参列者が焼香を捧げている祭壇には棺桶がありません。通常なら告別式の後は出棺になり、火葬場に向かうのですが今回は火葬炉の予約はしていません。そもそも棺桶に入れる死体が無いのです。「遺体が無い」状態でお葬式を行うのが可能なのかと疑問を持たれる方もいると思います。お葬式は死体が無...
数多くの仏様を成仏させた「おくりびと」が、お葬式の出会いを綴ります。終活の参考になれば幸いです。
お葬式の話など縁起でもないと言わないでください。誰もが自分自身を含めて一回は経験します。おくりびとが、もしもの時の心構えを綴ります。
参列者が焼香を捧げている祭壇には棺桶がありません。通常なら告別式の後は出棺になり、火葬場に向かうのですが今回は火葬炉の予約はしていません。そもそも棺桶に入れる死体が無いのです。「遺体が無い」状態でお葬式を行うのが可能なのかと疑問を持たれる方もいると思います。お葬式は死体が無...
都市部で火葬場の混雑が深刻化しているとマスコミが報道しました。それに伴い、ご遺体を長期の日数の間、火葬できない「火葬待ち」が問題になり始めました。通常であれば亡くなった翌日がお通夜式で、その次の日が告別式と火葬へ進む流れです。ところが火葬場の混雑が顕著になり、待たされる日数...
実家に里帰りしたスタッフがしみじみと話し始めました。「久しぶりに母に会ったら、めっきり年老いていたのに驚いてしまった」話を聞いてみると、外出する機会も減り家に閉じこもり、趣味などに対しての欲も無くなり、元気も気力も失くしているように見うけられたとの事です。「いろいろと聞いて...
ポストに入っている「喪中はがき」を手に取る季節になりました。内容が知人の親の不幸ですと、自分もその年代になったかと思い、これから書く年賀状の宛先リストから削除しようと考えながら家に入ります。本来、喪中はがきが届くケースは、故人とそれほど深いお付き合いではない方に向けてのお知...
喪主様が「どうしても、勘弁してやってください」とお願いをしてきました。「亡くなった妻は閉所恐怖症でした。お願いだから棺桶には入れないでください」これは難しいお願いです。正直「どうしようか」と困惑しました。閉所恐怖症とは、狭い空間や密閉された場所に置かれると強い恐怖感を抱く不...
このブログを見つけて頂いたムラゴンの皆様の中には、ご家族のお葬式を経験された方も多いと思います。お葬式を無事に終えた時に、何を感じましたか?「無事に送り出した」と安心された感情を想い出された方が多いと思います。皆様のお声を聴くと、死後の世界とか、あの世の事とか、来世の場所に...
先日、お勤めに来られたご住職の出来事です。大変なご高齢で周りの皆様からは「もう引退してもらおう」との声も上がっていると聞きました。ところが本人の頭には「引退」の一文字も考えにありません。檀家のお葬式の為ならば「這ってでもお勤めをする」と断言しているようです。本日のお通夜式に...
ほとんどのお葬式が家族葬の形になり始めました。ご存じの通り、参列者の少ない、ご家族と親戚だけで行なう、近しい身内のみのお葬式の形式です。昔はお葬式と言えば、ご近所、友人、会社関係と多くの弔問客が訪れる「人生で一大のイベント」とも名付けられる一般葬が多数派でした。それが、核家...
外国人から見ると日本人の宗教に対する考え方は理解が出来ないと感じるようです。世界からは宗教に無頓着な国民と言われていると聞きました。日本人の人生は、小さい頃から神社のお祭りを楽しみ、結婚式は教会で行い、安産祈願は神社で祈祷し、大晦日は除夜の鐘、お正月は初詣、2月はバレンタイ...
お葬式の連絡を受けても事情があり、どうしてもお通夜や告別式に出席不可能な場合も出てきます。そのような時は、すみやかに弔電を送りご遺族にお悔やみの気持ちを伝えます。しかし弔電はあくまでも略式の方法です。出来るなら後日に改めての弔問が良いでしょう。 始めて弔電を送る方は115番...
その連絡は突然来ます。身内の死去を目の当たりにすれば、どなたも動転するのは当然です。少し落ち着くと「そうだ、お葬式だ」と我にかえります。いままでこのような経験の無い方は、葬儀屋探しをスマホやパソコンで探し始めます。「葬式」と打ち込むと検索欄のトップに出てくるのは「小さなお葬...
ムラゴンの皆様はそれぞれにお仕事をお持ちだと思います。リタイアされて悠々自適の日々と言われる方も、何十年と働いた上での現在があります。「食べるためにやむなく働いている」と言う人もおられるでしょうが、ほとんどの方は、自分の仕事が好きだからとか、働き甲斐を見いだせるとか、働く仲...
ムラゴンの皆様の中で、目の前で「看取り」を経験された方はどのくらいおられるのでしょうか?看取りとは、無理な延命治療などは行わず、弱った方が自然に亡くなられるまでの過程を見守ることです。「看」という漢字には「よく見る」「見守る」という意味があります。人が亡くなる瞬間まで傍で立...
旅立った家族の四十九日法要を済ませたご遺族からこんなお話しを伺いました。「先日、墓地購入のために見学に行った。しかしお墓の向きが気に入らないのだ」ムラゴンの皆様は、新しくお墓を建てる時にお墓の向きを気にかけた記憶がありますか?大概の人は、隣のお墓と同じに方向で建てたので気に...
皆様は火葬場に行った経験がありますか。ご家族や親戚のお葬式に参列された方は出棺の後に火葬場に同行して、棺を火葬炉に納め、お骨になるまで待機し、炉から出た白骨を全員で収骨した流れを想い出したはずです。火葬場は公共の施設です。地域によっては、古びて黴臭い施設もあり、最新式のピカ...
あなたは亡くなりました。三途の川を渡りきるとそこが閻魔大王の居る裁判所です。閻魔大王は地獄を作った神様で、死者の魂を裁く裁判官として知られています。閻魔の名前は古代インドの神様「ヤマ」からきています。ヒンズー教ではヤマは人間として最初に死んだ人で、その後死人の国の王様になり...
