主治医のH医師にお酒のことを聞いたことがある。「二時間」と、単語だけいった。 抗がん剤を三週間服用し、二週間休む。 3週間ー2週間サイクルの抗がん剤治療だ。 抗がん剤治療期間であっも、夕食後薬を服用し、二時間経過すればお酒を飲んでもよろしい。 それが「二時間」だ。 K大学病院のがん診療センターで、外来のがん化学療法をはじめて五年目。 五、六十床並列された治療用ベットにある患者がどんなガンであるか...
人生を真に楽しむために何をすればよいか考え実践する隠居の記録
三保小次郎はペンネームだ。このほうが余分な力が入らない。 49歳で隠居し十数年がすぎた。楽(隠居)だと決めつけないことだ。退屈はなかなか手ごわい相手、もてあます時間のなかで人生を腐らせてはいけない。 そろそろ聞こえるカウントダウン、しめくくるには早すぎて、やり直すだけの余力はまだありそうだ。考えてみよう、実践してみよう、残る人生を真に楽しむために何をすればよいか。
主治医のH医師にお酒のことを聞いたことがある。「二時間」と、単語だけいった。 抗がん剤を三週間服用し、二週間休む。 3週間ー2週間サイクルの抗がん剤治療だ。 抗がん剤治療期間であっも、夕食後薬を服用し、二時間経過すればお酒を飲んでもよろしい。 それが「二時間」だ。 K大学病院のがん診療センターで、外来のがん化学療法をはじめて五年目。 五、六十床並列された治療用ベットにある患者がどんなガンであるか...
「ジジ、バナナおいしかった?」 明らかに彼女は問いかけていた。おうむ返しではなかった。 旭ヶ丘東公園で、土管のトンネルをくぐり、ブランコにゆれ、高めの滑り台を楽しんだ孫のひなと、帰宅してやや大きめのバナナを半分ずつ分け合った。 その後10分ほど私の書斎で遊んでいたその時だった。 繰り返しではない。彼女が私に問いかけたのである。今月24日に二歳をむかえる孫のとうとつな質問に面食らいながらも、孫バカジジの...
ジャニー喜多川も中居も気持ち悪いが、それが報道されるなかで一貫して絶対的沈黙を保ち、悠然として「自己愛の対象」を一途に守り続けるジャニーズファンが一番気持ちが悪い。 嵐、Snow Man、King & Prince、なにわ男子・・・の合計であるスタートエンターテイメント[旧ジャニーズグループ]の会員数は、1月25日現在14,587,100人に達したと言われている。 五百とも千人とも言われるジャニー喜多川の被害者は彼女...
新卒の値打ちって何だろう。 新人を育成して戦力とする。そのためのドラフトと変わらない。 採用し、打てるようになるまで、投げられるようになるまで育成する。 そもそも手垢がついてない素材性に価値があった。企業の方でも長期的見通しが効いた時代背景があった。新卒の需要はその魅力とともに続いてきた。 その新卒にいくら払うか。 私が大学に入学した昭和42年頃(1967年)、中大(法学部)の年間授業料は6万円だっ...
1970年(昭和45年)就職、それから10年足らずのサラリーマン生活で、愛読したのは日刊ゲンダイでした。当時は駅売りタブロイド紙はオレンジの夕刊フジだけでしたが、購入したという記憶はありません。 日刊ゲンダイの方は脱サラ後も駅まで買いに行き、あるいはコンビニで買い求め、今でも毎日購読しています。1975年(昭和50年)10月27日創刊とありますから、かれこれ五十年近い愛読者です。夕刊フジはフジサンケイグループの...
森永さんがすい臓がんのステージ4を公表したのは、2023年末であった。ガン死の呪縛の中で「威風堂々」と生き抜いたと思う。「威風堂々」は権威主義的で馴染まないとは思ったが、彼の魂を率直に感じるならばそれ以外に表現できない。彼は思う存分裸の自分を貫いた。 以来彼の動向は常に気に留めてきた。ガンにおいて彼は後輩であるが、多くを教わった。 2020年末に多発性骨髄腫を発症、高齢のため寛解をのぞめる骨髄移植はかな...
「日枝 久」を目にするのはひさびさだ。まだ生きていたんだという思いに、不快感情が一気におおいかぶさってきた。堀江貴文、日枝久、20年前のフジテレビ買収激闘。 因縁があった。ブログで堀江貴文氏を擁護、支援した。このブログの前に、抹消した前身ブログだ。 20070317日記には次のように記している。“カテゴリー「ライブドア疑獄」には、20のブログがおさめられている。 そのなかの「ホリエモンが殺された、ニート奴隷化...
長男はバツイチでチャンスはあったが生かせなかった。次男は友達は多いが、そのどこにも女っ気はない。後期高齢者に近づいていたが、じじになるチャンスは来なかった。 老人ジョークは決まっていた。半ば以上孫には恵まれないものと思っていた。そう、運命的なものと考えた。「息子がダメだから、俺が孫つくっちゃおうかな。」「それってお孫さんじゃないですよ」 長男は四十半ばを過ぎた。このまま老人は坦々とフェードアウト...
「ムラのなかにあるマチ」と言ったか、「マチのなかにあるムラ」と言ったか。その人は京都をそんな風に表現した。 はじめて京都にいったのが昭和四十七年、駅前の旅館案内所であっせんしてもらった旅館に泊まった。渡月橋を渡った先にあった。寒さにあたって風邪をひいた。赤十字病院にお世話になった。そこが三十三間堂の前だと気づいたのは、数十年たってからだった。 その時の心象から、軒を連ねた屋根屋根に降りそそぐ雪を描...
生活管理、大げさに捉えれば人生管理のための堅固なシステムを持っている。二十二の時から五十四年間、あれこれと使い方を進化させながら、システムを維持してきた。手帳「システム」だ。それでも年末にiPad mini7を手にした。手帳を捨てるか?とんでもない。培ってきた堅固なシステムを変えるつもりはない。間違いなく、これからも手帳は支障なく機能する、五十四年間機能してきたのだ。人生全般にかかわるアイディアをチャチャっ...
iPad mini7を前に「何でそんなことが分らないの?」疑問集
そんなことが分らなのが初心者というものです。自然使いしている人には摩訶不思議でならないと思います。でもね、初心者は初歩の初歩の、入り口でつまずくのですよ。老人があるかなきかの際どい段差につまづくように。 iPad mini7を手にして、最初におびえたのは果たして使いこなせるか、という不安です。 初歩の初歩、最初の一歩は前人未到の奥地に踏み込んむも同然ですから、一番難しい、と知ってほしいものです。 初心者の...
iPad mini7を手にしたが、まだ何も始まらない。 活用法をまずは見極めたいと自分に問いかけるが、外出そのものが激減しているのに、常に持ち歩く端末の必要性にはそもそも疑問があった。 なのに手を出したのは、老いの停滞感をなんとか解きほぐしたいと思うからだ。 27インチのiMacを書斎デスクの真ん中に据え、メインデジタルツールとしている。 CADが主力のアプリだったが、3ヶ月後に喜寿を迎える老人に仕事はない。 もっ...
超リアリストは、現実を眺めやって、しぶとく理論化を避ける。 例えば、「今年も不況」だと言いつのる。 こうして「不況だ」「不況」で三十余年が過ぎた。 率直に見れば、これは日本国の衰退を示しているに過ぎない。 もっとも典型的超リアリストは政治家だ。「103万円の壁」「手取りを増やす」 超リアリズムとは、現実の極断面を切り取り、拡大し、これが問題、課題だと錯覚を作り出す。 長期的課題を放棄し、短期問題解...
E.シュレーディンガー『生命とは何か』(岩波文庫)があちこちから見つかった。三冊あった。それ以前にも岩波新書版『生命とは何か―物理学者のみた生細胞』に読み耽った記憶がある。 シュレーディンガーの他の著書も読み継いではいるが、この本はなぜか繰り返し手にしている。新書版はおそらく学生の頃読んだと思う。六十年近く前だ。 折に触れて、『生命とは何か』が現れる。確かあるはずだが見つからないので、買う。早く読...
