季語は・・・師走尽 師走尽 世はこれすべて 塵芥 【去年の今日】週話§日曜枯寂~2023年大晦日~
季語は・・・師走尽 師走尽 世はこれすべて 塵芥 【去年の今日】週話§日曜枯寂~2023年大晦日~
冬至の末候“雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる)”である。 一年最後の候である。閏年だと大晦日だが、通常年は元旦が冬至の末候だ。 毎年書いていることだが、冬至以前から日没時刻が少しずつ遅くなって、一年が終わる頃には明るい夕方になりつつあって、それは春の兆候として喜ばしいと、冬の寒さが厳しくなるのと裏腹に感じるのである。 冬至以降の候名を見れば、時節よりも先の春を予感させるような名前が並んでいることに、今さらながら気がつくのだった。 《七十二候のトピックス一覧》
古稀となった2024年が終わる。そして新たな年がやって来て、我々の営みはなおも続いていく。いよいよ世界は混沌の度合いが顕著に色濃くなってきたと感じる。人生の終わり近くにこのような世界情勢になっていくことには、大きな懸念を抱いてしまうのだ。 卑小なところでは、2019年にウェブリブログから移転継続していたSSブログが来年の3月末で終了。拙ブログは、明けて1月1日からSeesaaブログへと転居する。 オワコンであることは否定できないブログという存在だが、流行り廃りとは関係なく、表現手段として使っている人は少なくなく、そもそもオワコンとかいう言葉を使われること自体が迷惑なのだ。それこそブログをやってすらいない人間から言われたくなどはない。 だがしかし、かくして我がブログは流浪の旅を繰り返していくことだろう。 それではみなさん、よいお年をお迎えください。 《年末年始の..
季語は・・・行く年 行く年や 饂飩半玉 気ぜわしく 【去年の今日】週話§土曜枯寂~とうとう来てしまった~
コンサートや歌舞伎、スポーツ観戦で通路側の座席に座ることがあって…… ↓ご覧のとおり(バイロイト音楽祭HPより) ……それで観察していると、そのほとんどで内側の席の人たちのほうが、なぜか来るのが遅く、我々が席に座っていたら彼らを通すのに立たねばならないか、もしくは立ったまま待っていることになるが、平土間で間に通路のないバイロイト祝祭劇場は、そうして遅れて中のほうに入っていく客のために全員が立ったままで待つことになるのである。 《つぶやきのトピックス一覧》
観客は8,169人で1万人に達せず。年末で行きにくかったか、渋い客の入り。と思っていたら、北関東は熊谷で行われたワイルドナイツ対スピアーズの試合は1万人超えをしていたので、動員力不足があったかもしれない。 という客入り状況はこれくらいにしておいて、後半は手に汗握る試合展開となった。結果は33対32と1点差でブラックラムズが辛うじて逃げ切り勝ち。前節のホンダヒート戦で終了間際に逆転負けを喫したショックを引きずることがなく、今シーズンの1勝目となった。 特に推しチームの対戦ではないのに秩父宮まで足を運んだのは、リーグワンに“戻って”きたTJ・ペレナラのプレイを見たかったからである。2021年ワンシーズンだけレッドハリケーンズでプレイしたが、その時は一度も彼を見ることができず、テレビでプレイぶりを見て、是非に見ておかなくてはと思ったのである。 前節はあま..
季語は・・・数へ日 数へ日や 夫の寝言 聞く夜明け 【去年の今日】療話§診察券の束なりき
どん詰まりに来た……あと2日で2024年が終わる(ほとんどコピペ 今年は自分の身体を見直す年になってしまったということだろうか。特に、足の血管の問題をメインとした、循環器系の問題を棚卸しして改善の道筋をつけることができそうだ。歯医者に半年以上通って、かなりメンテナンスができたのではと思っている。 70歳という年齢での見直しは、いささか遅まきながらではあるが、やらないよりはやっておけば、少しでも日々の生活が快適になってくれるはずなのはまあ、間違いないと思いたい。 というわけで、来年の目標は“一病息災”である。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・大根(だいこ)焚き 行列や 最後尾ここ 大根焚き 【去年の今日】懐話§昭和三十年代~貸本屋~
どん詰まりに来た……あと3日で2024年が終わる。 何度目の大晦日、そして何度目の元旦だろうか。もちろん今さら数えるつもりなどはない。 70年生きたということは2万6千日近くをこの世で過ごしたことになり、そのすべてが記憶の中にあるわけでもなく、間違いなく9割以上は忘却の彼方に消えて行ってしまったのだろう。 それが人生だなどと、したり顔でいうつもりもないし、思い出にすがりついて時間を戻そうなどとも思わない。すべては時の流れの中に沈められて、いずこかへと去っていくのである。 でもまあ、少しは人生でいいことがあったよなとは思っているのだけれど。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・年歩む 老い先は いずこ?の日々や 年歩む 【去年の今日】連話§ワタシの酒肴[177]メンチカツ
内緒の話だが―内緒になどなっていないが―一浪して予備校通いで下宿暮らしを始めた時に酒を呑み始めた。19歳だったから完全にフライングである。 下宿の三畳間には暖房の設備など何もないまま冬がやって来た。夜、受験勉強を終えて、口にしたのは安いウィスキー。それをお湯で薄めに割りホットウィスキーで身体を温めて布団に潜り込んだのだった。 そのあたりが酒の呑みはじめだったのだが、だからといって毎日毎日呑んでいたわけではない。そもそもそこまで自由に使える仕送りなどもらってはいなかったから、ごくたまに意を決してビールを買うとかそんな程度である。 だから、酔っ払ったという記憶がないのは、大した量を呑んでいなかったということと、酒の何たるかがわかっていなかったことは間違いない。 その後、大学に入っても酒量が増えるどころか、下宿で酒を呑むことはほとんどなかった。いわば大学時代は酒の空白期だ..
こんな映画があったことを覚えている、あるいは実際に観たことがある人は七十代以上ということだ。 東宝映画『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』というタイトルで1964年に封切りされた。何と!映画に登場するのは当時巨人でプレイしていた選手たちと川上監督、さらに西鉄ライオンズの中西太まで出演していた。そこに東宝の俳優が加わっていたのである。 1963年、三冠王を狙っていた長嶋茂雄を主役に、ペナントレースの様子を描いたドキュメンタリー・ドラマとでも言えばいいのか……何とも不思議な映画を観たような記憶が微かに残っている。 もちろん芝居素人ゆえ、演技云々については眼を瞑っていたとは思うが、それでも生々しいと思ったのは、三冠王に向かって突き進んでいた長嶋に阪神の投手バッキーがデッドボールを投げて、指の裂傷を負ったというところの映像で、長嶋茂雄渾身の演技ではなかっただろうか。 ..
季語は・・・年惜しむ 入院 二泊三日なり 年惜しむ 【去年の今日】現話§漢字の使用はほどほどにしています
冬至の次候“麋角解(さわしかのつのおちる)”である。 あと5日で2024年も終わり。自分にとってはいい年であったのだろうか……11月から12月にかけて、小さからぬ怪我をしたし、二泊三日でカテーテル手術もした。まあ、自分の身体の状態を顧みたということになるだろうか。 たぶん、自分が考える以上に様々な状況に振り回されたのかもしれない。 2025年……そして、これも我々のような考え方を持つ人間たちにとっては、さらに期待が萎み続けていく年になるのは間違いない。そして最低でも4年は臥薪嘗胆の日々を送るはずである。 いや、別に復讐がしたいわけではない。ごく普通の常識が普通に通用することを実現してほしいだけで、それ以上は何も望むことなどないのだ。 《七十二候のトピックス一覧》
一か月に一度くらいだろか、我が団地にも救急車が入ってくることがある。世帯の高齢化が進んでいることが大きいか。 以前は入って来てもサイレンを鳴らしっぱなしだったのが、最近は入り口で止めて入ってくるようになった。 見えるところに停まって、救急隊員が向かっていく様子が我が家からも見下ろせて、ストレッチャーを出したりとルーチンの仕事をてきぱきと進めていくのだ。 ところが、それからが長いことがあって、要請したお宅に入って30分以上も出てこないことがある。容態を調べているのか、あるいは一番考えられるのは受け入れてくれる救急病院を探しているのかということだろうか。そしてようやく救急車が出て行き、緊張感も去っていった。 ある時、頻繁に救急車が入ってきたことがあった。しかも呼んだのは同じお宅と思われたのだ。数回もそんなことがあった後は、パタリと来なくなったのだが、あれは何だったのだろ..
季語は・・・日向ぼこ 老い独り 優先席の 日向ぼこ 【去年の今日】槍話§十二月大歌舞伎~爪王~
六十代半ば頃から処方薬を毎日服用する生活が続くようになった。 つまり高齢化とはそういうことなのだと改めて実感しているところだが、夫だけでなく、同居人も同様に毎日薬を服用している老夫婦なのだ。 もっぱら、高血圧改善とか血管を拡げるとかの循環器系で、通院している内科は“ヤブ”に近いのだけれど、ありがたくも院内処方して薬を出してくれるので、いちいち処方薬局に赴かなくてもいい。 そんな薬の日々が、この先延々と続いていくのだろうかと思う。若い頃は、そんな日々がやってくるなどとは想像すらしていなかったが、いざ自分がそんな境遇になると“そういうことだったのか”と実感させられる。 世間でも高齢者の医療問題は切実なわけで、先々誰もが当事者になっていく運命にあるのだから、財政面も含めたいい知恵を出しあっていくしかない。医者に通わずに済むなら、それに越したことはないのはもちろんの..