仲良く老後を楽しんでいた高齢者夫婦の奥様が急性心不全を起こして突然亡くなりました。喪主を務めるご主人が「祭壇に飾る花を、妻の好きだった彼岸花でお願いします」と頼んできました。彼岸花(ひがんばな)はお彼岸を待っていたかのように咲く花です。長い茎が伸びた先に赤や白のカールした細...
弊社と同じ市内に新しい葬儀会館がオープンしました。少子高齢化社会がすさまじい勢いで進み、多死社会と言われる現在です。火葬場は予約が取れない程混みあい、亡くなっても数日間は火葬が出来ない状況になりつつあります。こうなると葬儀屋や葬儀会館が新しく開業するのは、住民にとってサービ...
誰もが納得をするご高齢で、死因が老衰で眠るように亡くなるお葬式があります。送るご家族の雰囲気は悲しみの中「ここまでお世話が出来た」の満足感が漂います。その反面、お子様が亡くなるとか、故人がとても若くて、亡くなるとは思いもつかない年齢での旅立ちは、喪家様の悲しみと嘆きも大きく...
お葬式に参列したことがある方は静まりかえったホールに流れるナレーションを聞いた記憶があると思います。お通夜や告別式の開式前に司会者から弔問の皆様に故人様を思い出す文面を語りかけます。弔問に来られた皆様の意識を、これから始まるイベントに気持ちを集中させるための目的がナレーショ...
終活を考え始めると大部分の人は最初にエンディングノートを購入して記入する作業を考えます。終活セミナーでもエンディングノートを書いてみたいという相談が増えています。終活という言葉が生まれ、マスコミが周知に披露して、自分の最期や自身のお葬式を考える人が多くなりました。その結果、...
葬儀会館のホールを掃除しています。必ずと言っていいほど「お数珠の珠」を拾います。弔問の参列者の中で、持って来た数珠の紐が切れて球をホールの床にバラ撒く人の名残です。周りの方が手伝って拾ってくれますが見落とされた一つが寂しく残っています。久しぶりのお葬式にタンスの奥から年代物...
貴方は「今日が最期の食事になります」と言われた時に何を食べたいですか?今回の仏様は、棺桶の中に「食べたかったラーメン」を入れてもらい、火葬前に味わいながら極楽へ向かったお爺ちゃんです。地元で美味しいと評判の中華屋さんのラーメンでした。そのお店のラーメンが大好きなお二人は、お...
葬儀屋は地場産業です。新しい会館がオープンするとか、老舗の葬儀屋が店を閉めた等の地域の動静が気になります。たまにネットで「小さなお葬式」を検索します。紹介先に地元の葬儀屋が掲載されているかを調べます。過去ブログでも触れているように「小さなお葬式」は葬儀屋ではありません。葬儀...
前回「葬儀屋で働いてみたい人」への応援ブログをアップしたところ「参考になった」等の感想を頂きました。少しでもこの業界が盛り上がれば嬉しいと思い書き込んだ内容です。今まで弊社も沢山の方を面接して採用してきました。本人の努力で一人前になって仕事を任せられるようになった従業員も多...
若者が働きたい職種に葬儀屋が取り上げられていました。この仕事は「究極のサービス業」と言われます。冠婚葬祭に興味を持つ若者が増えるのは嬉しいことです。特にこれから多死社会に進む日本では葬儀屋は未来がある業種かも知れません。しかし世間の印象が良い職業とは言えない状況もあります。...
怖い話を好きな方がいます。葬儀会館も魔訶不思議な現象が起こる場所と言われます。「葬儀屋さんは幽霊を見ますか」と真顔で質問されたこともあります。おかしな噂が出ては困りますから即座に否定しました。それでも「何かが居るかもしれない」と思いあたる事はあります。参列者が帰り誰もいなく...
お布施とは、お葬式や法事でお勤めをして頂いたお礼としてお坊様に渡す金銭です。労働の対価や給料とは違うので金額に明確な決まりはありません。あくまでも「お気持ちで」なのです。ですが、結構な金額を請求されて現金一括で支払います。過去ブログでもお布施を題材とする内容を綴りました。そ...
納棺式が終わり、皆様が棺桶を覗き込みます。「綺麗になったね」「美しいお顔で旅立ちだね」「今までで一番、美人さんになった」いろいろな感想が聞こえます。死に化粧をお手伝いした「おくりびと」にとって、一番働き甲斐を感じる瞬間です。 死に化粧とは、ご遺体の表情、髪、身だしなみを整え...
一般弔問客が多く参列するお葬式の受付で慌てる人が次々と出る場面があります。キリスト教のお葬式と、神式のお葬式です。会社関係などで訪れた弔問客の中には故人の宗派などには関心を持たずに葬儀会館に来られます。いつもと同じ仏教のお葬式だと思いこむのです。受付に来て初めて「本日のお式...
お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)又は盂蘭盆(うらぼん)です。この呼び方は「盂蘭盆経」(うらぼんきょう)という御経の名前が由来です。旧暦と新暦の違いと地域によってお盆の時期は異なります。関東は7月15日が多いのですが、農業が盛んだった地方部では7月の農繁期にお盆の行事を...
葬儀組合の会合で話題になる項目があります。それが「火葬まで待たされる日数が増えてきている」です。少し前までは、亡くなったら病院からご自宅に搬送し、その日にご自宅での仮通夜を行いました。翌日が葬儀会場でのお通夜式、そして次の日が葬儀式及び告別式と進行して、火葬場に向かい火葬に...
いつもの「いらっしゃいませ」が聞こえてくるような雰囲気でした。しかし、カウンターの内側で働くご主人の定位置に安置されていたのは白い骨壺でした。そして、皆さんに微笑んでいるのは、もう何も言わなくなった遺影写真でした。それでも、参列者の皆様は、いつもの席で、いつものように飲んで...
この頃、心が痛む新聞記事を見つけることが多くなりました。自宅で亡くなった高齢の親の遺体を放置したとして、同居する中高年の子が死体遺棄容疑で逮捕される事件です。80代の親が、ひきこもり状態などにある50代の子を養う「8050問題」が背景にあるとみられます。近頃ではこれが「90...
