ー日本におけるSDGsの広まりを実感:国連グローバル・コミュニケーション局 戦略コミュニケーション部長訪日を振り返って― - 国連広報センター ブログ

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国連のさまざまな活動を紹介します。 

ー日本におけるSDGsの広まりを実感:国連グローバル・コミュニケーション局 戦略コミュニケーション部長訪日を振り返って―

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SDGメディア・コンパクト出席者の集合写真 ©UNIC Tokyo

2019年12月5日に東京ビッグサイト東京国際展示場)で開催された日経SDGsフォーラムシンポジウム(日本経済新聞社日経BP主催)で基調講演するため、ニューヨークの国連本部からセダ・プムピャンスカヤ 国連グローバル・コミュニケーション局 戦略コミュニケーション部長が日本を訪問しました。

シンポジウムでの登壇に加え、プムピャンスカヤ 部長は様々なパートナー達と面会し、日本におけるSDGsの目標達成のための更なるパートナーシップ強化の重要性を強調しました。

 

次の10年に向けて:民間セクターへの呼びかけ

日経SDGsフォーラムシンポジウムにおいて、国連広報センターの根本かおる所長の挨拶後に登壇したプムピャンスカヤ 部長は、今日世界は気候変動やジェンダーの不平等など様々な課題に直面しており、このままでは2030年にSDGsを達成できる見込みは薄いと警鐘を鳴らしました。そして来年2020年の国連創設75周年に向けて、今年9月にニューヨークで開催されたSDGサミットでアントニオ・グテーレス国連事務総長SDGs達成に向けた行動と遂行の10年を呼びかけた演説と共に、多国間主義が危機にさらされている中で、世界がより団結して取り組む必要があると訴えました。

またSDGsの認知度を向上するために主要な報道機関の協力を促すSDGメディア・コンパクトやSDGs達成に向けた民間資金動員拡大のためのGlobal Investors for Sustainable Development alliance(GISD)といった国連によるネットワークを紹介しながら、民間セクターとのパートナーシップの重要性を強調しました。

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日経SDGsフォーラムで登壇するプムピャンスカヤ部長 提供:日本経済新聞社

 

日本のSDGs関連活動の視察

訪日中、プムピャンスカヤ 部長は日本社会におけるSDGsの浸透度を視察しました。到着直後には、国連広報センターの職員と共にJR山手線のSDGsラッピングトレインに乗車し、人々の日々の生活でSDGsに触れる機会が多くなっていることに感銘を受けていました。

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JR山手線のSDGsラッピングトレインを視察するプムピャンスカヤ 部長 ©UNIC Tokyo

また日経SDGsフォーラムが開かれた東京ビッグサイトでは環境配慮型製品・サービスの展示会「エコプロ2019」にも訪問。企業や学校、NGO自治体など日本の様々な組織によるサステナビリティSDGs達成に向けた取り組みを学びました。

12月5日から12月7日の3日間で合計147,653人が来場したこの展示会には、国連広報センターも国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所と共同でブースを出展しました。本ブースでは、SDGsに関する2019年の報告書パネルの展示や各種資料の配布、個々人のSDGsへの認知・取り組みに関するアンケート(MY WORLD  2030を行いました。国連広報センターからはインターンがブースで来場者に対応し、足を運んで頂いた方々から国連に対する意見や各企業・団体のSDGsへの取り組みを直接お聞きすることができました。

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エコプロ2019を視察する(左から)ヤ―ノシュ・ティソフスキー 国連グローバル・コミュニケーション局 広報センター・サービス部門長、マルチナ・ドンロン 国連グローバル・コミュニケーション局 持続可能な開発担当チーフ、プムピャンスカヤ部長、国連広報センター(UNIC)根本かおる所長(上段)と国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所と共同で出展した国連広報センター(UNIC)のブース(下段) ©UNIC Tokyo

