野球をもっと楽しむ「funband」の開発チームに聞く、新しい観戦スタイルとは? | SHARP Blog

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野球をもっと楽しむ「funband」の開発チームに聞く、新しい観戦スタイルとは?

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「funband(ファンバンド)」は、試合状況やメッセージの配信、バイブレーターの振動、LEDの発光などにより、応援する気持ちを盛り上げるクラウド連携のウェアラブル端末です。

今回は、「funband」が生まれた経緯や新しい観戦スタイルについて、開発チームに話を聞きました。

ウェアラブル端末「funband(ファンバンド)」
https://funband.jp/

ウェアラブル端末「funband(ファンバンド)」
左から、広島東洋カープモデル<SA-BY001>
福岡ソフトバンクホークスモデル<SA-BY003>
横浜DeNAベイスターズモデル<SA-BY006>
広島東洋カープ・セントラルリーグ優勝記念モデル<SA-BY007>
福岡ソフトバンクホークス・パシフィックリーグ優勝記念モデル<SA-BY008>

 

「funband」はなぜ生まれたのか?

システム開発の廣澤さん

――funbandが生まれた経緯を教えてください。

(廣澤)2013年の秋に、社内で新規事業創出を模索する動きがあり、気持ちを伝えるバンドとして提案したのが最初です。情報ではなく、気持ちを伝えるところが評価され、アイデアをさらに磨き上げて試作品をつくりました。当初は、感情を伝えるものとして、形状記憶合金やエアーなどを検討していましたが、バイブレーターの振動で気持ちを伝えることになりました。

初期の試作品

――そこから、どうして野球に?

(廣澤)スポーツや音楽など、様々な業界の方にお話を伺いながら、コンセプトや用途、機能、使用するデバイスを日々改良していきました。私たちの開発拠点が広島にあることもあり、広島東洋カープモデルをつくりたいとカープさんに提案したことをきっかけに、本格的な開発がスタートしました。

――スマホや携帯電話の開発とは、まったく違うものなのでしょうか。

ハードウェア開発の空閑(くが)さん

(空閑)バンドなどの違う部分はありますが、スマホとほぼ同じ部品を使い、信頼性や品質についての考え方にもこれまで培ってきたノウハウが活かされています。お客さまに快く、長く使っていただくために、バンドの材料や印刷に至るまで、細部にこだわってつくりました。

試作品の一つ

 

新しい野球の観戦スタイルをつくる

ソフトウェア開発の高下さん

 

――「球場・テレビ観戦」と「試合通知」の2つのモードがありますよね。それぞれの楽しみ方を教えてください。

(高下)「球場・テレビ観戦」モードは、球場やテレビで試合を観戦しながら楽しむモードです。即時性を重視し、試合経過の速報や選手の打率などをお知らせします。オペレーターが実際に試合を見ながら、「ここはまかせたぞ!」や「点差はある、落ち着いて」などのメッセージを配信するとともに、振動やLEDで応援する気持ちを盛り上げます。ご自宅でテレビ観戦をしていても、他のファンと一緒に球場にいるような雰囲気を味わえると思います。

 

「球場・テレビ観戦」モードで表示された応援メッセージ

――実際にはどなたが配信しているのですか?

(高下)大塚放送局ですね。

通称、「大塚放送局」を束ねる、システム開発の大塚さん

(大塚)市民球場(マツダスタジアム)での試合に限定したサービスではありますが、「球場・テレビ観戦」モードでは、試合の状況や雰囲気を見ながら、開発メンバーがメッセージをリアルタイムに配信しています。例えばある選手が活躍した際には、「○○選手、ファインプレイ!」など。試合を見て感じたことを、その瞬間にメッセージとしてお伝えする。共感が生まれることで、嬉しさが増すと大変好評をいただいています。

――メッセージに人間味を感じたのは、大塚放送局の皆さんの努力の賜物だったのですね。

(大塚)負けそうな試合展開のときにも、「『funband』が盛り上げてくれたので、最後まで楽しく応援できた」とのお声をいただいたこともあります。

――もう一つの「試合通知」モードは、どのように楽しむものでしょうか?