終活セミナーでよく聞く言葉があります「私の葬式は、しなくていいから」です。お葬式をしなければならないと定めた決まりはありません。お葬式をしなくても法律上は問題ないのです。ただし亡くなった人に気がついたら、ご遺体を速やかにかつ適切に処理しなければいけません。さもないと故意に放...
葬儀屋との打ち合わせで半分パニックの時に「すぐ用意してください」と言われて必死であちこち探し回るのが、遺影写真を作るための故人の顔写真です。高齢になると一人の写真は20年以上撮ったことが無いと言われる場面にも出くわします。その結果50年以上も前の結婚式の写真とか、殺人犯みた...
遺影写真にはお祭りの法被をいなせに着込んだ写真が使われました。晩年は町内のお祭りごとの責任者として活躍した日々でした。町内会の役員を始め、消防団の団長を務め、祭りの台車の引き回しには運営委員長として欠かせない人材でした。花火とお祭りが大好きだった一人のお爺ちゃんが皆様の涙で...
テレビ番組が怪談話や心霊特番を取り上げる季節になりました。この時期になると幽霊とか怪奇現象の話題を好む方が増えるように感じています。見学者からよく受ける質問があります。「葬儀会館の雰囲気は、なにか不気味ですよね。やっぱり幽霊が出るのですか?」 (又その質問か)と心の中でつぶ...
先ほどまでポツポツと降っていた雨がお通夜の開式時間が近づくと止みました。まるで会葬者の皆様が濡れないように心を配ったと感じました。お通夜が終わり家族だけが棺の周りを囲むころまた強く降り出しました。最後のお別れを惜しむ故人の涙のようです。翌日の告別式の日も、どんよりとした今に...
お葬式には、さまざまな出費がかかります。初めて、お葬式を行う喪主様が一番戸惑われて、なおかつ一番解りづらいのが「お布施の金額」です。ご存じのようにお布施とは葬儀や法事の時にお寺様に手渡す謝礼金のことです。金額をお寺様に直接伺うと、大概は「お気持ちで」と答えが返ってきます。こ...
先月、ご葬儀を終えた喪家宅に後祭り祭壇の引き上げにうかがいました。飾り段の上に、故人のお骨の入った大きな骨壺と、その横に一回り小さい骨壺が並んで置いてありました。喪主様が話し始めました。 「葬儀屋さん、この小さいほうの骨壺は可愛がっていた犬のお骨なのです。故人と一緒に埋葬し...
お葬式の後に「ドッと疲れが出て寝込んでしまった」というお話を聞くことが多くなりました。送り出す家族の高齢化が進んでいるのも原因の一つだと思います。お葬式を済ませた後は、年齢の若い方でも疲労困憊になる方が大部分です。弔事は急に訪れます。思いもよらぬ出来事に精神や肉体がついてい...
その日はいつもと変わらない日常でした。母親が部屋の隅で遊んでいた女の子に目をむけると倒れて意識がないのに気が付きました。すぐに救急車が呼ばれ救急搬送されて集中治療室へ入院、懸命な延命治療が行われましたが、そのまま一度も目を開けることはありませんでした。原因不明の心不全と診断...
孤独死と聞くと、どんなイメージを抱きますか?ほとんどの方が孤独死だけは避けたいと願います。その理由の大きい部分を占めるのが、死んだ後の身体が長く発見されない恐怖があります。腐って見つかるのだけは絶対に避けたいと望むのです。独りぼっちで死ぬことよりも恐れるのが、周りに気づかれ...
「四十九日の法要が終わりました」との連絡を頂きました。後祭り祭壇を引き取り片付けるのでご自宅へ向かいます。飾り壇の上にまだ遺影写真と骨壺が置いてありました。通常四十九日が終わり、しばらくするとお墓に納骨をする喪家様がほとんどです。何気なく「お墓に納めるのはいつ頃ですか」と尋...
仏式でお葬式や法要を行う際に一番お世話になるのがお坊様です。しかし日頃から面識やお付き合いがある方は、ほとんどおりません。お葬式で初めての対面も多いのです。誰もが出来れば失礼の無い対応をしたいと思います。そこで質問されるのが 「呼ぶときは『お坊さん』で良いですか?なにか敬称...
火葬炉に飲み込まれていく棺桶を見送るのは、葬儀屋の私とヘルパーさんの二人だけでした。亡くなったお爺ちゃんは長期間生活保護を受けていました。独居の生活保護の方が死去すると役所は戸籍を辿り関係者を、とことん探しだします。お葬式と相続をさせるのです。しかし苦労して見つけ出し連絡を...
葬儀会館で一番使われる言葉があります。それは「ご愁傷様」です。亡くなった方のご遺族に対してお悔やみの気持ちを伝える時に用います。通夜式や告別式の場で対面する基本的な挨拶言葉として最も多用されています。「ご愁傷様」の「愁」は憂いの心情を「傷」は痛みを表しています。続けて使う「...
本日のお坊様の宗派は臨済宗です。このお坊様が御経を読む時に、葬儀屋の私がひそかに楽しむ場面があります。ご参列の皆様が悲しみのどん底にある時に葬儀屋が「楽しみ」などと言うのは極めて不謹慎な考えだと責めないでください。決してお葬式の施工を楽しんでいる訳ではありません。しいて弁解...
火葬炉の扉がゆっくりと開きます。待合室に連絡が入り集まったご遺族の皆様が凝視するなかで静かに白骨が姿をあらわします。炉からお骨が出てくる瞬間は、全員に一瞬緊張が走ります。もし黒焦げ半生の死体が出てきたらどうしようと思うようですが、ホラー映画ではないのでご安心ください。火葬場...
出棺前の静まりかえった館内に流れたのは、亡くなったご主人への愛と感謝の気持ちを音色に託したバイオリンの響きでした。バイオリンは不思議な楽器と言われます。演奏する方が変わると楽器の音がガラッと変化するそうです。同じ楽器でも演奏者が弓の毛を当てる弦の場所が数ミリ変わるだけで音色...
