夫と小学四年生の息子、晴基と暮らしている希和は民間学童で働きはじめることに。晴基が短冊に残した「こんなところにいたくない」という言葉、居心地の悪い保護者のLINEグループ、そして夫との関係。日々の暮らしの中で少しずつ失ってしまった声を、希和は少しずつ取り戻していく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『声の在りか』寺地 はるな (著)
夫と小学四年生の息子、晴基と暮らしている希和は民間学童で働きはじめることに。晴基が短冊に残した「こんなところにいたくない」という言葉、居心地の悪い保護者のLINEグループ、そして夫との関係。日々の暮らしの中で少しずつ失ってしまった声を、希和は少しずつ取り戻していく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ゴールデンスランバー』伊坂 幸太郎 (著)
宮城県出身、五十歳という若さで首相となった金田が地元仙台でのパレード中、ラジコン爆弾によって殺された。元宅配業者の青柳雅春は自分が犯人とされていることを知り、必死に逃げる。警察とは思えぬ暴力を振るう人間たちの目をかいくぐり、時に協力者を得ながら青柳は逃げ切れるのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『結 妹背山婦女庭訓 波模様 』大島 真寿美 (著)
明和八年、近松半二が書いた「妹背山婦女丁庭訓」は大盛況だった。繁盛している酒屋の若旦那の平三郎は芝居好きが高じて義太夫節にも絵にも才を見出す。半二の弟子の徳蔵は家業があり、なかなか目が出ないものの浄瑠璃作家への道を諦められずにいる。そんな折、徳蔵に歌舞伎の脚本を書いてみないか、という誘いが入る。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『残照の頂 続・山女日記』湊 かなえ (著)
亡くなった夫への後悔を抱えている喫茶店の女店主、これからの働き方に迷っている女性会社員。三人組の一人を思いながら山へ挑む初心者の二人の女子大生。様々な思いを胸に山へ登る女たちは山頂からの景色に何を見、感じるのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『子宝船 きたきた捕物帖(二)』宮部 みゆき (著)
正月二日の夜、枕の下に敷いて寝ると吉夢を見られるという宝船の絵。しかし、赤ん坊を亡くしてしまった家にあった宝船の絵から弁財天の姿が消えていたという。その頃、江戸深川の富勘長屋に住む岡っ引き見習の北一が利用していた弁当屋の一家三人が殺される事件が起こる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『楽園のカンヴァス』原田 マハ (著)
1983年、ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日一通の招待状を受け取る。それは伝説のコレクター、バイラーからで、所有のルソー作品調査のためにスイスの自宅へ来てほしい、という内容だった。見せられたのはルソーの名画「夢」に酷似した絵でその真贋判定をした者に絵を譲ると言う。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『実は、拙者は。』白蔵 盈太 (著)
深川の長屋に住む棒手振りの八五郎は実入りは少ないが気ままな一人暮らしをしている平凡で地味な男。ある夜、巷で噂となっている幽霊剣士「鳴かせの一柳斎」が人を斬る現場に出くわす。剣士の正体は八五郎が良く知る人物だった。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『爆弾』呉 勝浩 (著)
酒屋の店員を殴ったとして取調室に連れて来られた男、自称スズキタゴサク、四十九歳。ぱっとしない風体能古男は霊感で事件を予告できるかも、と発言します。「十時ぴったり、秋葉原のほうで、きっと何かありますよ」という鈴木の言葉どおりその時間に秋葉原で爆発事件が発生する。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『神様の暇つぶし』千早 茜 (著)
父親と二人で暮らしていた二十歳の藤子。その父親を事故で亡くし気力を失い動けなくなっていたある日、父よりも年上の写真家の男と出会う。光と影でできているような男・全さんはそのひんやりとした目と人を油断させるような笑顔で、藤子の止まっていた時間を動かした。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『ミステリなスイーツ 甘い謎解きアンソロジー』
和菓子を求めるお客様の謎めいた注文内容、家庭科準備室から消えたチョコレート、オフィスの会議で提供されるアフタヌーンティーに隠された秘密。デパ地下の和菓子店で、高校の家庭科準備室で、会社の会議室で起こる様々なスイーツに関係するミステリー。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『復讐の泥沼』くわがきあゆ (著)
古民家カフェのテーブルで向かい合っていた日羽光と盛岡颯一。直後、建物の老朽化による崩壊事故に巻き込まれる。医者らしき人物の声がけに助けを求めるが、その二人組は颯一を見捨てて立ち去ってしまう。なぜ彼らは颯一を助けなかったのか。その答えを聞くために光は二人組を探しはじめる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『頬に哀しみを刻め』S・A コスビー (著)
かつて人を殺し刑務所に服役していたこともある黒人のアイク。出所後は地道に働き現在は庭園管理会社を経営しているが息子のアイザイアが彼の夫・デレクとともに銃で頭を打たれ死亡。アイクは酒浸りのデレクの父親バディ・リーとともに息子を殺害した犯人を探し復讐することを誓う。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『だまされ屋さん』星野 智幸 (著)
夫を亡くし、公団で一人暮らしをしている七十歳の夏川秋代のもとに娘の婚約者を名乗る男が現れた。人の懐にするりと入り込み、図々しいが憎めないこの男は、本当に娘の婚約者なのか、また新手の詐欺?秋代の娘と息子にも問題が起こり、関係を断っていた家族は再び集まる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『方舟』夕木 春央 (著)
仲間たちとともに山奥の地下施設へとやってきた柊一だが地震により出入り口が塞がれてしまう。そんな中、殺人事件が発生。一人を犠牲にすれば脱出できるという状況の中、犯人を見つけ出しその役を担ってもらおう。犯人以外の全員がそう思っていたのだが…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『緑陰深きところ』遠田 潤子 (著)
自身の妻と娘、そして妻の父を殺害し、刑期を終えのうのうと暮らしている兄。絃二郎は兄を殺すことを決意し、彼女との思い出の車を手に入れ兄が住む大分へ向かう。しかし、一文無しの金髪の若者・リュウと出会い共に旅することになる。旅をする中で見えてきた互いの人生と行き着く先とは。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『いつだって喫茶ドードーでひとやすみ。』標野 凪(著)
