(浪人生作品3点)
11月上旬。特待生入試などの実技試験も始まり、国公立志望の生徒も少しずつ動き始めている今日この頃です。最近は京芸祭の準備や本番で多くの講師が休んでいるため教室は少しバタバタしています。
アトリエ伊丹では毎年京芸進学者が増えていて、現役京芸生の1割以上が元生徒の割合になっているので、芸祭に行くと沢山の「伊丹っ子」に出会うことができます。
他校はどうかわかりませんが、僕は志望する大学の芸祭に行って授業を休むことに反対はしていません。特に浪人生は一日しっかり楽しんでリフレッシュしてきたら良いぐらいに思っています。
さて今回僕も京芸祭のスポンサーやクラウドファンディングなどに協力させてもらっています。素晴らしい芸祭になることを祈っています。
(浪人生作品2点)
本日は京都市立芸術大学の立体制作についてのお話です。僕が立体の講評の時に意識していることを中心に少しだけブログにも書いてみます。
①主題 「出題内容を理解し、テーマを表現できているか。」
●テーマ性を意識すること
京芸では抽象的なテーマだけでなく、具体的なテーマも出題されます。意識すべきは客観的に見てテーマを感じる作品であること。決め打ちではなく、このテーマだからこそ思いついた形であることが理想です。
②特性 「材料の性質・特性を意識できているか。」
●材料を活かすこと。
切る、折る、貼るなどの基本方法以外にも伸ばず、広げる、丸める、結ぶ、括るなどその材料にしか出来ない性質や特性を見抜いて表現すること。
③造形美と迫力 「範囲・材料内で大きく制作できているか。丁寧で360度美しい作品であるか。」
●造形的に美しく迫力のある作品を目指すこと。
正面だけでなく360度美しい作品であること。そのため35 × 35 × 35の立方体の中に作品を作るイメージを持つことが大切です。
④安定 「接地面及び軸とバランスを意識し確実に立たせられているか。」
●必ず立たせるように作ること。
「強度、軸、バランス」を意識し、早めに立つことができるように意識して制作すること。また採点は翌日に行われるため最低でも24時間耐久出来る強度も必要です。
⑤読解 「課題違反・条件違反をしていないか。」
●条件違反、はみ出しをしないこと
問題文を何度も読むこと。大切な部分にはアンダーラインや丸で囲むこと。④で説明したように安定感を意識していないと、時間と共にはみ出すこともあります。
⑥時間 「時間内に完成させることができる作品であるか。」
●常に時間を意識して制作できているか。
未完成では点数はつきません。まずは一つひとつの作業スピードを上げることが重要です。また立体はエスキース通りに進めることが難しい課題です。途中でイメージ通りいかないと思った時は、今の形に拘らず臨機応変に対応すること。また立体科目は問題文の説明、カラーカードの貼り付け作業の他に移動用カバーの組み立てなどで制作出来ない時間帯が他の科目より長いため、3時間丸々使えないことを心得て対策しておかなければいけません。
(現役生作品3点、浪人生作品3点)
(11月になってさらに生徒が増えています。)