ドイツ語で無賃乗車をする人は“Schwarzfahrer(黒い乗客)”と呼ぶ。 ドイツやオーストリアの鉄道には改札口がなく、人は駅に入ったらそのまま電車に乗ることができるのだ。そして当然ながら、無賃乗車をする輩も少なくはないはずである。 そんな交通機関には“車内検札官”が巡回していて、移動中の車内で身分証明書を提示しながら、切符の有無を確認するのだ。 そんな車内検札官に一度だけ遭遇したことがあった。10年前、ベルリン滞在していた時である。地下鉄に乗っていたら、本当に普通の姿の検札官が、乗客に切符を提示するよう求めたのだった。 我々夫婦は3日間チケットを持っていて、検札官が登場した瞬間に“来た”と即座に反応しチケット提示したのである。そうしてチェックしつつ、一人の男性のチケットを見て「これはだめ」みたいなことを言って、次の駅で連れ降ろしていったのだ。 そ..
季語は・・・クリスマス クリスマスや ワインの栓を 抜き損ね 【去年の今日】週話§日曜枯寂~あと一週間~
そして2024-25シーズンの開幕である。今年もスピアーズを推すことにして第一節二日目の秩父宮ラグビー場へ。この日の観客は12,358人。 スピアーズが苦しんだ。スタンドオフのバーナード・フォーリーのコンバージョンキックが決まらない。5トライで、キックが決まったのは1回だけ。トライ後60秒以内に蹴らなければならないショットクロックを導入しているので、バーナードのような時間をかけてゴールを狙う選手には不利になったのだ。 だが、ルールはルールなわけで、バーナードはこれを可能な限り早急に克服しなくてはならない。 というわけで点差は最大14点まで開いて、3月の花園再現かと思わせたが、後半5分過ぎにフッカーのマルコム・マークスとスクラムハーフの藤原忍が交代で入ると一気にスピアーズが活性化して攻勢に転じ、36分で同点に追いついた。 ノーサイドのホーンが鳴..
11月の半ば、SSブログが終了するとのお知らせが出た。ブログがオワコンであることは今さら言うまでもないことだが、自己表現の場としてブログが果たす役割は小さくなく、まだまだ少なからぬ人たちがブログの日々を送っているはずだ。 そしてそもそもは、ブログを流行り廃りで考えること自体が間違っている。まあ、中には色気満々“ブログでひと稼ぎ”とアフィリエイトに精を出したりという向きもあろうが、大半は自分のための記録的な心づもりでブログを続けている人が多いのではないか。 そんな表現発露の場が、少しずつ狭まっていっているような気がしてならない。無料でブログの場を提供してもらっているから、あれこれ言えたことではないけれど、サイトの運営者はそれぞれのブログを大切にしてもらいたいと思う。 さて、我がブログの行く末だが、とりあえずはデータをダウンロードして、引っ越し先に移植しての再開は、2025年..
季語は・・・山眠る 山眠る ライブカメラの 寝姿や ↓尾瀬沼畔に設置したライブカメラ 【去年の今日】週話§土曜枯寂~年末ね~
世の中、何が起こるかわからない。多くの人は気がつかないふりをしているか、それとも本当に気がつかないか、自分には無関係と思っているのか……だが、世の中は不確定要素に満ち満ちている。 自分に都合よく動くこともあれば、まったくもって不本意な状況に陥ることもあって、それが意のままにできるのであれば“神”ではないか。 そんな世界に身を投じて70年が過ぎた。そして、最後まで“逃げ切れ”られるのだろうかと思う。世間的には十分に高齢者と呼ばれるレベルだからだ。 世の中には、状況を不安定にして利を得ようとする権力者がうようよいて、始末が悪いことにそうした輩は人心を狡賢くコントロールする術に長けているから油断がならない。彼らによって、いつ何時、寒空に放り出されないとも限らないのである。 この百年の間にも、世界恐慌、世界大戦、バブル崩壊、リーマンショックと数え上げたらキリがないくらいの崩..
忘年会の季節である。だが我が家で忘年会は一回だけ。新宿まで買い出しに行った帰りに夕食で天麩羅を食べることにしている。それはもう10年以上は続いているはずの年末の楽しみなのだ。 それにしてもと思うのは、その間の食事代の値上がりの顕著なことで、最初に食べた頃は夫婦二人食べて呑んで、5000円でお釣りがきたと思うのだが、今はそれでは到底足りないくらいのお値段になってしまっている。それではとても払いきれないと諦めそうになるが、世の中よくしたもので、デパートで買い物をしたポイントが、そこそこ貯まっていて、それで半額以上を賄えられるのである。 そして、かつては苦労せずに食べ切れていた一番安い定食だが、特に同居人が食べ切れなくなってきている。だがよくしたもので、値上げの一環ではと考えられるのだが、いつの間にか穴子の天麩羅が消えてしまっていたのだ。 それでも、食べ切れないよりはま..
季語は・・・寒暮(かんぼ) 疏水沿い 合流点の 寒暮かな 【去年の今日】廉話§ハムカツ~くどいようですが~
10月1日に東京都シルバーパスを初取得して間もなく3か月になる。 我が家あたりはバス路線がそこそこ充実しているので、重宝させてもらっている。その日その日に利用したバスや都営地下鉄の料金をチェックして記録してみたが、一か月で6000円は利用していたことが判明した。 税金を納めている身なので、シルバーパス取得の手数料は、納税していない同居人よりもお高く、取得しようかどうしようかと逡巡したが、シミュレーションした結果、手数料を払っても十分元が取れるだろうという結論が出たが、いざ実際に使ってみると、シミュレーションした以上にシルバーパスを活用したのである。 もちろん、それなりに外出していればの話で、出かける体力もなくなってしまったら宝の持ち腐れでしかないが、とにかくも元気にせっせと使い倒して出かけていれば、とかく出不精になりかねない高齢者の心身に佳き影響を与えてくれること..
季語は・・・冬至 今日冬至 喪中欠礼 届くなほ 【去年の今日】勉話§小学館の学習図鑑シリーズのおかげ
冬至の初候“乃東生(なつかれくさしょうず)”である。 冬至……冬本番となったが、日没時刻は既に早まってきている。前も書いたが、元旦の時期の夕暮れ時刻が遅くなったと感じ、春が近くなったと感じるのだ。 あと10日で2024年も終わり、また新しい年がやって来る……そういえば来年は“昭和百年”なのである。 《七十二候のトピックス一覧》
そういえば、ずいぶんと長いことズボンのベルトをしていないことに気がついた。 このところシャツの類をズボンの中に押し込まずオーバーにしているのと、ウエストサイズがほぼほぼぴったりなので、ベルトをする必要がないのだ。 それにベルトが必要なのは、ジャケットを着る時のズボンで、そんなズボンなど、もう何年も履いていない……すっかりベルトが宝の持ち腐れである。 ところで、シャツの外に出してのオーバー・スタイルだが、いつまで続くものだろうか。 《私事のトピックス一覧》
季語は・・・冬の夜 穏やかに ココアは熱く 冬の夜 【去年の今日】運話§降りる降りない~挙動不審~
あの、人を喰った品のないアクションだったり、ねっとりした話し方が…… ……虫唾が走るほど嫌いでならず、おまけにやることなすこと嘘まみれのような人間が大統領になって、アメリカだけでなく世界を混乱に巻き込むのは間違いない、そんな4年間を耐えることができるだろうかと、既にして不安という言葉では言い表せないほどの不快な感覚が体中に充満しているのだ。 《つぶやきのトピックス一覧》
[承前] 時折だが、ローストビーフを張り込むことがある。店によっては切り落としをパックしてお得に売られていたりするので、それを狙って買うのである。 グレイビーソースにホースラディッシュで食べるのが一般的だが、日本人としては山葵醤油でいただくのがよろしい。むしろ、グレイビーソースよりも合うような気がするのだ。 ずいぶん前、ドイツビールを呑ませる店で“たまにしか入ってこないの”と言われて、神戸牛を生のまま細かく叩いたやつに山葵醤油を垂らしてサンドイッチにしたのを食べさせてくれたことがあって、まさに絶品なのだった。 それはローストビーフとは違うけれど、でもレアなローストビーフを叩いてというのもありではと思っている。 間もなく正月、以前はお約束のようにローストビーフをおせち料理の一員として買い求めていたが、このところご無沙汰である。せっかく思い出したのだから、年末に調..
季語は・・・社会鍋 地下道に 喇叭(ラッパ)鄙びて 社会鍋 【去年の今日】悔話§サンゴリアス対ブレイブルーパス[味スタ]
このところ、クレジットカードや銀行口座、通信販売にまつわるスパムメイルが頻繁に届いている。 自分が所有したり登録しているクレカや銀行口座だったら紛らわしいが、自分が口座を持っていない銀行からの問い合わせがやたらやって来るのには、さすがに馬鹿じゃないのと一刀両断で削除してしまう。 もちろん、所有口座についても登録していないメイルアドレスに届くやつは即座にスパム認定できるのだ。 そして、厳に戒めていることは、届いたメイルに記載されているリンクは絶対にクリックせず、必要があればそれぞれの本体ホームページからログインするように心がけている。 まずもって、そのようなメイルが届いても決してあわててはならない。泡を喰って、メイルにあるリンクをクリックしたらどのような仕儀に相成るか、やったことがないのでわからないが、甚大な被害が降りかかることは間違いない。 これはたぶん“振り..
我が家、2024年の文化活動締めは十二月大歌舞伎第二部だった。 三部制ゆえ15時開演、17時半終演という気軽さ。二本立ての一本目は黙阿弥の盲長屋梅加賀鳶『加賀鳶』が一時間半ちょっとと長めの芝居。 まずは、加賀藩お抱えの鳶衆(加賀鳶)勢揃いで喧嘩に向かうという短い場面があって、鳶の出番は終了……え? で、その後は按摩道元の悪事話で最後まで。こんな芝居を観たことがあったかと調べてみれば、2回くらいは観ていたが、まったく記憶に残っていないとは何ともはやである。 今回は、松緑の天神町梅吉/竹垣道玄(二役)、勘九郎の日蔭町松蔵という顔合わせだったが、松緑の道玄が、本人は色々と工夫しているのだろうが、悪の凄みもそれと裏腹の愛敬とどちらも中途半端な芝居。その分だけ、勘九郎の凛とした折り目正しく辛口な松蔵が際立ってしまった。 祖父である二代目松緑の持ち役だから、ここは..