他ブースでも、食品ロス、ファッションチャレンジ、海洋プラスチック問題などホットな課題への各取り組みが紹介され、SDGsに対する機運の高まりを感じました。

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エコプロ2019 会場の様子(左上)、NECのAIによる食品ロスサービス(左下)、立命館大学の空気砲の原理を応用した省エネエアコン(右上)、アーバンリサーチの廃棄衣料のアップサイクルブランド「commpost(コンポスト)」(右下) ©UNIC Tokyo

 

日本のパートナー達との懇談会

12月4日と5日には、国連大学本部ビルにおいて、SDGメディア・コンパクトおよびSDGsを達成するために国連と学術研究機関の連携を強化する国連アカデミック・インパクト(UNAI)との懇談会がそれぞれ開催され、プムピャンスカヤ 部長がSDGsの目標達成におけるメディアとアカデミアの役割の重要性を述べました。

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国連アカデミック・インパクト(UNAI)との懇談会で登壇するプムピャンスカヤ 部長 ©UNIC Tokyo

SDGメディア・コンパクトとの懇談会では、マルチナ・ドンロン 国連グローバル・コミュニケーション局 持続可能な開発担当チーフが、SDGs達成においてメディアが持つリソースやクリエイティビティ、影響力等を活用する機会として2018年に始動したSDGメディア・コンパクトへの期待を述べました。またメディアと国連の更なる連携強化の機会の一つとして、国連総会に設けられた実況インタビューやパネルディスカッションを行うスペースであるSDGsメディアゾーンを紹介しました。参加メディアからはSDGsへの自社媒体での取り組み内容が紹介され、参加者とプムピャンスカヤ 部長やドンロン持続可能な開発担当チーフの間だけではなく、参加者同士で活発的な意見交換が行われました。

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SDGメディア・コンパクトとの懇談会で登壇するドンロン持続可能な開発担当チーフ(上段)とQ&Aセッションの様子(下段) ©UNIC Tokyo

国連アカデミック・インパクトとの懇談会では、ヤーノシュ・ティソフスキ ー国連グローバル・コミュニケーション局 広報センター・サービス部門長が来年10周年を迎えるUNAIの今後の発展性を紹介しました。これまで、UNAIは学術機関にとって国連システムと直接連携できるプラットフォームでした。今後は更に就業前の世代に世界の優先課題を伝える機会を作ったり、UNAIのメンバー間での関係強化、また若い世代と双方的なやり取りを増やしていくことも可能だと紹介しました。出席者からは、SDGs達成のために各大学で取り組んでいること、学術機関間でのグローバルなパートナーシップの可能性についての質問があり、様々な角度から議論が行われました。

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国連アカデミック・インパクト(UNAI)との懇談会で登壇するティソフスキーサービス部門長(上段)と出席者の集合写真(下段) ©UNIC Tokyo

今回の2つの懇談会を通じて、広くSDGs達成に向けたアクションのための各業界関係者の取り組み・意見を伺うことができました。

 

日本の国連諸機関との広報分野強化

また、国連諸機関が広報活動について話し合い、連携強化を図る国連コミュニケーション グループ(UNCG)ミーティングが行われました。プムピャンスカヤ 部長は日本に所在する国連諸機関に対して、2030年のSDGs達成、東京オリンピックパラリンピックや国連75周年など2020年の様々な節目や機会に向け、より多くの人にアクションを起こしてもらえるよう国連の各関係機関同士の協力を呼びかけました。

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国連コミュニケーション グループ ミーティングの様子 ©UNIC Tokyo

 

プムピャンスカヤ 部長の訪日を振り返って

今回の日本訪問において、プムピャンスカヤ 部長は日本においてもSDGsへの理解は確実に浸透してきてはいるものの、国連が掲げる2030年までの目標達成のためには更なる取り組みが必要であると述べました。そしてグローバル・コミュニケーション局として、国連内外のパートナーシップ強化の必要性を幾度も強調しました。