ月以内のもの)と実印 実印は結構忘れがち、もしくは違う印鑑だったりして困る場合も有ります。 〇委任者及び受任者の住民票(本籍地入りで個人番号不記載のもの) 〇受任者の印鑑登録証明書(発行から3カ月以内のもの)と実印 〇公証役場に支払う費用
ただし委任する内容(管理対象財産や契約内容)、公証人の先生により以下の書類を求められる場合も有ります。 金融機関の通帳 保有株式の明細書 生命保険 火災保険の保険証書 不動産の登記情報 固定資産評価証明書 車両車検証 など。 契約内容を裏付けるためにも必要という事ですね。
準備書類について任意後見契約書案の提出時 公証役場から求められる書類は以下になります。 委任者の戸籍全部事項証明書 委任者の印鑑登録証明書(発行から3カ月以内のもの) 委任者及び受任者の住民票(本籍地入りで個人番号不記載のもの)このあたりが一般的にもとめられるものになります。
どこの公証役場にするかが決まりましたら、公証役場に電話するかメールをしてどういった契約書を作りたくて、どんな書類が必要なのか確認しましょう。折り返し公証人事務係から返答があります。複数人公証人さんがいる場合はこのタイミングで今後誰宛に依頼すればいいのか教えてくれます。 メールアドレスは各公証役場ホームページに代表アドレスがありますのでそこで良いと思います。案文や必要書類などはいきなり送り付けないようにご注意ください。
ご自身で公正証書を作っていくぞということで、完成までの流れを見ていきたいと思います。 1 公証役場との打合せ公証役場は、お住まいの地域に複数あるとはいえ結構点在しています。都心部などでは、法人ニーズをふまえて近隣に複数あったり、一交渉役場に複数人の公証人がいることもあります。しかし地方だと数が少なかったり、公証人一人なんていうことも良くあります。 契約書の内容に関する相談は無料ですが、できるだけ要領よく質問等は行いましょう。基本予約が必要です。
任意後見契約書は、法務省令で定められた様式に従った公正証書で作成しなければなりません。ただその他の「見守り契約」「財産管理委任契約」「死後事務委任契約」「遺言書」などは公正証書で作らなければならないという法律はありません。 しかしこれらの契約で重要なことは、委任者・受任者の合意を明確にすることですので、公証人立ち合いのもと公正証書で作っておくというのが適切かもしれません。費用の問題がありますが・・・。
今まで見てきたように、任意後見契約については、その時期に応じて見守り契約、財産管理契約、死後事務委任契約、遺言書などを絡めて考え準備する必要があります。ただしすべてが必ずしも必要というわけではありません。 ご自身の生活環境、親族の有無、財産の有無などいろいろな事情を加味したうえで判断していただければと思います。必要に応じて相談だけでも専門家にすることも有りです。ぜひ慎重にご検討ください。
受任者に支払う費用ですが、死後事務委任契約に関してはじつはここが厄介な面でもあります。 死後事務は、期間や手間がかかり費用としては数十万単位となり、またその事務を行うためにも支払いが発生するため預託金として預かる金額が高額になりがちです。(葬儀をいくら簡素にしても十数万はかかります) この金額を、契約をしてから実行にうつる時期まで しっかり管理しておくというのは、委任者、受任者ともに負担が重いです。どちらの管理下に置くにしろ、双方の監視というのは必要になります。
「葬儀費用をもっと安くできなかったのか?」「あの遺品はどこへいった?」など委任者ご本人はもういらっしゃらないので、返答に困ることになります。 そうならないためにも死後事務委任契約書にできるだけ細かく反映させ付け入る隙を与えないようにしておくという事が必要です。契約書の中に委任事務の範囲を記載しますが、葬儀・火葬・納骨・埋葬に関しては委任者の強い意思として記載しておくことをお勧めします。
ただ死後事務に関してよく揉める一例をあげると、疎遠な親族しかいない場合です。 委任者としては、死後のことを任せたくない親族がいた場合、第三者にそれを死後事務として依頼することがあります。残った遺品はこう処分して、葬儀はこのようにやってほしいといった意向を受任者に伝えます。受任者はその通りやったとしても、残された親族としては欲しかった遺品や葬儀費用などにクレームつけるケースがあります。
ただどちらも亡くなった方の財産にかかわることですので、遺言書や契約書といった第三者が見ても納得できる書類が必要という事です。そのため遺言書にしても死後事務委任契約書にしても必ずしも公正証書にする必要はないですが、公証人の手による書類にしておいた方がその信頼性は増すことになります。 委任契約というのは本来委任者が亡くなるとその効力が失われますが、死後事務委任契約に関しては失われません、本来そういった趣旨のものですし、かつての判例でも認められています。
任意後見契約の相談をされ、受任の依頼をされた場合はこの契約もご提案しておくべきかと思います。なぜなら残った財産を処分するという第三者が行うにはとても重い責任が伴うからです。 ここでよく質問されることですが、遺言書と死後事務契約の違いです。簡単に言うと遺言書は最終残った遺産の相続人への引き渡しや遺贈などの処分行為であり、死後事務は、あくまでも死後に行われる事務的手続きだといえます。
委任者が死亡した際の生存中の入院費や施設等の未払い債務の弁済、葬儀埋葬費の支払い、役所への届出、各種契約の解約などいろいろ業務が発生します。任意後見契約受任者が親族である場合はそのままこういったことも行われることになりますが、第三者が後見人になっている場合は勝手には行えません。 任意後見契約は原則亡くなるまでの契約です。最近必要最低限の手続き、葬儀についてはその範囲が広がりつつありますが、本来はその手前までです。こういった業務の事を死後事務と呼んでいます。
この契約に関しての報酬ですが2パターンあります。①定額報酬 定型の業務(銀行引き出しや支払い業務など)に対して月単位で報酬額を設定します。長期にわたることも考えて、委任者の資産額、仕事量などを加味したうえで決定する必要があります。②個別報酬 契約で規定される内容に限定されて都度報酬が発生します。個別代理権を行使する際や規定された報酬を受領する場合は、本人の他監督する立ち場の者がいれば、その者に対して代理事務と受領報酬額の報告が必要です。
財産管理等委任契約に関しては、委任事務の範囲を検討が必要です。任意後見のように判断能力が無くなり、家庭裁判所の選任する監督人のもと管理する財産とは違い、あくまでも委任者の代理として金銭を管理保存していくという事になります。なので不動産に関わる部分や株式などについては、委任者の意思で指示、管理するものとされています。 そして委任者の判断能力が不十分になった時は、委任者の同意を得たうえで任意後見監督人選任の申立てをする義務があるという認識が受任者には必要です。