「お葬式はいくらかかるのですか?」この質問の答えが一番難しいのです。当然、内容や人数を伺うことから始めますが、質問してきたお客様自身もまだ何にも考えていない状況です。「家族と親戚などの限られた人数だけが参列する小規模な家族葬で行なうならば費用の全国平均は98万円と出ています...
その男の子が過ごした人生の半分の時間は病院でした。院内学級と呼ばれる学校をムラゴンの皆様はご存じでしょうか?院内学級とは、ケガや病気のため入院しなければならないお子様のために病院内に設置された病弱身体特別支援学級の名称です。長期の入院で目標を持ちにくく生活のリズムが乱れがち...
納棺式に伺います。お休みになっている故人の枕元に、棺の中へ入れて欲しい品々が並んでいます。故人が良く着ていたお洋服とか最後まで食べたがっていたお菓子とか、それぞれの思いを込めた品々です。そこに、大きな束の千羽鶴が置いてありました。一瞬「困ったな、今回はなんと言って断ろうか」...
認知症患者が多く入院している施設からお爺ちゃんを引き取りました。葬儀会館に安置し着替えをさせると手首に縛った痕(あと)を見つけました。両手首に紐で擦れて出来たアザが紫に腫れ上がって残っています。手足が拘束されたとみられるご遺体は珍しくありません。認知が進むと「せん妄」と言う...
お香典を持参してお葬式に参列します。四十九日の満中陰法要が過ぎる頃に、喪家様から香典返しが送られてきます。さてこの品を貰ったら皆様はどうされますか?当然「ありがとうございましたとお礼を言う」と答えた方は間違いです。一般的に香典返しにはお礼の言葉は不要とされています。しかし貰...
通夜式が終りました。弔問客やご親族もお帰りになった深夜のホールでの出来事です。お線香守りの親族の若者が数人棺の周りにいました。なにか騒がしいなと思い、式場を覗いてみます。なんと棺桶の蓋が外されて開いています。横たわった仏様のお布団が半分はがされています。そしてスマホを代わる...
ご自宅に亡くなったご家族を安置された記憶のある方は、葬儀屋さんが故人の寝ている枕元に木製の台を組み立て、仏具を飾り付けた様子を思い出されるはずです。白い布で覆った台の上に三具足(みつぐそく)と呼ばれる香炉、花瓶、燭台の三種を飾り、お鈴と特別に作られた一膳飯(山盛りのご飯の上...
病院へお迎えにあがりました。ベッドの上に白いハンカチをお顔にかけている可愛いお婆ちゃんが休まれていました。膨らんだお布団をめくると胸元にしっかりと抱かれている赤ちゃん程の大きさのヌイグルミが見えました。外そうと手を伸ばしましたが思ったより硬く抱かれています。一瞬「なぜ、エン...
年間3万人以上の人が自殺をしています。日本は世界的に見ても自殺の多い国です。厚労省人口動態統計で年齢別の死亡原因を見ると男女とも10歳~40 歳では自殺がトップです。特に12月と3月には自殺で亡くなる人が多いのです。葬儀の仕事に就いてから驚いたことがあります。自死と言う死因...
突然のお別れでした。いつもと変わらぬ朝でした。「行ってきます」と出勤したご主人が職場で倒れました。死因はクモ膜下出血です。破裂脳動脈瘤とも呼ばれるこの病気は頭蓋骨内の表面膜を這う血管が突然切れることで発症します。脳内に大出血を起こして、ほとんどの人は病院へ運ばれる前に亡くな...
皆様に質問します。「日本では一日に何人が死んでいるでしょうか」答えは約4000人です。これだけの人数が日本全国で一日に旅立ちます。4000人の死者を送るため葬儀会館では毎日のようにお葬式が行われ、火葬場は連日満員状態になります。「死人が増えると葬儀屋が儲かる」などと不謹慎な...
我々が住む日本では、年間3万人を超える人が自殺をしています。世界保健機関のデータによると日本は5番目の位置で自殺死亡率上位の国と認識されています。私がこの葬儀の仕事に就いて驚いたことがあります。自殺で亡くなる方がとても多いのです。このブログでも自死の旅立ちを多く綴っています...
終活セミナーで質問を受けています。「お葬式の費用はどれくらいかかるものなの」「急に亡くなった時は何をすればいいの」「イザと言うときに葬儀屋や火葬場はどのように決めていくの」「お葬式の事前準備はしたいけれども、直接葬儀屋に相談に行くのは気が進まない」「頼んだ葬儀屋に、こちらの...
棺桶に横たわっているのは享年13歳の中学一年生です。最期に覗き込んだ父親が静かに声をかけます。「気を付けて行けよ」亡骸にかける言葉をずいぶん聞いてきましたが、このフレーズは初めて耳に入りました。親子の絆を感じた瞬間でした。 検視が終わったと連絡が来たのは警察の安置室からでし...
四十九日法要を済ませたので、後祭り祭壇を引き上げて欲しいとの連絡を受けて、喪家様のお宅に伺っています。いつものように、まず仏壇に向かい、送り出した故人様に手を合わせます。そして気がつきます。「このお家もご遺影写真が仏壇に飾ってある」と心の中でつぶやきます。 皆様のご自宅に仏...
「結局、お葬式にはいくらほど、支払ったのでしょうね」と一周忌法要を済まされた奥様が話し始めました。「いえ、お葬式代が高かったと言っているのでは無いのよ。無事に送り出すことが出来て満足のいくお葬式で旅立させたのは良かったと思っています。でも、かかった金額はお葬式代だけでは済ま...
この業界に入り仕事をするようになって随分な年月がたちました。人の最期の姿を整えて、旅立ちの儀式と人生の最後のイベントである「お葬式」をお手伝いしてきました。ご自宅で行なわれていたお葬式が葬儀会館での「一般葬」になり、それが現在の小規模で簡素化した「家族葬」に変遷してきた歴史...
葬儀会館のホールに次々と流れた曲目は「YANNGUMAN」「ギャランドゥ」「傷だらけのローラ」「お嫁サンバ」「男の子女の子」「2億4千万の瞳」「私鉄沿線」などでした。皆様、ご存じの西城秀樹、郷ひろみ、野口五郎のヒット曲です。1970年代の男性アイドルとして3人は新御三家(し...
