Djangoはデータベースマイグレーションの機能を持っています。 ですが、 実際、Djangoマイグレーションってどう使うの? という疑問が多いかと思います。
この記事では、 マイグレーションを稼働中のアプリケーションに、無停止でどう反映すれば良いのか を説明します。 前提としてWebアプリ、データベースは本番環境に1系統づつあるとします。
基本的に無停止でマイグレーションを実行するのは 絶対に安全という方法ではないので、動作確認などをして慎重に反映する必要があります 。
無停止でマイグレーションを反映する基本
マイグレーションを 無停止で行う場合、「マイグレーションとアプリのリリースはどちらを先にすべきか」 という話になります (マイグレーションをするということは、アプリケーションの変更も必要になります)。
上記ではない場合、アプリケーションを停止する時間が必要になります(アプリケーションを停止、マイグレーションを実行、アプリケーションを変更して実行する)。
マイグレーションの3種類
アプリケーションを無停止のままマイグレーションを反映するには、まずマイグレーションの種類を判断する必要があります。 ここでは大きく分けて3つのマイグレーションと考えられます。
追加、変更、削除それぞれのマイグレーションをどう反映するのかが重要です。
動作確認は必要
無停止でマイグレーションを実行するのは、Webアプリが誤動作を起こすリスクを持っています。 方法は後述しますが、アプリケーションの作り方によって問題が発生し得ます。また、動作が保証される状態でもありません。 本番環境へリリースする前に、マイグレーションを実行しても問題ないか開発環境で必ず動作確認しましょう 。
マイグレーションを実行するタイミング
アプリケーションを無停止でマイグレーションを実行するには種類と実行するタイミングが重要です。 それぞれマイグレーションの種類ごとに、稼働中のWebアプリにマイグレーションを実行する方法を説明します。
テーブル、カラムを追加するマイグレーションの場合
テーブル、カラムの追加をするマイグレーションは、アプリのリリースより前に実行できます。
テーブル、カラムが増えたところで、Django製のアプリケーションには基本的に影響がありません。 ですので、Webアプリケーションのリリース前にマイグレーションを実行します。
- マイグレーションを実行する
- Webアプリケーションをリリースする
テーブルやカラムが増えても、既存のDjango製のWebアプリケーションの動作や、通信量には影響がありません。 DjangoはSQLを実行するときに、取得するフィールド(カラム)を全て指定するからです。
ただし、DjangoのQuerySetでextraやrawを使う場合や、生SQLを実行する場合はこの限りではありません。 アプリケーション内に影響するプログラムは無いかは事前にちゃんと確認しましょう。
カラムの削除をするマイグレーション
カラムの削除をする場合は、先にWebアプリケーションをリリースします。 アプリケーションが先にリリースされることで削除対象のフィールド(カラム)は使われなくなります。
- Webアプリケーションのリリース
- マイグレーション実行
削除対象のカラムが完全に使われなくなったことを確認してからマイグレーションを実行できます。 ただし「カラムが絶対にWebアプリ内で使われていない」ことを確認するのは大変です。慎重に確認した後、マイグレーションを実行しましょう。
カラムを変更するマイグレーション
カラムを変更するマイグレーションの場合は注意が必要です。 マイグレーションを無停止で実行できるかどうかはマイグレーションの内容によります。
例えばカラム名を変更するマイグレーションは無停止ではリリースできません。 どちらを先に実行しても、稼働中のWebアプリケーションに影響を与えます。
- 無停止でリリースできない
- テーブル、カラム名の変更
- カラムの型を変更
- 無停止でリリースできる(可能性がある)
- カラムの最大長などを変更
- インデックスの追加、削除
マイグレーションの内容を理解して、無停止で安全に反映できるかを確認しましょう。 カラムの最大長変更なども、稼働中のアプリケーションに影響を与えますので注意しましょう。
マイグレーションが複数ある場合
カラムの追加するマイグレーション、削除するマイグレーションが複数ある場合、Webアプリが無停止のままでは同時に反映できません。 その場合はひとつひとつマイグレーションの実行と、アプリケーションのリリースをする必要があります。
Djangoでマイグレーションを1つづつ実行する方法は別のブログ記事で説明します。
まとめ
Webアプリを無停止のままマイグレーションを反映するには、マイグレーションの内容を理解してリリースする必要があります。
改めてになりますが、本番環境にリリースする前には開発環境で動作確認しましょう。 開発環境で、無停止でリリースできることを確認してから本番環境でリリースしましょう。
Djangoマイグレーションの内容を確認する方法や、1つづつ反映する方法は別のブログ記事で説明します。
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