もともとインドア派だったけど、在宅勤務を始めて、家に引きこもっていたら一年が経とうとしている。
いま30歳くらいで、仮に平均寿命まで生きてるとして、あとこれを50回くらい繰り返せば終わりということで、人生の2%にしては景色が一定すぎる、と思ったり、また、たまに実家に帰るなどの都合で遠出しようと思っても、公共交通機関に乗るのは気を使うので、帰省を見送ったりしていた。
車に乗れるようになっていれば、人と触れ合うリスクを下げて移動できるようになるのではと思って、昨年末くらいから、車に乗る暮らしを始めてみようと準備を始めて、今月の初めに無事手に入れることができた。
知識ゼロの状態から車を買うまでの様子を記してる人はあまり居ない気がするので記録しておこうと思う。
状況
運転免許証は一応持っていて、大学に入ってすぐの夏休みに免許をとったきり、まったく乗っていなかった。社会に出たら仕事で使うかと思っていたけど、社会に出たらパソコンに向かっているだけでまったく使わなかった。
ごくたまに友達と車でお出かけするときとかは、万が一にでもハンドルが回ってこないよう、朝からビールを飲みながら車に乗せてもらっていた。
出張ペーパードライバー講習をお願いする
一人でいきなり乗るのは怖いので、出張ペーパードライバー講習をお願いして、2時間くらい家の周りを回ったり、駐車の練習をさせてもらったりした。
これの効果がすごく大きくて、12年ぶりだけど意外と覚えていて大丈夫だな、という感じだった。
免許を取ったときのマニュアル車のエンストする感じを覚えていたけど、ATだと進むか止まるしかないので、忙しさがぜんぜん違う。
タイムズカーシェアに入会する
ちょっとずつ空き時間にでも借りて練習できたらよさそう、とタイムズカーシェアに入会した。
緊急事態宣言中に入会したところ、移動する人が少なかったのか、近所に稼働率の低いスカスカの駐車場があるのを発見したので、以降はそこから借りて乗るようにした。
着ない服をリサイクルセンターにまとめて持っていったり、親戚から送ってもらった荷物を実家に運んだり、イオンモールに行ったりと、あちこち出かける足として便利に使って、京都は街中に行こうとすると混んでてどうしようもないけど、郊外に出かけるには、車があるとよいな、と実感していた。
友達に相談する
車に詳しい友達たちに、車に乗りたいんですけどって話してみたら、中古車を買うのが良いとアドバイスを貰えた。
うちは分譲賃貸で、部屋のオーナーがマンションの駐車場を借りているため、毎月の支払いの中に駐車場代が含まれていて、使ってないので完全に無駄になっている。
すでに車の維持費であるうちの何分の一かは払っているので、中古の軽自動車でも買ったらどうか、ということだった。
車種についてはまったくわからなくて、まったく関心がなかったため、ベンツかどうかくらいしかわからなかった。VWとBMWが別なことに先日気づいた。いまだにセダンが意味することを知らない。車に関する全ての情報は走りのセダンで得ていた。いろんな車メーカーや車種が順番に表示されて勉強になると思う。
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探してたときは、そのうち子供が生まれる予定もあったので、最初は「子育て 軽自動車」とかで検索して、N-BOXとか見ていた。あとは、ミニバン専門中古車販売店の人が書いた中古車の買い方に関する本を読んでみたり。気づいたらミニバンの楽曲も発表されていた…。
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機械式駐車場の制約に気づく
ある日突然、うちの駐車場は機械式なので、背の高い車を買っても入らないことに気づいた。制限に気づかず背の高い車を買ってたら、駐車して格納すると天井が粉砕されるところだったので危なかった。
高さ155cmの軽自動車というとアルトとかかな、と思ってたら、軽自動車である必要はないのではって感想をもらえて、立体駐車場に入りそうなコンパクトカーも候補にし始めた。ツインバードの掃除機みたいな、アルトの最小限でやっていく感も好きではある。
