今回は『罪と悪』の短文感想記事になります!
こちらは試写で鑑賞していただいていたぞ
カエルくん(以下カエル)
少し色々な記事が立て込んでいたので、遅くなりました
亀爺(以下亀)
若干辛口めの記事にはなるが、悪い作品ではないかの
カエル「アニメの話が続いていたので、実写邦画も久々な気がするね」
亀「以前はよく語っていたのじゃがな。
まあ、うちよりも実写洋画・邦画に詳しいレビュアーはいくらでもおあるし、参考程度にしてくれればいいの」
それでは、記事のスタートじゃ
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chatGPTによるこの記事のまとめ
- 監督デビュー作でオリジナルで勝負したことは評価するべき。ただし作品のジャンルがはっきりしないため、何を伝えたいのかが分からず、その結果、個性が失われてしまっているように感じる。
- 特に青春期のエモさがバイオレンスによってかき消されるという課題がある。この作品ではキャラクターの整理や関係性の変化が難しく、構成の統一性に欠ける部分があると感じられる。
- 田舎のヤンキー男子的な感覚や悪しき男らしさの発露という要素が、うちにとって苦手で嫌悪される対象であったため、この映画の感覚との相性が悪かったようです。ただし、この話は映画そのものが悪いという話ではなく、単純に観客と作品の相性の問題であることを強調しておきたいとのことです。
それでは、X(旧Twitter)の感想からスタートです!
#罪と悪
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2024年2月2日
本日から公開開始した罪と悪を鑑賞させていただきました
バイオレンスな描写も多くて韓国映画のような印象を予告では受けましたがミステリーとともに主要人物たちの感情の動きが印象に残る作品でした
初監督とのことで、今後にも注目していきたいですね#PR pic.twitter.com/wiBeyJBEay
ふむ……評価が難しいところであるの
カエル「今回は試写会で観させていただいたということもあり、語りづらい部分もあるということではありますが……なんか、それが関係なくても、結構語りづらいんだよね」
亀「決して作品として悪いわけではない。
とても作り込まれているし、監督がデビュー作でありながらオリジナルで勝負したのは、間違いなく評価されるべきであるし、それだけでも鑑賞する価値があると言えるじゃろう。
これから少し厳しいことも言うようであるが、まず前提として罵倒するような作品ではないということを最初に語っておきたいかの」
デビュー作品に必要なこと
その、厳しいことって何なの?
そうじゃな……デビュー作品に必要なこととでも言うかの
カエル「デビュー作品に必要なこと?」
亀「例えばカエルがプロ野球のスカウトマンだったり、出版社などの新人の担当者だったとして、どういう人を採用するかの?」
カエル「え、そりゃ……状況にもよると思うけれど、将来性を感じる人か、完成度がめちゃくちゃ高い人じゃないかな?」
亀「そうじゃな。素材型か即戦力型かということじゃろう。
その素材や即戦力が、映画などの表現などの場合、何に該当するのか。
ワシが思うに、必要なのは”個性”だと思うわけじゃな」
特に表現者だったら卓越した個性はとても重要だよね
ましてやオリジナルなので、その個性でこそ勝負ということになるかの
カエル「そうなると……この作品は個性がないと?」
亀「ないとは言わん。
しかし、いろいろな人に意見を聞いたりしたようじゃし、配慮をしていることによって、何が1番伝えたいのか、何が1番重要なのかが見えてこないという印象じゃな。
今作を語るときに困るのが、まずジャンルの説明じゃ。
今作はミステリーなのか、青春劇なのか、バイオレンスなのか、友情作品なのか……ジャンルそのものがわからん。何か特化したもの、歪かもしれなんがそれが個性というものじゃ。
その意味では、今作はその個性が失われてしまっているように感じてしまい、そこが勿体無いと思ったかの」
以下ネタバレあり
物語の構成について
ネタバレありとは書きましたが、物語の構成に触れるためであり、ラスト部分のネタバレなどはしません
物語の構成を触れるのは、どうしてもネタバレになってしまうからの
カエル「とても簡単に3幕構成にしたら、以下のようになっています」
- 中学生時代・物語の始まり、青春作品
- 成人後・警察とヤクザなどの関係性、バイオレンス作品
- ラスト ミステリー作品
このような構成になっていたわけじゃな
亀「重要なのは、この中でどれを見せたかったのか? という部分じゃな。
①の青春時代とその関係性を描きたかったようにも感じられるが、そうなると②のバイオレンス的なテーマが噛み合っておらんように感じられた。警察とヤクザの話は、映像的にも派手で確かに引き込まれる。しかし、それが物語の中核であるはずの、青年時代の話とリンクしておったじゃろうか?
むしろ、その味付けがある分、最後の部分や肝となるメッセージ性、テーマ性が阻害されていないじゃろうか?」
青春期のある種のエモさがバイオレンスでかき消されたと?
この作品の場合はエモさとは若干異なるわけじゃがな
カエル「少年期から大人になったことも含めて、キャラクターを整理するのも大変だったし、その関係性がガラリと変わるから考えるのが難しかったのかなぁ」
亀「構成を練っていたのは伝わるし、尖った部分が少なくなったのを良しとするか否かといったところかの。
ワシとしては先に述べたように、デビュー作でオリジナルは特に個性が欲しいと感じたから、今作のまとまった作品は違和感があったのかもしれん」
個人的な相性の悪さ
あと、この作品との相性の悪さもあったということだけれど……
この映画の根本にある感覚が、どうしてもうちと相性が悪いのじゃな
カエル「その感覚って……何というかなぁ。ヤンキー的思考というか、悪しき男らしさの発露というか……そういうものなのかな?
うちがオタクだからというのもあるとは思いますが、そういう感覚が苦手で嫌厭してきたからこそ、この映画の感覚が合わなかったのかなぁ」
亀「うちとしてはこの映画には”田舎のヤンキー男子”の感覚が下敷きになっていると感じた。
少年期はそこまでヤンキー的ではないが、例えばヤクザになって暴力的な思考を行うところだったり……最もそれを感じたのは、ミステリーのネタバレになるのでぼかして語るが、事の真相が明らかになるシーンで行われていた過去の出来事というのは、確かに大問題ではあるが……何というかの、それは確かに現実でもあるとは思うが、田舎のヤンキー男子が最も屈辱と考える事のような気がしてしまうかの」
その感覚が悪いという話ではないと、強調しておきたいです
あくまでも相性の悪さの話じゃからな
カエル「この世界や価値観に対して、とても親近感を覚える人もいるだろうし……
だけど、うちとしてはそこまで……って事なんだね」
亀「この辺りは難しいところであるが、単純に住んでいる世界も見てきたものも人も全く異なるために、感じることが違和感として出てしまったのじゃろう。
その意味では監督が見てきた、あるいは表現したい世界がそのまま出ていたとも言えるし、世界を構築するという意味ではよくできていたのかもしれんの」
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