人狼TLPTって何? 人狼ゲーム×アドリブ芝居の魅力とは【観劇ブログも紹介】 - 週刊はてなブログ

人狼ゲーム×アドリブ芝居ってどゆこと? 客席参加型の舞台「人狼TLPT」観劇エントリーを集めました

人狼TLPTアイキャッチ画像

週刊はてなブログを運営する「週刊はてなブログ編集部」と、クライアントのオウンドメディア記事を制作する「はてな編集部」が合同でブログを紹介する連載企画「編集部が気になるブログ」。今回ははてな編集部のカワハラが2019年頃からハマっているという「人狼TLPT」にまつわるブログを紹介します。

会話と推理を中心に行うパーティーゲームの総称として広く親しまれている「人狼ゲーム」。

基本的なルールをもとに多数のバリエーションが考案されていますが、ざっくり言えば5〜15名程度の参加者が「村人(市民)陣営」と「人狼陣営」に分かれ、それぞれ自陣の勝利を目指していくゲーム。対面でできる専門店やボドゲカフェほか、アプリでのオンライン対戦、Zoom等を活用したオンライン人狼など、さまざまな方法でプレイすることができます。



人狼ゲームのルール(人狼TLPT版)
※村人陣営には「預言者(占い師)」「狩人(騎士・ボディガード)」など、人狼陣営には「狂人(裏切り者)」などこれ以外にも多数の役職があり、それぞれ固有の能力を持った状態で戦います

人狼ゲームを扱ったコンテンツも多く、『人狼〜嘘つきは誰だ?〜』(フジテレビ系列/2013-14年)といった人狼ゲームを題材にしたバラエティ番組の放映や、人狼ゲームを題材とした小説、映画シリーズが展開されています。

それと、これは偏った観測ですが「アイドルが人狼ゲームをする」動画は意外と多い気がします。筆者は約20年ほどアジア圏のアイドル全般をゆるやかに追っているのですが、パッと思いつくだけでも乃木坂46*1、V6、新しい地図*2、アンジュルム*3などが人狼ゲームをしていたり、K-POPアイドル界隈でも、人狼ゲームに近い(けど微妙に異なる)「マフィアゲーム」をプレイしていたり。



V6人狼バトル〜V狼〜(49th Singleより)



2020年韓国でデビューしたボーイズグループ・TREASUREが、自身のYoutubeチャンネル内の自主コンテンツ「TREASURE MAP」でマフィアゲームをする動画

ほかにも、動画サイトでプレイ動画の配信をしているチャンネルも数多くあります。自分でプレイをしたことがなくても「人狼ゲームをしている様子を見たことがある」「人狼ゲームのプレイ動画を見るのは好き」という人は意外と多いのではないでしょうか。(筆者も自分でプレイしたことがありません……)

そんな「人狼ゲーム」を題材にしたコンテンツの中で、今回紹介したいのは「人狼TLPT」です。

人狼TLPTって?

人狼TLPTの正式名称は『人狼 ザ・ライブプレイングシアター』(じんろう ザ・ライブプレイングシアター)。人狼ゲームを題材とした舞台劇のシリーズで、「The Live Playing Theater」の頭文字を取り「人狼TLPT」という名称で親しまれています。

筆者が人狼TLPTに出会ったきっかけは割愛しますが、上記の通り「アイドルや役者、タレントが人狼ゲームをしている動画」を見る機会が多く、それらを見るのが好きだったことと、演劇・舞台自体に関心があったこともあり、一度観劇したらすっかりハマってしまいました。



1ステージまるごと見られる動画が配信中。人気登場人物の一人「医師 マドック役」を演じているのは舞台『A3!』『「BANANA FISH」The Stage』などの脚本・演出家でも知られる松崎史也さん