2025年の手帳を準備する。 愛用しているのは、高橋手帳No.413。・用紙サイズ 182x103mm・月間ページ/ブロック式 ・週間ページ/バーティカル式・十二月始まり 書斎のiMac、携行するスマホ、iPad miniも脇役、従属的な使い方だ。 手元でいつもひらくのは、高橋手帳No.413、これが情報統合の機軸である。 手帳を機軸とするには訳がある。 そのことを少し書いておきたい。 小手帳だから、書き込める情報面積は狭いものだ。...
暑夏はカントで過ぎた。『純粋理性批判』をようやく読み終えたのは八月末だ。それからも暑い日々はとどまることを知らなかった。夏が狂い、季節感がすっかり薄らいでしまった。批判の読了で締めを決めていた。書斎の本棚から小冊子のジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』一冊を残して、カント関連本をバックヤードに移した。 暑気がおさまらないまま、雑然読書タイムが過ぎていった。ブックオフで買い求めたリチャード・ドーキ...
インフレという円回転が大きくなる前に、利上げという逆回転をかける。 こんなイメージを中央銀行にもっている。 それがいつまで待っても手が打たれない。 むしろ逆回転の利上げを抑え込む、ストッパーが気に掛かる。 インフレはあくまで貨幣の現象だというのが専門家の言だ。 であれば最後は、貨幣当局である日銀がインフレを発現させないよう、通貨管理を行うしかない。 いつが適切であるが、私は分からないが、何重にも...
30代の男性の平均年収は453万円。 月額2万円、年で24万円手取りが増えたとしよう。 デフレ時代であれば、文句のつけようのない政策だ。 貨幣価値が安定し、その上で手取りが増える。 手取り24万円はそのまま実増収だ。 ワンダブル!!! しかし、今やインフレ時代だ。「異次元緩和」で抑え込まれた、ゼロ金利政策のツケが回ってきた。 低金利→円安→輸入物価上昇(例=石油を始めとしたエネルギー高騰等々)→国内インフレ。 ...
ふだんは寝室と書斎が一体になった部屋に閉じこもっている。 iMacを助手に読書の日課も、三日もつづくと飽きてくる。 気分転換とウォーキングをかねて、駅向こうにある行きつけの茶店へ向かう。 十分ほど歩くと、線路沿いの道へ出る。 裏道でしかも狭い通路だが、自転車と人しか通れない踏切に出るので、散歩には適している。 駅舎を囲んだ雑草地の脇道だ。 線路の残余に自生したこれらの雑草が気になる。 人がちゃんと手...
病院の待合室で、診察の待ち時間をこなすのが得意である。 診察時間は決められているが、決められた時間に診察されることはほぼないと思っていいだろう。 最低一時間は覚悟しないといけない。 三日連続で通院する週があるから、これをしのぐには無為な時間を読書タイムにしてしまうことだ。 これは一種スキルなんだと重宝に思うようになった。 漫然と待ち堪えているのを見るとむしろ感心する。 どんな環境にあっても、読書...
103、106、130万円と壁はつづくよ、一つで誤魔化さない
「手取りを増やそう」、これが国民民主党のキャッチでした。 十代から三十代の有権者が共感し、国民民主党を4倍増に押し上げました。 たしかに「103万円の壁」を一つだけ取り出してみれば、たいへん不合理で「矛盾」だらけです。 給与収入が年103万円を超えると、バイト代やパート代などに所得税が課税され、扶養を外されたり、所得税や住民税が増えたりします。 一つだけ取り出すのではなく、その上も見てみましょう。 その...
舞い上がった国民民主党、玉木党首の放言「ごった煮のような野党」
ごった煮のような野党とは、 立憲民主党[148議席]、日本維新の会[38議席]、れいわ新選組[9議席]、共産党[8議席]、参政党[3議席]、日本保守党[3議席]、社民党[1議席]を指しているようだ。 国民民主党[28議席]も野党の一員だから、「国民民主党もごった煮の具でしょう?」と混ぜっ返したくなる。 議席を一気に四倍に増やし、得意満面の玉木の口から飛び出たのは、自分の党は「ごった煮」とは違うという過信のな...
総選挙結果を一言で表せば、誰も(どの党も)権力を掌握できなかった、ということにつきます。 自民党は比較第一党[191議席]に過ぎませんから、どの党にも権力の座をつかむチャンスはあります。 権力を形成するには多数派を糾合すれば良いからです。 つまり国民はガラガラポン、誰も権力を掌握できない、いわば政治に仕切り直しを求めたといえます。 誰にも(どの党にも)任せられない。 これが国民の真情です。 どの党...
コロナ時代は終わっていない 死亡者97%高齢者 抗がん剤治療 世代分断
「高齢者だろう、おまけに持病があるだろう・・」「血圧?」「そうそう、高血圧」 抗がん剤治療中は口にできない不安を抱える。 三週間抗がん剤を服用し、二週間非服用期をサイクルを繰り返す。 三年10ヶ月、そうやって生き延びてきた。 十一月に40クールに入る。 三週間は危険期間だ。 白血球、好中球が抑制され、感染症に対する免疫力が著しくへる。 「コロナ時代」初期、故岡江久美子さんは尊い症例となって、我々に警...
石破がまたまたやらかした。 公認も非公認も同額二千万、裏金も表金もぐちゃぐちゃ、チャンポン。 最後まで裏金問題に終始した。 総選挙であるのに、政策にまでたどりつかなかった。 この国の政党政治は深刻である。 裏金選挙の断末場となるだろう。...
セ・リーグ覇者巨人は、覇者の決着を再度実施するという珍妙なルールによって、敗者となった。 かくてゾンビ(敗者)はよみがえった。 この珍妙なルールは総選挙にこそ生きてくる。 総選挙はプロ野球をしのぐゾンビ戦となりそうだ。 「自公過半数割れ」が精度の高いとされる朝日新聞の世論調査によって予測されている。 固い自民党支持層はそれでも踏ん張るのだろう。 焦点は、ゆるい自民党支持層で、さすがに呆れ果て投票...
「バブル」崩壊以前には、「バブル」という用語も、認識もなかった。 どういうことか。 全十九巻、講談社編集『昭和 二万日の全記録』は“一日きざみの日録”が載っているため、書棚の一角を占拠してしまうが、捨てられないでいる。 これで「バブル」を探してみても、どこにも出てこない。 崩壊の原因となった「バブル」は昭和時代の後期、“1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間に、日本で起こった資...
昭和48年(1973年)、有吉佐和子の『恍惚の人』がベストセラーを飾った。この年、老人(六十五歳以上の高齢者)は約760万人に達し、全人口の7%を占めた。 当時、25歳の若者であったブロガーは、「恍惚」をとり巻く家族の介護問題に考えはまったく及ばない。 はるか銀河系外の宇宙空間のように意識は稀薄だった。「だって、エクスタシーでしょ」 半世紀が過ぎた。 老人は3,625万人にふくれ上がり、高齢者...
今年の夏はクーラーの下ですごすのが安全なようです。平和と安全と涼しい環境の中で、ガザ・アウシュビッツ、米国大統領選を忘却します。パリ・オリンピックもありますし、大谷翔平の活躍も楽しみですから、老人には充分なミニ・バカンスになりそうです。8月を読書計画のピークにするのはまれでしたが、流れ上、全七分冊の中山元訳『純粋理性批判』完読に再再度取り組むことにしました。全七分冊の中山元訳『純粋理性批判』完読は...
「今日は体調が思わしくない」 で、この症状は加齢によるものか、抱えている病の症状か。 老と病とが渾然一体となって、分別できない。 とりわけ化学療法(抗がん剤治療)が長いので、さらに見分けがつかなくなった。 2021年手帳を見ると、新型コロナの流行下ようやくK大学病院に入院できたのは年明けの1月15日であった。 化学療法はこの日から始まった。 現在3週-2週サイクルを単位に数えると36クールになる。 化学療...