この財産管理等委任契約は、見守りと任意後見の間にある契約で、本人の判断能力はしっかりしているが、ご病気や足腰が不自由になったりしたときに、銀行やその他手続きが困難になった時に開始される契約です。 お金という財産を扱う契約ですので、見守り契約よりも受任者の注意義務は増すことになります。ただし全財産というわけではなく、契約上限定された範囲内でというケースが多いようです。
任意後見契約は、判断能力の低下に伴い、家庭裁判所に監督人選任の申立てをして初めてスタートしますが、第三者がこの任意後見受任者の場合はそのタイミングを適切に把握することが難しい場合があります。 また後見人受任者としては、出来れば任意後見発動前に委任者との時間を共有し、信頼関係を気付いておくという事も非常に大切です。随時 暮らしぶりを確認することで、その先の任意後見業務に活かすことも可能だと思います。
実際に任意後見契約が始まる前に継続的見守り契約(見守り契約)を結ぶ方もいらっしゃいます。 見守り契約は文字通り、月に1,2度電話や直接訪問し、委任者の生活状況、健康状態といった様子をうかがうという契約です。任意後見契約が発動した時は自動的に終了というのが一般的です。また契約書にもその内容を記載しておきます。 費用的には月1万円程度が相場のようです。
実際に任意後見の運用が始まってからの報酬費用についてですが、後見人を親族の誰かにする場合はかかりません。親に対して子どもなどです。 第三者の士業(弁護士、司法書士、社会福祉士)などに依頼する場合は、2万円~5万円程度毎月かかります。頼む相手、内容などによって変わってきます。 また任意後見監督人は必ず家庭裁判所に選任してもらわないといけないためその費用も掛かります。1万円~2万円ぐらいだと思いますが、この金額は家庭裁判所が決定します。
公正証書作成にあたっては、公証役場の公証人に支払う費用があります。現状私がお手伝いさせていただいて場合、登記費用、郵送用レターパック、収入印紙などを含めて2万5千円ぐらいです。 士業の専門家に文案の作成、公証人との打合せなどをお願いするとまた別費用が掛かります。これは士業の先生ごとに違いますので、見積もりを取る等しましょう。 契約書に雛形は存在しますが、ご自身の意向をくみ取った代理権目録の作り込みや任意後見制度に関することなどを相談・質問することなどを考えると任意後見に詳しい専門家に入ってもらった方が良いかと思います。
先に述べたように任意後見契約は、公正証書で作成しなければいけませんので、その作成には費用が掛かります。そして任意後見制度運用にあたっては、親族が後見を行う場合は報酬は基本発生しませんが、、第三者に依頼した場合は月単位で費用が発生します。また任意後見監督人に支払う費用は必ず掛かりますのでお忘れないように。 まず作成費用から見ていきたいと思います。
任意後見契約の解除にあたっては、解約申出者の真意を確認するため公証人の関与が必要とされています。 なお任意後見監督人が選任された後では、当事者の意思確認、権利保護の要請から家庭裁判所の許可が必要とされています。 また任意後見契約の内容の変更について、法律には規定がありませんが通達により公正証書の作成によらなければならないとされています。勝手に変更はダメという事ですね。
任意後見契約は、一般的にはなじみの薄い表現や難しい法律用語などが使われることが多く、契約当事者によってはその知識の差などが非常に大きい場合があります。 そこで任意後見契約書を公正証書で作成することを義務化することで、公証人による契約内容のチェックや契約当事者の判断能力、意思確認を行うことで 契約内容の適切性と内容の合意があることが確認されることになっています。
任意後見契約の締結に当たっては、法律で定められている事項というものがあります。その点を以下述べていきます。 いろいろな契約書は必ずしも公正証書で作らなければいけないというわけではありませんが、任意後見契約については公正証書でつくることと定められています。これは当事者のみで契約を進めてしまうと、委任者が理解できない内容で契約が締結されてしまい、いざその効力が発動した時には委任者は契約内容に理解の無いまま拘束されてしまうからです。
任意後見契約 発動後の準備として、事前指示書というものを作っておくことをお勧めします。これは将来の判断能力の低下または喪失時に備えて付与する代理権をどのような形で行使してもらいたいのか、代理権行使の対象、目的、範囲等を明確にするために事前の指示を記載した書面になります。 より具体的なライフプランを明確にするという事ですね。施設に入った場合の対応、入院 治療の希望などなど。任意後見契約は、公正証書で作る必要があるので、この事前指示書も契約書と一緒に綴り込んでもらっておくのもアリです。
どうしても法定後見の場合は、ご本人も準備ができないなか開始されることがあるためこういった印象を持たれるかもしれません。ただ任意後見の場合はあらかじめお元気な時に意見や好み 趣味などをお伺いし、判断能力が衰えてきたときでもどうしたいのか?ということも事前に聞き取りしますので、ご本人の意向は継続されるかと思います。
成年後見人がつくと財産が自由に使えなくなる。こんなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか? 確かに第三者の監視の目が入りますので、なんでも自由にというわけではありません。ただご本人の生活を維持し守っていくという趣旨のもと運用していく制度ですので、資産凍結というほどではないかと思います。ただしご本人以外の親族からみると今まで自由にできていた部分やもらえていたものが無くなったりと不自由に感じる部分はあるかもしれません。
後見人がつくことによってその人の人格権が失われてしまうのでは?と思われている方もいるかと思います。またご本人の後見人なんてつけてほしくないという思いです。被後見人になることで選挙権を失ったりや会社の重職から外されるそういった懸念が当初はありました。 しかし現在はいろいろな法律改正などがあり、成年被後見人になることだけでいろいろな欠格事由になるという事は少なくなってきています。
たまにニュースなどで士業の後見人がお金を横領したなんて事件が出ることがあります。平成26年には831件56億7000万円の成年後見人の横領があったとの記事がでてビックリしたものです。(これは士業の人間だけというわけではありません。) その後 家庭裁判所によるチェック、監督人の選任などにより減少傾向にはあります。しかし親族が後見人になった場合 善意悪意に関わらず 財産管理の意識が希薄になり表面化していないものもあるようです。また減っているとはいえ士業の事件も無くなっているわけではありません。金銭管理の難しさを感じます。
成年後見制度は2000年からスタートしていますが、制度スタート時は約9000件 2021年には4万件弱となっており 20年ぐらいで約4倍の件数になっています。増えているようにも思いますが、同じような制度を利用している先進国から考えると全人口の1%程度は必要との見解があり、日本ではその6分の1程度しか利用していないといえます。 こういった状況を受け、利用促進法が制定され、今ある問題点の洗い出し、改善を進めています。
