まだ落ちない まだ落ちない そろそろ 落ちそう あ 落ちる もう そんなふうに いつのまにか 眠りに落ちていることが怖くて 意識と無意識の境目を探ろうと 布団の中のわ
まだ落ちない まだ落ちない そろそろ 落ちそう あ 落ちる もう そんなふうに いつのまにか 眠りに落ちていることが怖くて 意識と無意識の境目を探ろうと 布団の中のわ
宵闇の匂いに満ちる帰宅途中 仄明るい改札を出ると ぽつりぽつりと雨が降っていた 仕方ないので濡れて帰ろう 疲れていて走る元気もないから 諦めの歩調で 雨音に包まれる 雨音 というけれど 雨に音はな
琥珀色の光を 柔らかく振るわせて すこし切なく響きわたっていた 放課後のチャイム せっかちに号令を言い終えると 一斉に 校庭へ駆け出す子どもたち みなちりぢりになって それぞれの遊具をめざした
20代のとき暇つぶしで作ったいろはうた。 ずっと眠らせていたものですが、現代いろはうたのサイトに掲載していただけました。 https://www.ntt-i.net/IROHA/
割れた柘榴を見つめていた 夕焼けを吸うたびに 満ちてゆく内側に耐えきれず 割れてしまったのだろうか ぎっしりと詰まった一粒一粒の 赤々と透きとおる果肉が わたしの脈と共鳴しあうように 輝いていた
空が濃くなってきたから もう海が近いね 車を運転しながら あなたが言った 空が濃いってどういうこと とわたしが問うと 海に近づくと空の青が 濃くなっていくでしょ と当たり前のように答える 初
秋になったら 詩集を読みましょう 懐かしい夜気に包まれて 他人事のような思い出に浸る 秋の宵 思春期からずっと 寄り添い続けてくれる 静かな言葉たちは 散る銀杏が 大地をあたためるように 淋しい
鎖骨の窪みに溜めた 淋しさにそっと触れる ああまた濡れている 拭っても拭っても あの日の泉が しずかに溢れてくるので 少しだけ爪を立ててみる 夢よりもあいまいな白昼に 揺り椅子が軋む からだの
ようやく祖母の通夜が終わり 帰りのマイクロバスに乗る 熟れきった疲れを 背もたれに預けて目を閉じると 日本は何県あるんだっけ などと 年老いた親戚たちの とりとめのない会話が聞こえてくる 無垢な
娘の一言メモ 銀河鉄道の夜を寝る前に読みながら、 本当の幸せってなんだとおもう?って聞いたときの 娘の答え。 「生き続けること」 なるほど。。
2024.8.4 娘とテラスのようなところでご飯を食べている 娘が嫌いなトマトを少しだけ切って 娘の皿に乗せた するとそこに子猫がやってきて 娘に与えたトマトを食べ始める 可愛いのでそのまま見守っていると 他
書きたいものの切れ端はあるのですが なかなかゆっくり取り組む時間がありません。。 でも元気に生きてます!