季語は・・・初氷 あっけなく 初氷割れ 融けて水 【去年の今日】堵話§卒業単位と就職内定
結婚して最初に暮らし始めたのは、5階建てマンションの4階だった。 公団や公社の5階建てマンションにはエレベーターは付いていなかったが、まだ二十代とまあまあ元気だったので、普通に苦もなく上がり下りすることができた。まあそんなものだくらいに思っていたのである。 だが、4階に住んでいた最後の頃になると、3階までは軽く上れるのだが、4階までもう1フロアとなると、特に買い物で荷物を持った時は、ちょっとしんどいぞと……それで3階の踊り場で一息入れてみたいなことになりつつあった。 その後、4階よりも低い階に引っ越したのだが、階段の上がり下りがそれほど苦にならないことに気がついたのだ。 この先、少しずつでも我が身に老化が進んでいくことは間違いなく、だから低いフロアに引っ越したのは正解だったのではないか。 まあそれでも階段を上がり下りする生活は続いているのだが。 《日常の..
第一幕の前奏曲が終わりかかるところで6台のコントラバスがピチカートで“ブン!”と一発鳴らしたところで涙腺が緩んでしまった。 旅行先のウィーン、ミュンヘン、ドレスデン、ベルリン、そして国内では、1994年、あのクライバー&ウィーン国立歌劇場の伝説の公演と回数を重ね、我が人生も終わりに近づきつつある古稀の年に聴いた『ばらの騎士』の見事だったこと。 指揮:ジョナサン・ノット 東京交響楽団 演出監修:サー・トーマス・アレン 元帥夫人:ミア・パーション オクタヴィアン:カトリオーナ・モリソン ゾフィー:エルザ・ブノワ オックス男爵:アルベルト・ペーゼンドルファー ファーニナル:マルクス・アイヒェ マリアンネ/帽子屋:渡邊仁美 ヴァルツァッキ:澤武紀行 アンニーナ:中島郁子 警部/公証人:河野鉄平 元帥夫人家執事/料理屋の主人:髙梨英次郎 テノール..
季語は・・・黄落(こうらく) 落葉松の 並木一切 黄落す 【去年の今日】週話§日曜枯寂~演歌でえーんか?~
ついこの間も書いていると思うが、闇バイトで集められた素人が闇雲に押し入っては強盗を働き、住人を手にかけている事件が激増しているように見える。 そうした素人たちは、犯罪を犯すという意味を理解していないという輩が少なからずいるから、相当な無茶をしでかし、逮捕されたところで“罪”の意味を知ることになるようだ。 いわゆる“悪党”は、それが悪事だとわかっているから、よほどのことでもない限り無茶はせず、リスクを恐れて深追いはしない。 闇バイトの素人は、指示役からの指示のままに事を運ぶから、リスクのことなど考えもしないから始末が悪く、だから手口も乱暴で荒っぽいのである。 こうして、為そうとしていくことが罪だと理解していない人間が増えている日本をもはや安全な国だと無防備に暮らすことなどはできなくなって、世間では防犯グッズの売れ行きがよさそうだ。 我が家もリフォームを進めていく..
何度か書いているが、日常使っている電子マネーは交通系カードとスーパーマーケットの2種類。それとクレジットカードが入ってくる。仮に1万円があるとしたら、そのうち現金が6千円で電子マネーとクレカを合わせて4千円……それくらいの比率で利用し分けているのではないだろうか。 相変わらず現金の利用率が高いが、少しずつ電子マネーとクレジットカードが進出しているように感じている。比率を上げているのはインターネットの決済がほとんどクレジットカードで、特にコンサート、歌舞伎、スポーツのチケットは、そのすべてがネット予約だから、そう考えると現金払いの比率はもっと低くなるような気がする。 これまで、そんな事態に遭遇したことはないが、電子マネーの決済システムが故障でもしていたらと考えれば、無謀にも現金を持ち歩かないなどとは考えられず、財布の中にいくばくかの額を忍ばせておこうと考えているのだ。 現金..
季語は・・・落ち葉 積もる落ち葉 もはや団地は 高齢化 【去年の今日】週話§土曜枯寂~洋食クルミ発見!~
大雪の末候“鱖魚群(さけのうおむらがる)”である。 今年もあと半月。冬らしい寒さに日々となって、年末感満載であることか。 やるべき年末の家事を粛々と進行させつつ、いつもよりは多忙と感じられる年末の風景は、古稀を迎えて初の入院&手術をしたり、ラグビーリーグワンが開幕。そして、歌舞伎にクラシックのコンサートとまあ賑やかなことだ。 これらのスケジュールをきちんとこなし、我が家は大晦日へと突入していくのである。 《七十二候のトピックス一覧》
[承前] 元より豆腐とその仲間が好きなことは、今更ながら言うまでもないことだ。そして厚揚げである。むっちりとした食感は、佳き酒肴としての条件を兼ね備えていると思う。 おいしい食べ方の最上位は、焼いた熱々をいただくことだが、この焼き方が難しい。表面が焼き上がってと思っても、芯まで熱くなっていないことのほうが多く、その塩梅のつけ方が難しいのである。 ……と思っていたら、あっさり解決する方法を目撃した。それはもう40年前のこと、当時住んでいた最寄駅近くにあった居酒屋で厚揚げ焼を注文した。 あっ!と思ったのは次の瞬間、手に取った厚揚げを電子レンジに放り込んだことで、そこですべてが氷解した。そうして中まで熱くしたやつを、焼き色がつくまで網で焼けば出来上がりではないか。 なるほど“文明の利器”も使いようで、そうしてやれば焼き色と中まで熱くしたいという問題が解決された瞬間だ..
季語は・・・冬凪(なぎ) 冬凪や スマホに地震 アラートが 【去年の今日】彩話§日本の伝統色~色見本帳~
ビッグイシュー493号は12月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部500円。250円が販売員の収入に。小さな私の習慣が表紙。 特集 小さな私の習慣 あなたは、何か小さな習慣をもっていらっしゃいますか? そうとは意識していなくとも、たとえば、朝起きた時から就寝までなんとなく、毎日、毎週、毎月、あるいは季節ごとや、1年ごとに、決まってされることはありませんか? それは、衣食住を楽しむ習慣だったり、ちょっと元気になるための心身のストレッチだったり、心を空白にしたり静めたり、決まった場所に行ったり、○○記念日の決めごとだったり、あるいは、イマジネーションの世界で遊ぶことだったり……。また、コロナ禍以降や、最近になって 新たに始められたことがあるかもしれません。 2024年の終わり、10人の方に「小さな私の習..
我が夫婦の間にメモが増えている。 単なる物忘れか、認知症が進行しつつあるか、とにかくも家事を進行させるためにはメモ書きが必須になった高齢者世帯なのだ。 メモの最初はまず、スーパーマーケットでの買い物に始まった。夫婦二人で買い物をしていた最初はメモなど持つことなく買い物をしていたのだが、ある時、買うべき肝腎な商品を買い漏らしてしまい、二人して自分たちを呪ったのだった。 定年退職後は、夫一人でのスーパー・ショッピングの機会が増え、3品程度だったらまだしも5品、6品の買い物では覚えきれなくなって、メモ持参での買い物が定着した。メモを書いて持参しても、迂闊なことに買い漏らしが出てくるという情けなさに、とにかくチェックだと、レジに並ぶ直前に籠の中身とメモを見比べて漏れがないようにと心がけている……つもり。 そして今、メモのジャンルは順調に増えてきている。最近は夕食の献立を簡単..
季語は・・・枯野 大枯野 のぞみ疾走 して往きぬ 【去年の今日】街話§神保巷塵[106]会社の同期会があった
去年10月に、建て替えすると閉場した国立劇場が、何の目途も立っていないまま、あっという間に一年を超えて雨ざらし状態にある。 日頃から日本の伝統をと云々していた政権が、何の策も講じないままに放置を続けていて何の痛痒も感じないということか。 皇居に面した超一等地に建つ校倉造を模した瀟洒な建物は、この先どうなるのか……関係者ならずとももどかしい思いを感じ続けているのだ。 高層ビル化して上階にはホテルを開業させるとかぶち上げていたが、そんな構想も入札の不調続きで、計画の見直しを迫られてしまった。そうであれば一気に発想を変えて、現在ある建物を活かしつつ、内部を耐震補強含めての大改装工事をすればいいではないか。それだったら応札する企業が出てくるかもしれない。 多くの伝統芸能好きは、今の国立劇場の佇まいを愛しているのだから、詰まらない面子や利権目当ては潔く引っ込めて、先へ..
季語は・・・北風 北風は吹き 朝方は震度四 【去年の今日】覚話§視力は今・・・・・・
くさすだけくさして、他の人間をリスペクトしない人がいる。その人が優れた何かを発揮してみせても、難癖をつけて一向に評価しようとしないのだ。 なぜ“リスペクト”することを拒否するような態度をとるのだろう。 そうした人たちの口から出る言葉はほとんど決まっていて「あんなのたいしたことない」とか「自分だってできる」とかいった類で、負けず嫌いとも言えないようなレベルなのである。 そうした人の中には、自分には真似ができないとか、勝ち目がないような状況に対し、くやしさの裏返しとしてそした態度に出る人が少なからずいるようだが、ひょっとしてそれは、あたかも自分が負けたような気持になって、負けましたと素直に認めることができず、そうであるがゆえに“ディスる”ということなのか。 まあ、そうした人に向かって謙虚にリスペクトをと言っても無駄だろうからわざわざそんなことを言うつもりはないけれど、心..