他者と自分を比べて落ち込んでしまうアパレル会社勤務の女性、正しさ以外を排除してきた保険会社勤務の女性。細い路地の先にあるおひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」はそんな悩みを持つうお客たちが答えを見つけるきっかけとなるようなメニューを用意して迎え入れる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』原田 ひ香 (著)
実家の母親から送られてくるのはお米に野菜、隙間に詰めるのはタオルや靴下や肌着など。時代は移り変わっても母からの小包の中身はなぜかあまり変わらない。箱に詰められた様々な「思い」を家族に届ける物語。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『怖ガラセ屋サン』澤村伊智 (著)
怪談を集めている会社の後輩、シングルマザーから金を吸い取るスピリチュアル詐欺、同級生を自殺へと追い込んだいじめの事実をひた隠しにする小学生…。都市伝説や幽霊より、一番怖いのは人間だ。そう考える登場人物たちが予期せぬ方向からやってくる道の恐怖に身を振るわせる、連作短編集。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ミシンと金魚』永井 みみ (著)
ヘルパーのみっちゃんに病院へと連れて行ってもらったある日、こう尋ねられた。「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」正直考えたことがないからわかんなくて、仕方がないから自分の来し方を話すことにした。 認知症となり、諦めと後悔を行きつ戻りつする老女が最後に見た幸福とは。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『テスカトリポカ』佐藤 究 (著)
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロは敵対組織の攻撃を受け、ジャカルタへ逃亡し身を潜めていた。そこで日本人の臓器ブローカーと知り合い、日本に渡り新たなビジネスを開始。一方、川崎で生まれ育った少年、コシモはバルミロにその力を見出され、彼らのビジネスをめぐる犯罪に巻き込まれていく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『スキマワラシ』恩田 陸 (著)
古い建物があれば出向き、品物を引き取り販売する古道具屋を営む太郎と散多の兄弟。弟の散多はものに触れると、そこに宿るイメージを見るという能力を持つ。そんな彼はある一枚の古いタイルからこれまでにない強烈なイメージを受け、そこに幼い頃亡くした両親の姿を見る。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『しっぽ食堂の土鍋ごはん 明日の歌とふるさとポタージュ』高橋 由太 (著)
二十二歳の悠木紬は売れないシンガーソングライター。社長と二人の小さな芸能事務所に所属しているが唯一の仕事もなくなってしまい途方に暮れる。散歩の途中で出会った「しっぽ食堂」には看板猫のしっぽとぶっきらぼうな主人がいて、あたたかな土鍋料理を提供してくれた。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『スイッチ 悪意の実験』潮谷 験 (著)
私立狼谷大学の二回生である箱川小雪は、先輩の香川霞に声をかけられ、友人の三島大我、桐山玲奈とともに、あるアルバイトに参加することになった。1か月の間スイッチを持たされ、押すのも押さないのも自由。ただしそのスイッチは「ある家族が崩壊するスイッチ」で…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『くらのかみ』小野 不由美 (著)
小学六年生の耕助は、二年生のときに亡くなった母の親戚の家へはじめて訪れた。年の近い子供たちが本家で顔を合わせ広い座敷を探検し、蔵座敷でゲームを始めると四人で始めたはずなのに気付けば五人になっていた。さらに夜中に人魂が現れたり、読経の声が聞こえたり。これは祟りなのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『リボーン』五十嵐貴久 (著)
何人もの死傷者を出し、車にはねられ傷を負った娘と思しき少女とともに逃走した雨宮リカ。警視庁は彼女を複数の殺人容疑で指名手配した。興信所の柏原と警視庁の戸田はリカを捕らえるべくタッグを組み、学生時代のリカを知る小野萌香とその祖母、宇都子に協力を求める。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『か「」く「」し「」ご「」と「 』住野 よる (著)
高校二年生の五人のクラスメイト。彼らはそれぞれに、人にはない特別な力を持っている。何かの役に立つようなものでもないけれど、この能力のおかげで彼女のことがどうも気になってしまう。それぞれが持つ能力から見えてくるお互いへの思いを描き出す青春小説。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ひとりでカラカサさしてゆく』江國 香織 (著)
大晦日の夜、東京駅から近いホテルに集まったのは八十六歳の篠田完爾、八十歳の重盛勉、八十二歳の宮下知佐子の三人。長い付き合いである彼らはバーラウンジで昔話に花を咲かせた後、ホテルの一室で猟銃自殺した。なぜそんなことが起こったのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『くわいの丸煮 木挽町芝居茶屋事件帖』篠 綾子 (著)
風が冷たさを増し、体が温まるものを人々が求める季節。行方不明の弟を探しにきたという女客と息子の二人連れがやってきます。鬼勘も絡み、人探しに協力することになった喜八たち。そこから次々と驚きの事実が明らかになり…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『たまごの旅人』近藤 史恵 (著)
遥は子供の頃からの念願がかなって海外旅行の添乗員に。風光明媚な景色や美味しい料理をアテンンドし、参加客たちの特別な瞬間に寄り添う。そんな仕事にやり甲斐を感じ、楽しさと喜びを感じ始めた頃、予想外の事態が発生する。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『とわの庭』小川 糸 (著)
盲目の少女とわは、大好きな母と二人で暮らしている。母は本を読んでくれて、庭の木や草花、飛んでくる鳥などから移りゆく季節を教えてくれた。しかし、ある日母はいなくなった。孤独な闇の中で生き延びた少女は、そこから自分自身の人生を歩き出す。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『虹いろ図書館のへびおとこ』櫻井 とりお (著)
学校へ行けなくなった小学六年生の火村ほのかがどりついたのは古い図書館。そこには体の半分が緑色をした司書のイヌガミさん、謎の少年スタンビズくんがいて、たくさんの本があった。彼らや物語たちと出会ったほのかは少しずつ自分の世界が動き出すのを感じて…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『黒牢城』米澤 穂信 (著)