ほとんどのお葬式が家族葬になりました。それに応じて増えてきていると感じる事があります。赤ちゃんや小さいお子様を連れて参列する「子連れでお葬式」のご家族です。ひと昔前までは、小さな子供がいるなら「最期のお別れを遠慮するか、あきらめて」と言われて悲しい気持ちでやむなく欠席された...
皆様は自分が亡くなる時に、ご自分の身体がどのような状態になっているかを想像したことはありますか?傷一つない綺麗なお身体で旅立つはずだと、お思いでしょう。ところが多くの仏様を送ってきた経験から申し上げますと、旅立つ時に、ほとんどの方のお身体はあちこちに穴が開いているとか、傷だ...
終活やエンディングノートの記入がブームになりました。近頃はイザという時の為に生きているうちに準備をしようと考える方もいます。生前準備とは元気な時に終末期やお葬式そして相続について用意しておくことです。もしもの時は突然来ます。事前に準備しておく事で残された家族が困らずにすむの...
昨日は春分の日でした。この日を中日とする前後3日間の合計7日間を、お彼岸と呼びます。3月の春分の日の前後が春彼岸、9月の秋分の日の前後が秋彼岸です。我々が暮らしている、煩悩と迷いで溢れる現世の言い方を此岸(しがん)と呼び、苦しみから抜け出した安らぎの世界のことを彼岸(ひがん...
私が葬儀業界に入社して初めて手にした司会者マニュアルに「亡くなった方をホトケさまと呼ぶこと」と書いてありました。お葬式以外でも、この「仏さま」と呼ぶ呼称が多く使われます。時代劇では「同心の檀那、川にホトケさんがあがりましたぜ」のセリフを聞き、テレビドラマの相棒でも右京さんが...
国勢調査の結果で高齢の単身者(65歳以上の単独世帯)の世帯が303万以上あると発表されました。そしてその割合は急激に増えています。特に女性の65歳以上の5.6人に1人は単身者です。独身、離婚、死別と理由は様々ですが高齢のお婆ちゃんの一人暮らしは確実に多くなっています。そうな...
葬儀会館の見学会で行なうイベントがあります。入棺体験です。生きているうちに死体が入る棺桶に入ってみることです。これが結構人気があります。皆様からは「窮屈だけど寝心地は良い」「意外と落ち着きました」「お布団が柔らかく気持ちが良い」などの声を聞きます。居心地が良い意見には納得し...
「とても穏やかな旅立ちでした」ご家族から最後の様子が語られます。亡くなる一週間前から食べ物を一切取らなくなったそうです。三日前からはお水も飲まなくなりました。かかり付け医は点滴を勧めましたが、医療経験のある家族は断りました。半日前から口を開けて呼吸をする下顎呼吸の状態が始ま...
このブログを見つけてくださった皆様に伺います。『わすれられないおくりもの』という題名の絵本を知っていますか?私がこの絵本を知ったのはお手伝いをしたご家族が控室でお子様に読んでいたのを目にしたからでした。耳に挟んだ内容が気になったのでアマゾンで手に入れてみました。 イギリスの...
雛祭りが近づくと思い出す仏様がいます。そのお婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式は喪主様の仕事関係と親戚の集まれる日がその日しかなく、やむなく友引に行われました。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人達を冥途に連れていくとの迷信からです。出来るなら変更したかったのです...
お葬式の打合せの中で良く受ける質問があります。「子供に何を着せて参列させたら良いのでしょうか」と言う内容です。お葬式は久しぶりに会う親戚同士が集う場です。しばらく見なかったお子様のお披露目の会場でもあります。お母様方にとっては自分の子供を、どのように親戚一同に発表するかは大...
高齢者夫婦の世帯が増えています。ところが夫婦が二人とも「健康で長生き」とは、なかなか行かないのが現実です。最期はどちらかが施設に入るか、又はお二人とも入院して、別々の病院で息を引き取ることも、よくある出来事になり始めています。今回のお葬式のお爺ちゃんも入院先の病院で旅立ちま...
葬儀業界で話題に上がるのが「近頃、急に増加した直葬」です。直葬(ちょくそう)とは納棺式、通夜式、告別式を含む一切の儀式事を行わずに、亡くなったらそのまま棺桶に納めて火葬場に運び、火葬のみをするお葬式の形態です。「じきそう」と呼ぶ地域もあります。焼くだけですが、葬儀屋のパンフ...
昨日はマスコミが騒ぐバレンタインデーでした。皆様、この日は神父様の亡くなった日だと知っていましたか?バレンタインデーの起源はローマ帝国時代に司祭ウァレンティヌスが2月14日に処刑された事に由来しています。当時のローマ皇帝クラウディウス2世は「若者が戦争へ行きたがらないのは、...
火葬炉に飲み込まれる棺にそっと声をかけました。「お疲れ様でした」。見送る家族はどなたも泣いていません。それどころか疑問と驚愕と後悔の表情が見て取れます。棺の中の故人はまだ寿命は充分に残っているのに自ら旅立った自殺者です。人はなぜ自殺をするのでしょうか?葬儀の仕事に就いて驚い...
お迎えに行ったのは警察署の霊安室でした。ステンレスのベッドの上に検視後の裸の状態で寝かされていたのは、まだ若いお嬢様です。骨折と擦り傷でお身体は無惨な状況でしたが、ヘルメットに守られたお顔は美しいままでした。死体検案書には急性外傷からの内臓損傷と記入されています。こんなに若...
葬儀並びに告別式の閉式が告げられると、出棺前のお別れの時間が始まります。故人が横たわっている棺の蓋が開けられ家族や親戚が最後の対面を行うのです。お別れを告げる集団の中には、小学校入学前のお子様が混じる喪家様も多くおられます。高齢の故人になるとひ孫の参列も珍しくありません。こ...
スーパーのチラシに恵方巻の宣伝が載るようになると思い出すお葬式があります。お顔の両側に、太く真っ黒な巻き寿司を置いたお婆ちゃんは、ゆっくりと火葬炉に入っていきました。恵方巻きの起源については諸説あります。大正時代に大阪の花街で節分に海苔巻きを食べて縁起を担いでいたのが発祥と...