この判断能力と意思能力の違いに注目して行う任意後見契約に即効型というものがあります。これは任意後見契約を行ったすぐ後に後見契約をスタートさせるというもので、本来は法定後見では?という少しグレーな感じの運用方法です。法定後見にしてしまうと誰が後見人になるかわからないというデメリットがありますので、任意後見にしておくと望んだ人が後見人になることができます。 任意後見契約が結べる意思能力はあるが、後見制度を利用しないといけないほど判断能力は落ちている、そのような立て付けにはなっています。理論的には成り立ちますが、当事者の権利侵害を受ける可能性を考えると極力使わないようにというのが一般的な見解のようで…
この判断能力に対して 意思能力ですがこれは個別の法律行為親⑦個別の契約をするかしないか、有効か無効かを判断するための基準となる能力です。つまり意思能力は、この簡単な契約は出来るが、別の複雑なものはできないなどという事が起こりうることになります。 常に現状どうなのかというところがポイントの判断能力とはこういったところの違いがあります。
この後見制度の利用にあたって非常に大事な概念として、判断能力という言葉があります。また意思能力という言葉も有ります。ひじょうに似ていますが、異なる部分も存在します。 法律的には事理を弁識する能力といいますが、わかりやすく言い換えると判断能力となります。 では判断能力とは? 知的能力・日常の事柄を理解する能力・社会適応能力の3つをあわせたものとしています。この能力がどれぐらいかけているかで任意後見をスタートさせるかどうかの基準になります。 同じく補助・保佐・成年後見の区別もここが基準です。
法定後見にはその対象者の状態から支援内容も変わるため、補助、保佐、成年後見と3つにわかれています。 法定後見は、申請者から家庭裁判所に選任の申出をして、選任者が決まってからのスタートになります。後見人として希望は提出できますが、必ずしもその人が選任されるとは限りません。今現状は、弁護士、司法書士、社会福祉士等がなることも多いです。最近の家庭裁判所の意向としては、責任ある親族をという流れもあるようですが、実際のところ財産管理が明確に分けて行えないなど問題も残っていますので、あまり進められていないようです。
つぎは法定後見の仕組みについてのお話しに移っていきます。法定後見は、任意後見の準備ができないときに判断能力が低下してしまったり、生まれながら障害をお持ちの方で判断能力が不十分なため、公的な保護をするための制度です。 ここで法定と命名されているのは、法律の定めによって支援者である後見人を選任し、選任された後見人は、法律に定められた事務を行うからです。
任意後見制度をスタートさせるためには、家庭裁判所に任意後見監督人 選任の申立てをする必要があります。この監督人はいうならば任意後見のお目付け役といったところで、任意後見人が不正な行為や著しい不良行為、職務にたいする適性が無いなどの場合は、家庭裁判所に請求して解任をさせることも可能です。 また3か月に1度程度の後見人から監督人への報告義務があり、家庭裁判所の監視も備わっています。 任意後見契約書の作成は、公証役場で公正証書にする必要があります。これは契約内容の確実さを公証人という法律の専門家により担保するためです。
任意後見制度の仕組みですが、判断能力が減退前に自信が信用できると思った人を任意後見受任者として設定します。これは身内親族でもよいですし、弁護士・司法書士・社会福祉士といった第三者でもOKです。(ちなみに行政書士でもされている方もおります) 実際に何を行ってもらうかという事については代理権目録で定めておきその中で職務を行ってもらいます。ただこの契約を結んだからと言ってすぐにスタートする話ではなく、あくまでも判断能力が衰えてしまって生活に支障がでるといった状況になってからです。
成年後見制度については、2種類あります。一つは法定後見制度、もう一つは任意後見制度になります。 まずは任意後見制度から。 任意後見制度は、本人の能力が減退する前に、もしそのような状況になってしまったときに支援してもらう人や支援の内容などを決めておく制度です。つまり自己決定で自由な契約を結ぶことができるという事で本人の意思が反映しやすい制度だとも言えます。
ここのところは依頼する本人や親族、受任する人も勘違いしやすいところです。もっといろいろやってほしいと思う前者がいたり、月に1回電話で近況だけを訪ね、あとは生活費を振り込んで終わりのような後者もいると聞いたことも有ります。 このあたりは双方に誤解を生みやすいところでもありますので、しっかり話し合っておくことが必要です。 法的な支援に付随する事実行為とされるところは、どうしても曖昧になったり、受任者の性格なんかも大きく左右されるところだと思います。
成年後見の職務の中心はこの二つの中でも身上保護事務に重きが置かれます。この身上保護事務をしっかり行うために必要な財産を管理し、有効に活用していくというのが財産管理にあたります。 とはいえここでいう身上保護は法的な身上保護であり、実際に介護をしたり食事をつくってあげたりというものではありません。食事の手配が必要となれば、配食サービス事業者との手続き上の契約を行なったりということをすることです。
成年後見人ってどういうことをしてくれんの? やってほしいことをしてくれない なんてこともよく聞きます。定められた一般的な職務範囲を見ていきたいと思います。 成年後見人の仕組むには大きく分けて二つあります。◎身上保護事務 ◎財産管理事務 です。 身上保護事務というのは、制度の利用者本人の生活と療養看護です。これは生活、医療、介護、福祉等を充実させるための法的な支援事務です。 財産管理事務は、本人の財産を適切に管理活用するための法的な支援を行う事務です。
ノーマライゼーションを前提とし、自己決定権の尊重・身上保護の重視という理念は、民法及び任意後見契約に関する法律に明文化されています。 つまり後見業務の受任者は、本人意思の尊重義務や身上配慮義務を負ったうえでしっかりやりなさいよという事ですね。後見業務についてはどこまでをやらないといけないのかというところがこの義務に絡めてムズカシイところですので、それをこの後見ていきたいと思います。
自己決定権の尊重は、判断能力が劣る状況になったとしても、その人が持つ意思や好みを尊重しましょうという事です。 身上保護の重視は、財産を守るということだけではなく、もっと広く生活・医療・介護・福祉等にも気を配りながら 本人の生活向上に向けて力を尽くしましょうという理念です。 成年後見人として業務を行う場合は、この理念を十分理解したうえで常に頭の中で反芻する必要があるという事です。
成年後見制度は三つの基本理念から作られているといわれています。 ①ノーマライゼーション②自己決定権の尊重③身上保護の重視 です。 基本理念とは、成年後見制度実施にあたり忘れていけない根本的な考え方のことを言います。分かりにくい言葉でノーマライゼーションというのが出てきましたが、これは障害を持つ人であってもそうでない人と共生できる社会にしていきましょうという事です。たとえ判断能力が不十分になったとしても 不自由なく生きてゆくことができるという事です。