宝塚記念(GⅠ)が終わった。次のGⅠ(9月29日、スプリンターズ・ステークス)まで競馬はお休みだ〈個人休業〉。GⅠはかろうじてスポーツの推理を許すが、それ以下のレースはただ博打。毎年「生産」される競走馬は年間約7000頭、勝てない馬は生き残れない。殺処分相当となる。それでも乗馬、ホースセラピー、教育、観光等で3%程度は供用されるそうだが、他はペットフード原料だ。宝塚は428kgの小兵ブローザホーンが重馬場の京都競...
寺山修司に会ったのは一度きりだ。1968か、9年だと思う。中大自治会が講演によんだ。当時評判をよんだ『書を捨てよ、町に出よう』をめぐって催された。階段式の小講堂はまばらだったと思う。図書館にこもり司法試験のための「書」を虫のように咀嚼していた一部の学生を除き、書に食らいついていた学生がいただろうか。「書を捨てよ、町に出よう」とは如何にも挑発的なアジテーションであった。「質疑応答」⁉︎で僕は彼に食って...
岸田を引きずりおろして済むだろうか。過半数の掌握が権力を形成する。国家権力だ。自公では権力は掌握できない。維を取り込む。足らなければ国を抱き込む。これが最終シナリオになる。過半に向けゴキブリが群がる。ゴキブリも過半に群がれば権力になる。これを駆除するのは、一票、たった一票をどう行使するかだ。...
借りて金持ちになった。いっときだった。その時代は、バブルと命名されている。生島ヒロシさんが、十億ばかりの借金を返済するのに、できるだけ負担を軽くできるよう、せっせと繰上げ返済したと語っていた。返済は月五、六百万だったという。数億だったが、返済期間が違うためだろう、私もピークの返済額は月五百万、年間六千万、日割りにすると17万円だった。本業は行き詰まっていた。借金で増やした土地を売り返済を急ぎ、共済で...
子供のころ、銭湯には大人の身長大で大顔の重々しい体重計があった。 裸になり、それに乗るのが楽しみだった。 人の数倍の「大顔」には太い針があって、大きく左右に揺れて、やがてに止まる。 すなわちこれが体重だ。 体重計がデジタルになって、つまらなくなった。 ゆれて止まる動作が消えてしまったからだ。 デジタルはアナログの揺れを消し去った。 天秤(balance)を知っているだろうか。 一方に重り(分銅)を乗せ...
「ぶった斬ってやる、表へ出ろ」 総務局長室に日本刀が置いてあったかどうか、覚えていない。 後になって彼が著名な日本刀鑑定家であると聞かされた。 相手は一等級、こちらは四年目の六等級何号俸かのペイペイである。 どうして局長室で怒鳴られるハメになったか。 五十年も前の話である。 自治労の末端支部の執行委員、合理化対策部長だった。 電子計算課キーパンチャーの職業病(頸肩腕症候群)に対する労働環境改善闘...
六人目の容疑者が逮捕された。 事件は解決に向かっているように見える。 が、逮捕者が六人である、ここに宝島夫妻殺人事件の最大の特徴が現れている。 これは宝島夫妻殺人事件のブログ第三弾である。 推論に推論を重ね楽しんでいるのだから、信憑性は当てにならない。 殺人である、最も知られてはならない犯罪である。「秘匿(ひとく)」を持って旨とすべしである。 知られてはならないのだから、関係者が多いほど、モレが...
このブログは「宝島夫妻殺人事件」の追記である。 「宝島夫妻殺人事件」は特殊詐欺犯罪の応用事例である、という仮説に立って考察している。 犯罪は、以下の時系列をたどるものと信じられている。 とりわけ警察、刑法(構成要件)は時系列思考にがんじがらめだ。 すなわち、以下の解明によって、犯罪を暴くことが出来ると想定しているのである。 すなわち、動機→計画→準備→実行→始末である。 矢印は因果関係を表している。...
宝島夫婦殺人事件が特徴的なのは、特殊詐欺(オレオレ詐欺)特有の手法を殺人事件に適用している点です。 特殊詐欺は手口から10種類に分類されています。 けれど、その犯行手法はたった一つです。 犯罪を構成するパーツが分割・分業され、全ての過程が指示者によって一元管理されている点です。 それぞれのパーツを構成する人物たちは、犯罪のシナリオ(=全体像)を知らない。 パーツそれぞれの相互関係・人間関係・役割も...
わずかな段差がこわい。 つまずくのは決まって数センチの、あるかないかの段差だ。 骨がもろくなっているらしく、注意しないといけない。 それに、腰の痛みが続いていて、時として歩くことがつらくなる。 駅へ向かう道で、流れに付いていけないのでへこむが、これが常態となった。 同輩が歩いているが、いつの間にか並でいる。 まして置いていかれる感覚には馴染めなかった。「若者は加速度がある。」 そんな感覚にはなれ...
3月4日、大谷のホームランのように日経平均が四万円を超え、ぶっ飛んだのは驚きでした。1,989年大納会で付けた日経平均38,915円は、日本のピーク、それは歴史的な天井に思えていたからです。分厚い天井が撃ち抜かれました。見ている方の感触としては、するすると抜けていったように感じます。前後して、金、プラチナ、銀も爆上がりです。他方インバウンドで日本の行楽地が外国人で埋め尽くされ、大活況です。小田急一本...
4/9羽鳥慎一モーニングショーで「日本は被災自治体主導に限界」と題し、次のフリップが掲げられていた。「災害対策基本法で市区町村が避難所開設の主体となっているため全国1741市区町村で1741通りの避難所のあり方が存在している」以前から公的機関においてデジタル化が進まないのはなぜか、そんな疑問がくすぶっていた。避難所開設と、デジタル化に通底した問題が横たわっている。「全国1741市区町村で1741通り」がキーワードに...
欲が出る。もっと若くなりたい。もっと健康になりたい。そう現代人は普通に思う。しかしこれはある種「病気」だと指摘したい。「病気」という表現は筆者の過剰な解釈であるが、現代を読み解くキーワードでもある。その格好の事例として、「紅麹」健康被害事件の背景を考えてみたい。悪玉コレステロールが増え続けると動脈硬化や脳梗塞を引き起こすリスクが高まるから、下げたい。こうした欲求から、悪玉コレステロールを下げる、小...
駅にはホームドアもない貧相で危険な駅ですが、駅周辺には三つのタワーマンションが林立しています。グランタワー小田急相模原ル・ソレイユステーションスカイタワー小田急相模原リビオタワー小田急相模原レジデンスタワーマンションの建設に伴って目立って激変したのはカサや小さな子供を吹き飛ばすビル風で、それ以外にこの街にどんな変化が起きたのか。実ははっきりしません。この町に明らかな影響を与えているのは、背後に古く...
電車のシートに座り込んだ。 周りを見渡せば、六、七割の乗客がマスクをつけている。 左前方のシートは全員がつけている。 ノン・マスクで思わずバッグを探るが、あるはずもなかった。 もうすっかり卒業気分でいた。 たまの交通機関で世間相場を知らされる。 現状にむしろ衝撃であった。 コロナ時代を経て何かが変わった、ようだ。 マスク回避の三割にいる自分の不明を思い知らされた。 僕には、根拠なき現実肯定感が根...
かってアメリカは、テレビドラマのなかに広がっていた。『パパは何でも知っている』『奥さまは魔女』『ザ・ルーシー・ショー』『名犬リンチンチン』・・・。初めて実物のアメリカに出会ったのは、基地の街に引っ越して来た1962年(昭和37年)のことだ。五、六メートルはあるフェンスの網目を通して広々としたアメリカが眼前に広がっていた。空が抜けているし、芝生はどこまでも広がっていて、それは次の駅まで伸びていた。広さは59...