先日行われた一般葬で久しぶりに弔辞が読まれました。長年にわたり親友でしたと紹介された初老の方が、祭壇に向かい故人に切々と語りかけました。中学から高校と同窓で大学は違いましたが親交は続き、家庭を持ってからも家族同士でお付き合いをされたそうです。締めの言葉で「三途の河の畔で出迎...
一人の人間が亡くなると、その瞬間から様々な手続きを始める必要に迫られます。亡くなった直後にまず死亡診断書又は死体検案書を受け取ります。そして死亡届の記入から提出を経て火葬許可証の受け取りと進みます。死亡診断書は以後の手続きの度に必要になるので、必ず5枚以上のコピーを取ること...
お葬式の打ち合わせは、細分にわたるまで細かく話し合っています。故人を無事に旅立させると言う儀式はやり直しが効かないからです。「間違えたから」とか「失敗したから」などの言い訳は通りません。「もう一度やり直してください」も無理です。それでもトラブルは起こります。つくづく難しい仕...
家族が選んだ遺影写真は自衛官の制服を着用していました。左胸の「陸上自衛隊き章」の下には防衛記念章及び防衛功労章が並んでいます。お手伝いさせて頂いたお葬式は、陸上自衛隊隊員が故人様でした。小隊のリーダーとしての人望も厚く、活躍されていた数々の功績が左胸に並んだ記章で表されてい...
大部分のお葬式が家族葬になりました。家族葬の一番の利点は「費用を安く抑えるお葬式」といわれています。ところが、思ったほど安くはないと感じる方が大部分です。参列者が少なくなっても、お寺のお坊様を呼んで葬儀式を行うと、どうしても必要な備品や施設が必要です。その部分は一般のお葬式...
旅立ったお婆ちゃんのお葬式の打合せをしています。老夫婦が助け合いながら暮らしてきたリビングで、憔悴したお爺ちゃんと向き合っています。連れ合いを亡くされたショックで今にも倒れそうなお爺ちゃんでしたが、奥様をしっかりと旅立させると覚悟してからは喪主の務めをなんとか果たしています...
2022年に鎌倉新書が「第5回お葬式に関する全国調査」を行いました。それによると家族葬の平均費用は110万7000円と出ています。参列者数は30名程度で費用の内訳は、祭壇や棺桶等の備品を含む通夜式と告別式の葬儀一式費用が67万8000円となっています。飲食代が20万1000...
間もなくお正月を迎えようとしている年末に命の灯が消えました。「お正月なので」と、息子夫婦だけが見送るご葬儀に決まりました。火葬場は公営施設なので年末から三が日は休業になります。休み明けの一番窯での出棺を予約しました。 「母を亡くしてからは、一人で暮らす生活が長く続いたし、知...
24時間365日休み無しが葬儀屋の仕事です。年末年始もゆっくりは出来ません。市町村にある火葬場は公営施設です。当然、年末から三が日にかけて休業します。その期間は火葬炉が使えません。ですが、亡くなる人は待ってはくれません。 都市伝説に病院では火葬場が休業しているお正月は死期が...
このブログをご覧の皆様方、いつも開いて頂きありがとうございます。始めた時は葬儀屋の書くブログなどは、縁起でもないお葬式の話ばかりだから、誰も興味が無いだろうと思っていました。それでも終活ブームのこの頃ですから、どなたかの参考になれば良いし、お葬式を考えるお手伝いになるかもと...
町中がクリスマスの色に染まると思い出すお葬式があります。このブログ「おくりびとの日記」を書くきっかけになった出会いでした。「クリスマスの目前に旅立ったこんな仏様がいました」と皆様にもう一度お伝えしたくなり、再掲載させて頂きます。 打ち合わせの時に「納棺式の時に納めたい服や持...
お葬式の打ち合わせが一段落しました。その後、ご家族と故人の入院中の闘病生活とか、介護施設での晩年のご様子などのお話しになることがあります。話題に出ることが多いのが、お医者から告げられたという「余命宣告」です。余命とは残りの命のことです。言い換えれば、これから先、生きられる日...
宗教離れが進んでいます。ですが、まだお坊様を呼ぶ仏教形式のお葬式は多く行われています。一連の流れでお坊様が御経を読むタイミングは5回あります。最初に安置されたご遺体の枕元であげてくれるのが「枕経」です。その作法が終わるとお葬式の日時の確認やお坊様の人数、戒名のランクの決定な...
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参列者が焼香を捧げている祭壇には棺桶がありません。通常なら告別式の後は出棺になり、火葬場に向かうのですが今回は火葬炉の予約はしていません。そもそも棺桶に入れる死体が無いのです。「遺体が無い」状態でお葬式を行うのが可能なのかと疑問を持たれる方もいると思います。お葬式は死体が無...
都市部で火葬場の混雑が深刻化しているとマスコミが報道しました。それに伴い、ご遺体を長期の日数の間、火葬できない「火葬待ち」が問題になり始めました。通常であれば亡くなった翌日がお通夜式で、その次の日が告別式と火葬へ進む流れです。ところが火葬場の混雑が顕著になり、待たされる日数...
実家に里帰りしたスタッフがしみじみと話し始めました。「久しぶりに母に会ったら、めっきり年老いていたのに驚いてしまった」話を聞いてみると、外出する機会も減り家に閉じこもり、趣味などに対しての欲も無くなり、元気も気力も失くしているように見うけられたとの事です。「いろいろと聞いて...
ポストに入っている「喪中はがき」を手に取る季節になりました。内容が知人の親の不幸ですと、自分もその年代になったかと思い、これから書く年賀状の宛先リストから削除しようと考えながら家に入ります。本来、喪中はがきが届くケースは、故人とそれほど深いお付き合いではない方に向けてのお知...
喪主様が「どうしても、勘弁してやってください」とお願いをしてきました。「亡くなった妻は閉所恐怖症でした。お願いだから棺桶には入れないでください」これは難しいお願いです。正直「どうしようか」と困惑しました。閉所恐怖症とは、狭い空間や密閉された場所に置かれると強い恐怖感を抱く不...