ここがポイント

人狼TLPTのポイントは「人狼ゲーム」と「インプロ(台本のない即興劇)」が融合された「舞台劇」であるということ。

物語の導入となるオープニングシーン以外に脚本はありません。演者はオープニング後、ゲームが始まるとゲーム展開に基づいたストーリーを全てアドリブで繰り広げていき、ゲームとしてどちらかの自陣の勝利が確定したタイミングで舞台も終幕します。

毎公演、誰がゲーム上どんな役割になるのかはランダム*4かつ、物語の展開・結末が上演回によってまったく異なるため、全てのステージが「たった一度の物語」に。10公演見れば10公演とも違う展開・結末が待っているというのが、人狼TLPTシリーズならではの面白さだと感じます。

舞台『人狼 ザ・ライブプレイングシアター』(人狼TLPT)はステージ上の13名が言葉を尽くし、千変万化の物語をアドリブで紡ぐライブ・エンターテインメントです。

出演者がルールに用いるのは人気パーティーゲーム「人狼」。脚本はオープニング以外まったくなく、開演直前に6種類13枚のカードで決まる役割に従い人間 vs 人狼の戦いを即興で繰り広げます。

13名の中に潜んでいる3匹の人狼を、人間たちは処刑できるのか? それとも人狼たちが正体を隠し通し、ついに彼らを滅ぼしてしまうのか? 繰り返される昼と夜が、手に汗握る人間ドラマを描き出します。

人狼TLPTとは


また、客席では毎公演投票用紙が配られ、ステージを見ながら「誰が人狼なのか」を予想しながら参加することができるのも、この舞台ならではの魅力。

景品

劇場観劇時、3人の人狼を当てると記念品としてもらえる缶バッジと、2023年5月に上演された『#48:WITCH III 星降る夢と13人の魔女』で販売された出演者別のアクリルスタンド(筆者私物)


ゲームとしての面白さと、お芝居を鑑賞するという楽しさ両方が味わえますし、演者と同じ目線で推理をするので「客席参加型」の舞台と表現されることもあるようです。

(※どういう風に舞台が進行されていくのか? というのは、人狼TLPTのプロデューサー・桜庭未那さんが解説しているこちらのインタビュー記事などが分かりやすいかもしれません)
『人狼TLPT』の仕掛け人・桜庭未那に聞く「必勝法のないアドリブ劇」の魅力

はてなブログで見つけた人狼TLPT観劇ブログ

人狼TLPTは毎公演物語の展開や結末が変わるので、公式でも終演後の「ネタバレ」がOKとアナウンスされています。Twitterでは「#人狼TLPT」というハッシュタグで感想ツイートをよく見かけるのですが、ここでははてなブログで見つけた観劇エントリーをピックアップします。

すごく面白くて、また絶対来たい

Image: 【毎度今更すぎる】2022年下半期の推し事振り返り【記憶が…】 - 名前はまだない

人狼TLPTの存在は数年前から知っていたというともすけ (id:neo_tomo)さんは、2022年10月〜11月にかけて上演された「人狼TLPT 10th Anniversary -ROSERIUM-」で初めて観劇することができたのだそう。

人狼ゲームそのものが好きということもあり、「舞台上でストーリーありで展開されるってどんな感じなのかな」と思っていたそうですが、「また絶対来たい!」と感じる時間を過ごされたようです。

同じ結末になることがない、アドリブで生まれるドラマ性

初めてTLPTを見終わった時の衝撃はすごかった。手に汗握るというか正直疲れました(笑)でもそれぐらい面白くて・・・
人狼ゲームに巻き込まれた村人を演じるということ、命がけで人狼と戦うわけで、そこにはただのゲームでは生まれないドラマ、そしてそのドラマは必ずその時だけのもの。たった1度きりのストーリーがそこに生まれるわけです。

