はじめに
id:willnetさんこと、前島真一さんから「Ruby on Rails 6 エンジニア 養成読本」という書籍をご恵贈いただきました。
前島さん、どうもありがとうございます!
というわけで(本をいただいてからかなり時間が経ってしまいましたが)、今回は本書の書評を書いてみようと思います。
「Ruby on Rails 6 エンジニア 養成読本」のもくじ
本書の目次はこのようになっています。
Rails 6の新機能の紹介 → Rails入門記事 → フロントエンド関連の記事 → テストの話 → Rails 6で改善された機能の紹介、という流れですね。
- 巻頭特集・ようこそRuby on Railsの世界へ ~ここが変わった! Rails 6の新機能~
- 特集1 Rails 6ではじめるRuby on Rails再入門
- 第1章:RubyとRailsの基礎知識
- 第2章:Railsコマンドの基本
- 第3章:Rails の開発を体験しよう
- 第4章:Rails アプリケーションを公開しよう
- 特集2 Rails 6からのイマドキ フロントエンド開発
- 第1章:webpack へ変わったJavaScriptの管理
- 第2章:SprocketsによるCSSの管理
- 第3章:Railsに標準で組み込まれているJavaScript
- 第4章:控えめなJSフレームワークStimulus
- 特集3 Rails新時代の組み込みテスト
- 第1章:Railsに標準で組み込まれているテストの種類と並列テスト
- 第2章:ユニットテストでテストを書こう
- 第3章:システムテストでアプリケーション全体の動作を確認する
- 一般記事・押さえておきたい!Rails 6で改善された機能一覧
それでは、以下が本書の書評です。
よかったところ
Rails 6の新機能が理屈や仕組みも含めて把握できる!
僕みたいに普段Railsを使って仕事をしていて、「Rails 6が出たな〜。新機能がいっぱい追加されてるけど、ひとつひとつチェックする時間はちょっとないんだよな〜」と思ってる人には最適な内容だと思いました。
Action TextやAction Mailbox、複数データベースの利用など、Rails 6の新機能が「ほどよい深さ」で紹介されています。
「ほどよい深さ」というのは、表面的に「こんなことができるようになりました」と機能を紹介するだけでなく、それがどういうからくりで実現されているのか、というところまで説明されている、という意味です。
技術というのはやっぱり理屈をわかっていた方が、その新機能を業務で使うべきかどうかを適切に判断できたり、不具合の調査がしやすくなったりするんですよね。
そういった情報を惜しみなく載せてくれているのがありがたいなと思いました。
新機能以外の解説記事もGood!
新機能の話ばかりではなく、個人的にそこまで得意ではないフロントエンド周りの話題(Webpack/Webpackerとか)や、実務でも少しずつ使い始めているActive Storageの解説も詳しく載っているのが良かったです。
特にActive Storageについては、この本を読んで「なるほど!」と思った部分を実務に適用したりすることもできました。
惜しかったところ
経験者向けの本に振り切ってくれた方が個人的には良かったかも
あくまで「僕個人の観点においては」という注釈付きになりますが、「少し惜しかったなあ」と思うのはRailsの入門記事が本書の約3割占めていたことです。
この入門記事があることで、本書のターゲットはいったい誰?という気持ちになりました。
この記事だけかなり初心者向きすぎるんですよね。
それ以外は中級者向けというか、Rails経験者向けの内容だったので、経験者はこの入門記事からあまり学べる内容がないし、Rails初心者はこの入門記事以外はちょっとハードルが高い、という問題が起きそうな気がしました。
つまり、初心者と経験者、どちらにとっても読み飛ばすページが発生してしまう、ということです。
個人的には入門記事のページ数をぐっと減らして、経験者向けの内容をもっと増やした方が良かったんじゃないかなーと思いました。
(おそらく経験者ばかりでなくRails初心者も読者に取り込みたい、という編集者さんサイドの意向が強く働いた結果なんじゃないかなと推測しますが・・・)