“8K+5GとAIoTで世界を変える”シャープの8Kカメラ付きスマホ「AQUOS R5G」に迫る【下】 | SHARP Blog

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“8K+5GとAIoTで世界を変える”シャープの8Kカメラ付きスマホ「AQUOS R5G」に迫る【下】

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“8K+5GとAIoTで世界を変える”シャープの8Kカメラ付きスマホ「AQUOS R5G」に迫る【上】では、「AQUOS R5G」の商品化におけるコンセプト、気になる8Kカメラやその楽しみ方について紹介しました。今回の【下】では、通信事業本部 パーソナル通信事業部 システム開発部の岡坂、井手に、開発でこだわったポイントについて聞きましたので、ご紹介します。

「AQUOS R5G」を手に

「AQUOS R5G」を手に
開発担当者を代表して、左から システム開発部の岡坂さん、
商品企画部の龍さん、漆館さん、システム開発部の井手さん

 

――「AQUOS R5G」のディスプレイはどんなところにこだわって開発したのでしょうか。

(岡坂)5Gの世界では、屋外での動画視聴が増え、さまざまな環境下で安定した表示が要求されます。ふさわしいディスプレイをどう実現するか。「画質」と「見やすさ」、「省エネ」の3要素が重要だと考え、最適解を追求しました。

 

ディスプレイ開発担当の岡坂さん

 

画質、見やすさ、省エネ

まず、モバイル端末で映画やドラマといったリッチコンテンツを楽しむには、高品位な画質が必須です。これまでの「AQUOS R」シリーズは明るさにこだわり、「AQUOS R3」ではPro IGZOを採用して、従来の約2倍の輝度を実現しましたが、今回はそれをさらに強化した1000カンデラのパネルを採用しました。「アウトドアビュー」機能も搭載し、屋外での画面の明るさ、見やすさを追求しました。
また、人の目は環境に順応する特性があり、同じ画面でも環境によって見え方に差が生まれてきます。これまでもバックライトの調整はしてきましたが、「AQUOS R5G」では「スマートカラーマッチング」技術で色味を合わせる制御も行っています。
例えば、朝方や夕方の屋外は色温度※1が低い環境です。そのような光に目が慣れると、黄色っぽい白が真っ白に見えてきます。この状態で画面を見ると、人の顔色が青白っぽく見えてしまいますが、これを室内で見たときと同じになるよう補正しています。ただ、急激に変化すると不自然に見えてしまうので、30秒程度の時間をかけて変化させ、違和感がないようにしています。

 

※1 色合いを示す尺度の一つ。値が上昇するにつれて、赤から黄、白、青の色味を帯びる。色温度が低いほど暖かく、高くなるほど冷たい印象を与えるといわれる。

 

省電力に関しては、例えば表示する映像が暗いときには、バックライトの輝度を暗くし、その分階調を上げるといった調整を行っています。特にHDRなどのコンテンツでは「HDRエンハンサー」によって省エネ制御だけでなく、黒浮きや白つぶれを軽減する制御も行い、見やすさの向上も実現しています。

HDRエンハンサー説明

 

Pro IGZOディスプレイ自体が省電力デバイスですが、120Hzで切り替える高速表示にアイドリングストップを組み合わせた技術も省電力を実現している技術です。高速表示自体はずっと前からやっていますが、最近は他社からもそのような端末が出てきています。しかし、当社の120Hz切り替えはちょっと違います。他社とは異なり、コンテンツに合わせてリフレッシュレートを1Hzから120Hzの間で制御し、高速表示切り替えが不要なところでは電力消費を抑えるため、より省エネなのです。

 

―― 「AQUOS R5G」を最高のパフォーマンスで商品化するために、さまざまな課題があったかと思いますが、どのように解決したのでしょうか?

(井手)まず、5Gで採用される電波の周波数帯ですが、国内のキャリア4社に割り当てられた5Gの周波数帯には、6GHz以下の周波数帯である「サブ6」と28GHzを超える「ミリ波」と呼ばれる帯域の電波があるのですが、「AQUOS R5G」では「サブ6」のみに対応しました。
「サブ6」は3.7GHz帯と4.5GHz帯を100MHz幅ずつ、「ミリ波」は28GHz帯を400MHz幅ずつ利用する形となっています。「ミリ波」を使ったほうが周波数帯域の幅、つまりデータが通る道幅が広いので、より一層高速な通信が可能なことから、対応するメリットが大きいように思えます。しかし「ミリ波」のような非常に高い周波数帯は、障害物の裏に回り込みにくく、遠くに飛びにくいため、何らかの障害物に遮られただけで電波が届かなくなることがあります。移動しながら使用することが多いスマホには扱いづらい電波です。
また、「ミリ波」に対応するとアンテナが増え、その分大きく重くなり、接続周波数の切り換えが多くなると消費電力も増えるため、「AQUOS R5G」ではあえて「ミリ波」を採用しませんでした。