【人狼TLPT】#45:MISSION IV 第9ステ 観劇感想 - Beyond‼

2022年に上演された「裏社会のプロ」を登場人物に据えた「MISSION」シリーズを観劇したYUKA (id:spica5132)さん。 観劇した回はキャストの一人が突然「ぶっこみ」設定をし、「神回を引いたのでは?」と感じるほどの面白さだったとのこと。

役者の方々がキャラクターの設定をせりふ回しで変幻自在に変えてくるのも、アドリブ劇ならではの魅力です。

spica5132.hatenablog.com

言葉と人間の身体を組み合わせないと表現できない何かがある

2020年11月に上演された、深海の研究施設が舞台となる「DEPTH」シリーズ。コロナ禍になり無観客配信やオンラインでの企画を実施していた人狼TLPTの久しぶりの劇場上演回です。

本公演を観劇したタウンビギナー (id:TownBeginner) さんは、長年人狼TLPTを見てきていた方。コロナ禍での久しぶりの劇場上演で、「演劇をやる人々やエンターテイメントにとって、このコロナは戦いに他ならないのだと聞いてて感じ入る」こともあったそう。

例えばオンラインで出来る、観られて楽しめるようなエンターテイメントを創造するのは、もちろん1つの立派な在り方だけど「舞台」という装置を生かして演者&スタッフと観客が作り上げる演劇は、エンターテイメントの立派な一形態であり、オンラインで完全に代替できない何かなのだろう。

20201128 人狼TLPT DEPTH3 贖罪の海を劇場で観た - 今日も知らない街を歩く

今ではオンラインでの同時配信もスタンダードになりつつありますが、人狼TLPTはオープニング以外決まったセリフや演出がありません。そのとき、その瞬間しか生まれない言葉の応酬や空気感は、劇場だからこそ感じられる部分もあるはず。

客席からの笑いや表情など「生の反応」がダイレクトで返ってくるのは、演者にとってモチベーションになるという声を聞くので、個人的にもできる限りではありますが、劇場に足を運びたいな……と思います。


ほかにもはてなブログで見つけた、人狼TLPTの観劇ブログ

筆者は2019年の終わりごろに人狼TLPTの存在を知ったため、それ以前に上演された回の感想ブログを読むたびに「もっと早く知っていれば……!」と思うばかり。

定期的に過去公演の配信販売などもされていますが、全ステージ、出演者の役割、展開・結末が違うので永遠に鑑賞し続けたくなってしまうんです……。

非公式広告です

人狼ゲームのルールはよく分からないという方でも、きっと楽しめる人狼TLPT。演劇に興味がある人はもちろん、劇場というものに少しハードルの高さを感じている方でも、推理ゲームや謎解き、クイズが好きであれば、かなりとっつきやすいのではないかなと思います。

そしてここからは非公式広告ですが、人狼TLPTの最新公演が2023年6月6日〜11日(絶賛上演中)、また8月にも予定されているとのこと。

動画配信サービスなどでも過去公演が見られるので、少しでも興味を持っていただけた方はぜひ一度チェックしてほしい(まずはYouTubeの無料配信からでも!)!

配信ステージ一覧 | 人狼TLPT

そしてぜひ公演の感想を、SNSやはてなブログで綴ってくれるとうれしいです。はてなブログでの「人狼TLPT」エントリーが増えるのを、(ひっそりと)楽しみにしています。

*1:乃木坂46時間TV内にて

*2:稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾3人によるABEMAでの番組『7.2 新しい別の窓』内「ななにー人狼ゲーム」が不定期で開催されている

*3:アンジュルムの人狼ゲーム#1~嘘つき狼を見破れ!~参照

*4:演者同士も誰がどの役割なのかは分からない状態。開演直前にゲームの進行役となるゲームマスターによって6種類13枚のカードが配られて、その公演での役割が決まります

By カワハラ
Profile

カワハラ

女性向け総合サイトの編集職を経て2016年はてな入社。はてなではオウンドメディアの編集をしています。音楽と舞台、コスメ、SASUKE、人狼……なんでも好きです。