「熊本復興支援に必要な力を身につける活動研修事業」について、お知らせします。 - ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

ジャパン・プラットフォーム(JPF) 公式ブログ

緊急人道支援組織、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のブログ。NGO・経済界(経団連、企業など)・政府(外務省など)が連携し、国内外の緊急人道支援を実施。寄付金・募金受付中。

「熊本復興支援に必要な力を身につける活動研修事業」について、お知らせします。

ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、熊本地震の支援を続ける団体やグループの皆様が今後の活動に活かせるヒントを得ていただくため、過去の被災地に学ぶ視察研修事業を実施しています。夏から続いていた視察ですが、地域事業部熊本担当が、10月の終わりから11月初めにかけてそのうちの3団体に視察同行いたしましたので、その一部を紹介します。

■2017年10月27~29日(宮城県編:石巻-仙台行ったり来たり旅)
10月27日
熊本大学の学生の災害支援サークル、「災害ボランティアサークル sunflower」の5名の視察で、仙台にある「みやぎ心のケアセンター」へ同行しました。
代表で参加した5名ですが、サークルの熊本地震支援では、仮設住宅に訪問し、子どもたちとの遊びを通した支援を続けています。彼らにとっても初めての大規模で長期の災害対応なため、地震の恐怖やガラッと変わった仮設住宅での生活に戸惑う子どもたちへの接し方に悩んでいました。
「みやぎ心のケアセンターの企画研究部長、福地医師からは、経験に基づいた、しかも専門的なアドバイスをたくさんいただき、スポンジが水を吸うように彼らに浸透していっているのがわかりました。
「もっと話を聞きたい!」「もっと勉強したい!」ということで、来月に2つの研修を受ける計画を進めています。

f:id:japanplatform:20171216194226j:plain
▲みやぎ心のケアセンターで話を聞く熊本大学の学生さんたち(C)JPF

一つは、(公財)日本ユニセフ協会(以下「ユニセフ」)と(国研)国立精神・神経医療研究センターが共同制作した「子どもにやさしい空間(CFS)」という研修です。災害や紛争の影響を受けている子どもたちが安全に安心して過ごすことのできる“居場所”を確保し、学校や遊びなどの“日常”を提供する活動に役立つ内容です。
もう一つは、ユニセフと日本プレイセラピー協会の「遊びを通した子どもの心のケア」の研修。幼い子どもたちへの心をサポートし、子どもの自己回復力を助ける内容です。
それぞれの学校の勉強の合間に、半日の長い研修を受けることになりますが、彼らの「もっと子供の心を知りたい、わかりたい!」というキラキラした表情は、 “爽やかな風”が吹きわたったようでした。 

10月28日
熊本に引っ越し、働きだしてすぐに地震を経験した、松岡亮太さん率いる、「くまもと友救の会」。重機を操る一方で、仮設住宅にお住いの方からの小さな声も拾って、様々な支援をしています。3名が、石巻市北上町で移住型の就労支援、まちづくりを目指す一般社団法人イシノマキ・ファームを訪問しました。
素敵な古民家が事務所です。代表の高橋由佳さんより、米作りが主だったこの土地に、ホップが自生していることがわかり、ホップを栽培し石巻では初のクラフトビール「巻風エール」ができたこと、また住民の皆さんに溶け込んで農業をすることの大切さ、などのお話を伺いました。松岡さんたちは、熊本でどんな計画を立てるのかな?
楽しみにしています!

f:id:japanplatform:20171216194529j:plain
▲イシノマキ・ファームで高橋さんにお話を聞く(C)JPF

f:id:japanplatform:20171216194613j:plain


f:id:japanplatform:20171216194651j:plain
▲「巻風エール」」と北上町のホップ(C)JPF

■11月3~5日(新潟県編:中越ぐるぐる旅)
宮城の次の週は、新潟です。村を横断する断層で全村避難した、西原村大切畑(おおぎりはた)地区の皆さんが、中越地震に学ぶ視察の同行です。大切畑地区は、ほぼすべての住宅が全壊しましたが、下敷きになった人は、住民たちの助け合いで全員が助かったそうです。熊本市のベッドタウンとして人口が増えてきた西原村でしたが、この地震で別の場所へ移ることを決めた住民も出てきており、今までのように顔が見え、助け合える地域づくりのヒントを得たいと、この視察に参加しました。

f:id:japanplatform:20171216194827j:plain
▲田麦山集落で「いきいき田麦山」の皆さんにお話を聞く(C)JPF

2004年10月23日に起きた新潟県中越地震から、既に13年が経っていますが、新潟の山間地域、山古志の住民の皆さんのお話を聞くと、被災から今に至るまでの思いが質問を受ける時のどっしりとした重みのある姿勢や言葉に表れているようでした。
「自然」「伝統」「次世代」この3つがそろって、地域は息を吹き返すのだな、と感じました。地域で採れる農作物、錦鯉、闘牛、育っていく子どもたち。西原村の皆さんへは、「これからを担うあなたたち、若い人ばかりじゃないか。村を出ていく者は追うな。残った者だけなら意見はまとまりやすくなる。十分やれる。」と、“中越の長老”より“熊本の若人”への激励の言葉があり、勇気づけられたのではないかな、と皆さんの背中を見ながら感じました。

f:id:japanplatform:20171216195000j:plain
▲11/14にJPFスタッフが訪れた、西原村大切畑地区

f:id:japanplatform:20171216195047j:plain
▲ 住宅の庭先が崩れたままになっている

11月15日には、熊本市内で、視察に参加した14団体の報告と、今後の計画づくりのための研修が行われました。
詳しくは、JPFホームページの「熊本復興支援に必要な力を身につける活動研修事業」をご覧ください!
http://www.japanplatform.org/contents/kumamoto_workshop/

みなさんの今後の活躍が楽しみです。

地域事業部 斎藤
(2017年4月より、国内事業部から地域事業部へ部署名を変更しました)