ひたすら考える。これがなかなか出来ない。自分の場合は、本に過度に依存する。実態は、自分の代わりに読書に考えてもらっている感じだ。考えると言いながら、終始外からの情報に頼る。自分以外は頼らず、外からの情報を突き放して、一人考える時間は極めて少ない。とりわけネットが最悪で、スマホはこれを24時間拡大した。情報を遮断しないと、自分で考えることにはできないと思うようになった。一瞬ごとに借り物の思考が自分の考...
2月27日以降、千葉県周辺では1800回を超える有感地震が連続して発生している。 だからといって、これからさらに何が起きるのか、予測することはできない。 多少疑心暗鬼になるのだが、それも地震「自身」のなりゆき次第だ。 広く聞かされてきたのは南海トラフ地震、首都直下型地震、富士山噴火等々だ。 しかしながら、こうして広く流布されてきた「科学的予測」に反し、直近三十年間において日本国・日本国民は「科学的...
晩年父はカブを乗り回していた。 イクラを入れた餌箱をぶら下げ、近くの相模川へ鮎釣りにでかけて行った。 ビクいっぱいになった鮎をご近所に配るのが、楽しみだった。 そんな父も若い頃はどうだ。 金網で囲った空間でシェパードを飼い、アルバムの中には、ハーレーダビットソンにまたがる父の革ジャン姿が残されてある。 3月で七十六、父の晩年に達する。 昨年白内障手術(水晶体再建術)以降、メガネのいらない生活を満...
端折りたいがはしょれない。 小銭を排除するため、キャッシュレスを徹底した。 PayPay、Suica、ソニーバンク・ウォレット、Oliveフレキシブルペイ・・・。 だが、徹底すればするほど、小銭の復讐にはきついものがある。 世のデジタル化はまだらで、時として連続して小銭が貯まる。 一息ついて、ポケットの隅に隠れている玉玉を指先が触れると、イラとする。 一円、五円、十円、五十円、百円、五百円、玉玉玉。 進化は一様...
起こったことは過剰に語られる。 だが、起こらなかったこともそれ以上に大事なことを語っている。 1月30日午後2時石川県の集計によると、今回珠洲市は初めて損傷の内訳を公表した。 全壊2092戸(45・8%)、半壊1036戸(22・7%)、一部破損1444戸(31・6%)だった。 電卓で、パーセンテージを集計し、全半壊は68.5%、被害を合計すれぱ100%である。 つまり、一棟として被害を免れなかっ...
赤ちゃんはストレスから自由だと思い込んでいた。 一昨年から二階に同居するようになった長男夫婦に女の子が生まれ、2月に一才となる。 初孫である。 七十代後半の老夫婦にとって孫を預かるのはうれしい、楽しい。 彼女はエネルギッシュだ。 好奇心が起動すると、動きが止まらない。 部屋から部屋へとハイハイで動き回る、エネルギーの塊だ。 で、そろそろ寝かせたいと思う 寝かしつけるために抱っこする。 だが腰が...
能登半島の付け根西部にあるかほく市の友人に連絡が取れなかった。やっと落ち着いたのか、あらましの連絡を受けたのは七日だった。 水道が止まり自身も風呂に不自由したが、何より携帯も通じない次男家族の行方が心配だった。居ても立ってもいられず、輪島市の避難所に向かった。 家族は全員無事だったが、避難所の様子は過酷なものでほって置けない。さいわい、家の被害は少なかったので、次男家族を老夫婦の家に引き取った。...
「なにしとるんや! 火事場泥棒!」 石川県輪島市の店舗から出てきた自称大学生が窃盗と住居侵入の疑いで現行犯逮捕された。 盗まれたのはミカン6個である。 6個3000円の高級蜜柑だそうで、一個当たり500円になる。 取り押さえた近所の男性は「被災してみんなが寄り添って暮らしている時に物をとるなんておかしいんじゃないか。本当に許せない」と憤ったそうだ。 弱みにつけこむ悪質で卑劣な犯行だから、「災害時窃盗罪」を...
二十六年前だ。 息子二人を連れ北京、洛陽、西安へ旅した。 一月二日、天壇公園を訪れる人はいない。 我々一行だけが取り残されたように、だだっ広い吹きっさらしのなか震え上がった。 今でも鮮明なのは厳冬の体感と、人民服を着込んだ自転車であふれていた北京市内である。 車窓からは人家も見えず、平原が続き、平原のここかしこに饅頭をふせたような土盛が数々現れた。 それが北京から洛陽へ向かう列車だったか、洛陽...
読み返すことで、記憶の底に沈んでいた「歴史に対する知識」がよみがえった。 マックス・I・ディモント『ユダヤ人 神と歴史のはざまで』(朝日選書、1984年初版)だ。「ここでは、死人の歯から収集された金が17トン」、安価な石鹸をつくるのに「人間の脂肪12ポンド・・二時間から三時間煮立てそれから冷ます」P.198 1000人に達するといわれる男子児童が一人の男に凌辱された。 13、14歳の児童の肉体を犯し、心を殺した。...
エントロピーが効いて、二、三日で狭い書斎は雑然とする。 一週間もすると、手がつけられない。 デスクトップはフォルダが使えるので、整理は行き届いているが、机上はそうはいかない。 物理的空間は煩雑だ。 インデックス一つではまとまらない。 で、仕方なく物理空間の片付けに入る。 この片付けが思わぬ効果を表す。 書庫と書斎の書棚の本を入れ替える、のである。 一部は入れ替えるも、もっぱら書棚の本を減らし、...
芸能マスコミはさすが口をつぐんた。 一言もらせば、犯罪加担者であることがボロボロと露呈するから。 その親玉であるテレビ局も知らんぷりを決め込んでいる。 犯罪を問題と繰返し言ってのける、恥知らず。 1964年6月29日に創業されたジャニーズ事務所。 それから五十数年、犯罪の被害者は千人を超えると「報道」されている。 なのにマスコミは何一つ知らなかった、そうだ。 誰もが知っていた、ゆえに誰も知らなかった。...
歳をとれば、コンビニへで向くことも、街の医院に通うことも、貴重な歩く機会です。 家の閉鎖空間でウロウロしていては、歩く機会を失います。 体力を失うばかりです。 今日は歯科です。 四十三年前に設計した医院ですが、いまは二代目が後を継いでいます。 医院は住宅街を挟んで、大型団地の前に立っています。 住宅地には縦横に道が走り、入り組んでいますから、数通り以上の行く順が考えられます。 それでも通ううちに...
最後のページに1992年4月12日とありますから、31年前にはじめて読んでいます。その後繰り返し手にとっているのが、加藤周一対談集『日本文化のかくれた形』です。 そのなかでも丸山真男『原型・古層・執拗低音ー日本思想史方法論についての私の歩み』です。 丸山は言います。今度の敗戦で「第三の開国」という時代が来た、つまり全面開国である、と。 ところで、「第三の開国」を思想史的問題として扱おうとすると、...
今はほとんど使っていない事務所の書庫に行って、段ボールの中をのぞき込む。 いちおうジャンル、テーマ分けはしているが、大小とり混ぜた本がざったに詰まっている。 タイトルを見るためにダンボール内部でひっくり返すだけだから、乱雑になることはない。 松本哉『永井荷風ひとり暮らし』と、渋澤幸子『だから、イスタンブールはおもしろい』を引っ張り出す。 かといって、全編を読み返すわけではない。 どんな豪華本でも...
それは東京大空襲で壊滅した東京市内と驚くほど相似していた。 第二次世界大戦末期にアメリカ軍は、紙(木造)でできた日本家屋を焼き尽くすには、焼夷弾が有効だとして、無差別爆撃を行った。 爆撃被災者は約310万人、死者は11万5千人以上、負傷者は15万人以上、損害家屋は約85万戸以上の件数となった。 マウイ島の被害実態はまだ不明である。...