日の出の勢いの織田信長に叛旗を翻した男、伊丹郷の有岡城城主、荒木摂津守村重。その村重を説得しようとやってきたのは良将、黒田官兵衛。村重は官兵衛の言葉を受け入れず、彼を捕らえ地下の土牢へつなぐ。城内で起こるいくつもの事件の真相を、村重は地下牢の官兵衛に問うのだが…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ワインレッドの追跡者: ロンドン謎解き結婚相談所』アリスン・モントクレア (著)
ロンドンで結婚相談所を営む元スパイのアイリスは通勤中、ワインレッドのコートを着た女性に尾行される。さらに帰宅するとそこには元恋人でもあるアンドルーが。アイリスは共同経営者のグウェンの家に泊めてもらうことになったのだが、その2日後その部屋で死体が発見される。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『羊は安らかに草を食み』宇佐美まこと (著)
俳句教室で知り合った八十歳のアイ、七十七歳の富士子、八十六歳の益恵の三人は仲の良い友人。アイと富士子は益恵の夫から依頼され、認知症になった益恵を連れて、三人で益恵の人生をたどる旅に出る。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『笑うマトリョーシカ』早見 和真 (著)
人を惹きつける魅力に溢れ、47歳という若さで官房長官の座にのぼりつめた清家一郎。彼がもし誰かの操り人形だったとしたら?彼を操る人物とはいったい誰なのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『復讐は芸術的に』三日市 零 (著)
人気のグルメ系Youtuber「モグ太郎」に目をつけられてしまった小さな定食屋「まる山」。数々の嫌がらせを受けた店主の陽平は困り果て、「合法復讐屋」の襟数に仕返しを依頼する。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『死者のカーテンコール イヴ&ローク57』J・D ロブ (著)
人気俳優イライザ・レーンとその夫ブラント・フィッツヒューが暮らすニューヨークのペントハウス。ここで開かれたパーティーでブラントが毒物入りのシャンパンを飲み死亡。200人にもおよぶ招待客がひしめく会場を犯人が殺害現場に選んだ理由は何なのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』宮部 みゆき (著)
江戸は神田の三島屋は人を招き、いっぷう変わった百物語をしている。聞き手である富次郎は、従妹おちかがお産を控えていることもあり、しばらく百物語を休むことに。そんな富次郎のもとへとやってきた豊かそうな身なりをした老夫婦が語ったたのは、かつて村人たちを襲った「ひとでなし」という化け物の話だった。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『オオルリ流星群』伊与原 新 (著)
父の薬局を継いだ久志。店の売り上げは右肩下がりで手を打たねばと思うが気力が湧いてこない。そんな折、天文学者になった高校時代の同級生・彗子が帰郷したとの知らせを耳にする。地元の地に手作りの天文台を立てるという彗子の計画に、高校の文化祭でともにタペストリーを作ったメンバーが集まった。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『スター・シェイカー』人間 六度 (著)
二十一世紀晩年。人類がテレポート能力に目覚め、これを移動手段とする「テレポータリゼーション」社会が到来。事故によりテレポート能力を失った赤川勇虎はブリキのダストボックスの中に潜んでいた少女・ナクサを発見。違法テレポートで麻薬を密輸する組織から逃げてきた彼女を匿い、共に追われることに。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『横浜コインランドリー 今日も洗濯日和』泉ゆたか (著)
ヨコハマコインランドリーで働く茜は仕事にもだいぶ慣れてきた。ある日スマホを手に若者たちが次々と店にやってきた。インフルエンサーの琴美がSNSで紹介したことがきっかけらしい。茜は彼女がふと見せる寂しげな横顔が気になってしまう。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『厭世フレーバー』三羽 省吾 (著)
リストラされ家でゴロゴロしいていた父親が失踪した。母は酒浸りとなり、高校生の姉は夜遅くまで遊び歩き、兄はやたらと口うるさくなり、爺さんのボケは加速。中学生の末っ子は部活をやめ、高校へ行かず働くことを決意する。そんな家族に隠された秘密とは。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『名探偵に甘美なる死を』方丈 貴恵 (著)
雑誌ライターの加茂冬馬はゲーム会社・メガロドンソフトからVRミステリゲームのイベント監修依頼を請け負った。会場となるメガロドン荘に集まった『素人探偵』八名はリモート試遊会に招かれたはずだったが、大切な家族や恋人を人質に取られた殺りくゲームとなってしまう。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『#真相をお話しします』結城真一郎 (著)
島育ちの仲良し小学生、チョモランマ、凛子、砂鉄、口紅。テレビ、ゲーム禁止、スマホも持たないチョモは「一緒にYoutuberにならない?」と凛子に誘われる(「#拡散希望」)ほか現代社会をテーマに「違和感」を捉える五編のミステリー。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『風よ僕らの前髪を』弥生 小夜子 (著)
若林悠紀は伯母の立原高子からある事件について調べてほしい、と頼まれた。高子の夫、恭吾は朝の公園での散歩中、何者かに殺され死亡。高子は養子である志史を疑っているのだという。悠紀は、かつて自分が家庭教師として勉強を教えたこともある志史の周辺を調べはじめる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『戯作・誕生殺人事件』辻 真先 (著)
長い付き合いから結婚し、北関東の鷹取市へと引っ越してきたミステリ作家の薩次とキリコ夫妻。キリコは妊娠中で、自宅で出産すべく地元の中学生・美祢に住み込みで家事を手伝ってもらいながら準備を進めている。臨月間近となった秋祭りの日、届けられた原稿が事件を呼び起こす。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『民王 シベリアの陰謀』池井戸 潤 (著)
第二次内閣発足の最大の目玉、「マドンナ」こと高西麗子環境大臣が新種のウイルスに感染した。その感染源はシベリアであるといいう情報が。加速する感染と陰謀説に日本は大混乱。国家を揺るがす未曾有の危機に、総理大臣・武藤泰山はバカ息子の翔、秘書の貝原とともに立ち向かう。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー<br>『共謀小説家』蛭田 亜紗子 (著)