このブログを見つけて頂いたムラゴンの皆様の中には、ご家族のお葬式を経験された方も多いと思います。お葬式を無事に終えた時に、何を感じましたか?「無事に送り出した」と安心された感情を想い出された方が多いと思います。皆様のお声を聴くと、死後の世界とか、あの世の事とか、来世の場所に...
先日、お勤めに来られたご住職の出来事です。大変なご高齢で周りの皆様からは「もう引退してもらおう」との声も上がっていると聞きました。ところが本人の頭には「引退」の一文字も考えにありません。檀家のお葬式の為ならば「這ってでもお勤めをする」と断言しているようです。本日のお通夜式に...
ほとんどのお葬式が家族葬の形になり始めました。ご存じの通り、参列者の少ない、ご家族と親戚だけで行なう、近しい身内のみのお葬式の形式です。昔はお葬式と言えば、ご近所、友人、会社関係と多くの弔問客が訪れる「人生で一大のイベント」とも名付けられる一般葬が多数派でした。それが、核家...
外国人から見ると日本人の宗教に対する考え方は理解が出来ないと感じるようです。世界からは宗教に無頓着な国民と言われていると聞きました。日本人の人生は、小さい頃から神社のお祭りを楽しみ、結婚式は教会で行い、安産祈願は神社で祈祷し、大晦日は除夜の鐘、お正月は初詣、2月はバレンタイ...
お葬式の連絡を受けても事情があり、どうしてもお通夜や告別式に出席不可能な場合も出てきます。そのような時は、すみやかに弔電を送りご遺族にお悔やみの気持ちを伝えます。しかし弔電はあくまでも略式の方法です。出来るなら後日に改めての弔問が良いでしょう。 始めて弔電を送る方は115番...
その連絡は突然来ます。身内の死去を目の当たりにすれば、どなたも動転するのは当然です。少し落ち着くと「そうだ、お葬式だ」と我にかえります。いままでこのような経験の無い方は、葬儀屋探しをスマホやパソコンで探し始めます。「葬式」と打ち込むと検索欄のトップに出てくるのは「小さなお葬...
ムラゴンの皆様はそれぞれにお仕事をお持ちだと思います。リタイアされて悠々自適の日々と言われる方も、何十年と働いた上での現在があります。「食べるためにやむなく働いている」と言う人もおられるでしょうが、ほとんどの方は、自分の仕事が好きだからとか、働き甲斐を見いだせるとか、働く仲...
ムラゴンの皆様の中で、目の前で「看取り」を経験された方はどのくらいおられるのでしょうか?看取りとは、無理な延命治療などは行わず、弱った方が自然に亡くなられるまでの過程を見守ることです。「看」という漢字には「よく見る」「見守る」という意味があります。人が亡くなる瞬間まで傍で立...
旅立った家族の四十九日法要を済ませたご遺族からこんなお話しを伺いました。「先日、墓地購入のために見学に行った。しかしお墓の向きが気に入らないのだ」ムラゴンの皆様は、新しくお墓を建てる時にお墓の向きを気にかけた記憶がありますか?大概の人は、隣のお墓と同じに方向で建てたので気に...
皆様は火葬場に行った経験がありますか。ご家族や親戚のお葬式に参列された方は出棺の後に火葬場に同行して、棺を火葬炉に納め、お骨になるまで待機し、炉から出た白骨を全員で収骨した流れを想い出したはずです。火葬場は公共の施設です。地域によっては、古びて黴臭い施設もあり、最新式のピカ...
あなたは亡くなりました。三途の川を渡りきるとそこが閻魔大王の居る裁判所です。閻魔大王は地獄を作った神様で、死者の魂を裁く裁判官として知られています。閻魔の名前は古代インドの神様「ヤマ」からきています。ヒンズー教ではヤマは人間として最初に死んだ人で、その後死人の国の王様になり...
仲良く老後を楽しんでいた高齢者夫婦の奥様が急性心不全を起こして突然亡くなりました。喪主を務めるご主人が「祭壇に飾る花を、妻の好きだった彼岸花でお願いします」と頼んできました。彼岸花(ひがんばな)はお彼岸を待っていたかのように咲く花です。長い茎が伸びた先に赤や白のカールした細...
弊社と同じ市内に新しい葬儀会館がオープンしました。少子高齢化社会がすさまじい勢いで進み、多死社会と言われる現在です。火葬場は予約が取れない程混みあい、亡くなっても数日間は火葬が出来ない状況になりつつあります。こうなると葬儀屋や葬儀会館が新しく開業するのは、住民にとってサービ...
誰もが納得をするご高齢で、死因が老衰で眠るように亡くなるお葬式があります。送るご家族の雰囲気は悲しみの中「ここまでお世話が出来た」の満足感が漂います。その反面、お子様が亡くなるとか、故人がとても若くて、亡くなるとは思いもつかない年齢での旅立ちは、喪家様の悲しみと嘆きも大きく...
お葬式に参列したことがある方は静まりかえったホールに流れるナレーションを聞いた記憶があると思います。お通夜や告別式の開式前に司会者から弔問の皆様に故人様を思い出す文面を語りかけます。弔問に来られた皆様の意識を、これから始まるイベントに気持ちを集中させるための目的がナレーショ...
ご自宅に搬送が終わり和室に安置された高齢のお婆ちゃんの脇で、ご家族は困惑していました。喪主様の手には、故人が元気なころに介護施設で書き込んだという立派なエンディングノートがあります。その中に挟み込まれた「私の遺影」というページが開かれています。そのページに貼られていたのは華...
ほとんどの方は病院で亡くなります。病室か霊安室でお会いした時は、もう看護師さんの手で綺麗にされています。亡くなった後にエンゼルケアと言う処置が行われているので、安心して寝台車に乗せて搬送に移れるのです。ところが自宅で亡くなられた場合、かかり付け医の死亡確認の後は、葬儀屋が引...
旅行先やドライブに出た途中で、目の前に巨大な仏像が見えてきた経験はありませんか?日本各地には結構大きな仏像が建立されています。どのくらいの仏像を「巨大仏」と呼ぶかは明確な基準はありませんが、一説によると40メートル以上の仏像を対象とするらしいです。研究者の中には「ウルトラマ...