(高下)試合をリアルタイムに見られない方に楽しんでいただくモードです。試合状況を通知することで、仕事や家事をしながらでも、試合の状況を知ることができます。スマホなどで試合状況を知ることもできますが、目指したのは、自分から“情報を確認する”能動的なスタイルではなく、「funband」に“お知らせが届く”受動的なスタイルです。いつ来るんだろうとドキドキしながらお知らせを待つことこそ、私たちが提案するもう一つの新しい観戦スタイルです。

――試合を楽しむことと、結果を確認すること。少しの違いのようで、感覚的には大きい差ですね。

(高下)実際に使っていただいた方からは、家事をしながらでも「funband」が試合状況を教えてくれるので、まるでリアルタイムに野球を観戦しているような楽しさがありましたと、非常に喜んでいただきました。

 

やりたい人が集まったからこそ、生まれた「funband」

システム開発の高田さん

――「funband」の開発メンバーはどのように集めたのですか?

(高田)最初のプロトタイプをつくったメンバーに加えて、やりたいと手を上げてくれた人に入ってもらったり、声をかけたり。全員の顔が見える小さなチームだからこそ、実現できた商品だと思います。

――野球が好きな方も多そうですね。

(高田)開発に参加することで、野球が好きになったという人もいます。また、開発メンバー以外の当社社員にも実際に「fundand」をつけて試合観戦をしてもらい、意見を集めました。野球ファンの後押しがあったからこそ生まれたものだと思います。

――「楽しさ」を追及する難しさがあったのでは?

(高田)「何が楽しさを生むのか」と、社内でも意見が分かれるところもありましたが、メンバーのモチベーションは高く、とにかく前に進むために開発を続けました。専用の会議室を1年間借り切り、初めて開発したエンターテインメント商品です。経験したことのないことばかりでした。

開発に使用した会議室

――開発の際に、印象に残っていることはありますか?

(高田)とにかく野球ファンに楽しんでいただきたいと思い、カープ女子会の方にお声がけしました。もともと繋がりがあったわけではありませんので、WEBで調べて、連絡して。貴重なご意見をいただいたり、様々な面でお付き合いさせていただいています。ファンの方々とも一体となって開発に取り組めたことは、大変嬉しかったです。

――野球好きによる、野球好きのための「funband」ということですね。

(廣澤)高田さんのカープ愛につきると思います。ちなみに、「funband」のPR動画をつくったのですが、主演は高田さんです。

(高田)経費節約です(笑)

 

反響とこれから

――発売当日の様子はいかがでしたか?

(高下)平日にも関わらず、開店前に大勢お並びいただき、整理券をお渡しできなかった方もいらっしゃいました。当初、広島東洋カープモデルを3日に分けて限定1,000台の販売をさせていただきましたが、おかげさまで完売となりました。現在は、福岡ソフトバンクホークスモデル、横浜DeNAベイスターズモデルも発売し、より多くの野球ファンに楽しんでいただいています。

――「funband」のこれからを教えてください。

(高田)「funband」はまだ生まれたばかり。これからが大切ですので、楽しさを追求し、価値を高め、さらに普及させていきたいと思っています。「面白い」をつくりたいという、開発メンバーの想いがつまった商品です。今後もお客さまの声を聞きながら、野球以外にも可能性を見出していきたいと考えています。

――ありがとうございました。

開発チームの皆さん

 

「funband」を1日借りて、「球場・テレビ観戦」モードで観戦してみました。情報を得られる便利さはもちろんですが、球場の熱気やファンとの一体感、想いの共感があり、開発チームの皆さんがつくりたかった「楽しさ」を感じることができました。

(広報担当:M)

 

funband
https://funband.jp/

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