あばたもえくぼ。恋する者の目には、相手のあばたでもえくぼのように見えてしまう。贔屓目に見れば、どんな欠点でも長所に見えてしまうものだということの喩えだ。といっても、土木施工においてはそうはいかない。「あばた」は欠陥。しかも施工不良がもとで生じる欠陥のひとつだからだ。こと土木の世界では、どこからどう見ても「えくぼ」に見えることはない。先日、お城下でひらかれた「よいコンクリート」をつくる施工技術の講習会に行ってきた。斯界の第一人者であるTさんが来ると聞き、自ら志願をしての参加だ。特段あたらしい発見があったわけでもなく、基礎技術を学び直したという形だが、歳を取ると、覚えていたことを次から次へと忘れていくのだから、こうやって再確認するのもわるくない。特にそれが基礎的なことならなおさらだ。途中、施工不良による不具合...あばたも