刀城言耶シリーズの短編集、3作目。
ストーリー
所有する者に福と禍(わざわい)を齎すという”魔偶”。その、奇妙な文様が刻まれた土偶を確かめに、刀城言耶は旧家・宝亀家を訪れる。すでに集まっていた客たちは、話し込む当主と言耶をよそに次々と魔偶を収めた”卍堂”に向かうが……。表題作他、文庫初収録「椅人の如き座るもの」を含む全五編を収録したシリーズ第三短編集。
魔偶が齎すのは、福か、禍か。
妖服、巫死、獣家、椅人、
若き刀城言耶が対峙する謎の数々。
文庫初収録作を加えた
人気シリーズ第三短編集”決定版”、
待望の文庫化!
表題作を含む全5篇からなる短編集。
個人的な好みで言うと、三津田さんのこのシリーズは長編のほうが面白いし読みごたえもあると思っているのだけど、短編は短編での良さはあるかな…と。長編が本編だとしたら、短編は前日譚だったりスピンオフっぽいものとして捉えれば、ということかな。
全5篇のうち表題作「魔偶の如き齎すもの」については、怪相舎で言耶を担当する編集者の祖父江 偲と出会う頃の話。長編ではお馴染みの祖父江さんなので、そういう出会い(って言っていいのかしら😅)だったのかー!と、ただ謎解きをするだけではない面白さがあったかな。
椅人の人間椅子の話は某作品のオマージュ的なもので、少々現実離れしている設定だったけど、ぞわぞわしました。獣家の話はホラー寄りと見せかけて…
トータルしてホラー味は薄目でミステリー色がどちらかというと濃い話が多かったような気がします。
次作は長編。今のところこのシリーズはあと1冊なのかな。
続きがあるのかどうかわからないので、しばらく間を開けて様子見。