「歳取ったら都会にかぎる。」 友人いわく、「しかしね、都会の中の田舎は本当の田舎よりイヤだね。」 そんなことを書いたのは十一年前のことだ。 で、何か変わったか。 東京の下町から引越し60年を超えたが、この街の「構造」について把握できたのはごく最近のことだ。 商店街は駅から一直線、1000mほどある。 その最奥に、旧陸軍病院、現国立病院がある。 和菓子屋と花屋が多かったのはそうした理由からだろう。 途切れ...
ハナミズキの植った庭の地底から、数年の歳月をかけ地上へ飛び立った。 地上への通路は青みがかった緑のトクサの茎。 セミのぬけ殻は透明感のある薄茶で、エイリアン・ボディが瞬間写真のように残った。 一、二週間の地上世界で、恋をし、セックスし、産卵する。 地上は天国、極楽。 セミに今はあっても、あの世の妄想はないのだろう。 だだ地上現世をミンミンと称える。 生まれた時から地上で生きる人は、毎日が極楽、天...
バイデン政権がウクライナへ供与したクラスター爆弾を、ウクライナ軍が使用を始めたと明らかにしました。 アメリカ政府高官によると、「適切に使っている」そうです。 ロシアもウクライナも、供与したアメリカもクラスター爆弾禁止条約に加盟していません。 法秩序(国際法)においては合法です。 核使用はどうでしょう。 クラスター爆弾と同等、法秩序(国際法)においては合法です。 日本国も加盟国111ヵ国(2023年3月1...
昨日、3月に予約していた第一回目の白内障手術を受けました。 術後の左眼を守るため、ゴーグルを装着したまま一晩過ごしました。 今朝、シャッターを開け、外光に左眼をさらします。「左眼」はブルーに発色した透明の水槽に変わっていました。 左眼を通して見える庭がブルーに輝いているのです。 反対に、来週手術を残している「右眼」の状態に気付かされます。 泥でにごった水槽を通して、向こう側を見るようです。 来週...
「自分は大丈夫か?」マイナンバーカードが追い込んだ岸田自民党凋落
岸田首相は解散総選挙で勝負に出ることはかなわなかった。 六月第一週に実施した、自民党の情勢調査で「自民42議席減で単独過半数割れ」の結果が突きつけられたからだ。 その流れはさらに深刻になっている。 先週実施された読売・日テレ、さらに日経新聞・テレビ東京の全国世論調査によっても、岸田政権の支持率低下に歯止めがかかってない。 むしろ「消えた年金」で信を失った自民党が下野した、2009年8月の第45回衆議院議...
健康保険証のマイナンバーカード一元化は「消えた年金」悪夢再現
健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一元化する。新システムに乗り換える。 日本の官僚組織がもっとも不得意とするところだ。 紙の年金制度をコンピュータへ移すだけのはずが、16年前の2007年、「消えた年金記録問題」を引き起こしている。「消えた記録」から何を学んだか。 年金システムの推移は概略こうだ。昭和17年(1942年)紙台帳に記録昭和32年(1957年)パンチカードシステムによる記録の機械化昭和37年(1962年...
5月8日、新型コロナ感染症が「5類移行」し、マスクはゆっくりではあるが、外す人が増えているようだ。 それでも電車やバス車内、病院待合室などでは相変わらず、「厳密」にマスクが守られている。 コロナに対する警戒感は敏感に感じられる。 自治体から6回目接種クーポン券が届いた。 65歳以上で、まして基礎疾患を抱えている。 が、気分はもうそろそろ打たなくてもいいかなと自己判断が先行した。 医師は一言だ。「...
“総理が執務をする「官邸」に対して、総理の日常生活を行う住まいを「公邸」と呼んでいます。” 首相官邸ホームページは上記のとおり首相官邸を明確に紹介(定義)している。 一方は「官」であり、他方は「公」である。 首相官邸に「私」は存在しないのである、 したがって、「公邸」は総理の日常生活を行う住まいと定義され、極めて限定した「プライベート」しか認めていない。 自称ジャーナリスト、実態自民党スポークスマン...
東京競馬場最後の直線(525.9m)の手前、4コーナーでダービー馬となったタスティエーラは5番手を進んでいた。その真後ろに2着となったソールオリエンス、3着のハーツコンチェルがつづいた。 優勝タイムは2分25秒2、4コーナーの仕掛けの順ばんそのままにゴールへと流れ込んだ。 三頭の直後につけていたのがスキルヴィングだった。 ゴール手前、ルメールが愛馬を抑えたように見える。2分30秒3、走り切ったスキルヴィングは一瞬...
サミットは選挙のたびに政治利用されてきた。 大平内閣、中曽根内閣、宮沢内閣、森内閣、福田内閣、安倍内閣と綿々と歴史は紡がれていく。 その度に、国民の心情にキャッチするフレーズでたらし込んできた。 自民党のサミット政治利用は巧みであるかもしれないが、何度も同じようなギジ針で吊り上げられる国民もどうしたものか。「ヒロシマのインパクトに勝てる野党。まして首をたれない国民などどこにもいない」と自民党有力...
ロシアの「核威嚇は危険で受け入れられない」とG7、かっての植民地支配国はもっともらしく、言い放った。 英国、米国、仏国は核のボタンに手をかけたまま、中ロに対する非難と恫喝のサミットを演じたのである。 彼らは今もグローバルを左右するが、しかしもはや絶対的支配者ではない。 G7主要国は、他国の侵略と植民地化、他国民奴隷化と搾取・収奪によって、「西欧」文明を築いた。 日本は、最後尾から台湾、朝鮮、中国、東...
コロナは外に出ることを禁じた。多くの人が買い物に行ったり、旅行をしたり、お金を使うことをひかえた。それはあたかも楽しいことが「悪」になったかのようだった。 使わないのだから、コロナ禍で家計の貯蓄は積み上がった。2020年4月~2022年6月にかけて、趨勢を上回った貯蓄金額は累計70.3兆円になると試算されている。 家計が保有する金融資産残高は2000兆円を超え、さらに積み上がったのである。 原田喜美枝・中央大...
京都へ出かけたのは、『親鸞聖人生誕850年特別展』と『真宗と聖徳太子展』が目的だった。連休と葵祭の狭間でさほど混雑することもないだろうと楽観的なプランを立てていた。 人群れにうんざりした。疲れ切って、寺町通りと錦市場商店街が交差する角のファーストキッチンで休んでいた。 すると、錦天満宮の鳥居を写す外人がしっきりなしに、現れては消え、また現れては鳥居を証拠にもなく撮っていく。 それを小一時間も観察し...
6日の英国王チャールズ3世の戴冠式がにぎにぎしく報道されている。 が、全世界の陸地と人口の4分の1を植民地化し、奴隷によって富を築いた大英帝国(British Empire)の原罪に触れる報道は皆無であった。 むしろ対照的であったのは、アヘン戦争によって植民地化した香港が返還?(解放)された以降、非難が集中したのは母国中国の方であった。 同じことが起こる。 9日、対ナチスドイツ戦勝記念日は、ロシアのウクライナ侵略の非難...
日経(5/3朝刊)がめずらしく政権批判の記事を掲載した。編集委員大林尚の記名記事「出生率1.13、国のデザインは低位推計で 希望的観測排せ」だ。「長期的な出生率が1.13にまで下落すると想定する低位推計を前提に、これからの日本のあり方を構想するのが理にかなっていよう。年金や医療・高齢者介護など社会保障はもちろん、国と自治体の財政・税制、橋・道路・トンネルなどインフラの新設や修復のあり方、大都市圏と地方圏と...
何かを話そうとしているのだが、ニヶ月を過ぎたばかりの赤ちゃんが話せるはずもない。イメージも、意志も、表現力もまだも持ち合わせていないのだろう。発音ができず、舌を出すがそこまでだ。かろうじて「あっ、あっ、あっ」というような音が発せられる。 何かを伝えようとしている、表現しようとしている。そう感じるのは、全くの孫バカ故と決めつけるわけにはいかない。 全てを学んでいくのだろう。学習し、身につけていくの...
