コラム記事【11/19~11/20】 - ちょこっとGUM

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コラム記事【11/19~11/20】

2024年11月20日 23時27分08秒 | マリーンズ2024
≪11/19≫


 「(目標は)一軍出場です。自分の持ち味だと思っている打撃を生かして一軍出場を目指したいと思います。広角に打てるのは自分のアピールポイントの一つであって、それともう一つは率を残せるというのを自分の中で軸にしている。ホームランバッターというよりは、アベレージを残せるバッターだと思っています」。

 昨年12月7日に行われた新入団選手発表会で今季の目標に“一軍出場”、“アピールポイント”についてこのように語っていたロッテ・寺地隆成は、一軍出場しプロ初安打、ファームではイースタン・リーグ2位の打率.290の成績を残した。

ファームで新人とは思えない打撃を披露

 寺地は3月16日のDeNA二軍戦で公式戦初出場を果たすと、翌17日のDeNA二軍戦では『5番・捕手』でプロ初スタメン出場し、プロ初安打を含む猛打賞。0-5の4回二死走者なしの第2打席、平良拳太郎が1ボール2ストライクから投じた5球目の137キロインコースカットボールを片手1本でうまくセンター前への安打は技ありの安打だった。 

 寺地は「あの時は2ストライク追い込まれてからだったので、インコースにも対応できるように。自分はアウトコースも打てるようなバッターだったので、インコースはあまり得意ではないんですけど、インコースも頭に入れときながら、それで打てたのでその時は詰まりながですけど、センター前に運べたので良かったと思います」と振り返った。

 開幕から安打を量産し4月7日終了時点で二軍戦の打率.304をマークしていたが、4月13日の楽天二軍戦から4月18日のオイシックス戦にかけて5試合連続無安打があるなど、4月終了時点の打率は.260。

 「調子に波があるような気もするので、そこをまずは克服していかないと。慣れてはいますけど、今の課題である波をどのように克服していくかが一番の課題点というか、そういう部分なので、そこをしっかり克服して頑張っていきたいと思います」。

 調子の波を克服するために「ティー打撃とかも、バッティング入る前に打撃でしっかり自分の中である程度のポイントを作ったりとか、自分の振りを確認したり、試合に入る前にしっかり技術練習を怠らないようにしています」と明かした。

 5月は出場した15試合中11試合で安打を放ち、18日のDeNA二軍戦から30日の楽天二軍戦にかけて8試合連続安打。そのうち3試合で複数安打を記録。月間打率は.359(39-14)と打ちまくった。

 寺地は「自分の特徴としてはセンターから逆方向の打球が強いというのがあるので、そこを自分の中で変えてしまった部分がありました。引っ張りに入りたかったというのがあるので、それがきっかけに体が開いてしまったのが打てなくなった原因だったのかなと思います」と自己分析。

 体が開いて打てなくなっていた課題を克服したことで、再び安打が増えてきたのだろうかーー。

 「克服まではいかないですけど、しっかり意識してきた中でできたことだと思っています。それを継続して行ったら、波というのが減ってくるのかなと感じます」。

 6月18日には「雰囲気的なところも(一軍と二軍で)違ったところもありますが、何かを変えるというわけではないんですけど、今までやってきたことができたと思います」と、金田優太、松石信八、田中楓基、永島田輝斗らとともにZOZOマリンスタジアム(室内練習場)で行われた一軍練習に参加。

 6月は月間打率.224(49-11)だったが、同月29日のオイシックス戦から7月6日のDeNA二軍戦にかけて5試合連続安打、そのうち3試合で複数安打と復調すると、7月20日は「打撃でアピールができたのではないかなと思います。とても嬉しく思います」とフレッシュ球宴にも出場。

 7月は16試合に出場して月間打率.356(59-21)で「7月は調子が良かったと思っています。以前は調子の波が激しかったのですが、7月は波が少なかったのがよかったと思います。試合中にも打撃の修正ができるようになり、調子が悪い時でもヒットを打つことができたのが収穫です」とスカパー!ファーム月間MVP賞を受賞した。

 8月に入ると、さらに勢いが加速する。1日の日本ハム戦で3安打し打率を3割に乗せると、20日の西武二軍戦で4安打、24日のオイシックス戦で2安打しシーズンの打率を.318まで上げるなど、8月の月間打率は7月を上回る.385(52-20)。

 夏場に盛り返した要因に「キャッチャーの方でなかなか結果が出ずにいたので、なんとかバッティングで取り返せるように、なんとしてもバッターの方でチームに貢献したい気持ちがあったからこそ打てたのかなという感じはします」と説明した。