男の世界であった明治時代の文壇。十七歳の少女、宮島冬子は小説家になることを夢見て文学者・尾形柳後雄のもとで女中として働きながら執筆に励んでいた。そんなある日、冬子は尾形から、作品を書き上げるために協力を求められるのだが…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『旅立ちの空 お江戸縁切り帖』泉 ゆたか (著)
江戸で縁切り状の代書をしている「縁切り屋」のお糸は、結婚の約束をした熊蔵とかつて付き合いのあった美和との間に熊助という息子がいたことを知り衝撃を受ける。今一度、自分の思いに目を向け、この縁にしっかりと決着をつけようと、美和と熊助の元へ向かった熊蔵に会いにいくお糸だが。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー<br>『つまらない住宅地のすべての家 』津村 記久子 (著)
女性受刑者が脱獄し、自分たちの住む地域に向かっているちう情報を耳にした付近の住民たちは、協力し交替しながら路地を見張ることに。この事件をきっかけに、それぞれの家族の状況が見えてくると同時に、互いに影響を与え合いちょっとずつ彼らの考え方や行動を変えていく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー<br>『男の子になりたかった女の子になりたかった女の子』松田 青子 (著)
手塩にかけて育てているのに一向に「身を固めない」娘、ザ・昭和な会社で働く赤いアイシャドウを塗った女性、コロナ禍で幼い娘を連れてホテルへ逃げ込んできた母親。女であることの、肉体や価値観から受ける苦しみや立ち向かっていく姿を描く短編集。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『本格・結婚殺人事件』辻 真先 (著)
文英社の『ざ・みすてり』大賞に、何とポテトこと薩次の作品が選ばれた。彼は何かひとつ賞をとったら、スーパーことキリコにプロポーズする、と決めていた。お祝いムードで盛り上がる中、先行委員の3人が次々と殺害されたり、事故や行方不明になる事態に。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『朱色の化身』塩田武士 (著)
昭和三十一年、芦原温泉街で大規模な火災が発生。六十年後、ライターの大路亨は、父に頼まれ失踪した女性・辻珠緒を探すため、彼女の関係者に取材をしていた。数々の真実が明らかになるにつれ、やがて芦原出身である彼女と大火災に関わりがあることに気づく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『その意図は見えなくて』藤 つかさ (著)
八津丘高校二年の清瀬は生徒会長室で「ありえないと思いますよ」と言った。生徒会長選挙の投票が終わり、開票してみると三分の一以上が白票だったのだ。多くの白票が投じられた話をはじめ学校生活で起こる数々の事件の謎に、生徒たちが挑む。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『御社のチャラ男』絲山 秋子 (著)
地方都市にあるジョルジュ食品は、オイルやビネガーを取り扱う小さな会社。社長のコネで我が社へやってきた三芳部長は社内でひそかに「チャラ男」と呼ばれている。彼自身の思い、そして周囲の人々から見た彼の姿から社会が、そして自分自身が見えてくる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『プラスティック』井上 夢人 (著)
このフロッピイには54個のファイルが収められている。複数名の名で記されており、冒頭には出張中の夫の帰りを待つ主婦・向井洵子が体験した奇妙な出来事が書かれていた。自分自身であることを揺るがす事件に巻き込まれていく、謎が謎を呼ぶミステリー。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』彩瀬まる (著)
幼い息子を育てている素子は、友人の珠理を誘い日帰りの温泉旅行へ。色とりどりの旬の料理を堪能しつつ、家族のための食事を毎日考えているうちに自分が何を好きか、何を食べたいのかがわからなくなっていることに気づく。そして自分自身も、母親の好物が何だったのかを知らなくて…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『イデアの再臨』五条 紀夫 (著)
僕は向水学園高等学校に通うごく平凡な高校生。ある朝、目を冷ますと部屋の壁に四角い穴が開いていた。ここは小説の中の世界であり、自分たちはその登場人物。この世界から次々と物や言葉を消し、混沌の世界を作り上げている犯人はいったい誰なのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『新! 店長がバカすぎて』早見 和真 (著)
のここちらは『店長がバカすぎて』の続編よ。あの山本店長が武蔵野書店吉祥寺本店に戻ってくるの。ぬこへえ また同じ店に戻って店長やるってこともあるんだな。本部側には何か目的があるのか?のこ社長がジュニアへ代替わりを検討していたり、山本店長も..
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『有名すぎて尾行ができない』クイーム・マクドネル (著)
のここちらは『平凡すぎて殺される』の続編よ。前回平凡な顔のために命を狙われたポールが、恋人ブリジットと元警官のバニーとで探偵事務所を開こうとするのだけど、バニーが行方不明になってしまうの。ぬこええ?知識と経験から言って一番頼りになるはずのバ
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『改訂・受験殺人事件【新装版】』辻 真先 (著)
のここちらは『ポテトとスーパー』のコンビが活躍するシリーズ第三弾よ。高校三年生、受験生になった彼らの同級生が飛び降りたのだけれど発見されたのは4時間後だったの。ぬこええっ!?飛び降りた直後はその死体は発見されなかったってことか??のこそ..
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『名探偵のままでいて』小西マサテル (著)
効率小学校の教師をしている楓には、かつて小学校の校長をしていた祖父がいいる。本好きで、頭脳明晰だった祖父は現在、レビー小体認知症に罹り、幻視や記憶障害などの症状がある。しかし楓の口から身の回りで起きた謎を話すと、祖父の灰色の脳細胞はいきいきと動き出す。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『新装版 青い壺』有吉 佐和子 (著)
陶芸家として著名であった父に反発し、地道に焼き物の製作を続けている省造は、ある日美しい青磁の壺を焼き上げた。壺はデパートで売られ、変われ、盗まれ十余年後に思わぬ形で再び省造と対面する。壺を手にした人々は何を思いどう生きてきたのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『アマテラスの暗号(下)』伊勢谷 武 (著)
父の死の真相を探るため、元同僚たちと日本へやってきた賢司。古い歴史を持ついくつもの神社をめぐりその成り立ちや伝承を聞くなかで、思いもかけなかったいくつもの衝撃の真実を知る。一方、ある重要な手がかりとなる絵を探している中国関係者の動きも激しくなる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『アイネクライネナハトムジーク』伊坂 幸太郎 (著)
