Landsat Image Services を使ってみよう(その1:Webアプリケーション編)

Landsat Image Services を使ってみよう(その1:Webアプリケーション編)

米国 Esri 社は、ArcGIS Online の1コンテンツとして全世界4時期分(1975年、1990年、2000年、2005年)の Landsat 画像データの配信を開始しました。この大量のデータは ArcGIS10 の新しいデータ管理技術である「モザイクデータセット」として格納され、ArcGIS Server Image Extension の「イメージサービス」として配信されています。これは、ArcGIS DesktopArcGIS Explorer Desktop、ArcGIS Explorer Online 等での利用のほか、これを使用した Web アプリケーションである「Change Matters Viewer」および「Landsat Touch」としても公開されています。

Overview

今回「その1」ではこの2つの Web アプリケーションの操作方法を紹介します。

Esri 社ニュースリリース
Esri and DOI Introduce Landsat Data for the World
Are You Buried in a Landslide of Imagery?

Landsat Imagery メインページ

◆ Change Matters Viewer
多時期の Landsat 画像を使用した変化抽出をインタラクティブに行う Web アプリケーションです。2時期の画像と変化抽出結果を3列のビューアに並べて表示するものと、1つのビューアに各画像と変換抽出結果を重ね合わせ表示するものの2種類のインターフェースが用意されています。

1.上記「Landsat Imagery メインページ」の左側の [Launch Viewer] ボタンから起動します。最初に起動するのは3列ビューアです。

2.ページ上部に説明、その下に「Change Matters Viewer」の Web アプリケーションが配置されています。ビューアの右上の [View Larger] をクリックするとブラウザ内で全画面表になります。左と真ん中のビューアは2時期の Landsat 画像、右のビューアはその2つの画像から正規化植生指数(NDVI)を計算し、さらにその差分により2つの画像間の変化を強調したものが表示されています。経年変化により植生が増えた部分は緑色、減った部分はピンク色で表示されます。

3.ビューア上で画像をドラッグしたり、ホイールを回転したりすることで移動や拡大縮小が可能です。また、3つのビューアは連動して動きます。

4.[Search:] フィールドでは地名による検索ができます。ここに「Tokyo」と入力して虫眼鏡のアイコンをクリックし、現れる Search Result ダイアログで「Tokyo, Japan」をクリックすれば、表示範囲が東京にスイッチされます。

5.[Select Years:] では、表示する2時期の画像の組み合わせを選択します。これを切り替えることにより、右端の NDVI 変化画像も切り替わります。

Changeviewer1_2

6.各ビューアの上部には [Full Screen] というボタンがあります。これをクリックするとChange Matters Viewer の別の顔である1画面のビューアが起動します。こちらのビューアでは、Landsat 画像が地図と重ね合わせ表示されています。

7.右側の [Select Year] のスライダーバーで Landsat 画像の時期を選択することができます。また、[Select Transparency] のスライダーでは透過率を選択でき、現在の地図と比較することができます。

8.[Overlay Change] のチェックを有効にして [Select Data Range:] から任意の2時期の組み合わせを選択するとそれらの画像から抽出した変化箇所が緑とピンクの画像で表示されます。3列ビューアでは連続的な変化画像でしたが、こちらではそれを2色に分類した画像となっています。

9.[Adjust Change Map] ボタンをクリックすると連続的な変化画像のヒストグラムが現れます。この下にあるスライダーで分類の閾値を変更すると、ビューアに表示されている変化画像の緑やピンクのピクセルがリアルタイムに増減します。これにより、関心のない変化をふるい落とし、興味のあるものだけを残すことができます。
Changeviewer2_2

現在は高解像度衛星の画像が当たり前のように Web で見られるようになっていますが、この Web アプリケーションは「画像を使った解析もできる」という点が大きな特徴です。このような解析のできる形での配信は衛星画像の新しい利用形態と言えるでしょう。

◆ Landsat Touch

もう一つ、ArcGIS Online にアップされている「Landsat Touch」を紹介します。同じ Landsat Image Services を利用した Silverlight による Web アプリケーションで、タッチデバイスに対応しています。画面をダブルクリックすれば小さいビューアが現れ、端を軽くドラッグするとくるくる回ったり滑っていったりします。さらにこの小さいビューアをダブルクリックすると画像の種類を選択したりビューアを閉じるボタンが現れます。普通のPCでも見られますが、Silverlight に対応したタブレットPC 等をお持ちの方は是非「指で」試してみて下さい。

Touch

次回「その2」では、ArcGIS Desktop(ArcMap)で Landsat Image Service を直接利用する手順を紹介する予定です。

■ 関連リンク
ArcGIS Server Image Extention
モザイクデータセット

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