契約社会である中で、健常者と弱い立場にある方をと共に暮らし、生きていきために、契約等の法律行為を支援する仕組みが必要となります。この法的な支援するためにできたのが、成年後見制度になります。 現在日本では、65歳以上の人が総人口に占める割合は3割といわれており、今後も上昇傾向にあります。超高齢化社会の日本において後見制度の利用促進の機運は大きく高まっていると言えるでしょう。しかし実際のところの運用はあまり進んでいないというのも現実です。 それはなぜなのかというところが今後考えていかないといけない事柄です。
契約は、十分な判断を能力を持ち、個々の契約内容をしっかりと理解したうえで意思決定をする必要があります。そうしないと契約者にとって不都合な状況が生じる可能性があるからです。 しかし実際のところ認知症になったりその他精神上の疾患などにより、適切な意思決定ができない場合があります。またそういった契約上の不備を利用する不心得者がいることも事実です。そういった弱い立場にいる人間をいかにして社会として守っていくかということも大切です。
ではそもそもどのような制度なのでしょうか?自分達が普段生活している中で、意識的、また無意識にも多くの契約を交わしています。物を買う時、仕事をするとき、仕事を依頼するとき、それは必ずしも書面でかわすものだけではありません。そして民法でも認められていますが、契約は個人、法人自由にすることができます。もちろん法律上に反しないものという前提はありますが。(殺人契約なんて言うのはもってのほかです。)
今 見直しを図ろうとしている成年後見制度について考えていきたいと思います。見直しという言葉が出ているという事は、現状問題があったり、使い勝手の悪いところがあるという事です。 たまに報道でも不適切な制度が利用が取り出されたり、周りでも後見人を変えたいねんといった相談をうけることもよくあります。 ただこの制度にも困っている人を助けるといういう趣旨から誕生していますので、失くすというよりは改善を繰り返し制度を見直していくというのがあるべき姿なのかなと思います。
亡くなった方の戸籍を全て集めて相続人が確定すれば、次はその相続人の戸籍・住民票などを集める作業に入ります。これは相続人として存命かどうか、また特定するために必要です。各種手続きをするためにはこれにあわせて印鑑登録証書なども必要になる場合があります。 人間関係を書類で確定するというのは、なかなかに手間のかかるものだと手続きの際にはいつも思います。
亡くなった方に子がいない、両親もすでに他界している、そうなるといよいよ兄弟姉妹の有無の確認になります。これも簡単なようで実は難しかったりします。すでに把握している兄弟姉妹についてはいいのですが、先になくなってる両親が内緒にしていた子供がいなかったか?というのが調査のポイントになります。場合によるとかなり昔の戸籍を読み込まなくならないため 注意が必要です。 兄弟姉妹が死亡している場合は、その子供 一代に限りますが代襲相続が可能ですので相続人となります。ここでもその兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍を確認し実子の漏れが無いようにしなければなりません。
子がいてもその子が死亡していた場合は、亡くなった方にとっては孫、ひ孫・・・と代襲相続が続いていきます。もし代襲相続する孫の生存が確認されたとしたら、亡くなった方の両親や兄弟姉妹の戸籍を調べるという必要は無くなることになります。 戸籍がを知らべた結果、亡くなった方に子供がいなかった場合次にチェックするのはその父母です。もし若くして不幸があった場合などはその可能性も有りますので、しっかり確認します。
戸籍集めはまず亡くなった方の出生から死亡までを集めます。亡くなった方の戸籍が集まった段階で(じつは漏れなく集めるのはムズカシイのですが、先のブログでご説明した通り、各年代の戸籍の癖に注意しながら集めてください。)死亡時の配偶者、子供の有無を調べることになります。先ほど配偶者は必ず相続人といいましたが、絶対条件として存命でなければなりません。そして死亡時に配偶者という立場にいることです。 つまり死別や離婚をしていた場合、配偶者には相続権がありません。ただしその配偶者との間に子どもいた場合はその子に相続権が発生します。
戸籍を集めて相続人を確定する作業に入っていくのですが、その前におさえておかないといけないことは、民法上 法定相続人と呼ばれている人が誰かという事です。 配偶者がいれば必ず相続人。あとは子供、両親、兄弟姉妹の順で優先順位が変わってきますので、まず要注意なのは子供。認知していたり、養子がいたりはたまた実は内緒にしていた前婚があり子供もいたなんてことも有り得ますので、目を皿のようにして戸籍を見る必要があります。子供がいなくて、両親もすでに他界となってくると兄弟姉妹の存在もおろそかにできません。ご注意ください。
相続手続というのは、いろいろ多岐に渡りますが今お話ししようとしている相続手続は、以下になります。 ◎亡くなった方の銀行預金や有価証券などを相続により受け取る手続き ◎相続人への各種名義変更手続き ◎相続放棄手続き などです。こういった手続きには亡くなった方と相続人の戸籍謄本などが必要になります。 それではなぜ必要かという理由は二つあります。①現金を受け取る人や名義変更する人が、亡くなった方の本当に相続人かどうか確認するため。②現金の受け取りなど相続人の意思表示を確認するため。
現行戸籍は、 一の夫婦と同氏の未婚の子 未婚の親と子 外国人と婚姻した者とその子 といった3種類で構成されます。旧法戸籍の特徴であった複数の家族が一緒に記載されるという事はありません。 戸籍は本籍と筆頭者で区別、検索されます。筆頭者に関しては、戸主のように民法上の権利義務はなく戸籍上の見出しでしかありません。そのため筆頭者が死亡しても新戸籍が作られるという事はなく、戸籍に記載されている人が存在する限り、筆頭者が死亡した記載のまま戸籍は残ります。
現行戸籍について これは昭和23年以降の戸籍についてこう呼びます。これには2種類ありまして昭和23年式によるバインダー式の戸籍謄本と平成6年にコンピュータ化された戸籍事項証明書です。 コンピュータ化されたものは、改製前の記載事項が移記されていないものがあり、改製原戸籍とあわせて確認する必要があります。一番新しい形式の戸籍は必要最小限といった感じでシンプルです。
今の戸籍に馴染みのある方が、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集めたときに驚くのが、一つの戸籍に入っている人の数です。 旧法戸籍では、戸主を中心として、戸主の親、妻、子、孫、兄弟や兄弟の家族等、家に所属する複数の家族が多数記載されています。 一つの戸籍に登場人物が多い点ともう一つ、戸主の事項欄には戸籍事項と身分事項が混載されていたりするということもあり戸籍を読み取りにくくなっています。またその時代ですので自筆、筆文字なのでさらに解読がむずかしくなっています。