妻と娘に出て行かれてしまったサラリーマン、会ったことのない電話での声しか知らない相手を好きになった美容師、かつて自分をいじめていた相手と仕事の場で遭遇してしまったOL。人生はうまくいかないことも多いけれど、日常の中で奇跡が起こることもある。そんな小さな奇跡を集めた連作短編集。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『旅の終わりに君がいた』いぬじゅん (著)
季俣埜乃は婚約者に別れを告げられ、仕事も失った。最後の晩餐を、と考えていると1台のキッチンカーが目に止まる。「メニューはない」とぶっきらぼうに告げる店主から出された料理は埜乃にとって思い出のある懐かしいもの。その味に、知らず埜乃は涙を流す。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『アマテラスの暗号(上)』伊勢谷 武 (著)
ゴールドマン・サックス元トレーダーの賢司はある日一本の電話を受けた。日本で古い歴史を持つ神社の宮司だった父親が、何者かに銃殺されたというニューヨーク市警からの連絡だった。父の死の真相を探るため賢司は友人たちと日本へ向かう。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『復讐は合法的に』三日市 零 (著)
六年交際し、結婚まで考えていた彼氏に裏切られてしまったOL・麻友。そんな彼女に声をかけてくれたのは「合法復讐屋」のエリス。弁護士の資格を持つエリスが依頼を受け、ターゲットに対し合法的に復讐劇を仕掛ける。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『紅蓮の雪』遠田 潤子 (著)
最愛の双子の姉が自殺した。姉の朱里が死を選んだ理由を探ろうと、弟の伊吹は大衆演劇の鉢木座を訪れた。座長にその才能を見初められ、鉢木座に入座した伊吹は己自身にある問題を抱えていた。やがて明らかになる禁断の真実、そして朱里の自死の真相とは。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と』歌田 年 (著)
あらゆる紙のデータを頭に、その感触を指に覚えさせている紙鑑定士の渡部は、紙業界誌に掲載されたクイズに注目。「紙人32面相」から出された懸賞金付きクイズを解こうとしていたところ、様々な事件に巻き込まれる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー』皆川 博子 (著)
18世紀。独立戦争の真っ只中にあるアメリカで、一人の青年が殺された。植民地開拓者の大地主と先住民の間に生まれたアシュリーを殺した英国兵のエドワードは捕らえられ監獄にいるという。新聞記者のロディはアシュリーの手記を持って獄中のエドを訪ねる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『アルマジロの手:宇能鴻一郎傑作短編集』宇能 鴻一郎 (著)
淡路島の夜の公園で出会った老人は姫君に恋した狸について語りはじめた(「心中狸」)。不穏な空気がつきまとう「アルマジロの手」、むさぼり喰う快楽うに溺れる男を描く「月と鮟鱇男」の他、官能の深みに身を沈めていく数型と生の悲しみが胸に迫る七編の物語。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『お梅は呪いたい』藤崎 翔 (著)
築百年以上にもなる古民家の解体作業中に、古びた日本人形が発見された。それは今を遡ること五百年前の戦国時代に活躍した呪いの人形だったのだ。興味本位の底辺ユーチューバーに引き取られた呪いの人形の青梅はこの男を呪うことにするのだがなかなかうまくいかず…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下)』髙田 郁 (著)
昭和九年(一七七二年)、江戸で起こった「行人坂の大火」は多くのものを焼き尽くした。大坂天満に本店を持つ呉服商「五鈴屋」。江戸店を構えた店主の幸をはじめ、店に関わりのある人々を描いた物語。創業百年を迎えた五鈴屋は次の百年に向け歩き出す。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『バスクル新宿』大崎 梢 (著)
遠く離れた地に住む大事な人へ会いに、話を聞きたい友人を捜しに…。様々な思いを乗せて走る夜行バスは、新宿のバスターミナルへ、または家族が待つ遠く離れた場所へと向かう。待合室で、バスの中でちょっとした出来事から言葉を交わす人々の人生が交わっていく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『私、産まなくていいですか』甘糟 りり子 (著)
ウエディングプランナーとして働く美春は、夫の朋希の誕生日プレゼントに奮発してライカのカメラを用意した。あまり喜んだ様子ではない朋希は、四十歳を迎えた今、子供がいらないという人生の選択に迷いが出てきた様子で…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『にぎやかな落日』朝倉かすみ (著)
八十三歳のおもちさんは北海道で独り暮らし。文句を言ったり笑ったりしながら日々を過ごしていたおもちさんだが、何とこのたび入院することに。人生最後に向かう日々の暮らしと胸の思いを丁寧に描く。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『アルモニカ・ディアボリカ』皆川 博子 (著)
18世紀のイギリス、亡き者として生きると言い残し去っていった愛弟子のエド、ナイジェルを思い、解剖医のダニエルは傷ついた心がいまだ回復できずにいた。ある日、身元不明の屍体の情報を求める広告依頼が彼らのもとに舞い込む。屍体に描かれた奇妙な暗号を調べるにつれ、ある人物の意外な過去が明らかになっていく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『卒業のための犯罪プラン』浅瀬 明 (著)
大学二年生の降町歩の通う「庭大」こと木津川商科大学ではポイント制度が取り入れられており、単位までもがポイントで購入できる。歩もポイントを稼ぐために、不正行為によるポイント取得者を摘発する「監査ゼミ」に所属。ところが調査対象から取引を持ちかけられる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『死人の口入れ屋』阿泉 来堂 (著)
警察を辞め、新たに古物商の阿弥陀堂で働くことになった久瀬宗子。ここで扱う品物は単なる古物ではなく「忌物(イミモノ)」と呼ばれる、霊魂が取り憑いた物品。憎しみや恨みを抱えた客にこれらの品を貸し出している。例の力を借りて客たちが手に入れたものとは。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『いわいごと』畠中 恵 (著)
神田町名主の跡取り息子、麻之助の元に、何と縁談が三つもやってきた。三人とも町名主の娘であり、うち一人は江戸でいちばんの美人。しかし、どの娘もなにやら事情を抱えているようで…。話がまとまらず周囲の人々が気を揉む中、ついに麻之助は祝言をあげることに。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ネコシェフと海辺のお店』標野 凪 (著)