きみの首筋ゆふぐれと檸檬の香(きごさい恋の俳句大賞 入選) ちとせあめガリガリしちゃう七五三(娘7歳の句 NHK俳句第25回全国俳句大会 入選)
あなたがケタケタ笑うたび みずぶえの玉が 回っているような気がするの 透きとおったまあるい玉が あなたの中のどこかにあるのかしら そのやさしい振動に 澄んでゆくまわりの空気 澄んでゆくわたしの心
一七歳の無力さを覚えている うかつにひらいた手のひらの その軽さに打ちのめされて 孤独を孤独で埋めるように もう片方の手を重ねた 祈りとは呼べない不器用な形 出会わない折り鶴たちが 横たわる窓
静止画のような雨の朝 深碧に滲む世界 その中心に 一本の大樹がある 冷たい雨粒を受けとめて 微かに震える 一枚の葉は 一つの国かもしれない 一軒の家かもしれない 一個のわたしかもしれない
2024.1.9 目が覚めると私の家じゃない 窓が大きくて開放感がある 窓の外からは海の気配 外へ出ていくとやはり海が見える 海へと続いていく階段を下っていく 空気も海も暖かく穏やかでいつまででも入っていられ
鳥よ鳥よ 言葉もなく 振り返りもせず 空高く飛び立つけれど それでもかならず帰ってくる 羽はどんどん冷えていくのに 小さな虫を飲みこまず おまえを一心に呼ぶ声を 覚えているのか 鳥よ鳥よ 電線に
秋の空気を纏った人々が ぞろぞろと 吸い込まれていく プラネタリウムの場内 投影機を取り囲んだ席の どこが特等席かわからず 心許ない気持ちのまま みな散り散りに腰をおろしてゆく 丸天井の 無機質
2023.10.30 些細なことで強く怒ってしまった夜 娘と二人 布団のなか 嫌なお母さんでごめんと謝る 自分の不甲斐なさに涙まで出てくる 嫌なお母さんじゃないよ いいお母さんだよ と言ってくれる娘 理想の母
檸檬灯す藍染のテーブル掛けへ(聞ける俳句・10月佳作句) ほたる手渡すいつまでも明るい夜に 短夜は水出しコーヒーへしづむ 漁火を宿して烏賊の眼は凍る(青嵐俳談5/26入選) 入学の空青すぎて硬すぎて(聞ける俳
白く静謐な装丁の 詩集の一頁目をめくるように 秋という季節はやってくる 行間からこぼれる祈りのように 銀杏並木の木漏れ日はきらきらと沈澱し 惧れと自由に疼くつま先を 微かにあたた
ほたる手渡すいつまでも明るい夜に 短夜は水出しコーヒーへしづむ 漁火を宿して烏賊の眼は凍る(青嵐俳談5/26入選) 入学の空青すぎて硬すぎて(聞ける俳句・4月佳作句) 雷鳥の冬毛に春の風溜めて(2023.4.5上野
短夜は水出しコーヒーへしづむ 漁火を宿して烏賊の眼は凍る(青嵐俳談5/26入選) 入学の空青すぎて硬すぎて(聞ける俳句・4月佳作句) 雷鳥の冬毛に春の風溜めて(2023.4.5上野動物園) 有刺鉄線くぐり灰空へ蝶
湯舟にたっぷりと浸かり すこやかに濡れる ちいさな背中の蒙古斑 思春期になったとき あなたは気にするだろうか 雨の朝を 閉じこめたように優しい その色を プールの授業中 背中に注がれる視線を 恐
シミの落ちないシャツ 子供が飽きてしまったスニーカー 色褪せたハンカチ 工場へ預けてある 汚れても古びても 捨てきれなかったものたち 工場裏の川のほとりで それらが戻ってくるのを 人々は待ちわびて
薄明をゆく 砂の城を壊してきた 公園の帰り道 あっさりと 繋いだ手をほどくと 空を指差して あの海に いつか行きたいね と言うあなた そのみずみずしい言葉に導かれ 視線をあげてみれば 伸びやかに
入学の空青すぎて硬すぎて(聞ける俳句・4月佳作句) 入学の日の雨に祖母生きてゐる 雷鳥の冬毛に春の風溜めて(2023.4.5上野動物園) 有刺鉄線くぐり灰空へ蝶 春の雪眺めて弦を張る力(聞ける俳句・2月佳作句) 恋
夜明け前の月を 見つめながら歩く 足元に沈澱した紫の夜 うつむけば その深みに 落ちてしまいそうな心細さのなか しずけさを 優しく揺らすエンジン音で どこかへ走り去っていくトラック 誰もいなく
ぽとんぽとんぽとぽとん 季節工場の屋根の下 ずらりと並べられたバケツのなかへ 雪解雫の落ちる音が響きだします ぽとんぽとんぽとぽとん 朝日を孕んだ雫の 楽しげな音色は 何かを呼んで
