（驚愕）　

最後の修復は10年以上前だったし、年齢諸々を考えると、そろそろ来そうだという、嬉しくない予感が現実となり、本来なら、8割負担のNHS患者として登録している歯科医院へ行くのだが…気が乗らずに自問自答を。　

　

まずは、登録した頃の腕の良い先生が引退されて、新しい先生に審美的なセンス諸々をお任せできるのかについてで、一度、奥歯の詰め物が取れた際にお願いした時は、処置自体は可もなく不可もなくといった感じだったけど、他の事で自費診療コースに誘導されそうになったんで、これが引っかかり、納得して進められるほど信頼できるのかと言えば、30%くらいか。と、こんな感じで自分の視点を確認した後に、予測できる治療の内容と大まかな費用を比較する3択を作成。

①　NHSの最安値£70.70（約12,950円）で再修復だったら、過多な要求はできないし、予約も含めて時間がかかる。　

　

②　NHSの最高値£306.80(約56.180円)＋α　で、長引く治療と審美的な物の優先度が下がる処置になりそうで、このパターンから、自費診療に誘導される可能性あり。

③　自費診療の目安£95〜800(約17,370円～約14万6,490円）で、思い切って、腕の良さそうな歯科医院を探して託す。

　　

①は無し、②は、長引く治療になるほどの自覚症状がないので、可能性が低いと思いつつ、後任のドクターに覚えた違和感…インフレ率や金利を考えると、保険適応診療の患者だけでは厳しい経営事情も分かるけど、支払いに見合うだけの確信がなく、これも没。

消去法で③になり、良さそうなホームページやレビュー、他にも過剰な設備投資等をチェックして比較する中で、シンプルな印象で明確な料金表が載っていた歯科医院に賭けることにして、なんともギャンブル的だと思いながらも、進むしかなく、さっそく予約の手続きをしたら、生活保護者以外のNHS新規登録は受け付けてないと難色を示されたので、自費診療の旨を伝えると３日後に予約が取れるという急展開に。　

（計画性）　

医療と同じく、プライベートだと早い！そんな格差を目の当たりにして、この先、健康に関する投資の機会が増えていくのは必至だろうから、私の場合は、約10年毎にガタが来る何本かの歯が散財源になりそうで、注視しておかないと、こんな筈じゃなかったーなんて事になるな。なんてことを思いながらも、今回の大博打は、かなりの腕前の医師＋明朗会計と大当たりで、自費診療強しを実感(私費は院長でNHSは若手の先生が担当のようだった）。結局のところ、同じ処置でのNHSと私費の比較をしたら、£24.30（約4,420円）の差額で、快適さや時間を買ったと思ったら満足でしたが、これは、あくまでも単純処置だからのことで、複雑になればなるほど、その差額が大きくなることを肝に銘じておかねばと思いました。最近、NHS患者の新規登録を受け付けている歯科が激減している話を何度か耳にしているので、ひとまず、その権利を保留しながら、可能な限り私費で診てもらいたい先生が見つかって良かったし、私よりも一回りほど若い方という点でも、終の歯科医院になり得るかもと希望が持てたことも嬉しい結果に。歯医者さんの二股みたいなことになってしまったけど、使い分けをしなくてはならない不自由な状況に対応しつつ、いつか、また転機が来るまではこの状態でいるのが最善かなと。

子供の頃から、医療制度に恵まれた環境にいたので、何か問題が起きたら病院に行けば良いという考えが身についていたけど、イギリスに来てから、その考えが見事にひっくり返ってしまい今に至るわけで、逆に、自分の健康を他者に依存する他力本願的な感覚でいたことが恐ろしくも。　

まずは、己を知り自己管理に励み、それでも、プロの力を借りなくてはならない時には、相応に助けていただくシステムの「ゆりかごから墓場まで」の合理性が既に心地よくなってしまった反面、またまた「地獄の沙汰も金次第」を思った、この国の分かりやすいシステムに苦笑。　

（オマケ：懐かし）　

若干下がったインフレ率と言われても、依然6.7%と、イングランド銀行の目標2%を大きくぶち破っている現実。写真は、6年前に娘を連れて行ったBank of England Museum（HP)での、船の操作に模したインフレシュミレーションゲームの様子で、力加減が苦手な娘は、2%前後にコントロールできずに、高インフレ率を記録し爆笑していた呑気な頃の物だけど、よもや、現実になるとはつゆ知らず 　加減が難しいのは分かるけど、そろそろハイジャックされたかのような軌道の修正も含めて、安定した舵取りをお上に請いたいものです。