 

システムパフォーマンス担当の井手さん

 

次に、処理チップや充電回路からの放熱の問題がありましたが、放熱構造の一新と充電方式の工夫で解決しました。 「AQUOS R」シリーズでは、初代から性能を出すために放熱にこだわり、改善を重ねてきました。「AQUOS R5G」では新たに5Gに対応するため、どれほどの電力を消費するのか、改めて見積もりました。熱は基本的に消費した電力量に応じて発生するためです。 重要なのは4Gか5Gかではなく、実際にどのぐらいの通信速度が出ているかです。4Gの場合、規格上も2Gbps弱しか出ませんが、「AQUOS R5」は、「サブ6」で4Gbpsまで出すことができます。これは、計算上、2GBの映画(約120分※2)を約4秒間でダウンロードできる速度です。消費する電力は通信速度に比例して増えていきます。4Gbpsでのダウンロードは1Gbpsのダウンロードと比較して4倍の電力を消費するということです。

 

※2 一般的なイメージとしての時間です。映画のデータ量は記録方式(画質、音質)の違いで変わります。

 

従来と同じ放熱構造だと、CPUやモデムからの熱の抜け方が不十分で、せっかく5Gに対応しても、温度制限で速度が頭打ちになります。そこで、新しい放熱構造に取り組みました。

 

これまで「AQUOS R」から改善を脈々と続けてきた放熱構造は、CPUの上にメモリがあり、その上に熱伝導シート(TIM)を敷き、その上に置いた金属板から熱を逃がすというものでした。この構造では、いろいろなものを介して熱が金属板に伝わり、全体として熱伝導率が低くなるのが課題でした。

 

従来の放熱構造と新構造との違い

そこで、今回は思い切ってCPU、メモリをリアカバー側に実装し、その裏側に純銅のブロックを置き、純銅のブロックを通じてそのまま熱を逃がすようにしました。これは、スマホ以外の商品での経験をヒントにしました。
例えば4Wの負荷をかけ続けた場合、内部温度がまったく違ってきます。従来構造とは、20度以上の差がつきました。これでCPUの放熱不足によるパフォーマンスの制限はほぼなくなりました。
ただし、リアカバーに熱源が近づくため、ユーザーが触れる部分が熱くなってしまいます。これを抑えるために使ったのが銅シールドです。CPUの熱がいったん基板に伝わり、銅シールドを通じて全体に広がり、リアカバー全体で放熱するようにして解決しました。

実際の基板に取り付けられた銅ブロックと銅シール

充電方式は、「AQUOS zero」で始めたパラレル充電方式を「AQUOS R5G」でも採用し、充電時の放熱を約半分に抑えています。 以上のような放熱構造の工夫など、色々な取り組みをうまく組み合わせて「AQUOS R5G」は5Gの高速通信を実現しながら最高のパフォーマンスを引き出しています。

 

―― ありがとうございました。

 

当社がカメラ付き携帯<J-SH04>をはじめて製品化してから今年は20年の節目の年です。カメラ機能は、<J-SH04>の約11万画素から、「AQUOS R5G」の8Kワイドカメラで4,800万画素と、約436倍の画素数になりました。性能の向上には目を見張るものがあります。

公園の花壇を8Kで撮影した写真(上)とその拡大表示(下)
縦横4倍の16倍に拡大しても鮮明です
(イメージ:Blog用に解像度を加工しています)

 

振り返れば十数年ほど前、ハラハラドキドキしながら、初めて立ち上がった我が子の「写メ」を撮影したことなどが思い出されます。 ぜひ「8K ワイドカメラ」を搭載した「AQUOS R5G」で家族や仲間の思い出を撮影し、SNSにサクッと公開したり、大画面の8KテレビAQUOSに表示したりして楽しむなど、最先端の「8K + 5G」ライフを満喫していただければと思います。思い出はプライスレスです。
(広報担当:C)

 

製品情報  https://jp.sharp/k-tai/aquos-r5g/

 

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