葬儀業界でよく言われるのが「この業界はボッタクリの仕事と思われている」です。ボッタクリの意味とは何でしょうか?「ボッタクリ」の言葉は「暴利」からきています。法外な料金を請求されて泣く泣く払うとか、力ずくで金銭を奪い取られることを表します。 飲食業や風俗業で、サービスの後で異...
連日、火葬場に向かうのが葬儀屋の仕事です。普通のお仕事をされている方は人生で数回しか火葬炉の前に立つ経験はされないはずです。この頃は火葬場の予約も直ぐに一杯になり、並ぶ火葬炉がフルに稼働中の光景を目にするようになりました。高齢化と多死社会がすごい勢いで進んでいます。連日多く...
インターネットで「お葬式」を検索すると検索上位に必ず出てくる葬儀屋があります。テレビCMも良く見ます。NHKのテレビ番組でも取り上げられたこともあります。ホームページを開くと安価で明瞭会計と書いてあるし手軽に申し込みが出来る点も魅力です。それが「小さなお葬式」です。過去ブロ...
お葬式のスタイルが格段に変わりました。家族葬が進んだ理由は、コロナ過と言うパンデミックが後押しをしたこともありますが、一番の原因は皆様が感じる不透明な葬儀費用を出来るだけ抑えたいとの切実な願いがあったからです。訳も分からないまま葬儀屋の言われた通りの金額を青天井で出費するの...
お通夜は故人が俗世に別れを告げるための最初の儀式です。あの世へ向かうための旅立ちを整えて現世を離れる準備をする場所とも言えます。そして同時に家族が死を受け入れ、在りし日の姿を偲びながら見送りの心構えを整える為の時間なのです。 通夜の語源は、お釈迦様が入滅した時に弟子たちが師...
喪中はがきがポストに入る季節になりました。家族だけで見送る家族葬が多くなり、親戚の死去を一枚のはがきで知る人も多くなりました。本来、喪中はがきとは故人とそれほど深いお付き合いではない方に向けてのお知らせでした。ですが、この頃は親しい人の死去をこの一枚で知るのです。お葬式は家...
「家族葬を行うには何を知っておいたほうが良いですか」と言う質問を受けました。ほとんどのお葬式が家族だけの少人数で集まり簡素化された式典で故人を送り出す「家族葬」のスタイルで行われます。家族葬と呼ばれるお葬式には的確な決まりごとが無いために、遺族を中心とする喪家様側と、施工を...
葬儀会館には特有の匂いがあります。お線香の香りです。残り香が強く電車内などで喪服の方とすれ違うと、ほのかの匂うこともあります。この香りは杉の木の匂いです。お線香の作り方は、杉の葉を乾燥させて粉にした原料に水と糊を加えて練り、棒状に加工します。杉のヤニにより煙が多く出るため、...
喪主様は大変ご立腹でした。お寺のお坊様にお渡しする「お布施」を用意するために銀行に出かけたところ、自分の預金からお金が出せないと言われたのです。「自分のお金だよ、それを自分が使う為におろしたいと言うのが何故いけないのだ、銀行と言うのは、なにかい、一旦預けたら二度と引出せない...
コロナ過という厄災も後押しをした結果、お葬式の形が家族葬と呼ぶスタイルに替わりました。友人、ご近所、会社関係などの多数の弔問客を招くことを省略して、家族と親戚だけで送る内容が一般的になり始めています。超高齢化と多死社会を進み始めたこの国です。お葬式の簡素化と少人数化はこれか...
家族葬が多くなりました。それでも、ご近所の皆様方や故人と親しくしていたご友人方が、どうしてもと参列されるお葬式は多く見受けます。そしてその際にお香典を持参されます。香典辞退の家族葬と決めていても、嫁いだ娘家族や親戚関係などはお香典を持ち寄ります。少しでも、お葬式費用に充てて...
高い天井と豪華な飾り付け、そして見上げるようなご本尊、周りに漂う長年の抹香の香り、今回の家族葬は菩提寺でもあるご寺院の本堂を葬儀会館として使用する寺院葬で行われました。お寺で行なう寺院葬には葬儀会館では不可能な体験ができます。本堂の作りが横長ですから、御経を唱えるお坊様を囲...
机の上の電話が鳴りました。「そちらにお葬式の予約を入れていた〇〇です。先ほど亡くなりました。よろしくお願いします」とても落ち着いた声に聞こえました。葬儀屋にかかってくる電話には「突然の事で慌ててどうしようか」と言う思いが伝わって来る場合が多いのです。受話器から聞こえてくる「...
お通夜やお葬式に参列した皆様が、挨拶の時に必ず口にするのが「ご愁傷様」です。この言葉は、大切な方を亡くしたご遺族にかける「お悔やみ言葉」のひとつです。ご愁傷様の「愁傷」は「悲しみに寄り添います」「嘆き悲しんでいます」「あなたを心配しています」などの意味になります。しかし、ご...
仲良く老後を楽しんでいた高齢者夫婦の奥様が急性心不全を起こし亡くなりました。喪主を務めるご主人がどうしてもお願いしたいと話されたのが「祭壇に飾る花を妻の好きだった彼岸花でお願いします」との一言でした。彼岸花(ひがんばな)はお彼岸を待っていたかのように咲く花です。長い茎がスッ...
仏教には13宗56派あります。また神道やキリスト教などの宗教が混在している我が国です。江戸時代の幕藩体制では266藩がそれぞれに統治を行っていました。そして南北に長く山岳地域と沿岸地域や農村部と都市部と環境も変わります。こうした宗教、政治、地理的環境などから、お葬式というセ...
スーパーの棚に落雁(らくがん)などの供養菓子が並ぶとお彼岸の時期です。「彼岸」とは亡くなった後に住むと言われる極楽浄土の事です。いま我々が住んでいるこの世は「此岸」(しがん)と呼びます。迷いや悩みの多い世界です。亡くなった後、修行をしてたどり着く「彼岸」と呼ぶあの世には幸せ...