3者連続本塁打で勝利した大谷エンゼルスを観た後、それ以上の満足感がないことを知りながら、チャンネルを回遊した。そのうちBSの科学ドキュメントに迷い込んでいた。 138億年前ビックバンが「発生」し宇宙が誕生した。そもそもなぜ「発生」したのか分からないが、その8億年後に銀河系が誕生し、太陽系が誕生したのが45.6億年前だと解説される。 銀河系と他の「銀河系」が接触した時期に、新星が数多く誕生した事実が明らかに...
七十五になって孫ができた。子育ての記憶も消え去り、あやす手法はおぼつかない。 二階に同居する長男夫婦からお守りを頼まれる。 まんざらでもないのだが、時に泣きわめく。抱っこすればスーと治るのだが。 腰、背中がすぐに参ってしまうじじは、孫との駆け引きでその場を逃れようとした。 首に右手を回し、腰に左手を差し込む。泣き止むのを見とどけ、さっと手を引く。 その時だった。彼女は顔を右にそむけた。覗き込むと...
値上がりしたものは一瞬なりとも買うのをためらう。気にとめず買ってから高いなと感じ、後悔することもある。 どれもこれも値上がってしまった感じがあるが、実入は増えていないだから、今まで通りではつじつまは合わない。 いっせいに来たなという実感だった。 それで値上がりを便乗した企業はどうなのか。 素人目に見ても、値上がりしたら買い控えるから、値上がりした以上に打撃が生じるのではないか、と考える。売り上げ...
吉川英治『親鸞』は楽しいとも面白いとも感じなかった。丹羽文雄『親鸞』を読み始めたが、平安から鎌倉の歴史や仏教思想史の講義を聞いてる学生の気分だ。 五郎七が松若麿(親鸞の幼名)に話しかける場面がある。「和子が、この家にいるあいだ、すきなように時間をすごしてよいのです」「かずこ」ではない。「わこ」と読む。「かずこ」と誤読して、秋田の義母を連想した。一昨年の事、コロナで法要が一切できない時期だった。 ...
薄紅色のアメリカハナミズキが二階の軒先をこえ、風にあおられ蝶のように舞っている。その周囲を黄色のモッコウバラの群生が固めている。 華やかな春が終わろうとしていた。 その足元で隠れるように、もみじの青い若葉があずき色の小花をつけていた。...
「日刊ゲンダイ」が180円に値上がりした。 サラリーマン時代の駅売りは40円で、今もコンピ二で買い求めている。 サラリーマンをやめたのが1980年3月だから、40年以上の愛読者だ。 当時と比べれば4.5倍になった訳だが、今回「ドキッ」としたのはなぜだろう。 値上がりを意識するのは、比較が働くからだ。 一種の定点観察で、夕刊紙以外に継続的に買っているものがない。 主婦と違って値上げに日々直面しているわけではないか...
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「今が一番幸せだ」と言った。 息子は娘を、私は75の誕生日をむかえ初孫をさずかった。 団塊世代の私は運良く人生を送り、75年間に不満は感じていない。 恵まれていた。 強いて「今」ということはなかったように思う。 46になった息子のナイーブな感性は、氷河期世代の不運と重なっている。「今が一番幸せだ」 それを聞き、私が彼と同じ言葉を胸の内に抱いたのを彼は知らない。...
脳の重量は体重の2%に過ぎないが、基礎的消費カロリーの20〜25%を占める。 同原理は、現代人の脳が肉体の外側に、いわば外部「脳」をインフラストラクチャーとして構築し、電気エネルギーを飽食する実態に貫かれている。 外部「脳」に関わる比率。これらの統計ははっきりしないが、全エネルギーに占める割合は日々刻々増大している。 スマホ・インターネット・クラウド・・・だけではない。家電、エンジン自動車・EV、戸建・...
WBC強化試合前、大谷のバッティング練習を見た。高さばかりを追う、スタンドに打ち込まれるボールの。 空を飛ばないボールは、それでも正方形に並べられたベースの間を抜けていく。それを野手が拾い上げていく。 大谷の「凡打」によって転々とするボールを眺めていると、ベースボールは平面上90度の空間ゲームなんだと、今さらながら気づかされる。 人の視野は両眼で約120ほどらしいが、左右の視野の重なりは90度に満...
いつからか走れなくなった。 走る、走っているというイメージや思いはある。が、走れない。 肉体の変化に直面し、老を完膚なきまでに納得させられる。 老人と自分はイコールではなかった時代があった。 ソウルを舞台にした韓国ドラマに、公園でジョギングする姿が映る。「あそこで走ったら気持ちいいだろうな」...
初孫と対面した。彼女は0歳3日。私は74歳350日。 彼女の記憶に残るまで生きてはいないだろう。 抗がん剤治療は3年目に入る。完治という目標は立たない。増殖を抑え、できるたけ普通の生活ができるように治療を続けている。 孫娘の一字をとって、「音」ちゃんと呼ぼう。秘密の行為である。彼女がその「音」を記憶していれば。それは私の確たる記憶ということになる。...
土曜の朝8時過ぎに駅前の「松屋」に入った。 朝食420円。ご飯中盛りでわかめと油揚げの味噌汁、卵焼きとウインナーにキャベツ千切り、味海苔と白菜の漬物がついていた。 100番が呼ばれ食事、終わる頃には108番が呼ばれた。混んでいるとは思えなかったが、途切れなく客が来ていた。「420円はデフレでしょう」 デフレのとどこが悪い。この安定感と安心感は居心地が良い。...
食洗機は手洗いよりも水道代の節約になると聞き、思い出したことがある。 母が亡くなって七年になるが、今更ながら母に関しての新しい発見に出会い、戸惑った。 母は父が亡くなってからも階下の隠居所で一人暮らしを満喫していた。ミノさんの番組で仕入れた新しい知識から、食材や調理法を学び、毎食欠かさず実践するような人であった。 31年前建て替えた住まい、そのキッチンに設置したが、母は一度も使っていなかった。 隠...
六ヶ月間、脳梗塞のリハビリによって、母は車椅子に座れる状態にまで回復した。左半身は麻痺したままであったが、車椅子で崩れることなく、体を保てるようになった。 退院前に、担当医から介護老人ホームをすすめられた。「自宅で看る?一週間で家庭崩壊しますよ」 二十四時間完全介護のホームを段取った。直後妹たち夫婦が直談判に来た。「家でみてください。」 誰が看るのか?嫁さんだ。同性に容赦ない。 一年にわたるバトル...
戦後日本は国防費をGDP比5%から1%に減らし、高度成長=生活向上を実現した。 自民党・岸田政権は(いつの間にか)国防費GDP比1%から2%に舵を切った。 財務省は1月、2021年度末時点の国の貸借対照表を公表し、負債が資産を上回る「債務超過」が687兆円に達したと公表した。これからも財源は借金=付けだ。 賃金は上がらない。インフレが進み実質賃金はさらに悪化する。 自民党・岸田政権は生活を切り捨て、戦争準備へベクトルを...
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主治医のH医師にお酒のことを聞いたことがある。「二時間」と、単語だけいった。 抗がん剤を三週間服用し、二週間休む。 3週間ー2週間サイクルの抗がん剤治療だ。 抗がん剤治療期間であっも、夕食後薬を服用し、二時間経過すればお酒を飲んでもよろしい。 それが「二時間」だ。 K大学病院のがん診療センターで、外来のがん化学療法をはじめて五年目。 五、六十床並列された治療用ベットにある患者がどんなガンであるか...