会社のgadgetチャンネルでアドバイスを求める
カーセンサーで中古車情報を見たりしていたけど、そこからどう進めたものかわからない。友達に来てもらえたら目利きしてもらえそうだけど、あまり自由に人と会ったりもできないので一人で解決する必要がある。
会社のSlackに#gadgetというチャンネルがあって、おすすめガジェットについての意見交換などをしている。そこで、中古車どこで買うと良いですかって聞いてみたら、中古車は買ったあとのメンテナンス体制まで考えて買うべきで、謎の激安店で買わずに、ディーラーで買うのがおすすめとのことだった。
高さの制約と、ディーラーが扱ってる在庫から選ぶ、という制約ができたことで探しやすくなった。
ディーラーに行ってみる
とりあえず近所のディーラーに順番に行ってみて、一番安いのだとどんなもんですかって見せてもらった。どんなに出費を切り詰めても、これくらいはかかるんだな〜と、その日はとりあえず情報収集だけして帰った。
安さだけで選ぶと、どこまでボロくても耐えられるかという議論になるので、出費のわりに手に入ったものを見てあまりうれしくないだろう、と思ってきて、気に入った車が見つかるまでもうしばらくいろいろ乗ってみることにした。
カーシェアで順番に借りて乗る
最初はスマートルームミラーのついてるノートがお気に入りだったり、広くて荷物積めそうなフィットが気になったりしていたけど、キャンプに行くわけでもないので荷物に全振りしなくてもいいだろうと思ってきた。
デミオはナビが自立していたりとか内装が他とは違う雰囲気で、外観も掴んで伸ばした餅みたいで気に入った。足元のスペースが広くて、運転していて楽しい車であった。
ディーラーに予約をして試乗させてもらう、だと、初対面の人と話を聞きながらで緊張しそうだけど、カーシェアで納得するまで一人で好きな場所に行けたのはよかった。
停める場所のないでかい車に乗ってみたり、背の高い軽自動車に乗ってみたりとか、いろいろ乗れたのはおもしろかった。
デミオ 広さ
デミオはマツダが作っている車で、今はMAZDA2という名前になっているけど、予算の都合でMAZDA2になる前のデミオを見ていた。
デザインに惹かれるものがあって、中古のデミオがほしい、と思い始めて、ネットでレビューを見てると、運転席が重視されていて後部座席が狭い、荷室も狭い、という感想をよく見た。わざわざ、ベビーカー乗せにくいっていう記事が用意されていたりしてひどい。
www.carsensor.net
散々、狭いって情報を見ていたので、恐れていたのは、物理的に要件を満たせない可能性があるということ。みんカラでどういうパーツなら乗るのか、レビューを読んだりした。
minkara.carview.co.jp
写真を貼ってレビューされてる方がいたので、コメント欄でなんとかなりましたかって質問させてもらった。スポンジを挟んで傾きを調整するなど、テクニックを教えていただいてありがたかった。
vivi-o.hatenablog.com
中学生くらいの頃だったか、父がデミオに乗ってたのだった。身長は今と変わりなかったけど、普通に後部座席に座れていて、週末には名古屋とかまで連れて行ってもらえていたので、広くはないといっても、なんとかはなるだろうと思った。
最初に探してた頃は荷室の広さとか機能の比較とかで見ていたけど、実際に乗って気に入ったというのは最大の魅力で、そうなるとスペックで比べる意味がなくなる。
認知コストを下げたい
車体の選定はこれでよいとして、買うか買わないか、いつ買うか、の決め手がなくて、良い在庫があったら買おうかな、と在庫を眺めていた。
認定中古車情報に、新着メールに、スマホのプッシュ通知に、暇があったら検索して…と、一日中、中古車情報を見る暮らしがしばらく続いていた。
時間や思考コストなどリソースを使いすぎているし、やるべきことが他にたくさんあるのに、中古車探しをいつまで続けるのか?と考えて、選定を済ませてこの行為に決着をつけよう、というのと、いずれ手に入れるなら早く手に入れて便利さを享受できたほうがよいだろう、と買ってしまうことにした。緊急事態宣言が終わって、カーシェアで借りたいときに借りられてて乗れないことが増えてきたことも一因。