あらしの夜の 季節工場には いつもポケットに飴を忍ばせた 人々が集まっていて ベルトコンベアから流れてくる 空色の薄荷飴を せっせと割りつづけています カリンッ カリンッ と 割れた
お正月の真新しい空に 凧をあげる子供たち 遠い空を泳ぐ凧を眺めながら たとえば心のようだとおもう 遠い未来や過去を思うほど 遠くの人を思うほど ピンと張る糸 消えそうな雲を求め 凧はずっと張り詰
かすかな光を 睫毛が絡めとる カーテンの隙間から 朝のさざめきの予感 いつもより 足裏が火照っているのは 甘酒のとろりとした湯に浸かる 夢を見たから バスタオルで体を拭く 夢の続きのように 布団
光ごと掬う目高の子ら透けて(第33回伊藤園新俳句大賞佳作特別賞) 風信子ことしも吾子の心電図(第33回伊藤園新俳句大賞予選通過) 落椿どこかに罠のあるような(第33回伊藤園新俳句大賞予選通過) いわし雲満ちる水笛
高速道路より、牛久大仏の頭が点灯しているのが見えて、 クリスマスだから?年末だから?と夫とアホな会話をしておりました。。
あらゆるひとびとの あらゆる首を濡らしてゆく 変声期の すこし喉仏の張り出た首も 消えかけた地図のような 静脈の浮かぶ手首も 崩れそうな肉体を いっしんに支える足首も 嬰児に与えるための ミル
会わないことと 会えないことの隔たりの深さで 星の瞬く夜 季節工場の大きな暖炉の前に 人々が列を成します 亡き人へ宛てた手紙を 燃やすために 訪れた人々の列は 星空の下まで続いていま
鏡越しに いつでも迷いなく動いている と思っていた母の鋏 永遠の夏空へ 吸い込まれるように 回り続けるサインポール 床屋の母が わたしの髪に触れるとき わたしの考えていることまで 髪から伝わってし
夕暮れの 翳りから ひぐらしが鳴き出して やさしく やさしく じゆうな時間の おしまいを告げていた ほんとうはまだ 遊んでいたかったけれど 縁側にばら撒いた おはじきをたぐり寄せる 指先にふれる
一途に伸びる ひこうき雲の端っこを きまぐれな鳥が突き抜けて ちぎれたとこから生まれた 雲うさぎ 「ここ、どこ?」 とつぜん放り出された 真っ青のただなかに 戸惑ってたら 「ひこうきはあっちにい
それは遠い昔 わたくしがお人形だった頃のお話 ご主人様の指先と わたくしの肢体が 銀の糸で結ばれていた頃の ご主人様がピアノを弾くと 糸を伝わり わたくしは踊り出します 踊っている姿を ご主人様
「まんげつがほしをうんだ」と言ふ子かな(娘語録) テトリスめく街を炎天の観覧車(俳句生活 人選) 緑陰をはみ出す牙として画板 鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選) 月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳
テトリスめく街を炎天の観覧車(俳句生活 人選) 緑陰をはみ出す牙として画板 鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選) 月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選) 明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選)
緑陰をはみ出す牙として画板 鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選) 月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選) 明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選) タツノオトシゴ触る星座をなぞるよに(青嵐俳
鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選)月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選)明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選) タツノオトシゴ触る星座をなぞるよに(青嵐俳談 地) 夕風へ放る米粒ほどの歯よ
いばらの奥に宝は眠る 男は傷つきながら 道を進む 宝のために いばらを傷つけることもせずに 人々は いばらの奥に棲む龍に 彼を差し出した 人々の平和のために 彼の休息に 梟が鳴いていた 彼
秋蝶が さざ波を連れてくる 空の青さに溺れながら わたしのなかの水が震え 冷えてゆく指先に 蝶が止まる 閉じていく翅 祈るように 沈むように くちづけのように ほんとうの呼吸を 思い出して ゆっ
美しいものは無いのです ほんとうに美しいものなど無いのです 光を泳がせる 紺碧の海が 美しいわけではないのです 余熱を沈めていく 紺青の空が 美しいわけではないのです 闇を柔らかくしていく かは
コスモスが揺れていた さみしくて揺れていた 触れ合いたくて揺れていた 泣きたくて揺れていた 風から伝え聞いた 山々の向こうの 波をおもって揺れていた 薄明るい満月の夜 暗闇を纏って近づいてきた雄鹿に
春は張りぼて クレーンに壊されていく 土埃の向こう ぼやけた春の空気のなか 嗄れた声を放ちながら崩れる 薄っぺらくなった屋根 憂鬱な朝の片隅で 規則正しく鳴いていた鳩は 躊躇いもなく羽ばたく マ
月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選)明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選) タツノオトシゴ触る星座をなぞるよに(青嵐俳談 地) 夕風へ放る米粒ほどの歯よ 花びらに夜明けのありて花菖蒲 日時計の影う
いつからか 雨が降り続いている 雨音が 私のからだの中へ 積もって 冷えた爪先を見つめれば 青色のペディキュアの奥は 静かなさざ波 揺らめく光が消えかけている あゝ 水族館へ行こう とふと思い立
いちじくを囓るとき 私はいつも 彼女の乳房を思い出す ほら と 左の口元だけ笑いながら 私の手を掴むと 躊躇いもなく 自身の胸へと引き寄せて そのしこりに当てた ちいさかったころ 一緒に遊んだビー
夏草の匂いが 立ち込めて 体じゅうに充満していた 痛そうなほど あかあかと滲む 夕暮れの空 皮膚に纏わりつく 生温い風が 自分と世界の境目を 絡めとってしまいそうで 逃げるように走り出せば 生
恋って パチパチするっけ? ふわふわするっけ? うーん どっちもかな なんて 年長の娘と会話する クリームソーダを 分け合いながら いつかあなたが そんな恋をしたら クリームソーダの さく
餅つくうさぎが不在の 三日月の夜には マッチで火を灯したいのです 大切なものを照らすために 大切なことを思い出すために マッチ箱のなかで 転がる音の軽やかさ マッチを擦るときの ざらつく感触
黄昏 影絵のような世界に 椋鳥の影は 散骨されていく セピア色の商店街に 人々は吸い込まれ 無表情のまま 籠を満たしていくけれど それは本物だろうか 椋鳥の影ほどに 本物だろうか 生温い 二の腕
きらめく川の流れのなか一羽の白鷺が立っている 真昼淋しさからも別れからも遠いから 油断した影を連れて歩んでいたのに ふいにわたしの視界に現れて淋しさや別れをよみがえらせる 祈りを失った青すぎる空に水音
しんしんと降る 月光に背を向けて 画家はひたすら 塗りつぶしていく 細く尖った鉛筆の先が 闇に溶けながら 闇を深くする 紙と鉛筆の擦れ合う音は 延々と繋がり 外側と 内側の境を曖昧にして ひた
生きるという ただそれだけのことが どうしようもないほど 重くのしかかる夜がある ただそれだけのことが ただそれだけで 輝いてみえる朝がある ただそれだけのことが 心と絡み合っても 解くため
月明かりの照らす 青く湿った部屋 あなたの寝息に呼応して 膨張していく まっしろな壁 まるで窓の向こうは 海だったような 気がして 喉が渇く (カーテンを開ければ第二病棟のはずだ) あなたは 息を