[承前] 今年の3月、明治生まれ最後の男性が亡くなったと知った。詳しい統計資料が存在していないが、存命の明治生まれはすべて女性で800人ほどとのこと。 昭和前半に生まれた人間が古稀を迎えた年に明治の男がいなくなったのだが自分と明治末年生まれの人間とは43歳差でしかなく、自分より43歳年下は、現在27歳で平成生まれということに気がつく。 元号に執着はなく、だからもう平成以降は西暦と同期させることもできずにいるし、昭和、平成、令和と元号3つを生きてきたと言われても感慨らしきものはない。 そして可能性がゼロというわけではないが、大正生まれの全員がこの世からいなくなるところを見届けることができるかどうか……微妙といえば微妙なタイミングのようだ。 [続く] 《終活のトピックス一覧》
季語は・・・熱燗 熱燗と まず熱々の 湯豆腐と 【去年の今日】穴話§スピアーズ対サンゴリアス[秩父宮]
[承前] 物心がつき始めたと思しき保育園に通い出したころの実家に、どれほどの電気製品が存在していたか、記憶をたどってみた。 で、八畳と四畳半の居室に電灯(後に蛍光灯)が一つずつ。真空管ラジオ1台くらいしかなかった……えーと、まじでそれだけ。台所にも便所にも照明はなかったのである。記憶を刺激しても、家にあった電気製品はそれくらい。 確か、コンセントも居室に一つずつくらいはあったと思うが、何しろ時代遅れをいとわない父親だったので、家に何か新しい設備が入ることはほとんどなかったのだ。何しろ、こたつだって木炭を熾していたし、アイロンも本体に炭を入れて使っていた。 とにかく、本当に電気製品がなかったのだ……昭和三十年代も半ばに入ったというのに。何度か書いているが、テレビは1962年(昭和37年)になってようやく我が家にやって来た。周り中の家にテレビが入って、ようやく一番最後だ..
“恒例”オペラシティでのパーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団の演奏会。ヒラリー・ハーン急病でキャンセルとなって、樫本大進の独奏でベートーヴェンの協奏曲となった。 シューベルト:イタリア風序曲第2番 C-Dur D591 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 D-Dur Op.61 [ソリスト・アンコール] J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 C-Dur BWV1005“ラルゴ” ~~~~~~~~~~~~休憩~~~~~~~~~~~~ モーツァルト:交響曲第41番 C-Dur Kv.551『ジュピター』 [アンコール] シベリウス:悲しきワルツ Op.44-1 軽い前菜のようなシューベルトに続く樫本のベートーヴェンは、華やかさはないものの、貫禄で手堅くまとめた安全運転+α……こんなタイミングでレベルの高い代..
季語は・・・冬ざれ 陽だまりと鬩ぎ合う 冬ざるる哉 【去年の今日】楽話§我が家のバリアフリー
大雪の次候“熊蟄穴(くまあなにこもる)”である。 今年も熊の被害が多かった。そればかりではなく、我が家からそう遠くないあたりを、北からやって来たと思しきはぐれ猿が南下して三浦半島まで行ったとか、鹿が多摩川の支流を遡っていったとか……おいおい!と言いたくなるような状況が現出していたのだ。 やはりというか生態系が狂っているということだろうか。おそらく一番の原因は彼らのテリトリーに餌が不足しているということだろうが、それ以上に彼らの行動を狂わせる何かがあるのだろう。 そりゃあ、我々から遠くないところに奥多摩や秩父、丹沢山塊が存在していて、その中には様々な動物が生を営んでいて、我々人類より先にテリトリーを確立しているから、我々はもっと謙虚に彼らに対して敬意を払うべきなのだが、さすがに害を及ぼされるのは御免蒙りたいが、共存するしかないことは理解しなければならない。 《七十二候..
とんとネクタイを締めなくなった。最後に締めたのはいつのことだったか。 元より、宮仕えしていた会社は服装規定が緩く、ジーンズにTシャツで行こうが一向に頓着するわけでもなかった。新入社員の社内研修の時は、殊勝にネクタイを締めていたが、研修が終わって配属されるや、ネクタイとは縁のない会社生活が始まったのだ。 もちろん、営業関係の人間まではそうもいかなかったが、現場勤めの人間の服装は勝手次第だった。それをいいことに夏場にハーフパンツで出社してきた人間もいたが、さすがに“それはちょっと”と言われた……らしい。 さて、ネクタイの話に戻るが、今だに持っているネクタイは20本足らずだと思う。会社で何かあってスーツを着る必要があるのは年に一度か二度。私用で外出する時にはほとんど締めなくなった。 そうはいっても、ここぞの時のネクタイである。年に一度海外旅行をしていた時、出発ターミナルの..
季語は・・・漱石忌 智に働き 情に掉さし 漱石忌 【去年の今日】週話§日曜枯寂~西暦と元号~
時に少しばかり人を羨むことはないでもない。だがそこどまりで“嫉妬”というところまでエスカレートすることはない。 だが世の中には、嫉妬を隠すことなく前面に出してしまってはばかることのない人もいたりして、それは当人にとってもためになっていることなのだろうかと思うのだ。 自分が持っていない、あるいは為しえていないことをもって、他者を妬むことにどれほどの意味があるか。それはもうエネルギーの浪費にしか過ぎず、その様は美しいとは言えない。 刺激されてポジティブな思考を持てばいいのだが、そうなってくれないのは人間の性(さが)ということか? 《日常のトピックス一覧》
[承前] 今期で会社OB会の世話人を退任することになった。10月の年度末で御役御免なのだが、こまごまとやることがあったりするので、年内は神保町通いを続けるのだ。 2016年に世話人としての仕事を始めたので、丸8年。主にパソコンを使って名簿管理や書類作成といった諸々の作業を任されていたが、さすがにきついと感じて、後を“若者”にお願いすることにした。 おおよそ自分の世代を境にパソコンを動かせる動かせないに分かれていて、だから自分より若い人間の多くはパソコンを苦にしない人が多く、お願いしやすいのである。 後を引き継いでもらうのに、できるだけ面倒がないようやり方をあまり複雑にしないよう心がけたつもりだが、たぶん間違いなくヘルプは飛んでくることだろう。 しみじみと“引き継ぎ”の大変さを改めて思い知っているところである。 これで、月に一度は出向いていた神保町への足が..
季語は・・・水涸る 水源は 谷戸の奥にて 水涸るる 【去年の今日】週話§土曜枯寂~近づく年末~
SNSが悪事を助長している。そして捕まるのは実行役か指示役、リクルーターどまりで、彼らを操っている首謀者まで捜査の手は伸びていない。 闇バイトで強盗を働いて警察に捕まった人間たちは、一様に“借金が嵩んでとか、割のいいバイトを探していて”行き着いたのだと言う。そうして無警戒に個人情報を晒したことで自らの首を絞め、犯罪に加担する羽目になってしまうのだ。 秘匿性の高い通信アプリをダウンロードさせられる時点で、それが犯罪へと繋がることに気づこうよと思う。もちろん、アプリの配給元は、犯罪に繋がりやすい通信手段であることに手をこまねくことなく秘匿性を無効化することに力を注ぐべきではないか? もちろん、そんな程度の対策で犯罪の芽が摘まれるなど毛頭考えていない。 社会がやるべきことは、一人でも犯罪に手を染める人間がいなくなるように積極的な情報発信を怠らないことだし、犯罪が起きてから..
【以下長文】 12月2日……70歳にして初めての入院(二泊三日)をした。狭まった下肢動脈をカテーテル挿入して拡張するという“簡単な”手術だと思っていたのが大きな勘違い。まさか自分が、こんな総合病院のお世話になるなどとは夢にも思わず。 昼前、血液検査などを済ませて入院受付に。希望した部屋は4人部屋や大部屋だったのだが、指定されたのは二人部屋で「差額ベッド代が必要です」と言うので「はっ?確か病院の都合だと(厚労省ルールで)差額は不要では?」と確認を求めれば、そのとおり差額不要で二人部屋に収まることになった。後々、二人部屋のありがたさを知ることになる。 初日は病室にいるだけで特に何かをするというわけでもなく、定期的に看護師が来て検温と血圧チェックをしていっただけ。 気になっていた病院の食事は夕食からで、写真のように、肉団子、カボチャの煮物、モヤシのお浸しな..
季語は・・・冬の色 冬の色の 万華鏡めく 枯れ並木 【去年の今日】三話§国立劇場閉館の件
“何かあったら・・・・・・”という危機感を持って過ごさなければならないというのも、なかなかに難儀なことではある。 危機なるもの、その最たるものが大地震との遭遇である。今年の元旦に発生した能登半島地震は道路が寸断、あちらこちらで集落が孤立してしまった。その復旧に長い時間がかかった。それは垂直方向の孤立であろう。 そんな孤立が都会でも起こり得ることに気がついているだろうか……水平ではなく、垂直孤立というものがあるではないか。 数十階建ての超高層タワーマンションは、エレベーターが頼りである。そのエレベーターが大きな地震で停電が発生、停止してしまったらどうなるか。機械的な部分が故障してしまったとしたら、業者が修理に来るまでどれほど待たなくてはならないか。 その間の行き来はどうなるというのだろう。10階あたりに住んでいる人であれば、頑張って上がったり下ったりするだろうが、30..
