ドラッカー名著集を読んでいる - hitode909の日記

hitode909の日記

以前はプログラミング日記でしたが、今は子育て日記です

ドラッカー名著集を読んでいる

twitterをみてたらエッセンシャル版ドラッカーを読んでる人がいたので、読んでみようかな、と思ったのだけど、エッセンシャル版を先に読んでしまうとあとから網羅する時の楽しみが減ってしまうので、最初から読んでいこう、と名著集を読み始めた。

経営者の条件って言うから自分には関係ない話だろうと思っていたら、エグゼクティブ、自分で決断して成果を出す必要のある人物、の時間の使い方や成果の立て方について議論されている本だった。
この本では、肉体労働か知的労働か、という切り分けで話が進んでいるけど、ソフトウェア開発は靴の組み立て個数で測れるような肉体労働ではなくて知的労働であるので、ドラッカーが考えてくれていたことをそのまま役立てそう。

ドラッカー名著集1 経営者の条件

ドラッカー名著集1 経営者の条件


本の構成もキャッチーで、いきなりフランシス・スペルマン卿の暮らしを紹介してくれる。食事の時間は昼食会や夕食会になっていて人と会っていたとのこと。食事しながら仕事が進むならお得、と思ったけど、現代ではランチミーティングは休憩時間になってなくて違法では、という話もある。

第二次世界大戦から戦後にかけてアメリカで最も成果をあげた民間人、破産寸前のニューヨーク大司教区を建て直したことで有名なフランシス・スペルマン卿にいたっては、一日に一人でいられた時間は、朝のミサ時の二五分間と就寝前の祈禱時の二五分間だけだったという。


1日の1/4をまとまって確保しないと成果は挙げられない、と説かれていて、こないだ自分も同じ結論に至っていたので、こういう普遍的な話題は50年以上前に議論済みなんだな…と感動した。普段考えてたことがどんどん本に出てくる経験が数年に一度あって、ドメイン駆動設計を読んでたときも、ちょうどこれを知りたかった、ということが順番に出てきていた。

成果をあげるには自由に使える時間を大きくまとめる必要がある。大きくまとまった時間が必要なこと、小さな時間は役に立たないことを認識しなければならない。たとえ一日の四分の一であっても、まとまった時間であれば重要なことをするには十分である。逆にたとえ一日の四分の三であってもその多くが細切れではあまり役に立たない。

1/4というのは8時間労働なら2時間相当なので、数字もピッタリ揃って同じ結論になっているのがおもしろい。下の日記のコメントやブコメで、ドラッカーが指摘していたことじゃん、はい解散、みたいになっていないのは興味深い。

最近の体感値では、2時間以上連続した自由時間がないと、メインの仕事として持っているような大きな仕事だったり難しい仕事は進められないことがわかってきた。

コードを書くには連続した2時間が必要 - hitode909の日記


名著集は15まであるので飽きなければしばらくは読んでられそう。300ページ*15で4500ページくらい楽しめることになる。ドラッカーの著作は有名だけどまったく読んでなかったので、Netflixに無数にある海外ドラマの中から良いものを引き当てたとき並みに楽しみ。関係ないけど、こないだ昼ごはんを食べながらプリズン・ブレイクを見てたら足の指がチョキチョキ切られていって、ここで脱落する人もいそうだなと思っていた。