この暑い時期に大飯喰らいで発熱量の大きいKT88プッシュプルアンプを引っ張り出して鳴らしてみた。
それまで聴いていたRCA245シングルアンプと聴き比べると、明らかに音色が違います。
何より音の明瞭度、音抜け、音の張りが違う。245はスカッとして音が前に出てくるのに対しKT88はちょっと大人しめで詰まった感じがする。
245は低音が伸び、中音から高音は突き抜けるが、KT88にはそれが無い。
特に、前回このブログで取り上げたレコード「サンチェスの子供たち/チャック・マンジョーネ」を聴くと違いがよくわかる。またボーカル物の「空港/テレサ・テン」でもテレサの声の伸びが違う。
あれ? 駆動力の優るKT88なので、もっと低音に力が有って良い筈なのに?245の方が下に伸びている様に感じる。
う~ん? これは私の好みの音では無いな~。何より音楽を聴いていて楽しくないし魅せられない。
プッシュプルとシングルの違い?(一般的にプッシュプルの方が駆動力がある筈)、出力管の違い?、NFBの深さの違い?設計・構成の違い?使用部品の違い?
<KT88 PPアンプの球構成>
出力管 : KT88(本物のGEC製4本)
ドライブ管 : TUNG SOL復刻 6SN7GT (made in Russia)
初段 : TUNG SOL復刻 6SL7GT (made in Russia)
この中で、この音質に支配的なのが初段の6SL7と踏んだ。
そこで、6SL7系の球はそれ程ストックを持ち合わせていないが、Sylvania製6SL7GWT(茶ベース)に交換。
結果、正解!。音に張りが出てきました!。背筋がピンと伸びた感じです。
Webで調べてみると、この6SL7WGTを6SL7系の定番としている人も居るようです。
こんなに音が変わるなら、他の球も試してみたくなりました。