季語は・・・冬空 冬空や 背伸びする子の 指の先 【去年の今日】苺話§ストロベリーファーム・・・・・・再掲
大雪の初候“閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)”である。 さて、いよいよ押し詰まってきた。年末のスケジュールも始まっている……大掃除、カーテンのクリーニング出し、キッチンのレンジフードと浴室のクリーニング依頼をどうするか。 自分たちでやるものと業者にお願いするものと、それが長いこと年末の時期に恒例となっている。そうした諸々をクリアしつつ、お楽しみも忘れない。 正月のおせち料理も宅配野菜の取り寄せでお願いしているし、それから年末からちょこちょこ酒肴にいただくおいしいものも注文を忘れないようにしなければである。 子どもの頃ほどではないが“ちょっとだけ祝祭感”をもたらしてくれるのが今時の雰囲気ではないだろうか。 《七十二候のトピックス一覧》
味音痴に近い。そして偏食については以前にも書いている。 もちろん、どんでもなく不味いものは論外として弾きだしてしまうが、多少 みたいなレベルだったら文句も言わずに食べてしまう。だから、他の人が首 を傾げるような料理であっても、さしたる疑問も抱かずなのだ。 ゆえにいわゆるB級グルメのようなジャンクフードの類でも、普通に日常に 口にしている。まあ“許容幅が広い”ということだろうかと手前味噌してお くが、もう少しだけ“グルメ度”が高ければよかったのにとは思っている。 《B級グルメのトピックス一覧》
季語は・・・冬夕焼(ゆやけ) 冬夕焼 四時のチャイムや 富士孤高 【去年の今日】幻話§二階建ての家は
[承前] 神保町で一番のインディーズ立ち食い蕎麦の雄“利根そば”が惜しくも店を閉じたのは2012年秋のことだった。 およそ20年は世話になっただろうか。通い始めた頃の利根そばは、たいしてうまくもない、そんじょそこらにある蕎麦を出していた。だがいつの頃だったか記憶にないが、突然“うまいんでね?”店に生まれ変わっていたのだ。 あくまでも立ち食い蕎麦屋のレベルとしてはという意味だが、そのおかげで昼飯の楽しみがマシマシになったのである。 まず、麵の味が向上し、蕎麦つゆも格段にうまくなった。そして上にのせる天麩羅がよろしい。お気に入りは輪切りにした玉葱のかき揚げ。クリスピーで、蕎麦つゆに浸すといい味となり、普通は揚げ置きだが、タイミングが合えば揚げ立てをのせてくれて、それが一段とうまいのだ。 鰻の寝床のような店には客が引きも切らず、思い思いのトッピングを注文して..
気がついたら、先々月の22日が運転免許を取得してちょうど40年であった。 結婚して住んだマンションは交通の便がよくなく、食料を調達するスーパーマーケットまで徒歩10分……当時は共稼ぎをしていて、特に同居人が難儀している様子に意を決し、重い腰を上げて、30歳での免許取得となったのだ。 会社は昼過ぎに出ていけばよかったので、午前中を教習所通いにあて、せっせと教習を受けた。コース教習と路上教習で少しずつつまずきはしたが、それでも規定の30時間+3時間オーバーで無事にクリア。3か月ほどで無事に運転免許を手にしたのである。 成人した頃、少しくらいだが自動車に興味は持っていた。けれど運転免許を取って自分が運転するとか、ほとんど考えたことなどなかった。 そうして運転免許を手にしたわけだが、この40年の間に乗った車は4台……今乗っているのは、還暦のタイミングで買った真っ赤な..
季語は・・・小六月 宅配の 不在票あり 小六月 【去年の今日】酩話§N響定期Cチクルス~幻想交響曲~
あっという間に勘三郎の十三回忌がやって来てしまった。生きていれば来年は古稀……間違いなく、その名跡を巨大な存在にしていたことだろう。 そして“たられば”は続く……生きていたら、還暦から古稀までの10年は、我々の期待に応えて“絶頂期の勘三郎”を見せてくれたのは間違いない。 そして、生きていれば来年は古稀。円熟のその先へと向かっていくはずだっのだ。 同世代、一歳年下の稀有な役者と、お互いが元気であれば、あと10年、彼は舞台からエネルギーを発散し、我らは客席からそのエネルギーを享ける……それがもう既に叶わない。 ↓ウィキペディアより 古稀を前にした勘三郎は、どんな役を務めているのだろう。それまでの持ち役をさらに深めているのは言うまでもないが、それに加えて、例えば還暦のタイミングで助六を演ると言っていた……結局それは夢と終って、勘三郎は旅立ってしまった。 何..
近視が進んだのは、宮仕えを始めた頃だったかと記憶しているが、それほどひどくはなかったので、眼鏡をかけなくても特に問題はなかったのだ。 結婚2年目、運転免許を取ることになって眼鏡を誂えることになった。免許の取得には0.7以上が条件だったが、その当時は0.1近かったのではないか。 そして無事に免許も取れ、眼鏡をかけての運転となった。合わせて、昼間の眼鏡とは別に、夜の運転用に度数高めを誂えて使うようになったのである。 そんな眼鏡生活だったが、50歳を過ぎた頃だったか記憶ははっきりしないが老眼というほど顕著ではないが、眼鏡をかけてほんの文字が見づらくなってきたことに気づいた。仕事の時などパソコンを見るのも裸眼で問題なく見えるようになってきた。 還暦になったタイミングだったか、それまで使っていた眼鏡の度数がきつくなったので、少し弱めのレンズに替えたが、特に支障はないし、やはり..
季語は・・・ちゃんこ鍋 朝稽古 済んでちゃんこは ソップ炊き 【去年の今日】通話§日々大量のメイルが・・・・・・
[承前] ……豆腐肴が連続してしまった。 湯豆腐は一年中食べている。暑い時でも、湯豆腐と冷奴を食べ分けて飽きない。だが、湯豆腐の季節はやっぱり冬だろう。 鰹節とおろし生姜に醤油をかければ簡単においしくいただける。嘘偽りなく湯豆腐さえあれば日本酒がうまい!湯豆腐ほど日本酒に合う肴はないのだ。 明治維新を官軍勝利に導いた立役者である大村益次郎(村田蔵六)は日本酒に豆腐を合わせるのを好んでいて、眼の前で湯豆腐を温めながら酒を呑んでいた……そうしていた最中に暗殺者に襲われたのである。 そんな話を司馬遼太郎の『花神』で読んで以来、ことさらに湯豆腐と日本酒の組み合わせを意識するようになったとは、以前も書いたことだが、益次郎は酒一合に豆腐一丁だったそうだが、さすがに丸々一丁は持て余す。せいぜい半丁くらいで十分に酒が呑めるのだ。 ..
今さら書くのも何だが、我が海外旅行は終了している。最後の海外旅行は、2019年6月のベルリンからアルプス端っこのいつもの滞在なのだった。 もちろん2020年も予定していたが、言うまでもなく年初に発生したコロナ禍のおかげで棚上げとなり、その後行く予定が立たないまま。 個人的に悔いが残ったと思っているのは、自分自身で“これが最後”と決めての旅行ができなかったことで、唐突な外部の力によって行けなくなったことが不本意なのである。 もちろん、年齢も重ねて片道12時間のフライトもきつくなっていたし、さらにロシアのウクライナ侵略でシベリア空路を飛べず、さらに2時間も余計に飛行時間がかかるようでは、もはやアウトであろう。 もう一つ残念なことは、自分たちが培ってきた海外旅行のノウハウが消えてなくなってしまうことで、それは30年もの間に、自分たちの頭で考え、他の誰もできないよう..
季語は・・・朽葉 雑木林 朽葉は風に 粉微塵 【去年の今日】週話§日曜枯寂~徹夜する~
1805年12月3日、華岡青洲が世界初の麻酔手術に成功。 1805年といえば、アメリカは独立して30年足らず、ヨーロッパではナポレオンが幅を利かせ、それを見たベートーヴェンは英雄交響曲を作曲したものの皇帝に即位したナポレオンに激怒して献辞をやめたと……そんな頃である。 つまり、欧米にはまだ麻酔の技術がなかったということになる。もちろん、あちらこちらで研究は行われていたはずだが、最初に成功したのは日本の紀州(和歌山県)の華岡青洲だったのだ。 こうして麻酔が医術に使われるようになったことで外科手術が進歩し、多くの命が救われることになのは言うまでもなく、麻酔開発の大きな道筋を切り拓いたのが紀州の華岡青洲であったことは誇っていいことだろう。 《歴史のトピックス一覧》
2024年11月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 暖かい小春日和の日と、ようやく冬めいた日とが混在していた11月だった。11月だというのに東京でも夏日近い気温を記録したり、名古屋で統計開始以来最も遅い夏日を記録。その他、宮崎などでも夏日を記録したのだ。 かくも気温差が極端なのは、温暖化の影響であることは間違いないのだが、高齢者にはそうした状況に順応できなくなりつつあるような気がする。 今年も残すところ3週間余りとなり、東京は冬の青空が広がる日々が続く。 《天気のトピックス一覧》
季語は・・・湯豆腐 湯豆腐は 京都土産や 嵯峨森嘉 【去年の今日】週話§土曜枯寂~とらほー!~
小雪の末候“橘始黄(たちばなはじめてきばむ)”である。 子どもの頃は、柑橘類……みかんが大好物だった。というかまあ、実家での冬のおやつといえばそれしか出てこなかったのだ。 箱買いをしていたから、気が向いたら箱から取り出し、炬燵に戻って皮を剥き、口に放り込むことを繰り返していたのだ。炬燵みかんそのものである。 結構夢中になって食べていたから、気がついたら3個4個5個と食べ進んでいた。 みかんの類を食べなくなったのは、実家から出て一人暮らしを始めた以降のことで、ぷっつり果物の類を食べなくなってしまった。決してほめられない食生活が長く続いたのである。 今は同居人のおかげで、果物の類を少しでも食べるようになったが、近くのスーパーマーケットの果物はうまいものを仕入れてくれず、しょっちゅうではないが、うまそうな店のやつを買ってはあれこれ楽しんでいるのだ。 《七十二候..
