所長の根本です。今年は持続可能な開発目標(SDGs)の実施元年です。先のG7伊勢志摩サミットでも主要議題の一つとして議論され、首脳らが不平等の解消や環境保護などを推進して持続可能な社会にメドをつけつつ、2030年までにあらゆる形態の貧困をなくすSDGsへの決意を新たにしました。
でも、SDGsは政府や国際機関だけで実現できるものではありません。民間企業、市民団体、そして私たち一人ひとりがSDGsを自分の生活や仕事に関係していると実感し、自分にできるアクションを考えることが大切です。
そのためにはまず多くの方々にSDGsを知ってもらわなければ、という強い思いから、国連広報センターでは黒柳徹子さん出演のSDGsの公共広告を作りました。G7伊勢志摩サミットの直前の5月19日から都内の街頭の大型ビジョンで流れていますが、今週さらに大変勇気づけられる動きがありました。
渋谷にて放映されるSDGsの公共広告
国連グローバル•コンパクト署名企業である伊藤忠商事本社で、社員への啓発のために、社員が集まる社員食堂入り口付近のモニターでこの公共広告の放映をスタートしてくださったのです。国連広報センターに連絡があった限りでは、社員向けにこの公共広告を社内で流してくださった企業の第一号となります。
「SDGsについて動画を通して社員に知ってもらう良いきっかけです。社員の出入りが多い食堂にて放映することで社員にも関心を持ってもらえます。モニター前を通る社員が黒柳さんの映像に注意を引き『SDGs…?』と呟きながら歩いていくのを見かけますよ」と企業での初めての事例に踏み切ってくださった伊藤忠商事 広報部CSR・地球環境室長の小野博也さんが語ってくださいました。
(左)伊藤忠商事 小野CSR・地球環境室長 (右)国連広報センター根本所長
SDGsの公共広告が放映される伊藤忠商事本社内の食堂モニターの前にて
社員に対してSDGsを推進する上できめ細かな心配りを行っているそうです。「大々的に上からSDGsの各ゴールを掲げて、社員に押し付けては抵抗があるので、社員一人ひとりが現在すでに行っている仕事自体がSDGsに繋がっていることを伝えています。既にSDGsに貢献していることに気付くことが大切です。また、新入社員の研修でもSDGsについて説明会を行ったり、毎月発行する社内報にSDGsの目標を少しずつ織り交ぜていく工夫も行っています」
モニターの前を社員が行き交う。映像に目をやる社員も少なくない
小野さんは伊藤忠商事社内の様々な社会貢献活動についても紹介してくださいました。
社内に設置されているNPO法人チャイルド・ケモ・ハウス活動を支援する自動販売機
「社内に設置されている一部の自動販売機はNPO法人チャイルド・ケモ・ハウス活動を支援するもので、こちらで飲み物を購入すると小児がんの子ども達を支援できるようになっていますし、社内食堂では対象となる定食や食品を購入すると、1食につき20円の寄付金が開発途上国の子どもの学校給食になる『TABLE FOR TWO』というプロジェクトも行っています。以上のように、日頃のアクションが世界に貢献するような取り組みを行っています」
社内食堂。TABLE FOR TWOが表記されている
SDGs公共広告を社員啓発に流してくださる動きがより多くの企業に広がればと願っています!
ご関心のある方はどうぞ国連広報センターまでご連絡ください。