きらめく川の流れのなか一羽の白鷺が立っている 真昼淋しさからも別れからも遠いから 油断した影を連れて歩んでいたのに ふいにわたしの視界に現れて淋しさや別れをよみがえらせる 祈りを失った青すぎる空に水音
ふと見上げた 空と 地上の狭間から 風花が 受粉のように 舞い降りる おもわず手を差し出すと 欠損の 小指のなかへ 吸い込まれていった ひやりと光る胸底 浮かびあがったのは 妻の笑顔 だった気が
拭い切れなかった 心の結露に 産まれたばかりの 朝日が当たり 光輝く 青空のための窓 窓のための冬 冬のための青空 報われない想いはあるけれど 報われない存在はないのだと 光を孕む水滴とともに
おぼえはじめたひらがなのひともじひともじのなんとおもたいことでしょう えほんのもじをたどってもたったひとつの「いみ」さえもたないのです よるにうまれたつららがあさひにてらされてぽたりぽたりとおちていくよ
少年がひとり 夕花野に立っている * 鞄から慎重に単行本を取り出した あまりに美しい装丁に思わず買ってしまったものだ 深い紺青の蔓が這い 隙間から真紅の魚たちが覗いている そっと装丁を指でなぞ
最果ての 芒を掴む 悲しき手よ 失った ものの代わりに 芒を撫でている 手のひらが すこし痛い 失った のではなく 私が失われたのだと ふと気づく 泣こうとして 息を吐いたけれど 涙も声も息も
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まだ落ちない まだ落ちない そろそろ 落ちそう あ 落ちる もう そんなふうに いつのまにか 眠りに落ちていることが怖くて 意識と無意識の境目を探ろうと 布団の中のわ
宵闇の匂いに満ちる帰宅途中 仄明るい改札を出ると ぽつりぽつりと雨が降っていた 仕方ないので濡れて帰ろう 疲れていて走る元気もないから 諦めの歩調で 雨音に包まれる 雨音 というけれど 雨に音はな
琥珀色の光を 柔らかく振るわせて すこし切なく響きわたっていた 放課後のチャイム せっかちに号令を言い終えると 一斉に 校庭へ駆け出す子どもたち みなちりぢりになって それぞれの遊具をめざした
20代のとき暇つぶしで作ったいろはうた。 ずっと眠らせていたものですが、現代いろはうたのサイトに掲載していただけました。 https://www.ntt-i.net/IROHA/
割れた柘榴を見つめていた 夕焼けを吸うたびに 満ちてゆく内側に耐えきれず 割れてしまったのだろうか ぎっしりと詰まった一粒一粒の 赤々と透きとおる果肉が わたしの脈と共鳴しあうように 輝いていた
空が濃くなってきたから もう海が近いね 車を運転しながら あなたが言った 空が濃いってどういうこと とわたしが問うと 海に近づくと空の青が 濃くなっていくでしょ と当たり前のように答える 初
秋になったら 詩集を読みましょう 懐かしい夜気に包まれて 他人事のような思い出に浸る 秋の宵 思春期からずっと 寄り添い続けてくれる 静かな言葉たちは 散る銀杏が 大地をあたためるように 淋しい
鎖骨の窪みに溜めた 淋しさにそっと触れる ああまた濡れている 拭っても拭っても あの日の泉が しずかに溢れてくるので 少しだけ爪を立ててみる 夢よりもあいまいな白昼に 揺り椅子が軋む からだの
ようやく祖母の通夜が終わり 帰りのマイクロバスに乗る 熟れきった疲れを 背もたれに預けて目を閉じると 日本は何県あるんだっけ などと 年老いた親戚たちの とりとめのない会話が聞こえてくる 無垢な
娘の一言メモ 銀河鉄道の夜を寝る前に読みながら、 本当の幸せってなんだとおもう?って聞いたときの 娘の答え。 「生き続けること」 なるほど。。
2024.8.4 娘とテラスのようなところでご飯を食べている 娘が嫌いなトマトを少しだけ切って 娘の皿に乗せた するとそこに子猫がやってきて 娘に与えたトマトを食べ始める 可愛いのでそのまま見守っていると 他
書きたいものの切れ端はあるのですが なかなかゆっくり取り組む時間がありません。。 でも元気に生きてます!