仕事、恋愛、子育てなど悩みを抱えた人の前にふいにあらわれるのは、海辺にぽつんと建つ小屋。ここでは料理上手な猫シェフが、悩む彼らにとっておきの料理を振る舞う。豊かな海の幸を使った料理とシェフの言葉に客たちはいつしいか心がほぐれ、自分だけの道を見出していく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『あなたが殺したのは誰』まさき としか (著)
中野区のマンションで女性が殴られ、幼い娘が連れ去られる事件が発生。現場には「私は人殺しです」と書かれた便箋が。時は遡り、1990年代はじめ頃、北海道鐘尻島では巨大リゾート「リンリン村」の建設が頓挫。島の未来に期待し裏切られた島民の一人が自殺したことをきっかけに、島では立て続けに不幸な出来事が起こる。島での出来事と現代の事件との関係とは。三ツ矢、田所コンビが事件の真相を探る。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『雪のなまえ』村山由佳 (著)
小学五年生の雪乃は学校でいじめに遭い、不登校に。ある日父親の航介が会社を辞め、雪乃とともに曾祖父母が暮らす長野で農業をするのだと言い出す。母親の英理子は仕事を続けるため単身東京へ残ることに。豊かな自然と周囲の人々の思いに包まれ雪乃は少しずつ成長していく。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『女と男、そして殺し屋』石持 浅海 (著)
富澤充は本業の経営コンサルタントに加え、副業で殺し屋をしている。確実に業務を遂行するためには綿密な調査が欠かせない。一方、インターネット通信販売業を営む鴻池知栄も副業で殺人を請け負う。ターゲットの奇妙な行動を目にした彼らはその理由を探り、推理する。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『孤島の来訪者』方丈 貴恵 (著)
制作会社のAD、竜泉佑樹は無人島のロケに参加。その目的は、参加メンバーを殺害するため。ところが勇気が手を下す前にターゲットは何者かによって殺されてしまう。事件の状況を見聞し、推理した佑樹が暴いた思いもよらぬ犯人とは。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『パラダイス・ガーデンの喪失』若竹七海 (著)
葉崎市の私設庭園「パラダイス・ガーデン」で身元不明の老女の死体が発見された。オーナーの兵頭房子は自殺幇助を疑われてしまう。葉崎署の二村貴美子警部補は事件の捜査に乗り出すが、この狭い葉崎市内で誘拐、殺人、詐欺などが次々と発生する。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ちびねこ亭の思い出ごはん かぎしっぽ猫とあじさい揚げ』高橋由太 (著)
三十五歳になる五十嵐さくらは疲れていた。書店の店長を務めているが、給料は安く責任は重い。仕事の辞めどきなのかも。そう考えたさくらは、自分が本を好きになったきっかけをくれた人ともう一度話がしたいと思い、死んだ人間と話ができるという「ちびねこ亭」を訪れる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― 』皆川 博子 (著)
18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室で、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔が打ち砕かれた男。盲目の治安判事ジョン・フィールディングは、ダニエルとその弟子たちに捜査の協力を要請する。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『花束は毒』織守 きょうや (著)
木瀬は探偵事務所の扉を叩いた。かつて家庭教師をしてくれていた憧れの大学生、真壁が何者かに脅迫されており、その犯人を突き止めてもらうためだ。探偵は、かつて同じ中学の一年先輩の北見理花。真壁の周辺を調査するにつれ、明らかになっていく衝撃の事実とは。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『貴族探偵対女探偵』麻耶 雄嵩 (著)
新人女探偵の高穂愛香。親友の別荘で起こった殺人事件の現場で「貴族探偵」と名乗る男と遭遇。師匠の教えを胸に、地道に現場を捜査する愛香に対し、貴族探偵は指一本動かすことなく自らのメイドや執事などの使用人たちに推理を披露させる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『京の恋だより 眠り医者ぐっすり庵』泉 ゆたか (著)
千寿園の跡を継ぐ者として、お茶のもてなしの心を学ぶため京へ修行に出ることとなった藍は、和尚とともに向かう京への道中で、また、たどりついた京でも眠りについて悩む人々と出会う。若き医者・幸四郎の手伝いをすることになった藍。彼は兄・松次郎のことを知る人物だった。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ぼくのミステリな日常』若竹 七海 (著)
社内報の製作担当となった若竹七海。企画会議で小説を載せる話が持ち上がり、先輩に執筆の相談をしたところ、先輩の知人である匿名作家を紹介される。毎月届く、日常の謎を描く物語が広報誌に彩りを添える、一年間の連載を終え、若竹はいよいよ匿名作家と対面する。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『時空旅行者の砂時計』方丈 貴恵 (著)
マイスター・ホラと名乗る正体不明な人物の声に導かれ、加茂冬馬は1960年の時代へタイムスリップした。生死をさまよう妻を助けるためには、この年に起こった彼女の祖先である竜泉家を襲った殺人事件の真実を解明し、阻止しなければならないのだとホラは言う。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『推しの殺人』遠藤 かたる (著)
大阪発のアイドル『ベイビー⭐︎スターライト』は結成から四年を迎え、様々な問題を抱えていた。苛立ちを彼女らにぶつける社長、グループ内での人気格差、恋人から殴られているセンター…。そんな彼女たちにさらなる問題が襲いかかる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『菊花ちらし 木挽町芝居茶屋事件帖』篠 綾子 (著)
芝居茶屋かささぎに下総から江戸へ遊びに来たという、美人のお菊とぼうっとした大男が店にやってきた。そこへ店にいた久作と名乗る男がお菊に化粧水を買わないか、と声をかける。その様子を見ていた喜八は、その販売方法がどうも気になり…。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』知念実希人 (著)
柚木陸は小学4年生。放課後には幼馴染の神山美鈴、ミステリマニアの辻堂天馬と3人で集まりミステリクラブとして活動する。ある日、小学校のプールにたくさんの金魚が放たれるという事件が発生。一体誰が何のために、そしてどうやって行ったのか。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『すべての神様の十月(三)』小路 幸也 (著)