〇家附の継子 婚姻又は養子縁組によって戸主が入籍する前にその家で出生していた配偶者の子のこと。〇分家 ある家に属する家族が戸主の同意を得て、その家を離れて新たに家を設立すること。分家をする者とその妻、子も移動することができます。この分家に対して元の家を「本家 ほんけ」と呼んだりします。 この他にも旧法戸籍には今では使わない用語もいろいろ出てきますが、親族を特定するためにはかなり重要なものもあるので注意が必要です。
〇隠居 戸主が生前に、戸主の権利と一家の財産を承継して隠退した場合、隠居という立場になります。〇庶子 父親から認知された非嫡出子〇婦 戸主以外の人の妻〇入夫婚姻 女戸主である妻の戸籍に夫が入る婚姻方法です。婚姻後は女戸主が戸主の地位のままにいなければ、入夫が戸主になります。
旧法戸籍で使われている用語を一部あげますと、〇戸主 一家の代表者。戸籍の最初に記載されます。 戸主には家長として家族の婚姻や縁組などの同意権が認められていました。また戸主の同意を得ずに結婚した者を戸籍から省くことができるといったことも出来ました。 相続の際には財産の一切を引き継ぐことになりますが、そのかわり戸籍にある親族を守るという義務もありました。 基本男性(家の長男)が戸主にはなりますが、女性がなる場合もあり、その場合は女戸主と呼ばれます。
旧法においては、一家の代表者であり権限者である戸主を中心とした「家制度」というものが土台となり戸籍が編製されています。 新しい戸籍が生まれる要因となったものに「家督相続」の問題があります。家督相続とは、戸主の死亡または隠居によって、戸主の地位と家の財産は家督を相続する者(基本的には長男)が単独で承継することをいいます。家督相続が発生すると、元の戸主の戸籍は全部除籍され、新しい戸主の戸籍が編製されます。 現行の戸籍では筆頭者の死亡によってその戸籍が除籍されるわけではありませんのでその点が大きく違いますね。
戸籍を読むとなった時 おそらく一番厄介なのは戸籍の要式が旧法と新法で大きく異なる点だと思います。つまり戸籍というものの考え方自体が大きく変わっている点ですね。 新民法に基づき調整された戸籍、昭和23年以降の戸籍を「現行戸籍」といいます。それに対し明治5年から現行戸籍までの戸籍を「旧法戸籍」と呼んでいます。
戸籍には、戸籍の附票というものもあります。でもあまり馴染みないですよね。一般の方が使うことはあまりないと思います。 戸籍の附票とは、本籍地の市区町村が管理する住民票記載の住所地の移転の履歴の記録です。戸籍の附票には住所を定めた年月日と住所地が記載されていますので、もし相続人の中で音信不通になった方がいた場合などは、調査に役立ちます。この戸籍の附票も重要な個人情報が含まれますので 取り扱いに注意が必要です。
戸籍簿、除籍簿等には保存期間というものが存在します。平成22年6月1日に戸籍法施行規則等が一部改正されたため、除籍簿、改正原戸籍簿ともに保存期間が150年に変更されました。それまでは50年、80年といった感じなので長くなったという事ですね。 この保存期間が過ぎてしまうと破棄されてしまうため、書類上前の戸籍はあったはずだが無いという場合は、役所で廃棄証明書というのをもらって代用します。
大きな改正としては、明治19年、明治31年、大正4年、昭和23年、平成6年に戸籍法が大改正されています。そのたびごとに大幅な戸籍様式の変更がありこれを戸籍の改製と呼ばれています。 改製が行われるとその段階で前のもの、新しいものと同じ内容のものが二つできます。この前のものを改製原戸籍といい、現行の戸籍から切り離され改製原戸籍簿にまとめられ保管されます。
転籍(住所を移したりという理由などで本籍を変える)したり、除籍をしたりして新しく戸籍が変わるというお話をしてきましたが、それ以外でももう一つおさえておかなければいけない戸籍の読み方ポイントがあります。 それは戸籍法が変わり、戸籍の編製方法が変わることで今まであった戸籍が大幅に書き換えられるという事があるからです。 今ある戸籍の原型が整備されたのは明治5年です。中央集権国家による全国統一政治のため、また国内の総人口を把握するという背景の元生まれました。
ここで問題になるのが、戸籍の記載事項については、新しい戸籍に記載されるものとそうでないものがあるという点です。 婚姻に関する事項については、現在も有効な身分事項として記載されますが、離婚や養子縁組の離縁などは、既に法律効果を失ったものとして記載されません。そのため除籍を確認することによって、現在の戸籍だけでは分からない身分事項が判明するという事があります。 戸籍を確認する際は、戸籍が編製された原因を確認し、その前に除籍されている戸籍が無いかを注意する必要があります。
相続手続においては、戸籍のつながりというものがとても重要です。ではこの繋がりをどこで確認するのか? 現行の制度では、除籍をしたり新戸籍を編製したりするときは、元の戸籍には転籍先の本籍地が、新しい戸籍には前の本籍地が記載されます。この両方の戸籍の本籍地を確認することでつながりがわかるという事です。これをたどっていくことで、時系列で個人の身分事項や親族関係を調査することが可能になります。
本籍地を移すことを転籍といいます。家族全員が他の市区町村に転籍する場合(管外転籍といいます)、戸籍の全構成員が新しい本籍地に移るということになりますので、今の戸籍には誰も残っていないことになります。 このような戸籍は「除籍簿」と呼ばれ別の帳簿に保管されます。この除籍簿は、除籍されるまでの期間中の身分関係の変動がすべて記載されているためとても重要です。これには公文書として定められた保存期間があり、市区町村で大切に保管されます。
現在戸籍とは、現在在籍している人がいて使用されている戸籍の事をいいます。略して現戸籍ということもあります。 除籍とは、現在の戸籍から婚姻や死亡によって外れる場合 除籍という言葉を使います。また戸籍を編製していた構成員が全員いなくなってしまった戸籍のことも除籍といいます。ちょっとややこしいですね。
記載事項証明書とは、 今まで紙にタイプや手書きで記録調整してきた戸籍ですが、平成6年に戸籍法の一部が改正され、戸籍を電子データー化するように変わりました。こういった戸籍をコンピュータした市区町村では、戸籍謄本を「全部事項証明書」といい、戸籍抄本を「個人事項証明書」と呼んでいます。 相続手続に必要なものは、戸籍謄本、全部事項証明書になります。親族関係を把握することが必要になりますので。
戸籍を集めないといけないとき いろいろな呼び名が出てきて戸惑うことがあります。「戸籍謄本」「戸籍抄本」「記載事項証明書」。 戸籍謄本とは、 役所に保管されている戸籍の原本全部(全員の記載事項)を移した書面 戸籍抄本とは、 戸籍の原本の一部(請求された特定の個人の記載事項)を抜粋して写した書面を言います
