早期に開発を - ヒマローグ

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早期に開発を

2024-10-29 08:52:01 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「研修に使いたい」10月24日
 大学生が作る紙面「キャンパる」に、『面接練習 AIにお任せ 中央大が新システム導入』という見出しの記事が掲載されました。『就職活動の早期化が進む中、忙しい学業と就活の両立を手助けしようと、この生成AIを就活に利用する取り組みが急ピッチで拡大している』ことを報じる記事です。
 記事によると、中央大の取り組みは、『正確にこちらの音声を認識し、的確な質問を投げかけてくれる。また面接指導だけでなく、終了後、即座に面接の出来について評価し、やりとりの文字起こしまで行ってくれる至れり尽くせりのシステム』だということでした。
 私はこの記述を目にし、当時これがあれば、と教委勤務時のことを思い出しました。私は、全国に先駆けてと教委が始めた「指導力不足教員研修」の担当者になりました。そこでも研修で大切だったのが、自分が行った授業の記録(録音)を文字起こしし、どこが問題だったのか、なぜ子供の反応が悪かったのか、教員の意図は伝わっていたのかなどを分析することでした。彼らは文字起こしが遅く、なかなかはかどりませんでした。中には、文字起こしだけで予定の時間を終えてしまう者もいました。また、文字起こしはしたものの自分の力では問題点を見つけられない者も多くいました。私は、彼ら一人一人について一緒に分析を手伝おうとしましたが、精々数人に関わるのが精一杯でした。さらに、私が共に分析に関わると、自分で考えようとせずに、私に頼りっきりになってしまう受講者も少なくありませんでした。しかし、人が成長するためには、自分の失敗と成功をきちんと把握し、その原因を分析し、改善して次に臨むという試行錯誤の繰り返しが不可欠です。ですからこの研修は、指導力向上に欠かせないものだったのです。
  この生成AIが当時あれば、文字起こしは一瞬でできます。何千かの授業を事前に学習させておけば、問題点を指摘することも難しくはないでしょう。さらに、問題点の指摘から解決策の提示まで行わせることも可能になるはずです。
 当初は生成AIに指摘→分析・考察→改善策提示を頼って、コツを掴んだら少しずつ受講者が自分で行うようにし、最終的には受講者が指摘→分析・考察→改善策提示のすべての過程を独力で行うという形で、授業力の向上が図れるようになるはずです。
 もちろん、指導力不足とされた教員以外の普通レベル、指導力に優れた教員にとっても、自分の授業力をさらに向上させるツールとして活用することができることになります。文科省や教育研究所、大学等が合同で開発に乗り出してみることを切に望みます。

 

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