それでは、今回は『ARIA The CREPUSCOLO』の感想記事になります!
公開1ヶ月以上過ぎてからの記事、遅くて申し訳ありません……
カエルくん(以下カエル)
「公開初日に見に行ったのにも関わらず、記事にするのがだいぶ遅れてしまったねぇ。
実は記事自体は半分くらい書いていて、ずっとその先が書けずに眠っていた作品でもあるんだよねぇ」
主
「遅れても記事にしたい作品でもある、ということでご容赦願います」
カエル「同じ週に公開されたエヴァに話題を取られてしまった感もありますが、こちらも癒し系アニメの金字塔として、高く評価され注目される作品です!
それでは、遅くなりましたが感想記事のスタートです!」
感想
それでは、Twitterの短評からスタートです!
#ARIAカンパニー
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2021年3月5日
ARIAは音響のアニメだと思っているけれど映画館の音響&美麗な作画にて水の都の惑星ネオヴェネチアへと誘われる
お互いを想い合うからこそすれ違う心、変わりゆく日常と変わらない関係性、それら全てを優しく美しく包み込み優劣なく愛おしき日々を描き出す
60分間の素敵探しの旅だった pic.twitter.com/6lkb3Wcyna
特別料金1800円、パンフ2600円が安く感じるよね…
— 井中カエル@物語るカメ/映画・アニメ系VTuber(初書籍発売中!) (@monogatarukame) 2021年3月5日
もうパンフというより、天野こずえ書き下ろし漫画付きの資料集だし…
ファン目線ということもありますが、大絶賛ですね
カエル「このシリーズも息が長い上に熱いファンが多いからね……特に1期が2005年に放送されて以降、その後の日常系アニメブームの先駆けとも言える人気を記録、癒し系アニメとして金字塔のような立ち位置となっています。
もちろん、うちもリアルタイムでテレビアニメを追いかけているほか、原作は全部読んでいるくらいには、好きな作品なので、その補正が大いに入っていることをご承知ください」
主「でもさ、実際レベルが高かったと思うんだよ。
前作の『ARIA The AVVENIRE』に関しては、自分はちょっと辛口の評価になるかもしれない。というのは、やっぱり映画サイズで見るべき作品とまでは思わなかったから。
今作はまるで別物!
作画も全て新規カットで、美術も素晴らしくて、テレビアニメも当時とレベルが違って1つ上がっているよね。しっかりと現代の映画であるべき理由も伝わってくる出来栄えだった!
それこそ、ネオヴェネチアに旅行に行ってきたような気分になる作品だよ」
今作に関しては、特に音楽・音響が素晴らしかったのではないでしょうか
ぜひとも音のいい映画館・環境で見てほしいね
カエル「今作ではオレンジぷらねっとと歌姫であるアテナ先輩が中心となるお話と言うこともあり、歌唱シーンなどもあります。そこが最大限にエモくなるように作られているので、音響には拘ってほしいかな」
主「そもそも、ARIAって音響の作品でもあると思うんだよね。
自分はそこまでOSTなどは買わないのだけれど、ARIAだけは別。
全て揃えて何度も聞き込むほどに、聞き惚れているんだよね。
お金がない時代に友達にCDを借りてさ、ずっと聞いてた。もちろん、その後にちゃんとオリジナル音源を買ったよ。
それくらいに好きだからこそ、作中で『ルーミスエテルネ』などが流れてくると、それだけで涙が出てきてしまうほどなんだよね」
カエル「その意味では、やっぱりファン向けという評価をしないといけないのかな」
主「新規さんでも、『ARIA』がなぜ今でも語られるタイトルなのかは伝わると思う。
それくらい、ヒーリングアニメとして、日常系アニメとしてよくできている。
女の子たちがキャッキャしているところを見るだけの……言っちゃなんだけれど、萌えアニメとして見ても面白い。
その意味では、入門編に相応しいとまでは思わないけれど、でも多くの人に見てほしい作品ではあるのかなぁ……」
60分、特別料金1800円作品の是非
今作もまた、特別料金1800円で上映時間も60分ほどとなっています
最近はこの形式が増えたよなぁ
カエル「それこそ『ガルパン最終章』とか、あるいは『海辺のエトランゼ』なんかもそういった作品だよね。2021年だと『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』がそうだったのかな。
一昔前ならばOVAだったのだろうけれど、今はアニメ映画でもこの形式が増えているから、今後もどんどん増えていくのかもしれないね」
主「最初は『また60分1800円の特別興行シリーズか……』って思いもどこかにあったけれど、観終わったあとは完全に、それが安いと思ってしまった。
三千円近いパンフすらも即決で買ったほどだよ。
ここ最近思っているけれど、2時間を超える映画って間延びしている感がかなりあって……全く間延びしない作品なんて、よっぽど面白くないと、なかなかね。
それだったらいっそ、60分くらいにしてさ……その分内容を作り込んでくれた方が、ファンも嬉しいと思う」
その意味では、他の映画と比べることがなかなか難しい作品とも言えるけれど……
その点も含めてファン向けという評価にはなってしまうよ
主「まあ、でもいいんじゃないかなぁ。
アニメ作品って、大ヒットしているものが多いから勘違いしがちだけれど、基本的には一見さんお断りな作品ってとても多い。他の映画よりも、どうしても間口は狭くなってしまう。
『鬼滅の刃 無限列車編』だって、あれだけ売れているからまるで一般向け作品の権化のように言われているけれど、原作漫画の途中・テレビアニメの後の話と考えると、そこまで間口が極端に広いわけではないんだよね。
むしろ、それで一般層を狙って変な作品になるよりも、こういった作品に仕上げてもらったほうが、ファンの人も喜ぶのではないだろうか」
今作を支えたレイアウト&演出
それほどまでに絶賛させる要因って何になるの?
