コッツウォルズへ墓守の旅(後編)
2023年 09月 07日
私が暮らすバーミンガム市が財政破綻したとのショッキングなニュースが流れた週明け早々に、燃料が確保できなかったとかで、ゴミの回収が1日遅れになったものの、大きな混乱に至らずに良かった。来年度のカウンシルタックスは、15%位上がるんじゃないかとの予測もあり、一市民としては、我慢のしどころだけど、これを機に、行き過ぎたリベラル、もしくは似非なのかとまで思ってしまうような、今までザルだった、不透明だったり、ゴネ得系の不公平極まりない助成金を「無い袖は振れましぇん」の大義名分で、打ち切るなどの大きな膿出しをしてほしいと切に願うばかり。
(活用)
週末に訪れたコッツウォルズに話を戻して、かつては、豊かな水資源を活用した繊維関係の工場が点在していたエリアの産業遺産再利用で見ることができた、足るを知る慎ましさについて感じたことを。特に、よく回っているなと感心したカフェでは、景気がパッとしない地域ながら、地元の人達に悲壮感のようなものはなく、スタッフも客も、自然体で皆ができることを少しずつやっていて、健全な人が持つ、心の余裕を感じる場面が度々ありました。
(分かち合い)
食事は健康の源で、皆で分かち合う幸せの理念を基に、経済的に厳しい状況にある人や家庭の自尊心も慮る「食事代は懐具合にお任せします」というシステムで、飲み物やデザートは、£2〜£4(約370円~734円)位の価格帯に設定されているけど、2種類から選べる食事は£0〜£7(1,285円)または、それ以上を自分で決めて支払えるようになっていて、その狙いは食育の普及。
(感謝)
(新業?)
私は、非ベジタリアンを試してみましたが、地元の生産者との提携で供給されているソーセージや野菜は美味しく、オーガニック系のお店にありそうな、良質のバターや絶妙なトマトソースを使ったコーディネートも気に入って、食べ物以外にも、色んな意味が含まれている£7を喜んで支払いました。娘には、普段は禁じている炭酸飲料ながら、原料の良さで許したカルマ(!)コーラとアイスクリームを、朝のパンがまだ胃の中を泳いでいた夫は、デトックススムージーを購入し、寄付も含めて£20(約3,670円)で大満足。
(
生産者)
収支の不足分は、この取り組みをサポートしてくれる人達からの、週あたり£5の寄付金から補われているそうで、イギリス人伝統のチャリティー精神の真髄を垣間見たような、清々しい気持ちになりました。また、このカフェは、食を通して地域の再生、人の絆を生み出し、食育の実践を含む様々なプロジェクトによって相互扶助の共同体を既に作り上げているようで、行政主導で起こった組織ではないのだそう👏
(近隣①)
(近隣②)
短い間の滞在でも無駄の少なさを随所に感じた経営センスの良さは、公金どっぷりのぬるま湯に浸かっていても磨かれるものじゃないなと思いながら、他にも、雇用の機会をはじめ、関わる人達が皆、win-winになるようなシステムの家具のリサイクルショップや、運河を保存するチャリティー団体の古本屋も隣接していて、都市部の50〜75%オフの掘り出し物もあり、またまた、しっかりとお金を落としていく優良客になりました
。他にも、少し先の水辺には、庶民的ながらお洒落なカフェもあり、先月のブリストルでの用事の前に立ち寄り、グルテンフリーケーキの多さに驚いたのですが、今回、地域の食文化のレベルが高いわけが判明し納得。
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(贅沢)
こんな経緯で、午前中は、田園風景に佇む高級ベーカリーで用心深くパンを買い、お墓掃除の後に、これまた高級ファームショップで珍しい卵とコッツウォルズ産のチーズを買って、車で10分程移動し、午後からは、産業遺産群の再生カフェでのランチと古本ショッピングに続き、のんびり水辺の散歩という、コッツウォルズ内の経済格差を経験をしましたが、押し並べて、質が高くgood valueという印象でした。
バーミンガムの財政破綻による、これからの懸念の中で、我が家も、ここまでというラインを設けて、残念ながら、その時が来たら、この共同体近くに引っ越すのも良いかもしれないなと、密かな候補地の1つになりましたが、便利なバーミンガムでの生活は捨てがたくもあり
、悪いなりにも、財政状況が改善されて行くのを祈るばかりです。
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by bham
| 2023-09-07 23:09
| コッツウォルズ
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