個人情報保護の観点から戸籍や住民票などの取得は厳しくなってきています。改めて戸籍謄本などの取得を請求できる人について記載したいと思います。 ①戸籍に記載されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属。 ②弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士(ただし受任する事件、事務に関する業務を遂行するにために必要であり、尚且つその業務は本来各士業の業際のうちにあること・・・つまりなんでもかんでも戸籍を取得することは出来ないよという事です。) これでいくと兄弟の戸籍は取れないことになりますが、相続手続上どうしても必要な場合などはその理由を明らかにして請求…
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介護保険サービスの利用の申請、更新手続きを代理でするというのも身体保護にあたっては重要です。もちろん代理権目録に記載があるのは必須です。 本人や本人の支援者、医療・介護関係者から十分意見を聞いて、必要性を検討したうえで進めていきます。介護認定の申請手続きを行うと調査員からの聞き取り調査というのがまず入りますが、出来る限り後見人も同席したほうが良いと思われます。介護度は今後の後見事務にも大きく関わってくることですし、調査員への対応をフォローすることで本人からの信頼を得ることも可能だからです。
任意後見契約書とは別にライフプランというのも事前に作成しておきます。これは本人の生活の経歴や病歴、嗜好、通院している医療機関、友人関係など 身上保護を行っていくにあたって必要な情報であり、指針でもあります。 一般的には、任意後見契約締結の前後に作成され、必要に応じて修正されていきます。時が進むにつれ本人の意向がくみ取りにくくなっていきますので、このライフプランは有用です。ただし事情の変化も起こってしまうので、このライフプランを絶対視しすぎるのも危険です。
施設入所の場合は本人や介護スタッフとともにコミュニケーションをとりながら生活環境改善にむけて行動します。具体的なポイントとしては食事の質、部屋の清掃状況、介護の対応などです。 本人が伝えづらかったり、気づいていない部分については後見人が要望を代弁したり、クレームをあげたりという事も必要です。場合によると他施設への移動も本人の意思を確認したうえで検討することも必要です。
生活環境への関与も身上保護にあたっては必要です。ただ在宅か施設入所によって対応が変わってきます。 在宅の場合は、本人の意向をしっかり確認し快適な生活がおくれるような手配をしていきます。 介護ベッドや手すりの設置、室内用歩行器具の購入、レンタルなど。配食サービスやヘルパーの利用も検討します。このあたりはケアマネさんや介護支援者などと相談の上、本人の了解、賛同を得たうえで行っていきます。
とくに後見契約発効のきっかけとなる事理弁識能力については、変化していくという事にも注意しなければなりません。認知症などの場合、一定程度低下してしまった事理弁識能力がさらに低下していく傾向にあります。本人と定期的に面談しその傾向を確認する必要があります。 最初示していた本人の意向も変化する可能性があります。介護サービスや施設への入所、医療行為等、その場合も本人の意向をできるだけくみ取って修正し本人意思の尊重に努めていきます。
任意後見人の業務としては、代理権目録に基づく 身上保護関係事務と財産管理事務がメインとなります。 まず身上保護関係事務から見ていきます。業務を行うにあたっては「本人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない」とされています。この趣旨実現にむけて、ご本に定期的に面談したり周りの方から聞き取りしたりするという事が重要になってきます。聞き取り内容としては心身状態の変化、生活の様子などになります。
〇親族関係者への通知 委任者である本人の親族関係者には、漏れなく通知し連絡をしておきましょう。疎遠になっている親戚などもこれを機会に協力が得られるようになるかもしれませんし、変な誤解が生じるのを防ぐことが出来るかもしれません。 〇その他関係機関への通知 代理権目録の記載内容によっては、年金事務所、税務署などにも証明書を示して就任の通知をしておいた方が良い場合も有ります。
もう一つ後見人就任にあたり重要な事務は、各関係機関への通知です。任意後見登記事項証明書を提示します。 〇市区町村への通知 介護保険の手続き申請や本人に関する各種届や申請が円滑に進めることが出来るように提示などしておく必要があります。 〇医療、介護、福祉関係機関への通知 本人が利用している医療機関、介護福祉機関などに通知をしておくことで、健康状態や生活状況などを知らせていただくことも可能になります。 ケアマネージャーや民生委員など身近に対応していただいている方には特に通知というか挨拶や連携を取っていくことで今後の業務に大きな助けとなります。
任意後見事務を適正に行っているというのを示すために、自らの活動記録を残すことは大切です。しかし身内の人間が後見人になった場合なかなか難しいところがあります。 後見事務を行った日時や場所、事務内容など日誌に記録をつけて後日しっかりと確認できるようにします。また金銭については、金融機関への預入、払戻しの記録、領収書やレシートに基づく支出の記録を現金出納帳に記載していくことが必要です。 監督人への報告だけではなく、第三者が見ても明らかなようにしておくという事ですね。
任意後見人は、自らの後見事務を行うにあたって定期的に任意後見監督人に報告する必要があります。なので任意後見契約が発効した際には速やかに任意後見監督人に連絡し打合せをする必要があります。 任意後見監督人からは、後見事務全般に関する指示や指導をうけたり、また報告に関しての具体的な内容や時期回数などを確認することが必要です。任意後見監督人は、後見人が急迫な事情により事務が行えない場合、後見人に変わって事務を行うことも有るので、情報共有 意思疎通は大事です。
あとで困らないように代理権目録には、必要最大限の範囲で代理権を定めておきます。もちろん不必要不適正なものはダメですが、ご本人が訴訟を起こさないといけないような場合の代理や現在は未婚でお子さんもいないが、配偶者や子、養子などが将来存在することも見据えて代理権目録に加えておく事務というものもあります。 任意後見契約の代理権目録は裁判所の用意した雛形も有りますので、それに追加する形で委任者の生活をいかに保護していくかということを考えていきます。
契約段階で受任者としては、理解しているとはいえ発効段階では時間もたっていますので、この任意後見登記事項証明書の内容はしっかり確認しましょう。 任意後見人の権限は、任意後見契約書の中で定められた各条項並びに代理権の範囲内に限られます。 代理権目録に記載していない業務を行うには、別途個別に委任をしてもらう必要があります。しかし実際にはご本人の意思決定が難しい状況に陥ってしまった場合、法定後見に移行するということも検討しなければなりません。