月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 12月1日の日の出は6時31分で日没は14時31分、月末の日の出は6時49分で日没は16時41分。毎年のことだが、当時前には日没時刻は遅くなってくれるが、日の出は年が改まらないと早いほうに転じてはくれない。大晦日の頃に日没が遅くなってきたと実感するのだ。 さて、ジャパンラグビーリーグワンのシーズンがスタートする。今年も推しチームを中心に10試合くらい観戦できれば楽しいのだが。 年末の歌舞伎だが、12月は三部制となった。一部はパスして、二部の『加賀鳶』と三部の『天守物語』を観に行こうと思う。 クラシックはオーケストラの演奏会を2つ聴く予定。いよいよ押し詰まる。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・顔見世 仁左衛門は 京顔見世や 内蔵助 【去年の今日】師話§2023年12月の予定あれこれ
ビッグイシュー492号は12月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。齊藤工が表紙。 特集 「PFAS」フリーの社会へ 日本でもその危険性がようやく知られ始めた「PFAS(ピーファス) (有機フッ素化合物)」。「水を弾く」「油がにじまない」などの特徴を持つPFASは、フライパンのフッ素加工などさまざまな製品に使用され、製品に止(とど)まらず飲み水(水道)も汚染し、人体に蓄積されて私たちの健康を脅かします。 いま、沖縄、東京・横田の米軍基地や大阪・摂津市のダイキン工場周辺などの汚染をはじめ、青森、山梨、神奈川、千葉、静岡、長野、岐阜、愛知、三重、京都、兵庫、岡山、広島、山口、大分などの水源から高濃度のPFASが検出。汚染の全貌はまだ見えていません。 そんな中、欧米では「PFAS..
12月である。あっという間に年末がやって来た。一か月経てば巳の年2025年の正月ではないか。 そしてまた一つ歳を取る。さらに再来年は再び十二支が戻ってきて、どんどん八十路が近づいてくるのだ……もはや、とっくに抗うようなことはやめていて“あるがまま”に時が流れるのを静かに傍観しているのである。 年明けて、日の出の時刻が少しずつ早くなり、再び桜の季節を迎え、樹々に緑が戻り、その先に猛暑が待つ、あと何度この営みを繰り返すことだろう。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・神無月尽 蕎麦湯割り 神無月尽き 夜は果つ 【去年の今日】霜話§2023年十一月終了のお知らせ
ああ……一年が、あと一か月で終わってしまう。 ついこの間、換気扇のクリーニングやらカーテンのクリーニングをしたような気がしたのに、もうそのタイミングがやって来ている。 一応ではあるが大掃除もしなくてはならない。少し前から、それまでのように細部までということはせず、安全に手の届く範囲を掃除することに留めるようになった。 人によっては、気候のいい5月に大掃除をしていると聞いたが、やはりそこは年末という区切りにやっておくほうが“気持ち”的には納得できるのだ。 今年も残すところ31日である。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・冬紅葉 宿替えは 朽ちかけけるか 冬紅葉 【去年の今日】弦話§ヤメン・サーディのヴァイオリンを聴く
Good Morning to You! それが“英語”だなどとわかっていたはずもない。 保育園で、朝の最初に園児全員が歌うのが“ハッピー・バースデー”と同じ節の“Good Morning to You!”だった。間違いなく、人生で最初の英語がこれである。 もちろん意味もわからず、単に朝の挨拶のおまじないのような認識で歌っていたのだろう。 “Good Morning dear teacher Good Morning to You!”で終わった後に、日本語で「先生おはようございます!」「みなさんおはようございます!」と元気に挨拶して、プロテスタント系保育園の朝のルーチンが終わるのだ。 そして“Happy Birthday to you!”が元なのだと知ったのはいつのことだっただろうか。 《日常のトピックス一覧》
実家暮らしをしていた頃にピザを食べたか記憶がない。たぶんおそらく、実家の町ではピザを食べていないんじゃないだろうか。そしてそもそも、ピザなる食べ物の存在を知ったのはいつのことだったか。 初めてピザを口にしたのは予備校通いの時ではなく、どうやら無事に大学に入学した後だったことは記憶の端っこに残っている。 その当時、池袋西口に“カプリ”というイタリアンの店があって、同級生と連れ立って食べに行ったのが最初だったのは間違いなさそうだ。予備校時代とは違って、そんな“付き合い”も始まったが、少ない仕送りでどうやってやりくりしていたのか。けっして安い食べ物ではなかったはずだが。 それでもピザは気に入った。好き嫌いは多いほうだが、チーズとトマトの組み合わせが嫌いなはずなどはなく、たちまちに“はまり込んで”しまった。 そうなると食べずにはいられなくなって、それでとうしたのかといったら..
季語は・・・暮早し カレーの香 よぎる鼻腔や 暮早し 【去年の今日】街話§神保巷塵[105]神田天丼家閉店
早いもので播磨屋二代目中村吉右衛門が逝去して4年の月日が経ったが…… ……歌舞伎界の状況は、いよいよ芳しいとはいえず、先行き不透明なことに変わりはなさそうで、新作の類を連発するよりは古典をきちんと演じられるべく、若手の舞台を増やすほうが先決ではないかと案じる老齢の身である。 《つぶやきのトピックス一覧》
マナー評論家という不思議な商売をしている輩がいる。それが正しければ何の問題もないのだが、時としてトンデモ!なマナーが存在しているとか、そうしなくてはならないような言説を振り撒く傍迷惑でしかない人間たちである。 最初に眼を剥いたのは、決裁のために回す書類に押す印鑑を、部下から上司に向かって左に傾けて押す“お辞儀判子”がそれだ。 しかも、平社員ほど傾いて押し、少しずつ角度が高くなっていくという……もうね!馬鹿じゃないの!!ではないか。そんなこと真顔でやっている会社があるとしたら、ろくでもないニッポンそのものではないか? 本当につまらないことに頭を使う人間がいるものだと呆れ返る。宮仕えをしていた会社では当然だがそんなことなどしていなかったし、真っ当な会社に勤めている知り合いもしていないと言っていた。 そんなことを真顔で説いているらしいマナー評論家など存在自体が不要..
季語は・・・小春 天神の 骨董市は 小春かな 【去年の今日】悼話§朝潮太郎さん(ワイはアサシオや)
小雪の次候“朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)”である。 今度の日曜日はもう12月になっている。実家暮らしをしていた半世紀前は、もう少しという以上に寒かった。 自転車通学していたので、薄手のダスターコートに軍手をはめて通っていたが、痩せ我慢していたわけでもなく、若かったからかどうか、それでも十分だったのである。 そして今、温暖化のせいで何とも穏やかな晩秋の日々が過ぎていくようで、半世紀の気温差にはちょっと首を傾げそうになってしまう。それでも気温は順調に下がって、いよいよ結露の季節ともなった。 《七十二候のトピックス一覧》
コロナ禍このかた、外食度が激減したのは明らかである。ちょっと出かけた先で軽く昼飯を食べたりはするが、夕方に腰を据えて1杯呑りながら食事を楽しむなど、月に一度もなくなってしまった。 コロナ禍前だったら、例えば歌舞伎座で昼の部を観た後に、どこかに寄ってというのは珍しくもなかったのだが、このところどうしているかというと、終演後にデパ地下に寄って、酒の肴だったり、総菜やら弁当などを買い込んで自宅呑みをする頻度が増えたのである。 まあ、店に入ってあれこれ注文するよりも、何がなし気兼ねがないということも大きく、さらには帰りのことを考えると、思わずデパ地下に足を向けてしまうのだ。 外食度が減ったもう一つの大きな理由は、夫婦して食事量が明らかに減ったという事実で、そうすると未訪問の店に行こうと考えた時、その店で出てくる料理の量がどうなのかと、それが気になって新規開拓もできなくなった。 ..
季語は・・・夜を寒(さむ)み 王将は 詰め切らぬまま 夜を寒み 【去年の今日】週話§日曜枯寂~十一月もはや~
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季語は・・・師走尽 師走尽 世はこれすべて 塵芥 【去年の今日】週話§日曜枯寂~2023年大晦日~
冬至の末候“雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる)”である。 一年最後の候である。閏年だと大晦日だが、通常年は元旦が冬至の末候だ。 毎年書いていることだが、冬至以前から日没時刻が少しずつ遅くなって、一年が終わる頃には明るい夕方になりつつあって、それは春の兆候として喜ばしいと、冬の寒さが厳しくなるのと裏腹に感じるのである。 冬至以降の候名を見れば、時節よりも先の春を予感させるような名前が並んでいることに、今さらながら気がつくのだった。 《七十二候のトピックス一覧》
古稀となった2024年が終わる。そして新たな年がやって来て、我々の営みはなおも続いていく。いよいよ世界は混沌の度合いが顕著に色濃くなってきたと感じる。人生の終わり近くにこのような世界情勢になっていくことには、大きな懸念を抱いてしまうのだ。 卑小なところでは、2019年にウェブリブログから移転継続していたSSブログが来年の3月末で終了。拙ブログは、明けて1月1日からSeesaaブログへと転居する。 オワコンであることは否定できないブログという存在だが、流行り廃りとは関係なく、表現手段として使っている人は少なくなく、そもそもオワコンとかいう言葉を使われること自体が迷惑なのだ。それこそブログをやってすらいない人間から言われたくなどはない。 だがしかし、かくして我がブログは流浪の旅を繰り返していくことだろう。 それではみなさん、よいお年をお迎えください。 《年末年始の..
