サルカメ合戦/村上公敏・編訳/ちくま少年図書館60/1982年オボンとアンキルという二人の男は、サトウキビの汁で作ったパシという酒がたまらなく好きだった。村にあるパシは、みんな飲んでしまい、パシで一儲けしようと、水牛を売って、近所の村を探し回ってパシを手に入れ行商にでかけた。酒を入れた竹筒は重く、交代してかつぎ、声を張り上げたが、なかなかうまくいかない。夕方あたりが暗くなる寸前に、道路際に住んでいるおばあさんが、おわん一杯のパシを注文し、五センタが手に入った。硬貨が一枚だけなのでどちらが持つかで争いになった。二人は、パシが売れたとき竹筒を持っていたものが、そのときに売ったお金をもち、かわりに竹筒は、相棒がもつことにした。おばあさんに売れたのはオボンが担いでいたときだから、五センタ硬貨はオボンが持つことにな...まぬけな行商人・・フィリピン