任意後見監督人が選任され、任意後見人として事務を開始していくためには「任意後見登記事項証明書」を取得する必要があります。この登記事項証明書に記載している代理権目録に従って事務を行います。 また第三者に対しては、この目録をもって自己の権限について証明していきます。この登記事項証明書は、監督人選任後2週間程度で取得することが出来ます。
任意後見契約の魅力は、後見人になってもらう人を自由に選べる事です。なので後見される人にとって信頼のおける身内を選ぶことが可能です。 法定後見の場合も希望として後見人を申し出ることはできますが、必ずしも望んだ人がなるとは限りません。現状は弁護士、司法書士、社会福祉士などがなることが多いです。 なので身内の方が、任意後見受任者になるという前提で就任後の動きを見ていきたいと思います。
任意後見監督人選任申立てには、いろいろ費用が掛かります。主な申立て費用は 収入印紙 2200円(申立手数料800円、登記手数料1400円) 郵便切手 4000円弱 鑑定費用(必要な場合のみ)10万~20万 あとは各種書類の取得費用ですね。申立人の負担となりますので、受任者が申立てをする場合は、契約書のほうに最初からその費用負担も盛り込んでおいた方が良いです。
家庭裁判所のいろいろな審理手続きをへて いよいよ任意後見監督人の選任です。現在任意後見監督人のほとんどは、弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職であるといわれています。 任意後見監督人には、配偶者や親族などがなることが出来ません。申出書にたとえそのような方を記入していたとしても欠格事由にあたり、選ばれません。 監督人は、財産管理など重要な権利と義務を持つ受任者を管理する必要があるため、第三者視点が必要という事ですね。また家庭裁判所の代行でもあるので高度な信用度が必要という事です。
⑥申立て取立ての制限というのは何かといいますと、任意後見監督人選任の申しては、審判される前であっても勝手に取り下げは出来ません。家庭裁判所の許可が必要になるという事です。 たとえ①~⑤までの調査で受任者にとって不都合な内容のことが出てきたとしても、家庭裁判所が取り下げ許可を出さないかぎりは、無理だという事になります。
③受任者への意見聴取は必ず行われます。聞かれる内容としては、委任者との関係性、任意後見契約締結にあたっての経緯、受任者の現在の状況、今後の任意後見人としての業務に関してなどです。 ④鑑定は、原則医師の診断書があれば実施されませんが、委任者の状況次第では行う場合も有ります。 ⑤親族への意向照会は、家庭裁判所が必要と認めたときに書面で行われます。
①委任者との面談については、メインは本人が任意後見契約発効に際してその同意を行っているのかどうかです。実際の家庭裁判所の担当者が直接確認します。もし病院に入院しているような場合でもそこへ赴きます。 ②任意後見監督人となる人への意見聴取は、申立書に監督人の希望を記載した時に行われるものです。
審理手続きの流れですが、家庭裁判所は家事事件手続法にのっとって審理手続きを行います。 ①委任者(本人)との面談 ②任意後見監督人となる人への意見聴取 ③受任者への意見聴取 ④鑑定 ⑤親族への意向照会 ⑥申立て取立ての制限 などです。以下のその内容を見ていきます。
配偶者居住権については、高齢になった時の対処にたいしてはあまり向いていないような気がします。4人に一人が認知症になる時代です。仲の良い信頼のおける家族ならそもそもこの制度は必要なく、遺言書や家族信託などの他の制度の利用で事足ります。どうもこの制度は、相続問題を短期的に終わらせる手法として作られており、長期的な設計にはなっていないように思います。
もうひとつ大きな課題としては、配偶者が認知症や障害で施設に入所となった時に配偶者居住権が不要になったとしても、所有者の合意がなければ、賃貸物件として収益を得たり、配偶者居住権を所有者に買い取ってもらったりすることができないという事です。 本来 全て自分の所有権であったなら、不動産を売って施設に入所する費用にするということも出来ましたが、それがしづらいまたは大きな金銭に換わらないという問題になってきています。
配偶者居住権の令和3年1年間の登記件数は、880件となっています。この制度が開始されてから少しづつ増えてきているとはいえ、全体の相続件数から考えるとまだまだ少ないと言わざるをえないと思います。 この中には、もともと必要がない家族、この制度を知らない家族いろいろだと思いますが、この制度自体がもつ課題の影響も少なからずあるかと思われます。 まず第一点 配偶者居住権の評価の難しさがあります。法務省が示している簡易的な算定方法では平均余命が大きく影響します。配偶者居住権の考え方としては、家賃の前払いという意味合いもありますので、配偶者が50歳とした場合、配偶者居住権の評価が高くなってしまい本来意図した…
配偶者居住権は、原則配偶者が亡くなるまで続きます。しかし、遺言、協議、審判、調停などによって存続期間定めることも可能です。 そのほかのこの権利の消滅理由としては、配偶者が無茶な使い方をしたり、所有者に無断で増改築をした場合などは建物所有者の意思表示により消滅させることも可能です。但しこの場合、是正の勧告をしたうえでという条件は必要ですので、いきなり出ていけ!というのは通用しません。 この配偶者居住権は、賃借権と類似ともいわれていますので、配偶者側からの放棄も可能と考えられています。
配偶者居住権の抗力は建物全部に及ぶことになります。配偶者は、その建物に住むにあたっては、十分注意をして管理していかないといけません。増改築や他の者に賃貸させ収益を得る場合などは、所有者の許可が必要です。所有者とは、配偶者居住権にたいする負担付き所有権をもつ所有者になります。 通常の必要費は、配偶者の負担で、そこには固定資産税も含まれます。簡易な修繕などもここに含まれます。
配偶者居住権の対象は、相続開始時(亡くなった方の死亡時)に配偶者が住んでいた亡くなった方の相続財産であった建物であることが必要です。建物であって土地ではありません。第三者が一緒に居住していた場合などは対象とすることはできません。 配偶者居住権の取得を第三者に誇示するためには登記が必要ですが、これも建物のみの登記となります。
配偶者居住権成立の方法として、死因贈与契約があります。これはほぼ遺言と同じ扱いです。それと遺産分割協議でもすることができます。他の相続人との話し合いの中で決めたり、その協議で収まらないときは調停の結論として選択される場合もあります。 調停でも無理となると家事審判で決定づけられることがありますが、とはいえ前提としては共同相続人間の合意や取得の必要性は求められます。 相続人間でこの制度を十分に理解し、納得するというところが、実際のところ高いハードルになるかもしれません。