季語は・・・行く年 行く年や 饂飩半玉 気ぜわしく 【去年の今日】週話§土曜枯寂~とうとう来てしまった~
コンサートや歌舞伎、スポーツ観戦で通路側の座席に座ることがあって…… ↓ご覧のとおり(バイロイト音楽祭HPより) ……それで観察していると、そのほとんどで内側の席の人たちのほうが、なぜか来るのが遅く、我々が席に座っていたら彼らを通すのに立たねばならないか、もしくは立ったまま待っていることになるが、平土間で間に通路のないバイロイト祝祭劇場は、そうして遅れて中のほうに入っていく客のために全員が立ったままで待つことになるのである。 《つぶやきのトピックス一覧》
観客は8,169人で1万人に達せず。年末で行きにくかったか、渋い客の入り。と思っていたら、北関東は熊谷で行われたワイルドナイツ対スピアーズの試合は1万人超えをしていたので、動員力不足があったかもしれない。 という客入り状況はこれくらいにしておいて、後半は手に汗握る試合展開となった。結果は33対32と1点差でブラックラムズが辛うじて逃げ切り勝ち。前節のホンダヒート戦で終了間際に逆転負けを喫したショックを引きずることがなく、今シーズンの1勝目となった。 特に推しチームの対戦ではないのに秩父宮まで足を運んだのは、リーグワンに“戻って”きたTJ・ペレナラのプレイを見たかったからである。2021年ワンシーズンだけレッドハリケーンズでプレイしたが、その時は一度も彼を見ることができず、テレビでプレイぶりを見て、是非に見ておかなくてはと思ったのである。 前節はあま..
季語は・・・数へ日 数へ日や 夫の寝言 聞く夜明け 【去年の今日】療話§診察券の束なりき
どん詰まりに来た……あと2日で2024年が終わる(ほとんどコピペ 今年は自分の身体を見直す年になってしまったということだろうか。特に、足の血管の問題をメインとした、循環器系の問題を棚卸しして改善の道筋をつけることができそうだ。歯医者に半年以上通って、かなりメンテナンスができたのではと思っている。 70歳という年齢での見直しは、いささか遅まきながらではあるが、やらないよりはやっておけば、少しでも日々の生活が快適になってくれるはずなのはまあ、間違いないと思いたい。 というわけで、来年の目標は“一病息災”である。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・大根(だいこ)焚き 行列や 最後尾ここ 大根焚き 【去年の今日】懐話§昭和三十年代~貸本屋~
どん詰まりに来た……あと3日で2024年が終わる。 何度目の大晦日、そして何度目の元旦だろうか。もちろん今さら数えるつもりなどはない。 70年生きたということは2万6千日近くをこの世で過ごしたことになり、そのすべてが記憶の中にあるわけでもなく、間違いなく9割以上は忘却の彼方に消えて行ってしまったのだろう。 それが人生だなどと、したり顔でいうつもりもないし、思い出にすがりついて時間を戻そうなどとも思わない。すべては時の流れの中に沈められて、いずこかへと去っていくのである。 でもまあ、少しは人生でいいことがあったよなとは思っているのだけれど。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・年歩む 老い先は いずこ?の日々や 年歩む 【去年の今日】連話§ワタシの酒肴[177]メンチカツ
内緒の話だが―内緒になどなっていないが―一浪して予備校通いで下宿暮らしを始めた時に酒を呑み始めた。19歳だったから完全にフライングである。 下宿の三畳間には暖房の設備など何もないまま冬がやって来た。夜、受験勉強を終えて、口にしたのは安いウィスキー。それをお湯で薄めに割りホットウィスキーで身体を温めて布団に潜り込んだのだった。 そのあたりが酒の呑みはじめだったのだが、だからといって毎日毎日呑んでいたわけではない。そもそもそこまで自由に使える仕送りなどもらってはいなかったから、ごくたまに意を決してビールを買うとかそんな程度である。 だから、酔っ払ったという記憶がないのは、大した量を呑んでいなかったということと、酒の何たるかがわかっていなかったことは間違いない。 その後、大学に入っても酒量が増えるどころか、下宿で酒を呑むことはほとんどなかった。いわば大学時代は酒の空白期だ..
こんな映画があったことを覚えている、あるいは実際に観たことがある人は七十代以上ということだ。 東宝映画『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』というタイトルで1964年に封切りされた。何と!映画に登場するのは当時巨人でプレイしていた選手たちと川上監督、さらに西鉄ライオンズの中西太まで出演していた。そこに東宝の俳優が加わっていたのである。 1963年、三冠王を狙っていた長嶋茂雄を主役に、ペナントレースの様子を描いたドキュメンタリー・ドラマとでも言えばいいのか……何とも不思議な映画を観たような記憶が微かに残っている。 もちろん芝居素人ゆえ、演技云々については眼を瞑っていたとは思うが、それでも生々しいと思ったのは、三冠王に向かって突き進んでいた長嶋に阪神の投手バッキーがデッドボールを投げて、指の裂傷を負ったというところの映像で、長嶋茂雄渾身の演技ではなかっただろうか。 ..
季語は・・・年惜しむ 入院 二泊三日なり 年惜しむ 【去年の今日】現話§漢字の使用はほどほどにしています
冬至の次候“麋角解(さわしかのつのおちる)”である。 あと5日で2024年も終わり。自分にとってはいい年であったのだろうか……11月から12月にかけて、小さからぬ怪我をしたし、二泊三日でカテーテル手術もした。まあ、自分の身体の状態を顧みたということになるだろうか。 たぶん、自分が考える以上に様々な状況に振り回されたのかもしれない。 2025年……そして、これも我々のような考え方を持つ人間たちにとっては、さらに期待が萎み続けていく年になるのは間違いない。そして最低でも4年は臥薪嘗胆の日々を送るはずである。 いや、別に復讐がしたいわけではない。ごく普通の常識が普通に通用することを実現してほしいだけで、それ以上は何も望むことなどないのだ。 《七十二候のトピックス一覧》
一か月に一度くらいだろか、我が団地にも救急車が入ってくることがある。世帯の高齢化が進んでいることが大きいか。 以前は入って来てもサイレンを鳴らしっぱなしだったのが、最近は入り口で止めて入ってくるようになった。 見えるところに停まって、救急隊員が向かっていく様子が我が家からも見下ろせて、ストレッチャーを出したりとルーチンの仕事をてきぱきと進めていくのだ。 ところが、それからが長いことがあって、要請したお宅に入って30分以上も出てこないことがある。容態を調べているのか、あるいは一番考えられるのは受け入れてくれる救急病院を探しているのかということだろうか。そしてようやく救急車が出て行き、緊張感も去っていった。 ある時、頻繁に救急車が入ってきたことがあった。しかも呼んだのは同じお宅と思われたのだ。数回もそんなことがあった後は、パタリと来なくなったのだが、あれは何だったのだろ..
季語は・・・日向ぼこ 老い独り 優先席の 日向ぼこ 【去年の今日】槍話§十二月大歌舞伎~爪王~
六十代半ば頃から処方薬を毎日服用する生活が続くようになった。 つまり高齢化とはそういうことなのだと改めて実感しているところだが、夫だけでなく、同居人も同様に毎日薬を服用している老夫婦なのだ。 もっぱら、高血圧改善とか血管を拡げるとかの循環器系で、通院している内科は“ヤブ”に近いのだけれど、ありがたくも院内処方して薬を出してくれるので、いちいち処方薬局に赴かなくてもいい。 そんな薬の日々が、この先延々と続いていくのだろうかと思う。若い頃は、そんな日々がやってくるなどとは想像すらしていなかったが、いざ自分がそんな境遇になると“そういうことだったのか”と実感させられる。 世間でも高齢者の医療問題は切実なわけで、先々誰もが当事者になっていく運命にあるのだから、財政面も含めたいい知恵を出しあっていくしかない。医者に通わずに済むなら、それに越したことはないのはもちろんの..
ドイツ語で無賃乗車をする人は“Schwarzfahrer(黒い乗客)”と呼ぶ。 ドイツやオーストリアの鉄道には改札口がなく、人は駅に入ったらそのまま電車に乗ることができるのだ。そして当然ながら、無賃乗車をする輩も少なくはないはずである。 そんな交通機関には“車内検札官”が巡回していて、移動中の車内で身分証明書を提示しながら、切符の有無を確認するのだ。 そんな車内検札官に一度だけ遭遇したことがあった。10年前、ベルリン滞在していた時である。地下鉄に乗っていたら、本当に普通の姿の検札官が、乗客に切符を提示するよう求めたのだった。 我々夫婦は3日間チケットを持っていて、検札官が登場した瞬間に“来た”と即座に反応しチケット提示したのである。そうしてチェックしつつ、一人の男性のチケットを見て「これはだめ」みたいなことを言って、次の駅で連れ降ろしていったのだ。 そ..
季語は・・・クリスマス クリスマスや ワインの栓を 抜き損ね 【去年の今日】週話§日曜枯寂~あと一週間~
結婚してしばらくの間、夫婦共稼ぎを続けていたことがあった。ローンを組んだりしていたものだから、とても一人だけの収入で家計あれこれを賄えるわけではなかった。 そこでおもしろいことがあった。夫婦それぞれ会社からの給料日が違っていたのだ。一般的かつ普通には毎月25日が給料日というものだが、夫の給料日は26日で同居人は28日だったのである。 そのことに気がついたのは、同居を始めて最初の月末がやってきた時で、それぞれが「うちは26日だよ」「えっ、うちは28日」と言い合ったかして、どちらも25日ではないことを不思議がったのだ。 会社の経理セクションは、月の半ばまでは取引先との決済が行われるので、給料計算は半ばより後なり、25日あたりを給料支払い日として設定されたということのようだ。 なのに我が給料日が26日、同居人が28日というのは、いかなる事情によるものなのだろうか。夫婦顔を..
季語は・・・水温む 水温む 多摩川沿いの 抜け道を 【去年の今日】惜話§ノイマイヤー&ハンブルク・バレエ
父親が“少年少女世界の名作文学”全50冊を買ってくれたのは、小学校に入るタイミングだったと記憶している。 自宅に本は少なく、まとまった全集はこれが初めてのことで、まあまあ好奇心があったようで、家に届いたところでせっせと読み始めることになった。 世界のと謳ってはいるが、日本の“文学”も何冊か入っていた。夏目漱石の『坊つちやん』やら『太閤記』みたいなもので、いずれにしても原文ではなく、子どもが読みやすいように翻案がなされているものだ。 さらに“世界”のとなると、これが多彩で『飛ぶ教室』に始まって『長靴下のピッピ』から『ビーチャとゆかいな仲間』とか『クオレ』といたものまで小学生の感性などたかが知れてはいるが、それでも“それなり”の感性で読み進んでいったようである。 そんな50巻全部を完読したわけではなく、何冊かは途中で放り出してしまったものある。たぶん、読んでいてストーリ..
