これまで続いてきたアメリカの対ロシア制裁は、冷戦終結後の1990年代から徐々に強化されてきています。特に2014年のクリミア併合以降は、制裁が確定的なものになってしまいました。しかし、この米国からの制裁が強化されても、ヨーロッパはエネルギーの安全保障を考え、ロシアとの協力を続けるしかありませんでした。自由経済の原則として、安くて便利なものを選ぶのが自然な流れだからです。 その象徴ともいえるのが、ドイツとロシアの間で進められた「ノルドストリーム2」パイプライン計画です。このプロジェクトは2015年に発表され、ロシアの天然ガスをバルト海経由でドイツに直接供給するもので、年間550億立方メ