 ファームの投手に慣れてきたことも関係しているのだろうかーー。

 「少しずつストレートにも対応できているんじゃないかなと思いますし、浮いた変化球も少しずつですけど、合わせられるようになってきたので、少しは慣れてきたのかなというのは自分の中で感じはしますね」

 シーズン序盤に“調子の波を克服していかないと”と話していたが、「春先に比べて、7月、8月は調子の波が少なかったんじゃないかなと思います。試合の中で調子が悪かったとしても、なんとかしようと。工夫を重ねて1本でも多く打てたりという時期があった中で、ここ最近波が激しくなってきたと思います。そこをしっかり詰めてやっていけたらなと思います」と冷静に話した。

 工夫を重ねてと言うところでは、9月6日のDeNA二軍戦では左の濵口遥大に対して、足の上げ方が小さめのフォームで打ち、0-2の5回二死二塁の第3打席、2ボール2ストライクから8球目のチェンジアップをうまく合わせてライト前に適時打を放った。そういった部分も工夫に入ってくるのだろうかーー。

 「結構刺されるという感じがあったので、タイミングもそうですけど、足を上げるタイミングを小さくして自分の中でピッチャーに対してタイミングを取れるように頑張ったのかなと思います」。

 9月19日の取材で「自分の中で今年の目標は一軍出場と掲げています。打撃の調子を落としていくと上がれないのかなと言う感じがするので、18日のようなバッティングを今月ずっと続けられるように、調子を落とさずやっていけるように頑張りたいと思います」と意気込んでいた中で、シーズン最終盤の10月3日に一軍初登録され、同日の日本ハム戦に『1番・指名打者』でプロ初出場。目標に掲げた“一軍出場”を達成した。

 0-1の初回無死走者なしの第1打席、「初球から積極的に行こうと思って打席に入りました。真っすぐ狙いではありましたが、上手く変化球に対応できて、しっかり打てました。プロ初安打嬉しいです」と達孝太が投じた初球の136キロカットボールをレフトフェンス直撃の二塁打。

 長所であるレフト方向にプロ初安打を放った。「個人的にも評価できるポイントだったのかなと思います。センターから左方向の強い打球を打っていくのが一番の長所である部分ではあると思うので、1打席目に出せられたのは一番良かったかなと思います」。

 吉井理人監督も「なかなかプロ初打席初球から振る勇気が出ないと思うんですけど、変化球をしっかり捉えてレフトの後ろまで飛ばすのでやるなと思いました」と評価した。

 ただ、課題も残った。2打席目以降は日本ハム投手陣のストレートに苦戦。2打席目は達の前にオールストレートで空振り三振、6回の第3打席も齋藤友貴哉のストレートに3球三振、8回の第4打席は山本拓実のストレートに二ゴロ。2打席目以降は10球全てストレートで抑え込まれた。

 寺地は一軍の投手のストレートについて「質が違うというか、ストレートを狙っていてもファウルになったので、今日課題が見つかると思って試合に臨んだ結果、課題が見つかったのは良かったのかなと思います」と前向きに捉えた。

 寺地はプロ1年目、ファームで打率.290、一軍では打率.143で終えた。

栗原コーチが見た寺地

 今季ファームで打撃コーチを務め、来季から一軍打撃コーチとなる栗原健太コーチは寺地について「開幕してから彼も本当に良いバッティングを見せてくれて、夏場、オールスターまでですかね、良い感じで打っていたんですけど、毎日試合するというのが高校生の時なかったわけですから、夏場暑い、体力的なもので少し9月調子を落としたんですけど、それもいい経験と思っています」と話し、「この1年間シーズン戦ってみてなんとなくわかったでしょうから、本当また来年しっかりこの経験を活かしてさらなるレベルアップ目指してやってほしい」と期待を寄せた。

 寺地の対応力について「打席内での修正能力は彼はある方だと思っている。なかなか高卒1年目ではできないことではありますから、すごいなと思って見ていました」と目を細めた。

 寺地は11月7日から「打撃面では一振りで仕留められるくらいのコンタクト力を身につけ、守備面ではブロッキングと送球を上達できるように頑張ります」と、大谷輝龍、吉川悠斗、松石信八、山本大斗とともにオーストラリアで行われているウインターリーグに参戦中だ。プロ2年目となる来季は一軍での出場数を増やし、1本でも多く安打を放ち、一軍定着できるような活躍に期待したいところだ。

▼ 寺地隆成の今季成績
一軍:2試 率.143 本0 点0
二軍:104試 率.290 本2 点39

取材・文=岩下雄太 

(ベースボールキング)