先日、同僚も物件や車をdigっていると書いていた。この苦しみはわかる。引っ越しアンド車購入、あるいはその両方を同時に叶えるキャンピングカー暮らしで早く楽になってほしい。
引越し先を物色し続けている。平均すると毎日数時間単位で不動産情報サイトをdigっている気がするし、なぜか車も欲しくなってきたのでそれもちょいちょい眺めている……
近況 - polamjaggy nikki
近所のディーラーに行く
赤のデミオで、毎日乗るわけでもないので走行距離伸びててもよさそうなので、一番安いやつ見せてください、と近所のマツダのディーラーに行った。
年式はちょっと古く、座席が白のレザー調になっていてヘッドアップディスプレイもついている、というのが最安で、その場に停めてあったので見せてもらったら、過剰なラグジュアリー感が演出されているのが気に入ってしまった。とにかくこれ一択というくらいに気に入ったので決めた。ところどころ傷があるのもよくて、さらにぶつけてもあまりに気にしなくて済むと思う。
近くに工場があるので困ったら駆け込めば良いとか、三年保証をつけられるとか、純正のパーキングセンサーをあとからつけてもらうとか、そういうことができたのでディーラーで買ったのは良かったのかなと思う。
(追記)買ったのは軽油で走るディーゼルエンジンのモデルです。ガソリンより燃料が安くて良いですよ、という話だったけど、オイル交換の頻度がガソリンより高頻度なのと、たまに長時間走るなどしてDPF再生という機能を動かして煤をうまいこと燃やす必要がある、というのがちょっと心配している。
ただ、これも狭いって話と同じく、ネットではセンセーショナルなことを書いたほうがPVを集められるので、ディーゼルエンジンの欠点!みたいな記事が目に付きやすく、過剰に心配しているのかもしれない。ディーラーのおっちゃんに聞くと、絶対に数分で目的地に着き、それ以上は全く乗らない、とかでなければ気にしなくていいですよ、とのことだった。三年保証はあるので、乗り方が悪ければ三年以内にうまく壊れてほしい。
手続き
住民票はすぐ取れるとして、保管場所使用承諾証明書という書類が必要で、マンションの管理会社に依頼して書類を作ってもらうのに1週間くらいかかった。3月中に手続きを終えたいのでギリギリだった。停める場所を確保できているなら、先回りして書類を手配しておいても良かったと思う。
自動車保険は友達に聞いたらみんなイーデザイン損保だというのでそれにした。ぶつけたらそのときで、車両保険なくてもいいかとも思ったけど、自分はいいとして、妻が乗ってぶつけたときに実は車両保険ついていませんになるとショックが大きそうと思ったのでつけておいた。
納車
車にいつでも乗れるのが意外と嬉しくて、毎日乗ってみている。
子を病院の検診に連れて行ったり、用事のない日も、ドラッグストアまでわざわざ車で行ってトイレットペーパーを買ったり、その帰りに遠方のパン屋に行ってみたり、スーパー銭湯に行ってみたり、育休中なのをよいことに、平日の昼間にただ車に乗って遊んでいる人物と化している。
機械式の駐車場から出てくるのを見るたびに、単に良い色のかっこいいオブジェを購入した、みたいな気持ちになって、見て楽しむものという側面もある。
レザー調のラグジュアリーな椅子に座って移動しているという無意味さがおもしろくて、それも満足感高い。
4ヶ月で手に入れられた
まったく知識のないところから始めたので、4ヶ月くらいかかり、毎日の調査の時間にもなかなか時間がかかったけど、無事手に入れることができた。
これが車好きな人なら、普段から車情報雑誌なんかを見たり、地元の先輩はこれに乗ってる、とか、先日峠を攻めていて、とか、ゲームでこれを運転していて、みたいなところから好きな車をサッと買えるのだろうと思う。
初心者向けアドバイスとしては、減点方式で一番スコアが高いものを買うんじゃなくて、気に入った車を発見して買うのがおすすめだと思う。