歌舞伎を観始めて何に驚いたかというと、幕が開いても遅れた客がかまわず入場してくることだった。 クラシックのコンサートだったら考えられないことで、おおらかと言うならおおらかだが、きちんと開演前に着いて座っている客の前を自分の席に入るとは何という狼藉であろうかと、今でも思っている。 昔の歌舞伎中継の映像を見ていると、たとえば『勧進帳』で富樫が舞台に登場していても、ぞろそろと客が入ってくる様子を呆然と眺めることになるのだ。 さすがに『仮名手本忠臣蔵』の判官切腹の場は“通さん場”と言って、客が途中から入場することを禁止しているが、そんなことが珍しがられるわけで個人的には、そうした出入り勝手御免のような悪癖はなくすべきだと考えているのだが。 結局は、だらだらと変わらないままだが、自分が座っている前を“とりあえず”は、申し訳なさそうに殊勝な顔をして通っていくが、歌舞伎座の客席は..
季語は・・・春の闇 携帯の メイルはスパム 春の闇 【去年の今日】片話§溜まりゆく紙の類
1907年3月6日、玉川電気鉄道が、道玄坂上-三軒茶屋間で開業。 東京に出てきた時には、既に“玉電”は廃線となっていた。だから実際に走る様子を見たことはない。 元々が路面電車好きなので、通称“イモ電”が走る姿を見たら、さぞや喜んだことだろう。合わせて都電も、荒川線を残して姿を消していた。 そんな玉電の残滓を辛うじて残していたと思われるのが、京王線下高井から三軒茶屋の間を現役で走っている世田谷線で、今はモダンな車両に替わっているが、最初に見た時はまだまだクラシカルで鄙びた往年のそれだったのである。 昨今、宇都宮だったかで路面電車が新たに運用を始めたりしている。それをもって路面電車の復権だなどとは思わないが、公共交通の一つの形態としてあってほしいと思っているのだ。 《歴史のトピックス一覧》
新聞のコーナーや、週刊雑誌の見開きページなどに“身の上相談”がある。身辺の悩みなどを著名人が回答、アドバイスするというものだ。 ごくたまに辛口の回答があったりするが、その多くはおざなりというか、あまりにも一般的過ぎてそれじゃあ何の解決にもならないだろうというものが散見される。 そんな回答の典型的なものが“血を分けた親族、親子なんだから”なる定型的な物言いがあって「あ、それ無理だから」と思ってしまう。 自分にそうした経験がないからかもしれないが、親族や親兄弟間の争いほど始末の悪いものはないと、正に数多の実例が如実に語っているではないか。つまり“血を分けた……”云々は、実に手軽&安易な回答でしかないことがわかるということだ。 そして回答の多くが、正面から立ち向かうよう促しているが「それは無駄なことだからさっさと逃げなさい」と、紛うことなき本音を説く回答者はごく一握りでし..
季語は・・・冴返る 焚き火爆ぜる 音冴え冴えと 冴返る 【去年の今日】週話§日曜枯寂~江戸城無血開城~
啓蟄の初候“蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)”である。 啓蟄がやって来た。ここまで来れば“春”と言ってもよかろう。一か月前であれば、6時を過ぎても世間は暗かったが、もう5時前には世間は明るくなる。夕方も18時を過ぎても明るさは残ってくれるのでありがたい。 啓蟄と呼ぶにふさわしく、何となくだが土はふっくらとしてきたように感じるし、我が家周囲の野鳥たちも元気に囀りだした気がする。 樹々に緑は戻ってきてはいないが、辛夷(コブシ)は白い花を開いたし、春の晴れがましさがありがたい。 《七十二候のトピックス一覧》
今季のスピアーズ低迷を象徴するような、秩父宮は雛祭りのゲームを観た。この日の観客は6,593人。8,000人は入ってほしかったが、寂しい客席……。 ぐずぐずと点が取れず、ダイナボアーズに先行されては追いつきを繰り返して、ようやくペナルティゴール2本で突き放しかけてやれやれと思ったところで逆転を許し、28対34で今季4敗目。この敗戦でプレーオフ進出が難しくなったことを認めるしかない。 ちなみに去年は60対22でスピアーズの完勝。 前節で、CャノンEグルスのS木監督が自チーム敗戦に「○×なゲーム」と記者会見で言葉を荒らげたが、この日のゲームも○×と言うしかない残念な一戦だった。 ワタシ的にゲームのターニングポイントになったと思われるのは、前半39分過ぎに、立川が蹴ったボールを木田が取り損ね、こぼれたボールをダイナボアーズウィングのベン・ポルト..
季語は・・・雛の家 チャウチャウが モフモフ行きて 雛の家 【去年の今日】週話§土曜枯寂~喫茶店のオペレーション~
2024年2月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 厳しい冬とはならず、気温も乱高下……最高気温23.7度と、夏日になりかかりそうな日もあった。雪や雨の日も少なくはなく、少しばかり季節を先取りしていったような気がした。 2月は秩父宮でのラグビー観戦が3回あったが、凍えるような寒さとまではならず、念の為と用意していった携帯カイロまで使うことはなくて済んだ。 暦変わって3月となり、天気の変化は、いよいよ顕著なものになるだろう。 《天気のトピックス一覧》
予備校から大学と5年間の下宿暮らしの間は自炊で通していた。親からの仕送りが潤沢ではなく、当たり前のように自炊をするものだと思っていたので苦になることはなかった。 最初の2年は一人暮らし、3年目から弟と二人での下宿生活である。記憶は曖昧だが、どうも朝食を抜いていた節があり、昼は学食で食べていたので、夕食だけ用意すればよかったのだ。 炊飯器でご飯を炊き、おかずを一品と味噌汁……簡素なものである。ご飯は二人で二合……まだまだ食欲があったから、それくらいは事もなく平らげていたのである。 おかずの材料は、学校帰りに最寄駅のスーパーマーケットで、値札をにらみながら、1円でも安い食材をと頭を悩ませては買い揃えていた。作る料理も若い男そのもので、肉野菜炒めであるとか、具だくさんの豚汁を鍋一杯とか、とにかくご飯を食べられればそれでよかったのだ。 その程度の自炊だったので、料理の腕がど..
季語は・・・風花 跡形も なくて風花 のぞみ過ぐ 【去年の今日】珈話§チェーン系カフェのサイズ
一言で言えば“さもしい”としか思えないような事件である。 何百万、何千万円もするような時計を持つオーナーが“腕時計シェアリングサービス”に貸し付け、サービス会社はそれを第三者にシェアして、手数料を稼ぐという……らしい。 それが、どうやら立ち行かなくなって運営を終了。第三者にシェアした高級時計が戻ってくる見込みはないという。 “そもそも”そんな高級時計を持っている人間が、シェア手数料を稼ごうとするものだろうか。そのことだけでも、ずいぶんとさもしいと思うし、ましてや、自分が大切にしている――であろう――高級時計を、他人に渡して、第三者の腕に収まっているということが平気なのだろうか。 というわけで、この報道を見た瞬間、あまりのさもしさに何の同情も湧き起こらなかったのだった。なお個人的に“ロレックス”には一切興味はなく、何が欲しい?と聞かれたなら“Lange & S..
季語は・・・雪の果 一浪を 覚悟の朝や 雪の果 【去年の今日】過話§備忘録的な何か~2023年3月2日付~
3月……ですよ。 季節の進み具合はいよいよ早くなっている昨今、桜は春分の日のタイミングで咲き出して、4月に入る頃には散りかかるという東京である。 小学校に入学したのは既に60年以上前のことになるが、入学式の時の写真を見るならば、咲き誇った満開の桜の下に6歳の少年が佇んでいるのだ。 東京で、この先も入学式と桜がシンクロすることはないのだろう。個人的には、桜は4月に咲いてほしいと思っているのだが……。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・仲春 仲春や 五分遅れの 掛時計 【去年の今日】弥話§2023年3月の予定あれこれ
ビッグイシュー474号は3月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。ノバク・ジョコビッチが表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ノバク・ジョコビッチ リレーインタビュー 荻原次晴(スポーツキャスター) 特集 ふくしまの13年 東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故が起きて13年が過ぎます。 今も福島の原発周辺の7町村には帰還困難区域があり、廃炉作業は最大の難関の燃料デブリの取り出しが始まらず、計画より遅れています。 さらに、1号機のペデスタルという原子炉を支える鉄筋コンクリート製の土台が壊れ、鉄筋がむき出しになっている状況が明らかになるなど、新たな問題も出てきています。昨年夏には、漁業者をはじめ多くの反対を押し切って処理汚染水の海洋放出も開始されました。 ..
月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 3月1日の日の出は6時10分で日没は17時39分、月末の日の出は5時28分で日没は18時4分。一日がずいぶんと明るくなってきたと感じる。中旬の終わりには桜も咲くだろう。 さてさて、今月は忙しくなりそうだ。歌舞伎は三月大歌舞伎で、今月は昼の部だけを観る。菅原伝授の『寺子屋』は、菊之助の松王丸に愛之助の源蔵という顔合わせが珍しい。そして『御浜御殿綱豊卿』は仁左衛門が徳川綱豊卿を務める。真山青果脚本は苦手だが、観ずばなるまい。 そして『トリスタンとイゾルデ』祭りである。 何と新国立劇場と東京・春・音楽祭がそれぞれ上演するという悩ましい状況が生まれてしまった。そんな過密日程のやり繰りに頭を絞ったのは言うまでもない。新国の舞台は2010年に初演した時と同じなので、あまり期待はできない。とにかく音楽..