ダメになってしまったロケ用の食材を時間内にそろえる、出張先から危篤状態の父のもとへ向かう。絶対に間に合わない状況なのに何故か時間内に送り届けてくれるタクシー運転手の正体とは(「間に合わせます」)。気まぐれで優しい神様たちと人間との縁を描くシリーズ第三弾。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』桜木 紫乃 (著)
キャバレーで雑用係をしている二十歳の章介は母が置いていった父の骨壷と共に過ごしていた。ひょんなことからマジシャン、歌手、ダンサーというメンバーたちと1か月の間、同居することに。彼らとの賑やかな日々は、章介に寂しいという感情や家族の温もりを教えてくれる。
ひと目でわかる!イラストブックレビュー『鳴かずのカッコウ』手嶋 龍一 (著)
る梶壮太は、国際テロ班に所属する公安調査官。ジョギングの途中目にした看板から中国・北朝鮮・欧米の組織が複雑に絡んだきな臭い事案の調査を担当することに。同僚の西海帆稀とともに神戸の町で裏から糸を引く謎の男を追跡するのだが…。
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夫と小学四年生の息子、晴基と暮らしている希和は民間学童で働きはじめることに。晴基が短冊に残した「こんなところにいたくない」という言葉、居心地の悪い保護者のLINEグループ、そして夫との関係。日々の暮らしの中で少しずつ失ってしまった声を、希和は少しずつ取り戻していく。
宮城県出身、五十歳という若さで首相となった金田が地元仙台でのパレード中、ラジコン爆弾によって殺された。元宅配業者の青柳雅春は自分が犯人とされていることを知り、必死に逃げる。警察とは思えぬ暴力を振るう人間たちの目をかいくぐり、時に協力者を得ながら青柳は逃げ切れるのか。
明和八年、近松半二が書いた「妹背山婦女丁庭訓」は大盛況だった。繁盛している酒屋の若旦那の平三郎は芝居好きが高じて義太夫節にも絵にも才を見出す。半二の弟子の徳蔵は家業があり、なかなか目が出ないものの浄瑠璃作家への道を諦められずにいる。そんな折、徳蔵に歌舞伎の脚本を書いてみないか、という誘いが入る。
亡くなった夫への後悔を抱えている喫茶店の女店主、これからの働き方に迷っている女性会社員。三人組の一人を思いながら山へ挑む初心者の二人の女子大生。様々な思いを胸に山へ登る女たちは山頂からの景色に何を見、感じるのか。
正月二日の夜、枕の下に敷いて寝ると吉夢を見られるという宝船の絵。しかし、赤ん坊を亡くしてしまった家にあった宝船の絵から弁財天の姿が消えていたという。その頃、江戸深川の富勘長屋に住む岡っ引き見習の北一が利用していた弁当屋の一家三人が殺される事件が起こる。
1983年、ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日一通の招待状を受け取る。それは伝説のコレクター、バイラーからで、所有のルソー作品調査のためにスイスの自宅へ来てほしい、という内容だった。見せられたのはルソーの名画「夢」に酷似した絵でその真贋判定をした者に絵を譲ると言う。
深川の長屋に住む棒手振りの八五郎は実入りは少ないが気ままな一人暮らしをしている平凡で地味な男。ある夜、巷で噂となっている幽霊剣士「鳴かせの一柳斎」が人を斬る現場に出くわす。剣士の正体は八五郎が良く知る人物だった。
酒屋の店員を殴ったとして取調室に連れて来られた男、自称スズキタゴサク、四十九歳。ぱっとしない風体能古男は霊感で事件を予告できるかも、と発言します。「十時ぴったり、秋葉原のほうで、きっと何かありますよ」という鈴木の言葉どおりその時間に秋葉原で爆発事件が発生する。
父親と二人で暮らしていた二十歳の藤子。その父親を事故で亡くし気力を失い動けなくなっていたある日、父よりも年上の写真家の男と出会う。光と影でできているような男・全さんはそのひんやりとした目と人を油断させるような笑顔で、藤子の止まっていた時間を動かした。
和菓子を求めるお客様の謎めいた注文内容、家庭科準備室から消えたチョコレート、オフィスの会議で提供されるアフタヌーンティーに隠された秘密。デパ地下の和菓子店で、高校の家庭科準備室で、会社の会議室で起こる様々なスイーツに関係するミステリー。
古民家カフェのテーブルで向かい合っていた日羽光と盛岡颯一。直後、建物の老朽化による崩壊事故に巻き込まれる。医者らしき人物の声がけに助けを求めるが、その二人組は颯一を見捨てて立ち去ってしまう。なぜ彼らは颯一を助けなかったのか。その答えを聞くために光は二人組を探しはじめる。
かつて人を殺し刑務所に服役していたこともある黒人のアイク。出所後は地道に働き現在は庭園管理会社を経営しているが息子のアイザイアが彼の夫・デレクとともに銃で頭を打たれ死亡。アイクは酒浸りのデレクの父親バディ・リーとともに息子を殺害した犯人を探し復讐することを誓う。
夫を亡くし、公団で一人暮らしをしている七十歳の夏川秋代のもとに娘の婚約者を名乗る男が現れた。人の懐にするりと入り込み、図々しいが憎めないこの男は、本当に娘の婚約者なのか、また新手の詐欺?秋代の娘と息子にも問題が起こり、関係を断っていた家族は再び集まる。
仲間たちとともに山奥の地下施設へとやってきた柊一だが地震により出入り口が塞がれてしまう。そんな中、殺人事件が発生。一人を犠牲にすれば脱出できるという状況の中、犯人を見つけ出しその役を担ってもらおう。犯人以外の全員がそう思っていたのだが…。
自身の妻と娘、そして妻の父を殺害し、刑期を終えのうのうと暮らしている兄。絃二郎は兄を殺すことを決意し、彼女との思い出の車を手に入れ兄が住む大分へ向かう。しかし、一文無しの金髪の若者・リュウと出会い共に旅することになる。旅をする中で見えてきた互いの人生と行き着く先とは。
他者と自分を比べて落ち込んでしまうアパレル会社勤務の女性、正しさ以外を排除してきた保険会社勤務の女性。細い路地の先にあるおひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」はそんな悩みを持つうお客たちが答えを見つけるきっかけとなるようなメニューを用意して迎え入れる。
実家の母親から送られてくるのはお米に野菜、隙間に詰めるのはタオルや靴下や肌着など。時代は移り変わっても母からの小包の中身はなぜかあまり変わらない。箱に詰められた様々な「思い」を家族に届ける物語。
怪談を集めている会社の後輩、シングルマザーから金を吸い取るスピリチュアル詐欺、同級生を自殺へと追い込んだいじめの事実をひた隠しにする小学生…。都市伝説や幽霊より、一番怖いのは人間だ。そう考える登場人物たちが予期せぬ方向からやってくる道の恐怖に身を振るわせる、連作短編集。
ヘルパーのみっちゃんに病院へと連れて行ってもらったある日、こう尋ねられた。「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」正直考えたことがないからわかんなくて、仕方がないから自分の来し方を話すことにした。 認知症となり、諦めと後悔を行きつ戻りつする老女が最後に見た幸福とは。
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロは敵対組織の攻撃を受け、ジャカルタへ逃亡し身を潜めていた。そこで日本人の臓器ブローカーと知り合い、日本に渡り新たなビジネスを開始。一方、川崎で生まれ育った少年、コシモはバルミロにその力を見出され、彼らのビジネスをめぐる犯罪に巻き込まれていく。
