メグロK3にはある! カワサキW1で感じる恍惚感と殿様乗りの堂々たる気持ち!!
メグロが100周年を迎えた今、その系譜を継ぐモデルが細かくデザインをアップデートしています。クラシカルなスタイルと高品位のパーツたちが、魅力的としか言いようがありません。カワサキW1を愛車に持つバイクジャーナリストの青木タカオさんが、ぞっこん惚れ込みつつ試乗を満喫しました。
堂々たる昭和の乗車姿勢
メグロK3は、大きく手前に引かれたワイドなハンドルバーで、ゆったりとした乗車姿勢。堂々たるライディングポジションは、いわゆる往年の“殿様乗り”だ!
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360度クランクのバーチカルツインはフライホイールマスが大きく、低中速域のトルクが太い。そして何よりも、真っ直ぐに並行して後ろへ伸びた左右2本のマフラーが、太く歯切れのよい音色を奏でているではないかっ!!
カワサキ“ダブワン”(W1SA/1971年式)に30年間乗り続けている筆者としては、気になる存在なのは言うまでもありません。「MEGURO K3」(140万8000円)です。
ダブワン乗りなら拝む老舗
ファンの間では広く知られていますが、「メグロ」はダブワンのルーツであり、カワサキビッグバイクの礎になりました。
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「目黒製作所」が設立されたのは1924年(大正13年)で、車両メーカーに供給するトランスミッションの製造で名を馳せるとエンジンの注文も舞い込むように。
オートバイの完成車を製造し、初の市販車500ccOHV単気筒「メグロ Z97」を世に送り出したのは1937年(昭和12年)。「Z」は日本海軍で奮励を意味するZ旗、97は1937年が皇紀2597年だったことに由来します。
1939年(昭和14年)に、白バイとして「メグロ Z98」が警視庁に10台納入。官需にも応えるなど、戦前から戦後において「陸王」とならぶ国産大型二輪車の名門となります。
東京市大崎区目黒村(現・品川区桐ヶ谷)にあった工場は戦時中、1943年(昭和18年)に栃木県・烏山町へ疎開。戦後、1948年(昭和23年)から東京・目黒で再びモーターサイクルの生産を再開しています。
メグロの白バイ「スタミナKP」は、1964年(昭和39年)の東京オリンピックでは聖火リレー走者先導や周辺警護という重要な任務を担いました。
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その年、川崎航空機工業(現在の川崎重工)と目黒製作所が統合。「カワサキ500メグロK2」(1965年/昭和40年)譲りの360度クランク・バーチカルツインエンジンが、排気量を624ccに拡大されつつ「カワサキW1」(1966年/昭和41年)へと受け継がれていくのです。