配偶者居住権は、どうやって取得、成立するのかという事ですが、何パターンかあります。一つは遺言による遺贈です。 これは民法にも定められているのですが、「遺贈による」とされていて、「相続させる」ではなぜダメなのか 少しひっかかりますよね。配偶者である妻へなのであるから、相続させるで何も問題ないようにも思えますが、これは配偶者が配偶者居住権を必要としない場合、遺贈であれば遺贈だけを放棄することができるが、「相続させる」旨の遺言では相続そのものを放棄しなくてはいけなくなるからです。 知った時にはなるほどーと思いました。また逆に相続放棄をしてしまって、配偶者居住権だけをもらうなんてことも出来ます。たしか…
配偶者居住権について、どういう意図で何を目的にというところは、イメージできたと思いますが、他にもメリット、そしてデメリットが存在します。 そのあたりを少し深堀していきます。配偶者居住権は、法律婚の配偶者のみに認められています。つまり内縁はダメだという事です。また一身専属権 難しい言葉ですが、その人だけしか使えないという事になります。 配偶者居住権には、使用収益権が認められています。譲渡することはできません。人に家を貸して賃料をもらうということはできるのですが、住む権利を売ることはできません。
民法改正後のこの配偶者居住権を使うとすると、このようなことが可能です。 母親 配偶者居住権 1000万 預貯金 1500万 子供 負担付き所有権 1000万 預貯金 1500万という分け方をすることができます。 この配偶者居住権は、原則 母親が亡くなるまで利用可能という事になります。この場合配偶者居住権を半分の価値割合にしていますが、残余寿命などから簡易に算定する方法が法務省で提示されています。税務評価の場合はまた別の手法がとられます。なので計算は結構複雑です。
では具体的にかつシンプルにその例を見ていきましょう。遺産内容 自宅 2000万円 預貯金 3000万円父親がなくなり、相続人はその妻と子供一人。この場合 法定相続分で分けるとすると、妻2500万、子ども2500万という割合になります。妻は今まで住んでいた自宅を手放したくないので、その家を相続します。するとのこり相続できるのは預貯金500万だけになってしまいます。子供には残り預貯金で2500万が相続分となります。いいよ全部お母さんがもらっときなよ なんてゆってくれれば何の問題もありません。(でもここで相続放棄なんてしちゃだめですよ、大きな災難に見舞われることもあります。それはまた別のお話で)しか…
配偶者居住権という言葉を聞いたことがある方もあるかもしれません。これは2020年に民法が改正され、新たに創設された権利になります。目的としては、高齢の配偶者が住むところを失わなず、尚且つ生活資金も確保しておきたいということに有ります。 この権利は、遺言書で遺贈されたり、遺産分割協議などで取得することも可能です。相続発生によって残された配偶者が亡くなった方の所有していた建物に居住して場合、相続発生後も賃料の負担なくその建物に住める権利、それが配偶者居住権です。
当日は、公証人より公正証書に関する説明、読み上げ、依頼者にたいする質疑応答などがあります。作成書類によって所要時間は変わってきます。 すべてが終われば、製本と謄本が渡され、原本は公証役場で保管されます。このタイミングで公正証書作成費用をお支払いします。事前に費用は伝えられますので、おつりが無いように現金で準備しておきましょう。領収書もうけとってこれで終了です。
公証役場から案文が送られてくれば、いよいよ認証です。まずはその日を予約します。 公正証書遺言には、証人が二人必要です。ご自身で依頼をしても良いですが、親族など遺言書の内容に関与する可能性のある方はなることができません。公証役場に証人を依頼することも可能です。その際は報酬が発生します。役場によって違いますが、一人につき5000円からといったところでしょうか。 任意後見、死後事務などでは、その受任者に出席してもらうことになります。
相談内容がある程度、形になってきましたら公証人さんの方で文案作成となります。作るものにもよりますが、遺言書などについては、2週間程度みといたほうが良いかもしれません。基本は公証役場にある雛形に当てはめる形になるかと思います。 またその公正証書に必要な書類も指示されると思いますので、入手しましょう。身分証明書や戸籍、住民票、印鑑証明その他 などです
まずは相談、どういったものを作りたいかの話から始まり、必要なことの聞き取りが行われます。士業のような専門家が入る場合は、この辺りを事前に済ませ、公正証書の案文まで作った状態で進めていきますので、スムーズに進めることが可能です。 どうしても法律用語や定型の書式などの知識が必要になる場面がありますので、この点を逐一 公証人さんに確認していると時間はいくらあっても足りないことになってしまいます。相談はいくら無料とはいっても、公証人さんも時間が無い中で行っていますので配慮は必要かと思います。
公証人さんも人ですので、個性がありますというか強いような気がします。これは私見なので参考までというところですが。相談のしやすさ、わかりやすい説明といった部分でかなり差があるような気がします。一般の方にとっては当たりはずれという事で許容するしかないところです。公証役場をよく利用する専門家としては、そのあたりは常に見極めて自分の担当を選りすぐっていると思います。 同じ公正証書認証の業務を依頼した場合でも、1時間の方もいれば3時間かかる方もいます。公正証書遺言、死後事務委任などを依頼される方は高齢の方もいるので、その時間集中して行うというのは非常に難しいこともあります。
公証役場には、公証人さんという方がいらっしゃいます。もともと裁判官をされていた方が退官されてお仕事をされていますので、法律のプロ中プロということになります。都心部では、役場も多いと書きましたが、公証人さんも複数所属されています。逆に地方では、公証人さんが一人なんてところもありますので、業務が立て込んでいるときなどは、待ち時間、待ち期間が長くなることも有ります。 公証役場の有難いところは、相談無料ですので作成するしないは別として、まずは相談からということも可能です。
この公証役場というのは全国に有ります。公証役場のホームページをみてもらうとその所在地がわかるようになっています。遺言書に関していうと、公証役場にいって作ってもらうのは、どの公証役場でも大丈夫ですが、出張して作ってもらう場合などのそのエリアという制限がありますので注意が必要です。 都心部では、複数ありますが、地方になると2か所とか、少なくなる場合もあります。一度ご自身の住んでいる場所で確かめてみましょう。
公正証書遺言を作る時、行くのが公証役場になります。でも普通の人は、公証役場なんていくことは無いですよね。役所の中にある窓口ですか?なんて私も最初は思いました。 公証役場は、法務省・法務局所管の公的機関になります。業務内容としては、遺言や任意後見契約などの公正証書の作成,私文書や会社等の定款の認証,確定日付の付与などが挙げられます。簡単にゆうと、書類にたいして公的な認証を与えてくれる機関という感じでしょうか