八年後に小惑星が落ちてきて、地球は壊滅的な状態になる。そんなニュースが流れてから五年が経った。混乱に陥った世の中も、人々の行動も落ち着いてきた。全世界の人間が「余命三年」となった中、仙台北部の団地「ヒルズタウン」で暮らす住民たちはどのように過ごすのか。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。終末に向けかられは何を思い、何を失い、そして得ていくのか。
小さくて美しい田園の村チャタム。ボストンからのバスに乗ってやってきたのは、女教師ミス・チャニング。彼女がやってきたことで静かな村にはさざ波のように波紋が起こる。チャニングが同僚を愛したことで起こった悲劇は『チャタム校事件』として名を残す。老弁護士の回想する思いでは当時の記憶を鮮やかに蘇らせる。
ここは始まりの町。ここで起こったことを語るのは、初等科に通う13歳の少年・トゥーレ、なまけ者のマリ、鳥打ち帽の葉巻屋、窟の魔術師の四名。かれらがそれぞれの目で見た、彼らだけが知る真実は、やがて消えた人物と町が隠し持つ秘密へとつながっていく。
大阪の呉服商「五鈴屋」の江戸店を成功させたい。そんな思いで、江戸の地で商いを続けてきた幸。店の存続や身内の裏切りなど数々の困難に出会いながらも『買うての幸、売っての幸せ』を胸に力を尽くしてきた。シリーズ番外編となる本作では、五鈴屋を出奔した惣次のその後、真面目な支配人・佐助の恋、老いを自覚し、この先の生き方に悩む小頭役のお竹、そして長い間一筋に幸を思い続ける賢輔の状態の四篇を綴る。
中西部の名家、キャラウェイ家出身のニックは、第一次世界大戦後ニューヨークの証券会社に就職し、頭部のウエスト・エッグに家を借りて住んでいる。隣に住むギャッツビーは、豪邸で夜毎華やかなパーティーを催し賑わっている。それは、かつて思いを寄せた相手で現在は人妻となっている女性とよりを戻すためだった。そんな彼の一途な想いが彼らを悲劇の運命に巻き込んでいく。
江戸一の賑わいと言われる両国。この両国を仕切る地回りの頭、山越の親分が病で臥せったことで、にわかに跡取り問題が持ち上がる。山越の息子だと名乗る者が現れたり、親分の一人娘のお夏の婿取りの話も上がり、両国の町を巻き込んでの大騒動に。
書店や本にまつわる様々な店が軒を連ねる本の町、読長町。書物の収集家であった祖父が蔵書を納めた『御倉館』はかつて町の人々に公開されていたが、現在は管理人である父と高校生の深冬、そしてここで暮らす深冬の叔母・ひるねしか立ち入ることができなくなっている。ある日、御倉館から本が盗まれたことで本の呪いが発動。深冬が手にした物語の世界に、町全体が入り込んでしまう。謎の少女・真白とともに町を取り戻そうとする深冬だが…。
日本橋で代々縫箔屋を営む田毎の家は、田毎が4代目に当たる。先代が残してくれたビルのおかげで、仕事は多く入らなくても何とか暮らせている。行きつけの店に出向くと、女将から他所の女と宿に泊まったでしょう、と言われ仕事相手からは池袋のデパートで名前を呼び出されていた、と言われる。誰かが自分の名を使っている?首をひねる田毎は、あるパーティーで自分の名刺を数枚渡したことを思い出す。
仏華ハーフのマリーは清の第十七皇子・愛新覚羅永璘お抱えのパティシエールとして働いている。乾皇帝から嘉慶帝へと譲位がなされ、主人の永璘も群王へ昇格。マリーの仕事も安泰であるかのように思われたが、様々な難題が降りかかり、マリーは自分の人生について改めて深く考え、ある決断をする。
大奥での出世といえば、上様の目に留まり、お手付きになり、いずれは子を産んで育てること。江戸の多くの人々がそう考える中、大奥の中には別の行き方を望む女たちがいた。お手付きにならない「お清」と呼ばれる女中たちはそれぞれの持って生まれたものや、努力しながら日々のおつとめをこなすが、彼女たちにも悩みがあった。
のここちらは元お笑い芸人で現在は笑いを用いた人材育成やお笑い芸人の転職支援などビジネスの世界で成功している著者によるコミュニケーション術よ。ぬこお笑い芸人だったのかあ。それじゃあさぞかし話が上手なんだろうなあ。一般人にはハードルが高いんじゃ
東北地方のL県高宝町役場に就職した新藤結子。町に縁もゆかりもない身でありながら、広報課に配属され、広報誌を担当することに。毒舌係長、伊達にしごかれつつ町中を駆けまわり取材する結子は、いく先々で事件に巻きこまれることに。
人々の気を引きそうな毒のある事件が起きると飛んで行って聞き込みをする、読売の「種拾い」をする少女・お奈津。現場で集めた話は種拾いの元締め・金造が記事の内容を見定める。ある日、金造から人が死んだ曰くつきの部屋ばかりを紹介する『幽霊部屋の家守』と呼ばれる男・直吉の話を聞く。直吉の紹介で部屋を借りた者たちを調べるうちに、霊たちの事情を知り…
大阪北部の蛍石市にある『ほたるいしマジカルランド』は、個性豊かな女社長と願いごとが叶うメリーゴーランドがあることで人気の遊園地。ここで働く人びとはどこか不器用で何かしら悩みを抱えている、お客様の笑顔のために頑張る彼らの日常がふとしたきっかけで動き出す。
一九七X年八月七日、新宿駅の九番線で爆発事件が発生。事故に巻き込まれた高校二年生の牧薩次は病院へと担ぎ込まれ入院することに。同様に被害に遭い入院していた同級生、三原恭助、上野武らと意気投合。退院後に恭助の実家である鬼鍬温泉に、それぞれ彼女を連れてデカk流ことになった。しかし、そこで彼らは密室殺人事件に巻き込まれてしまう。
映画『正欲』のレビューです朝井リョウさん原作の『正欲』が新垣結衣さん、稲垣吾郎さん主演にて映画化されました。今回試写会参加の機会をいただき、見てまいりました。原作では声を失うほどの衝撃を受けましたがさて映画はどうでしょうか。※本レビューでは
大学生の宮田陽彩は母親と二人暮らし。学費と家に入れるお金を稼ぐため毎日コンビニでアルバイトをしている。浪費家の母親の顔色を伺いながら家で生活し、友人もなく、遊ぶ時間もない、そんな日々を送る陽彩の日常は、父親が殺人犯と噂される同級生・江永雅と出会ったことで劇的に変化する。苦しみの中から人生に大切なものを選びとっていく若者たちの姿を描く物語。
「きみのマンガ、映画化決定ね!」高校二年生のナオトは、同級生のハルから突然告げられる。高校入学時からいくつもの賞を取る天才女子高生監督・ハルからの申し出を一度は断ったナオトだが、制作現場に立ち合うことを条件として作品の使用に同意。小学生の頃に描いたこの作品を超えるためのヒントが映画作りの中にあるかもしれない、と考える。一方、ハルは大きな秘密を抱えていた。
小学三年生の翔太が朝目を覚ますと、天井からぶら下がる母の姿を発見。児童養護施設へと入ることになった翔太はヨシハルという少年と出会う。仲良くなりいっしょに虫を殺して喜んでいたが、その行為は次第にエスカレートし、ついにヨシハルが実行する殺人に翔太は強力することに。スマホを駆使して暴行や殺人を繰り返してきた殺人鬼はどのような少年時代を過ごし、どの瞬間に「怪人」としての人生を歩み始めたのか。
公立中学校の国語の教師である櫻井登は、妻が急に亡くなった後、幼い娘・桃子を男手ひとつで育ててきた。二十八歳になった桃子は「結婚したい人がいる」と交際相手の平野真佐也をつれてきた。アルバイトをして金をためて店を持ちたいという真佐也。先行きの見えない二人の結婚に反対し追い返した後、二人は事故に遭って亡くなってしまう。登は桃子の職場の同僚から聞いたちびねこ亭へ、二人の遺骨を持って訪れる。