「ジジ、バナナおいしかった?」 明らかに彼女は問いかけていた。おうむ返しではなかった。 旭ヶ丘東公園で、土管のトンネルをくぐり、ブランコにゆれ、高めの滑り台を楽しんだ孫のひなと、帰宅してやや大きめのバナナを半分ずつ分け合った。 その後10分ほど私の書斎で遊んでいたその時だった。 繰り返しではない。彼女が私に問いかけたのである。今月24日に二歳をむかえる孫のとうとつな質問に面食らいながらも、孫バカジジの...
ジャニー喜多川も中居も気持ち悪いが、それが報道されるなかで一貫して絶対的沈黙を保ち、悠然として「自己愛の対象」を一途に守り続けるジャニーズファンが一番気持ちが悪い。 嵐、Snow Man、King & Prince、なにわ男子・・・の合計であるスタートエンターテイメント[旧ジャニーズグループ]の会員数は、1月25日現在14,587,100人に達したと言われている。 五百とも千人とも言われるジャニー喜多川の被害者は彼女...
新卒の値打ちって何だろう。 新人を育成して戦力とする。そのためのドラフトと変わらない。 採用し、打てるようになるまで、投げられるようになるまで育成する。 そもそも手垢がついてない素材性に価値があった。企業の方でも長期的見通しが効いた時代背景があった。新卒の需要はその魅力とともに続いてきた。 その新卒にいくら払うか。 私が大学に入学した昭和42年頃(1967年)、中大(法学部)の年間授業料は6万円だっ...
1970年(昭和45年)就職、それから10年足らずのサラリーマン生活で、愛読したのは日刊ゲンダイでした。当時は駅売りタブロイド紙はオレンジの夕刊フジだけでしたが、購入したという記憶はありません。 日刊ゲンダイの方は脱サラ後も駅まで買いに行き、あるいはコンビニで買い求め、今でも毎日購読しています。1975年(昭和50年)10月27日創刊とありますから、かれこれ五十年近い愛読者です。夕刊フジはフジサンケイグループの...
森永さんがすい臓がんのステージ4を公表したのは、2023年末であった。ガン死の呪縛の中で「威風堂々」と生き抜いたと思う。「威風堂々」は権威主義的で馴染まないとは思ったが、彼の魂を率直に感じるならばそれ以外に表現できない。彼は思う存分裸の自分を貫いた。 以来彼の動向は常に気に留めてきた。ガンにおいて彼は後輩であるが、多くを教わった。 2020年末に多発性骨髄腫を発症、高齢のため寛解をのぞめる骨髄移植はかな...
「日枝 久」を目にするのはひさびさだ。まだ生きていたんだという思いに、不快感情が一気におおいかぶさってきた。堀江貴文、日枝久、20年前のフジテレビ買収激闘。 因縁があった。ブログで堀江貴文氏を擁護、支援した。このブログの前に、抹消した前身ブログだ。 20070317日記には次のように記している。“カテゴリー「ライブドア疑獄」には、20のブログがおさめられている。 そのなかの「ホリエモンが殺された、ニート奴隷化...
長男はバツイチでチャンスはあったが生かせなかった。次男は友達は多いが、そのどこにも女っ気はない。後期高齢者に近づいていたが、じじになるチャンスは来なかった。 老人ジョークは決まっていた。半ば以上孫には恵まれないものと思っていた。そう、運命的なものと考えた。「息子がダメだから、俺が孫つくっちゃおうかな。」「それってお孫さんじゃないですよ」 長男は四十半ばを過ぎた。このまま老人は坦々とフェードアウト...
「ムラのなかにあるマチ」と言ったか、「マチのなかにあるムラ」と言ったか。その人は京都をそんな風に表現した。 はじめて京都にいったのが昭和四十七年、駅前の旅館案内所であっせんしてもらった旅館に泊まった。渡月橋を渡った先にあった。寒さにあたって風邪をひいた。赤十字病院にお世話になった。そこが三十三間堂の前だと気づいたのは、数十年たってからだった。 その時の心象から、軒を連ねた屋根屋根に降りそそぐ雪を描...
生活管理、大げさに捉えれば人生管理のための堅固なシステムを持っている。二十二の時から五十四年間、あれこれと使い方を進化させながら、システムを維持してきた。手帳「システム」だ。それでも年末にiPad mini7を手にした。手帳を捨てるか?とんでもない。培ってきた堅固なシステムを変えるつもりはない。間違いなく、これからも手帳は支障なく機能する、五十四年間機能してきたのだ。人生全般にかかわるアイディアをチャチャっ...
そんなことが分らなのが初心者というものです。自然使いしている人には摩訶不思議でならないと思います。でもね、初心者は初歩の初歩の、入り口でつまずくのですよ。老人があるかなきかの際どい段差につまづくように。 iPad mini7を手にして、最初におびえたのは果たして使いこなせるか、という不安です。 初歩の初歩、最初の一歩は前人未到の奥地に踏み込んむも同然ですから、一番難しい、と知ってほしいものです。 初心者の...
iPad mini7を手にしたが、まだ何も始まらない。 活用法をまずは見極めたいと自分に問いかけるが、外出そのものが激減しているのに、常に持ち歩く端末の必要性にはそもそも疑問があった。 なのに手を出したのは、老いの停滞感をなんとか解きほぐしたいと思うからだ。 27インチのiMacを書斎デスクの真ん中に据え、メインデジタルツールとしている。 CADが主力のアプリだったが、3ヶ月後に喜寿を迎える老人に仕事はない。 もっ...
超リアリストは、現実を眺めやって、しぶとく理論化を避ける。 例えば、「今年も不況」だと言いつのる。 こうして「不況だ」「不況」で三十余年が過ぎた。 率直に見れば、これは日本国の衰退を示しているに過ぎない。 もっとも典型的超リアリストは政治家だ。「103万円の壁」「手取りを増やす」 超リアリズムとは、現実の極断面を切り取り、拡大し、これが問題、課題だと錯覚を作り出す。 長期的課題を放棄し、短期問題解...
E.シュレーディンガー『生命とは何か』(岩波文庫)があちこちから見つかった。三冊あった。それ以前にも岩波新書版『生命とは何か―物理学者のみた生細胞』に読み耽った記憶がある。 シュレーディンガーの他の著書も読み継いではいるが、この本はなぜか繰り返し手にしている。新書版はおそらく学生の頃読んだと思う。六十年近く前だ。 折に触れて、『生命とは何か』が現れる。確かあるはずだが見つからないので、買う。早く読...
2025年の手帳を準備する。 愛用しているのは、高橋手帳No.413。・用紙サイズ 182x103mm・月間ページ/ブロック式 ・週間ページ/バーティカル式・十二月始まり 書斎のiMac、携行するスマホ、iPad miniも脇役、従属的な使い方だ。 手元でいつもひらくのは、高橋手帳No.413、これが情報統合の機軸である。 手帳を機軸とするには訳がある。 そのことを少し書いておきたい。 小手帳だから、書き込める情報面積は狭いものだ。...
暑夏はカントで過ぎた。『純粋理性批判』をようやく読み終えたのは八月末だ。それからも暑い日々はとどまることを知らなかった。夏が狂い、季節感がすっかり薄らいでしまった。批判の読了で締めを決めていた。書斎の本棚から小冊子のジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』一冊を残して、カント関連本をバックヤードに移した。 暑気がおさまらないまま、雑然読書タイムが過ぎていった。ブックオフで買い求めたリチャード・ドーキ...
インフレという円回転が大きくなる前に、利上げという逆回転をかける。 こんなイメージを中央銀行にもっている。 それがいつまで待っても手が打たれない。 むしろ逆回転の利上げを抑え込む、ストッパーが気に掛かる。 インフレはあくまで貨幣の現象だというのが専門家の言だ。 であれば最後は、貨幣当局である日銀がインフレを発現させないよう、通貨管理を行うしかない。 いつが適切であるが、私は分からないが、何重にも...
