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花卉と多肉植物にまたがるカランコエのマニアを目指して、気になる事項について調べた内容を綴っています。

もともと動物の分類学に興味を持っていましたが、ふとしたきっかけで興味を抱いたカランコエについて、疑問に思った事項を手探りで調べています。特にブリオフィルムとの関係について、最近の研究も踏まえて整理していきたく思っています。 多肉植物として扱われている腫の分類についても、徐々に調べたいと思います。

channa
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新座市
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杉並区
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2014/03/23

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  • 通販氷河期2025年

    最近はビザールプランツの流行とあって、東京界隈でも従来の園芸店や多肉植物専門店とは様相の異なるショップも増えてきている。その手の店でも多肉植物を扱っていることは多いが、アガベやアロエ、塊根植物など特定の分野に限定されていることが殆どである。要するに単価の高いものが主流となっていて、寄せ植えに使用するミニ多肉などは置いていない。ということはカランコエは基本的に安価なので扱っておらず、仮に置いてあ…

  • 錦蝶の変容

    世界的な侵略生物として名高い錦蝶Kalanchoe delagoensisは、我が国の多肉シーンでも古くからおなじみの植物である。昭和の書物ではこの種の学名はKalanchoe tubifloraもしくはブリオフィルム属としての扱いでBryophyllum tubiflorumと表記されていた。これが平成のいつごろからかKalanchoe delagoensisを使用されるようになった。国内でのこの学名の使用変換についての経緯は全く知らないのだが、国際的にはTölken (1985)が…

  • ねじれ花の孤城

    以前ストレプタンサの学名について書いたが、今度は本種が帰属するブリオフィルム亜属の下位分類についての話である。ちなみに以前も触れたがstreptanthaは「ねじれた花」の意味である。今回参照したメインの論文は、 Smith, G. F. (2023) Kalanchoe sect. Streptanthae (Crassulaceae subfam. Kalanchooideae), a new two species section in K. subg. Bryophyllum. Phytotaxa 609 (4): 273–281. であるが、ボグネリにつ…

  • プロリフェラのバシオニム

    一部の国では厄介な帰化植物として疎んじられ、またある国ではおしゃれな観葉植物として持て囃されるプロリフェラKalanchoe proliferaのタイプについての論文を紹介したい。対象論文はこれである。 Figueiredo E. & G. F. Smith (2018) Typification of the name Bryophyllum prolifera Bowie ex Hook., basionym of Kalanchoe prolifera (Bowie ex Hook.) Raym-Hamet (Crassulaceae). Bradleya 36 : 22-24. 論文紹介の…

  • 南アフリカの疑似ロゼット

    唐印K. thyrsifloraは古くからわが国で栽培されていた種で、南アフリカ産ではあるが中華な名がついている。近年になって園芸の世界ではK. luciaeに取って代わられ、こちらと混同して2種を含めて「唐印」と呼ぶ傾向がある。当ブログではK. thyrsifloraを唐印、K. luciaeを紅唐印と分けているが、そもそも「唐印」というのが園芸名であって標準和名のような厳格さが求められていないので無意味な努力かもしれない。…

  • カランコエの繁殖方法 ~有性・無性生殖とその様式~ その5

    今回は前回に続き、花序に生じる不定芽の説明から入りたい。 3. 花序に生じる不定芽 ① まばらに発達する大型の不定芽 前回触れたように多くのカランコエで開花後の花柄に生じる不定芽を見ることができる。特にカランコエ亜属では、これらの不定芽はクローンコエなどの葉縁不定芽より大きくplantletsと呼ぶ…

  • カランコエの繁殖方法 ~有性・無性生殖とその様式~ その4

    2.葉柄や部分葉に生じる不定芽 葉から生じる不定芽の次は葉柄部分、または種によって葉の切片から生じる不定芽について見てみたい。これは多肉植物として栽培されているカランコエでは多くの種で見られる現象である。月兎耳やロンボピロサ、ルトンディフォリアK. routundifoliaの葉に何かをぶつけてしまった場合、比較的容易に葉が落ちてしまいやがてその葉柄部分から発根してくるのを経験している人…

  • カランコエの繁殖方法 ~有性・無性生殖とその様式~ その3

    前回は栄養繁殖の類型の 1.葉縁に生じる不定芽 についてその発生部位を説明し、不定芽形成のパターンが3タイプあるところまで触れた。今回はその続きで各タイプを説明する。これら3つのパターン名はGarces et. al.(2007)の不定芽の論文を引用している。 不定芽形成パターン ① 誘導的不定芽形成Induced bulbil production Bryophyllum亜属の…

  • カランコエの繁殖方法 ~有性・無性生殖とその様式~ その2

    前回は通常の有性生殖について何気ない話をつらつらと書き連ねたが、今回からは栄養繁殖のパターンを紹介したい。そもそもがこっちの話題を書こうとしていて、対比として導入に通常の繁殖法を書いていて長くなってしまったのだ。ということはさておき、前回紹介した論文を基に栄養繁殖の話を進めたい。 栄養繁殖の類型 先ずは繁殖法の諸々について大きくパタ…