きみの首筋ゆふぐれと檸檬の香(きごさい恋の俳句大賞 入選) ちとせあめガリガリしちゃう七五三(娘7歳の句 NHK俳句第25回全国俳句大会 入選)
あなたがケタケタ笑うたび みずぶえの玉が 回っているような気がするの 透きとおったまあるい玉が あなたの中のどこかにあるのかしら そのやさしい振動に 澄んでゆくまわりの空気 澄んでゆくわたしの心
一七歳の無力さを覚えている うかつにひらいた手のひらの その軽さに打ちのめされて 孤独を孤独で埋めるように もう片方の手を重ねた 祈りとは呼べない不器用な形 出会わない折り鶴たちが 横たわる窓
静止画のような雨の朝 深碧に滲む世界 その中心に 一本の大樹がある 冷たい雨粒を受けとめて 微かに震える 一枚の葉は 一つの国かもしれない 一軒の家かもしれない 一個のわたしかもしれない
2024.1.9 目が覚めると私の家じゃない 窓が大きくて開放感がある 窓の外からは海の気配 外へ出ていくとやはり海が見える 海へと続いていく階段を下っていく 空気も海も暖かく穏やかでいつまででも入っていられ
鳥よ鳥よ 言葉もなく 振り返りもせず 空高く飛び立つけれど それでもかならず帰ってくる 羽はどんどん冷えていくのに 小さな虫を飲みこまず おまえを一心に呼ぶ声を 覚えているのか 鳥よ鳥よ 電線に
秋の空気を纏った人々が ぞろぞろと 吸い込まれていく プラネタリウムの場内 投影機を取り囲んだ席の どこが特等席かわからず 心許ない気持ちのまま みな散り散りに腰をおろしてゆく 丸天井の 無機質
2023.10.30 些細なことで強く怒ってしまった夜 娘と二人 布団のなか 嫌なお母さんでごめんと謝る 自分の不甲斐なさに涙まで出てくる 嫌なお母さんじゃないよ いいお母さんだよ と言ってくれる娘 理想の母
きみの首筋ゆふぐれと檸檬の香(きごさい恋の俳句大賞 入選) ちとせあめガリガリしちゃう七五三(娘7歳の句 NHK俳句第25回全国俳句大会 入選)
あなたがケタケタ笑うたび みずぶえの玉が 回っているような気がするの 透きとおったまあるい玉が あなたの中のどこかにあるのかしら そのやさしい振動に 澄んでゆくまわりの空気 澄んでゆくわたしの心
一七歳の無力さを覚えている うかつにひらいた手のひらの その軽さに打ちのめされて 孤独を孤独で埋めるように もう片方の手を重ねた 祈りとは呼べない不器用な形 出会わない折り鶴たちが 横たわる窓
静止画のような雨の朝 深碧に滲む世界 その中心に 一本の大樹がある 冷たい雨粒を受けとめて 微かに震える 一枚の葉は 一つの国かもしれない 一軒の家かもしれない 一個のわたしかもしれない
2024.1.9 目が覚めると私の家じゃない 窓が大きくて開放感がある 窓の外からは海の気配 外へ出ていくとやはり海が見える 海へと続いていく階段を下っていく 空気も海も暖かく穏やかでいつまででも入っていられ
鳥よ鳥よ 言葉もなく 振り返りもせず 空高く飛び立つけれど それでもかならず帰ってくる 羽はどんどん冷えていくのに 小さな虫を飲みこまず おまえを一心に呼ぶ声を 覚えているのか 鳥よ鳥よ 電線に
秋の空気を纏った人々が ぞろぞろと 吸い込まれていく プラネタリウムの場内 投影機を取り囲んだ席の どこが特等席かわからず 心許ない気持ちのまま みな散り散りに腰をおろしてゆく 丸天井の 無機質
2023.10.30 些細なことで強く怒ってしまった夜 娘と二人 布団のなか 嫌なお母さんでごめんと謝る 自分の不甲斐なさに涙まで出てくる 嫌なお母さんじゃないよ いいお母さんだよ と言ってくれる娘 理想の母
檸檬灯す藍染のテーブル掛けへ(聞ける俳句・10月佳作句) ほたる手渡すいつまでも明るい夜に 短夜は水出しコーヒーへしづむ 漁火を宿して烏賊の眼は凍る(青嵐俳談5/26入選) 入学の空青すぎて硬すぎて(聞ける俳
白く静謐な装丁の 詩集の一頁目をめくるように 秋という季節はやってくる 行間からこぼれる祈りのように 銀杏並木の木漏れ日はきらきらと沈澱し 惧れと自由に疼くつま先を 微かにあたた