ああ、悪口が止まらない・・・。微笑んでいる地蔵にも、ますます可笑しくなっていく父にも、父から訳もなく責め立てられ、怒ることさえ忘れ戸惑うかずこに対し、私までもが苛立ち、きつく当たるようになっていった。ダメだ。違うんだ。心では止めようとしても、「どうして、お皿がこんな所にあるの?父さん、だから母さんにやらせるなって言ってんの。あんた、病気でもないのに、どうして病気のかずこさんを使うの?そんなことしてて、恥ずかしいと思わないの?ああ、もうっ!かずこさんは触らないで。何も触らないで!あっちいっててよ!!」と叫んでいた。叫びながら、母を担当するケアマネージャーに言った自分の言葉が脳内に響く。『私は、母の笑顔を守りたいです。』そのはずが、今かずこは私に怒鳴られ、しょんぼりと自室へ歩いていく。「あっ・・・」はっと我に...敵は己にある?2