  • カランコエの繁殖方法 ~有性・無性生殖とその様式~ その1

    多肉植物を扱う園芸書を見ると「増やし方」の代表的なものとして挿し木(挿し芽)・葉ざし・株分けが載っている。中・上級者向けだと実生も載っているが、カランコエについては見たことがない。このうち挿し木はカランコエを増やす一般的な方法で、増やすのが目的ではないにしろ仕立て直し時に私もよく行っている。勿論これらはその呼び方の通り園芸的な「増やし方」であって、カランコエの繁殖法ではない。…

  • 知られざる子宝草の世界【Invasores編】

    これまでBryophyllum節の幻の子宝草を紹介したが、今回はInvasores節を見てみたい。この仲間にも原記載時の1個体しか知られていないものが2種あり、偶然なのかどちらもつる性である。 ■Invasores節 1. K. guignardii var. guignardii 少し前につる性カランコエのレビジョン(Shtein & Smith, 2021)の紹介をした際に、それまでK. beauverdii…

  • 知られざる子宝草の世界【Bryophyllum編 ②】

    前回は当ブログでいう「子宝草」とはカランコエ属ブリオフィルム亜属のBryophyllum節とInvasores節に属する植物であり、別の言い方をすると「葉縁に不定芽を形成するカランコエ(phyllo-bulbiliferous Kalanchoe)」であることを述べた。そしてその中でも「超」が付くほど希少なものを紹介しようと試みたのが、本稿である。今回は前の2種に引き続き写真すら見ることができないBryophyllum節のもう1種を紹介した…

  • 知られざる子宝草の世界【Bryophyllum編 ①】

    さて、カランコエの希少種というのは結構多く、最初に発見されて記載された(新種として学術論文等で命名規約の要件を踏まえて紹介されることと思ってください)だけで、その後は発見されていないものがある。またある場所でたまたま採れた標本は、A種だと思っていたが別の未記載種だったということもある。こういうことはカランコエに限った、さらには植物に限った例ではないが、所謂子宝草にも見られるケースで…

  • 生成AIの現時点の実力

    今の勤め先で新たな方針として、生成AIを使用した業務の効率化が挙げられた。会社ではGPT-3.5、GPT-4を使用していて、個人的にはExcelでよい関数やVBAを尋ねて重宝している。しかし一方で私の全く知らなかった情報も提供してくれることもある。例えば私の住んでいる私鉄の駅がJR東日本の埼京線にあるというようなことだ。住んでいていつの間に変わったのか全く気付かなかった。というようなパラレルワールド的な回…

  • 暖冬の恩恵

    前年の冬季は厳寒で3ヶ月間に多くの弊害をもたらし、灼熱の夏季はこれまた多くの犠牲者を輩出した厳しい一年であった。その埋め合わせをするかのようにこの冬は暖かく、厳しい期間を乗り切った植物たちにとっては福音である。まだ安全圏に達するまでは1ヶ月半ほどあるとはいえ、今から氷点下になって氷が張ることはなさそうである(あくまで埼玉南部基準の話です)。ベランダで計っている気温の記録を見ると、6年…

  • ガストニス・ボニエリ・アンカイジネンシスの謎

    前回はSmith教授たちのガストニス・ボニエリの論文を紹介したが、そのなかで変種のアンカイジネンシスKalanchoe gastonis-bonnieri var. ankaizinensisが認められずにシノニムとされたことを報告した。今までネット上や現物を見まわしたところ、あくまで見た目であるがガストニス・ボニエリには3つのタイプがあるように見受けられる。ひとつは日本では珍しい斑が少ないタイプ、それから国内で一般的に見られる密…

  • ガストニス・ボニエリの謎

    ガストニス・ボニエリK. gastonis-bonnieriの分類と命名に関する論文が2020年のBradleya誌に掲載された。その内容を今頃やっと確認したのだが、いろいろと面白い発見があったので記録しておきたい。 対象の論文は下記のものである。 Gideon F. Smith, Ernst Wolff, Luce Thoumin The taxonomy and nomenclature of Kalanchoe gastonis-bonnieri Raym.-Hamet & H.Perrie…

  • 熱波到来!! 燃える世界

    近年月に1度しか更新していないとはいえ、今月でこのブログも10年経った。思えば植物のことは何も知らなかったが、カランコエだけは詳しくなった。ことカランコエに関しては市販の雑誌・書籍が当てにならないので原記載をはじめとした論文に当たるようになったし、自生地も訪れて彼らの生きている環境を(少しだけ)知った。未だ興味は尽きないので、今から新たな10年に一歩踏み出したい。

  • ローズ門派の平定 その③

    これまでの2回で2つの論文を紹介し、ロゼイ種群も大分整理がついてきた。そして今回紹介する3番目の論文で殆どの問題が解決する。ここで取り上げられた問題はロゼイと呼ばれるカランコエに2型があることと、知られざる子宝草Kalanchoe bouvieriの正体についてである。 今度の論文はこれである。Shtein, R. & G. F. Smith(2021)The real identity of the Malagasy Kalanchoe rosei (Cr…

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