30代の男性の平均年収は453万円。 月額2万円、年で24万円手取りが増えたとしよう。 デフレ時代であれば、文句のつけようのない政策だ。 貨幣価値が安定し、その上で手取りが増える。 手取り24万円はそのまま実増収だ。 ワンダブル!!! しかし、今やインフレ時代だ。「異次元緩和」で抑え込まれた、ゼロ金利政策のツケが回ってきた。 低金利→円安→輸入物価上昇(例=石油を始めとしたエネルギー高騰等々)→国内インフレ。 ...
ふだんは寝室と書斎が一体になった部屋に閉じこもっている。 iMacを助手に読書の日課も、三日もつづくと飽きてくる。 気分転換とウォーキングをかねて、駅向こうにある行きつけの茶店へ向かう。 十分ほど歩くと、線路沿いの道へ出る。 裏道でしかも狭い通路だが、自転車と人しか通れない踏切に出るので、散歩には適している。 駅舎を囲んだ雑草地の脇道だ。 線路の残余に自生したこれらの雑草が気になる。 人がちゃんと手...
病院の待合室で、診察の待ち時間をこなすのが得意である。 診察時間は決められているが、決められた時間に診察されることはほぼないと思っていいだろう。 最低一時間は覚悟しないといけない。 三日連続で通院する週があるから、これをしのぐには無為な時間を読書タイムにしてしまうことだ。 これは一種スキルなんだと重宝に思うようになった。 漫然と待ち堪えているのを見るとむしろ感心する。 どんな環境にあっても、読書...
晩年父はカブを乗り回していた。 イクラを入れた餌箱をぶら下げ、近くの相模川へ鮎釣りにでかけて行った。 ビクいっぱいになった鮎をご近所に配るのが、楽しみだった。 そんな父も若い頃はどうだ。 金網で囲った空間でシェパードを飼い、アルバムの中には、ハーレーダビットソンにまたがる父の革ジャン姿が残されてある。 3月で七十六、父の晩年に達する。 昨年白内障手術(水晶体再建術)以降、メガネのいらない生活を満...
端折りたいがはしょれない。 小銭を排除するため、キャッシュレスを徹底した。 PayPay、Suica、ソニーバンク・ウォレット、Oliveフレキシブルペイ・・・。 だが、徹底すればするほど、小銭の復讐にはきついものがある。 世のデジタル化はまだらで、時として連続して小銭が貯まる。 一息ついて、ポケットの隅に隠れている玉玉を指先が触れると、イラとする。 一円、五円、十円、五十円、百円、五百円、玉玉玉。 進化は一様...
起こったことは過剰に語られる。 だが、起こらなかったこともそれ以上に大事なことを語っている。 1月30日午後2時石川県の集計によると、今回珠洲市は初めて損傷の内訳を公表した。 全壊2092戸(45・8%)、半壊1036戸(22・7%)、一部破損1444戸(31・6%)だった。 電卓で、パーセンテージを集計し、全半壊は68.5%、被害を合計すれぱ100%である。 つまり、一棟として被害を免れなかっ...
赤ちゃんはストレスから自由だと思い込んでいた。 一昨年から二階に同居するようになった長男夫婦に女の子が生まれ、2月に一才となる。 初孫である。 七十代後半の老夫婦にとって孫を預かるのはうれしい、楽しい。 彼女はエネルギッシュだ。 好奇心が起動すると、動きが止まらない。 部屋から部屋へとハイハイで動き回る、エネルギーの塊だ。 で、そろそろ寝かせたいと思う 寝かしつけるために抱っこする。 だが腰が...
能登半島の付け根西部にあるかほく市の友人に連絡が取れなかった。やっと落ち着いたのか、あらましの連絡を受けたのは七日だった。 水道が止まり自身も風呂に不自由したが、何より携帯も通じない次男家族の行方が心配だった。居ても立ってもいられず、輪島市の避難所に向かった。 家族は全員無事だったが、避難所の様子は過酷なものでほって置けない。さいわい、家の被害は少なかったので、次男家族を老夫婦の家に引き取った。...
「なにしとるんや! 火事場泥棒!」 石川県輪島市の店舗から出てきた自称大学生が窃盗と住居侵入の疑いで現行犯逮捕された。 盗まれたのはミカン6個である。 6個3000円の高級蜜柑だそうで、一個当たり500円になる。 取り押さえた近所の男性は「被災してみんなが寄り添って暮らしている時に物をとるなんておかしいんじゃないか。本当に許せない」と憤ったそうだ。 弱みにつけこむ悪質で卑劣な犯行だから、「災害時窃盗罪」を...
二十六年前だ。 息子二人を連れ北京、洛陽、西安へ旅した。 一月二日、天壇公園を訪れる人はいない。 我々一行だけが取り残されたように、だだっ広い吹きっさらしのなか震え上がった。 今でも鮮明なのは厳冬の体感と、人民服を着込んだ自転車であふれていた北京市内である。 車窓からは人家も見えず、平原が続き、平原のここかしこに饅頭をふせたような土盛が数々現れた。 それが北京から洛陽へ向かう列車だったか、洛陽...
読み返すことで、記憶の底に沈んでいた「歴史に対する知識」がよみがえった。 マックス・I・ディモント『ユダヤ人 神と歴史のはざまで』(朝日選書、1984年初版)だ。「ここでは、死人の歯から収集された金が17トン」、安価な石鹸をつくるのに「人間の脂肪12ポンド・・二時間から三時間煮立てそれから冷ます」P.198 1000人に達するといわれる男子児童が一人の男に凌辱された。 13、14歳の児童の肉体を犯し、心を殺した。...
エントロピーが効いて、二、三日で狭い書斎は雑然とする。 一週間もすると、手がつけられない。 デスクトップはフォルダが使えるので、整理は行き届いているが、机上はそうはいかない。 物理的空間は煩雑だ。 インデックス一つではまとまらない。 で、仕方なく物理空間の片付けに入る。 この片付けが思わぬ効果を表す。 書庫と書斎の書棚の本を入れ替える、のである。 一部は入れ替えるも、もっぱら書棚の本を減らし、...
芸能マスコミはさすが口をつぐんた。 一言もらせば、犯罪加担者であることがボロボロと露呈するから。 その親玉であるテレビ局も知らんぷりを決め込んでいる。 犯罪を問題と繰返し言ってのける、恥知らず。 1964年6月29日に創業されたジャニーズ事務所。 それから五十数年、犯罪の被害者は千人を超えると「報道」されている。 なのにマスコミは何一つ知らなかった、そうだ。 誰もが知っていた、ゆえに誰も知らなかった。...
歳をとれば、コンビニへで向くことも、街の医院に通うことも、貴重な歩く機会です。 家の閉鎖空間でウロウロしていては、歩く機会を失います。 体力を失うばかりです。 今日は歯科です。 四十三年前に設計した医院ですが、いまは二代目が後を継いでいます。 医院は住宅街を挟んで、大型団地の前に立っています。 住宅地には縦横に道が走り、入り組んでいますから、数通り以上の行く順が考えられます。 それでも通ううちに...
最後のページに1992年4月12日とありますから、31年前にはじめて読んでいます。その後繰り返し手にとっているのが、加藤周一対談集『日本文化のかくれた形』です。 そのなかでも丸山真男『原型・古層・執拗低音ー日本思想史方法論についての私の歩み』です。 丸山は言います。今度の敗戦で「第三の開国」という時代が来た、つまり全面開国である、と。 ところで、「第三の開国」を思想史的問題として扱おうとすると、...
今はほとんど使っていない事務所の書庫に行って、段ボールの中をのぞき込む。 いちおうジャンル、テーマ分けはしているが、大小とり混ぜた本がざったに詰まっている。 タイトルを見るためにダンボール内部でひっくり返すだけだから、乱雑になることはない。 松本哉『永井荷風ひとり暮らし』と、渋澤幸子『だから、イスタンブールはおもしろい』を引っ張り出す。 かといって、全編を読み返すわけではない。 どんな豪華本でも...