やっぱり、レイアウト&演出になるんじゃないかなぁ
カエル「近年は作画のことを言われることも多くて、確かに派手で見応えのある作画の作品もものすごく増えていて、それもそれでいいけれど……でも、こういった日常的な話でありながらも、しっかりとレイアウトや演出で魅せてくれる作品は、とても引き込まれるよね」
例えば、このシーンを見てほしい
もう、バリバリに際立っているよね
主「今作の主人公ともいえるアリスが、光り輝く世界にすでに踏み込んでいることを証明しているよね。周囲が暗い中でも、彼女は明るく派手な世界にいる。
それはそれで祝福なんだけれど、同時に怖くもある。
1人であることを強調するようなカットともいえるわけだ」
カエル「それが後半のこの演出に生きてくるんだね」
光り輝く舞台に、2人で立つんだよね
主「この繋がりが本当に良かった。
1人だと周囲が暗い中でも、2人で立つとそのスポットライトはさらに光り輝く。
また、パンフレットに載っていた天野こずえ先生の漫画版だと、流れなどが若干異なるんだよね。同じ話をどのようにアレンジするのか、この話の場合は天野先生の原案をサトジュンが脚本化、という流れだけれど、2人のストーリーテラーとしての作家性の違いや、漫画やアニメの表現媒体の違いが味わえたのではないだろうか。
この辺りは音響も含めて、とても良かった……この見せ場があるからこそ、ここまで大絶賛する作品になったと思うんだよ」
それから、個人的に好きなポイントの話になりますが、灯里&暁コンビもいいニヤニヤを届けてくれたよねぇ
この2人のくっつきそうで、くっつくない感じとかいいよねぇ
カエル「あの絶妙な感覚が見ていて1番ニヤニヤできる気がします。
お互いがお互いを意識しているし、何なら好意を自覚すればすぐにどうにかなるのものを、そこまで思い至らないからこその関係と言いますか」
主「ここもさ、後輩3人の暁への対応とか……まあ、あのアイちゃんはさすがに暁は知っているんじゃ? という想いもあったけれど、そこの崩し作画とかも含めて、とても良かった。
パンフレットで語っていたけれど、今作の場合は総作画監督の伊東葉子がキャラクターデザインから、作画に関しては全て管理していた(「正しい意味での作画監督」という発言も)ということだけれど、『あまんちゅ!』なども担当されていて、天野作品への愛がものすごく感じられる。
今作はシリアスなドラマも、コミカルな間も含めて、天野作品の魅力を最大限に活かすための映像化するのか? ということに拘った作品だろう」
声優の演技と”変わるものと変わらないもの”
そして、今作の声優陣についても語っていきましょう!
絶賛ものの演技だったよねぇ
カエル「何がすごいって、葉月絵理乃や広橋涼などは、当時の演技とちょっとだけ変えてきているんだよね。
後輩として教わる立場から、一人前のプリマになって後輩を導く立場になった……そのことを声だけでも表現している。同時に、その不安も内包していて……
逆に大原さやか、皆川純子などは変わらないことで、芯のある、見守ってくれる頼もしい先輩女性を演じていて!」
主「それから、ここは絶対に触れなければいけないのが佐藤利奈だろう。
アテナ役の川上とも子さんが逝去されてから、新しくアテナ役に、しかも一言レベルではなく、しっかりとしたセリフを当てられている。それでも、新しいアテナ像を作り上げている点において、やはり一流の声優だと感じられた。
また、これも有名な話だけれど茅野愛衣は『ARIA』シリーズをみて声優を志したという話もある。
広橋涼も含めて、オレンジぷらねっとの川上とも子、佐藤利奈、広橋涼、茅野愛衣というメンバーこそが”変わるもの、変わらないもの”を見事に体現していた」
今回は主題歌も変更になっているよね
どうしても自分の中ではARIA=牧野由依なんだけれど、安野希世乃もARIA世界への導入をしっかりと果たしてくれていたね
主「『ARIA』という作品の……少なくとも、このお話の肝は『あの頃は良かった、ではなく、あの頃も良かった』なんだよね。
変わりゆく日常を懐かしみはしても、過去も今も否定しない。そして今作は『過去のARIA』も良かったけれど、『今のARIA』も変わらずに良い。
でも、何も変えないわけではない。
変わるものは変えていき、変わらないものは残していく……そんな、当たり前でありながらも、難しいことに挑戦し続けていく作品だということを、見事に証明してくれたね」
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