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春日太一の木曜邦画劇場 第624回防衛庁全面協力で見せる本物のディテールの凄み!『駆逐艦雪風』
2025-03-13 05:00 -
春日太一の木曜邦画劇場 第623回「戦下、軍人が負う役割を映した戦中派作家が訴える強きメッセージ」『南十字星』
2025-03-06 05:00 -
春日太一の木曜邦画劇場 第622回「総理は官邸内で生きていた! 命懸けの任務を描く救出劇!!」『二・二六事件 脱出』
2025-02-27 05:00 -
春日太一の木曜邦画劇場 第621回「冷たく淡々と研ぎ澄まされた物語。若き日の、あの俳優たちの二・二六」『叛乱』
2025-02-20 05:00 -
春日太一の木曜邦画劇場 第620回「成田三樹夫演じる蔦屋重三郎の、幕府への命懸けの叫びに心震える!」『歌麿 夢と知りせば』
2025-02-13 05:00 -
春日太一の木曜邦画劇場 第619回「黒崎輝、志穂美悦子、真田広之……JAC勢ぞろいの青春コメディ!」『コータローまかりとおる!』
2025-02-06 05:00その利便性やラインナップの充実もあり、映画鑑賞は配信が主流になりつつある。本連載でも「こんな作品も配信されている!」とよくネタにしてきた。が、それでもDVDやBlu-rayのソフトを継続して出している各レーベルを応援していきたい。
それは、各レーベルともに苦しい状況下で折れることなく、それぞれに工夫しているからというのもある。だが、それだけではない。
配信は、たしかに便利だ。ただ、各プラットフォームがその作品の配信を停止したり、あるいは運営自体が終わったりすれば、もう二度と作品に触れられなくなってしまうのだ。その点、DVDなどは一度購入しておけば、再生機が永久に入手・修理できない状況にでもならない限り、作品の視聴はできる。旧作の検証を生業とする身としては、ソフトを出し続けてもらうことはアーカイブとしても大きな価値があるということだ。
『コータローまかりとおる!』は、配信は以前からされていたが、この二月、新たにDVDが発売されるので、今回取り上げることにする。 -
春日太一の木曜邦画劇場 第618回「全身パツパツの白タイツヒーローを宇津井健が堂々凜々しく演じ切る!」『スーパージャイアンツ 鋼鉄の巨人 -アトムAB団編-』
2025-01-30 05:00 -
春日太一の木曜邦画劇場 第617回「新東宝では珍しい文芸的青春映画。名画座でもあまり会えない佳作だ!」『太陽と血と砂』
2025-01-23 05:00旧作邦画のソフト化に関わる各レーベルは、配信全盛の現状において厳しい状況にある。それでも、そうした中で決して折れることなく、コレクターズアイテムに足るような充実したパッケージ作りに勤しむレーベルも少なくないことは、前回述べた通りだ。
その名の通り新東宝作品を出し続ける「新東宝キネマノスタルジア」も、奮闘中のレーベルの一つだ。新東宝はただでさえ旧作邦画でもニッチな存在。その上、そんな新東宝であまり知られていない作品も含め、このレーベルは熱心にDVD化している。そのため、かなり厳しい戦いをしていると考えられる。だが、たとえ商品として難しそうな作品であっても、パッケージや画質も含めて手抜きはない。
今回取り上げる『太陽と血と砂』は、「~ノスタルジア」が昨年DVD化している。 -
春日太一の木曜邦画劇場 第616回「小松左京原作、藤岡弘、で見せる超能力スパイ『エスパイ』の激闘!」『エスパイ』
2025-01-16 05:00 -
春日太一の木曜邦画劇場 第615回「今はなき大井武蔵野館と東映ビデオによる好企画で、あの頃が甦る!」『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』
2025-01-08 05:00本連載の初期で時おり触れてきた映画館が、大井武蔵野館だ。東京は大井町にあった名画座で、筆者は一九九〇年代の前半から閉館した九九年まで、足しげく通っていた。
「名画座」とはいっても、誰もが認める「名画」を上映することはほとんどなかった。映画史の主流から大きく外れた映画や、公開時も決してメインどころではなかった映画を特集することが多く、石井輝男、鈴木則文、牧口雄二といった監督たちが東映で撮ったポルノ映画や深作欣二監督がヤクザ映画で鳴らす前の初期作は、この映画館で知った。
決して傑作というわけではない、気だるさを放つ映画たちと、うらぶれた雰囲気のある当時の大井町の路地が実によく合っていて、これが鬱屈を抱えて過ごしていた高校時代の筆者には心地よかった。
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