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≪11/20≫


 ロッテの大谷輝龍は即戦力ルーキーとして期待された今季は、一軍で1試合に登板して、1被安打、3奪三振、防御率0.00だった。

 ストレートが持ち味の大谷は2月2日の石垣島春季キャンプで初ブルペンに入ると、2月7日にはライブBPに登板し、藤原恭大、藤岡裕大、石川慎吾、中村奨吾相手に21球中被安打は2本に抑えた。大谷の球を受けた柿沼友哉は「真っ直ぐは強かったですね。僕は初めて捕ったので、まだなんとも言えないですけど、引っ掛けている感じのマッスラ系が気になりました。普段はどうなのかなという話をしたりとかしましたね。“こういう時に、こうなる”という大谷自身の特徴みたいなものも、わかればいいかなと思います」と評価した。

 大谷は2月11日の紅白戦で0-0の3回に白組の3番手で登板し、上田希由翔、藤原からフォークで空振り三振に仕留めるなど1回を無失点。「アピールというか、自分の今できる範囲で、実力を試せたらなと思います」。沖縄本島での練習試合では、3試合・2回1/3を投げ、2被安打、2奪三振、1与四球、2失点。ZOZOマリンスタジアムで行われた3月10日のソフトバンクとのオープン戦で、1回を無失点に抑えたが、開幕はファームスタート。

 ファームでは4月まではリリーフを務めていたが、5月2日の日本ハム二軍戦では「特に先発も久々だったので、どうかなという感じで入ったんですけど、思った以上にできた」とプロ初先発し、4回・51球を投げ、被安打0、4奪三振、無失点の好投。この時期は、「本当キャッチボール、ピッチングだったり試合を想定して、先発というところを見据えてキャッチボールでもピッチングでも無駄な球をなくしたいというのが大事にしているところですかね」と明かし、一軍に上がるために必要なことについて「現状変化球の精度、コントロールだったりもう1個レベルを上げなきゃいけないなと思いますね」と自己分析した。 

 5月24日のオイシックス戦で先発した後、3ヶ月以上登板がなかったが、8月21日の西武二軍戦で復帰すると、ここから再びリリーフに配置転換。9月以降は「真っ直ぐの強さが出てきたので早いカウントで打ち取ったりすることができるので、真っ直ぐの質が良くなったのかなと思います」と1イニングを投げた7登板中4試合で15球以内にまとめた。9月6日のDeNA二軍戦では、「あの日は結構、僕の中でも割と調子が良いと思っていたので、良い真っ直ぐが投げられたと思います」と石上泰輝を1ボ―ル2ストライクから空振り三振に仕留めた外角のストレートが良かった。

 ストレートは夏場以降良くなった印象で本人は「質にこだわっている感じですね」とのことで、「強い真っ直ぐをいかにどう投げられるかというところで、真っ直ぐの質をひたすらこだわって、フォークは高めに浮かないようにところを徹底してやっています」と語った。

 10月3日にプロ入り後初昇格を果たし、同日の日本ハム戦に0-1の6回にプロ初登板。「緊張はしましたし、不安もある中で上がったんですけど、ランナーを出してから落ち着いて投げられたので良かったかなと思います」。先頭の水野達稀にレフト前に運ばれるも、水谷瞬を152キロストレートで見逃し三振、続く浅間大基を130キロのフォークで空振り三振、最後は清宮幸太郎を140キロのフォークで空振り三振。

 「しっかりストレートでファウルも取れましたし、フォークで空振りが取れたので、結果的には良かったと思います」。

 10月4日に一軍登録を抹消され、プロ1年目は一軍での登板は1試合だった。この1年の収穫について「球が少しでも弱くなると、僕みたいなピッチャーは真っ直ぐが絞られると思う。球が弱かったら打たれたりするので、そこはそういう球を逃さないと思う。強さとかは来年以降こだわっていきたいと思います」と話し、強さを求める中で「いろいろあるんですけど、下半身が弱くならないように。下半身を意識したトレーニングを入れていますね」と明かした。

 11月7日からは「ストレートと変化球に磨きをかけて、自分のピッチングにもっと自信をつけたいと思います。そして、来シーズンはチームの戦力になれるようにしっかりレベルアップしたいです」と吉川悠斗、寺地隆成、松石信八、山本大斗とともにオーストラリアのウインターリーグに参戦中だ。

 来季に向けては「1年間通して投げられる体力、真っ直ぐをしっかり1年間強い球を投げ続けられるように、頑張りたいですね。シーズン始まってから開幕一軍で行けるように、完成度の高いピッチャーになるような練習をこのシーズンオフはやっていきたい」と意気込む。来季は春季キャンプからアピールし、一軍の競争に割って入りたい。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)


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